ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

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執筆意欲がある内にガンガン進めようと思います!
いつもたくさんの感想・評価をありがとうございます!

それでは、どうぞ!


1年生 3学期:クラス内投票
Episode 47 破滅への序曲(オーヴァーチュア)


 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――坂柳が起こした掲示板事件が解決してから数週間が経過した。

 

この間に南雲生徒会長の退任と退学が決定し、新生徒会長には桐山先輩が就任することになった。拡散したのが学内だけで名誉毀損の判定が難しい坂柳と違い、南雲が行っていたことは完全に真っ黒な犯罪行為であったため学校側も早急に対応したようだ。結果、2年生を掌握していた南雲が居なくなったことで殆どの2年生は相当荒れているらしい。そんな中、南雲を含め関与していた他の生徒会役員も退任した生徒会を正しく機能させるため、桐山新生徒会長は急遽生徒会の増員を図り―――

 

 

―――新たに3()()()1()年生(・・)が生徒会入りを果たした。

 

 

「まさか、こんな形で生徒会入りすることになるとは思わなかったわ」

 

「元々志願していたから願ったりではあるが、堀北と同じく思うところがあるのは確かだな」

 

「謝るのは違うってのは分かってるんだが、何というか、その……悪いな」

 

生徒会室にて業務に勤しんでいる新生徒会(・・・・)役員の(・・・)堀北鈴音(・・・・)()葛城康平(・・・・)の言葉を聞いて、現状が自分の行動による結果であるため責任を感じ2人に声をかける。

 

「謝ることはないぞ、虎城。望んでいた形での参入ではなかったが、生徒会に入れたことに違いはない。しっかりと仕事を全うしようと思う」

 

「葛城君の言う通りね。それに、私達より貴方と一之瀬さんの方が負担は大きいでしょう?」

 

そう言う堀北と話を聞いていた葛城は、俺と今は不在の一之瀬が座る机に置かれたネームプレートを見ていた。

 

 

―――【生徒会書記 虎城優斗】

 

―――【生徒会副会長 一之瀬帆波】

 

 

「入学した時は、生徒会に入るなんて思ってもみなかったんだけどな……」

 

3人目の新生徒会入りを果たし書記の役職まで与えられたのは1年Bクラスの虎城優斗―――即ち、俺であった。南雲という障害が無くなり現生徒会長と元生徒会長それぞれから推薦されれば、流石に首を縦に振らざるを得ない。無論、龍園からは許可を貰っているし何なら生徒会が特別試験に多少口出し出来ることを知るとむしろ入れと言われた位である。

 

「さて、そろそろかな」

 

生徒会室に設置された時計の時刻を見てそう呟いた少し後、生徒会室の扉が開かれ2人の生徒が入ってきた。

 

「―――3人とも、揃っているな」

 

「今日から暫くの間、よろしくお願いしますね」

 

―――元生徒会長である堀北学先輩と、元生徒会書記の橘茜先輩である。

 

現生徒会長である桐山先輩と欠員によって急遽副会長に就任した一之瀬は、引き継ぎ作業や2年生の状況により多忙を極めている。人員を追加しても入ったばかりの俺達3人は即戦力としては見込めないのは分かりきっているため、元生徒会である堀北先輩達に生徒会の仕事のやり方を学ぶのはどうかと俺から提案した結果、2人とも指導役を快く受けてくれたという訳だ。

 

「指導役を受けてくれてありがとうございます。堀北先輩、橘先輩」

 

「元々この状況になったのは後継を正しく育てることが出来なかった俺にも責任がある。卒業まであと1ヶ月程しかないが、出来る限り力になろう」

 

「私も、微力ながらお手伝いしますね」

 

堀北先輩と橘先輩の言葉を受けて再度お礼を述べてから、早速指導に入ってもらった。

 

 

―――こうして、新しい生徒会が発足したのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――3月1日。

 

様々な出来事があった2月が終わり、本日は2月末に実施された学年末試験の結果発表日である。

 

「さて、それでは学年末試験の結果を発表します」

 

教壇に立つ坂上先生がいつものように紙を黒板に張り出す。クラス全員分の全ての教科と点数、そして赤点のボーダーラインである赤線の下部分に今回も名前は記載されていなかった。

 

「見ての通り、今回の試験でも赤点を取った生徒はいませんでした。クラスの平均点も目に見えて向上しています。皆さん、よく頑張りましたね」

 

坂上先生の言葉に先程まで張り詰めていたクラスの空気が弛緩したことが分かる。

 

「例年通りであれば、この後は学年末特別試験のみなのですが……」

 

そう言う坂上先生は少し複雑な表情で言葉を続けた。

 

 

 

「―――急遽、追加で特別試験を実施することが決まりました」

 

 

 

坂上先生の言葉にクラスメイト達がざわつき出す。学年末試験を乗り越えたと思ったら、何の前触れもなく特別試験が追加されたのだから不満が出て当然だろう。

 

「本年度入学の生徒達は学年末試験を終えても退学者が1人も出ていない。これはこの学校始まって以来、前例がない快挙です。そんな優秀な君達に負担を強いるのは私としても非常に心苦しいですが、受け入れて貰いたい」

 

「快挙だのはどうでもいい。坂上、試験内容を教えろ」

 

「……龍園君、敬語を使いなさい。では、特別試験の説明をします」

 

坂上先生の気遣いをばっさり切り捨てた平常運転な龍園の物言いに、呆れつつも何処か嬉しそうに注意し特別試験の説明に入った。

 

「今回の特別試験の内容は、クラス内投票です」

 

「クラス内投票?」

 

「4日後にクラスメイトの中から賞賛に値する生徒3名、批判に値する生徒3名を投票してもらい、賞賛票から批判票を引いた数を結果とし順位をつけます。そして、1位の生徒には特別報酬としてプロテクトポイントが付与されます」

 

「あの、坂上先生。プロテクトポイントって何でしょうか?」

 

初めて出る単語に愛里が手を上げて質問すると、坂上先生は眼鏡の位置を直しながら答える。

 

「プロテクトポイントとは、今回から導入された新システムになります。その効果は、一度だけ退学処置を回避出来るというものです」

 

その破格の効果を聞きクラスメイト達は色めき立つが、原作知識を持つ俺は勿論、参謀である椎名と金田も何かあると考え眉を顰めた。

 

「―――坂上。最下位の奴は退学か?」

 

龍園の言葉に騒いでいたクラスメイト達が息を呑む。一拍置いてから、坂上先生は龍園の言葉を肯定するように頷いた。

 

「……龍園君の予想通りです。最下位の人は退学処分となります」

 

その残酷な処分に先程とは真逆の意味でクラスメイト達がざわつき出す。

 

「この特別試験は1位と最下位を決めるまで再投票を繰り返します。また、他クラスの生徒に投じるための専用の賞賛票も各自1票持っていますので、クラス内の票をコントロールすることによる退学回避は不可能です。そのため、今回の退学者によるクラスポイントへのマイナスは行われません」

 

「……坂上先生。2000万プライベートポイントによる退学者救済は可能でしょうか?」

 

原作からの乖離で2000万での救済が出来ないなんて事になっていないか不安だった俺の質問に、坂上先生は力強く頷いて見せてくれた。それを見てクラスメイト達から安堵の声が漏れる。

 

「はっ、なるほどな。俺等の学年が抱え込んでる大量のプライベートポイントを使わせるための試験って訳だ」

 

「……想像にお任せします。また、現在学校からの処罰待ちであるAクラスの坂柳有栖さんはこの特別試験を免除されていますので、先程申し上げた他クラス生徒への賞賛票も対象外となります」

 

「はぁ!?坂柳の奴こそ対象にすべきでしょ!?」

 

坂柳の免除に伊吹が声を荒げて抗議する。他のクラスメイト達も怒りを露わにしだす中、龍園が笑い出す。

 

「クククッ!まぁ落ち着け、伊吹。むしろ、坂柳の性格なら残らされる方が退学するより屈辱的だ。Aクラスが1番の嫌われ者(坂柳)を選べないのは、むしろ俺達には得しかねぇ」

 

龍園の言葉に伊吹含めクラスメイト達は納得したようで一旦の収まりをみせたのを見計らって、坂上先生は話を締める。

 

 

「クラス内投票のルール説明は以上になります。

 

 

 

―――皆さんが無事、今回の特別試験を乗り越えることを祈っています」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

坂上先生が教室から去り静まり返った空気の中、いつものように龍園が教壇に移動した。

 

「クククッ。てめぇらの心情を汲んで、優しい俺が結論から言ってやる。

 

 

 

―――誰が(・・)最下位に(・・・・)なっても(・・・・)救済(・・)してやる(・・・・)。俺に従ってきたお前等を切るような真似はしねぇ」

 

龍園の言葉に俺含めクラスメイト全員が安堵する。現在のクラス貯金は6000万を超えているため、今回の救済処置と清隆のクラス移動の分を充分確保出来ているのが大きい。

 

 

 

「―――だが、最下位には(・・・・・)俺から(・・・)相応の(・・・)処分を下す(・・・・・)。最下位に選ばれる事を重く受け止めろ。言っておくが、連んで賞賛票を入れ合うなんて真似はするな」

 

 

 

続いて放たれた龍園の言葉に、教室内の雰囲気が一気に引き締まる。退学が無くなったと緩んでいたクラスメイト達の気持ちを引き締め、特別試験に真剣に向き合わせるのは流石は龍園だと尊敬する。

 

「他クラスの生徒への賞賛票は俺が指定した奴に入れろ。名前は投票前に虎城から連絡させる」

 

投票する先なんて確定しているようなものだから、俺に視線を向けてきた龍園に頷いてみせる。

 

 

 

 

「―――誰を賞賛するか批判するか、自分の中で徹底的に考えろ」

 

 

 

 





次回予告

山内春樹「おいおい、最悪な特別試験が始まっちまったじゃねぇかよぉ!」

綾小路清隆「必ず退学者を出す特別試験。かなり理不尽だが、A・B・Cクラスは救済分のプライベートポイントを確保出来ている。足りてないのはDクラス(俺達のクラス)だけだろうな」

山内春樹「それがやばいんじゃねぇか!マジでどうすんだよ!」

綾小路清隆「……堀北や平田が打開策を思い付くのを待つしかないな」

山内春樹「なぁ、俺は夏休みにクラスポイントに貢献したんだから批判されないよな?な!?」

綾小路清隆「次回『Episode 48 リーダーの素質』」

山内春樹「答えてくれよ、綾小路ぃ!」

【参考】短めの小話(日常の一部切り取り的な話や入学時別クラスの番外編等)って需要ある?

  • 読んでみたい!
  • 本編の執筆に影響がなければOK!
  • それより本編を進めるんだよぉ!
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