ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

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いよいよ1年最後の特別試験まで来ました!
この調子で今後も執筆頑張っていこうと思います!

いつも感想・評価、誤字報告ありがとうございます!
※活動報告に上げましたが、評価設定を少し変更したこと、念のためこの場でもお伝え致します。

それでは、どうぞ!


1年生 3学期:選抜種目試験
Episode 53 1年生最後の特別試験


 

 

 

 

 

 

 

 

 

───清隆が移籍してきた翌日の日曜日。

 

ケヤキモールに併設されているジムで俺───虎城優斗は筋トレに励んでいた。生徒会に所属してからデスクワークが急増しジムに来る頻度が減っていたため、久し振りに身体を動かしに来た訳である。

 

「28……29……30っ。ふぅ」

 

ベンチプレスを目標セット数完遂し、一旦椅子に座って休憩する。持参したスポーツドリンクを飲んで辺りを見渡していると、見知った顔がランニングマシンで汗を流しているのが目に入ったので声をかけるため近付いた。

 

「伊吹も今日来てたんだな」

 

「ん?……あぁ、虎城か。まぁね」

 

こちらに視線を一瞬向けた伊吹はランニングマシンを止め、汗をタオルで拭きながら言葉を返してきた。

 

ジム(ここ)で会うの久し振りね。貴重な休日は愛里とデートすればいいのに」

 

「放課後にデートしてるから問題ないよ。それに、たまには身体を動かさないと鈍っちゃうからね」

 

「……あっそ。これからひよりに勉強教えてもらう約束があるから、これで上がるわ」

 

俺の返答に伊吹は何処か呆れたように生返事し、更衣室に向かおうと数歩進んだ所で足を止めた。

 

「───混合合宿で、愛里を坂柳と接触させたのはアタシのミスだ。悪かった」

 

「あれは気にしないでいいよ。坂柳は南雲から情報を得ていて、混合合宿での接触がなくても起こっていただろうから、伊吹が責任を感じることは───」

 

「だとしても、どっか(・・・)のバカ(・・・)と同じで(・・・・)アタシ(・・・)自身が(・・・)許せない(・・・・)のよ(・・)。……次は絶対守ってみせるから」

 

まるで自分自身への宣誓にも思える言葉を言った後、今度こそ更衣室へと向かって行く伊吹を頼もしく思いながらも、俺も負けていられないと再度トレーニングに戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

───3月8日。

 

急遽行われたクラス内投票(特別試験)から2日が経過した月曜日。ホームルームを告げる鐘の音と共に清隆を連れ立って教室に入ってきた坂上先生の顔は喜色に染まっていた。

 

「───1年度の最終特別試験の発表の前に、クラスポイント変動と移籍について連絡します」

 

そうして坂上先生は持っていた紙を黒板に張り出す。

 

 

────────

Aクラス:1043cp

 

Bクラス:1276cp

 

Cクラス:953cp

 

Dクラス:219cp

────────

 

 

「……あれ?」

 

「私達のポイント……」

 

「も、もしかして……!」

 

張り出された内容を見てクラスメイト達がざわつき出す。その疑問に答えるように、坂上先生が口を開いた。

 

「坂柳有栖さんが起こした掲示板の件により、()A()クラス(・・・)から私達()B()クラス(・・・)へ50クラスポイントが分配されました。また、今回は特殊ケースで減少値は半分となっていますが、退学者が出たことにより()A()クラス(・・・)は追加で150クラスポイントの減少も入っています。

 

 

 

───結果、本日付けでこのクラスはAクラスに昇格を果たしました」

 

 

『うおおおおっ!!』

 

 

坂上先生からの宣言を受けて殆どのクラスメイト達から歓声が上がる。1年経たずに入学時CクラスがAクラスに昇格するというのは誰が見ても大金星だろう。

 

「元Aクラスにとって、坂柳は最後まで疫病神だったな」

 

「クククッ、違いねぇ。想定より少し早いが、まぁ問題はねぇな」

 

俺の言葉に龍園が愉快そうに笑って返す。

 

「それと龍園くんから聞いていると思いますが、本日からこのクラスに綾小路清隆くんが移籍してきました。綾小路くん、自己紹介をお願いします」

 

「……Dクラスから移籍した綾小路清隆です。趣味は読書で、ピアノと書道を習ってました。このクラスの皆に認めて貰えるよう、精一杯頑張ります」

 

坂上先生の言葉を受けて、清隆が軽く自己紹介を行うと石崎や椎名を筆頭に一昨日打ち明けた何人かのクラスメイト達も拍手で迎え入れる。

 

「綾小路くんの席は一番後ろに用意しましたので、そちらにお願いします」

 

「わかりました」

 

急遽追加された一番後ろの席に清隆が着いた所で坂上先生は頷き、1度教室内を見渡し口を開く。

 

「───では、これより1年度の最終特別試験の発表を行います」

 

特別試験という言葉に教室内の空気が切り替わり、全員が先生の話を聞く態勢を取った。

 

「特別試験は各クラスの総合力で競い合う『選抜種目試験』。ペーパーシャッフルの時と同様、対戦クラスを決めて行われるクラス同士の直接対決方式の試験になります」

 

そうして坂上先生から『選抜種目試験』の詳細な説明が行われた。

 

 

 

【特別試験:選抜種目試験】

 

○各クラスは試験で争う10種目を提示する。学校が認める範囲であればどのような種目でも提示可能である。

※以下内容に抵触する競技は登録不可

・同一種目の登録

・設備、季節、人数の問題で実施困難な種目

・マイナーすぎる競技

 

○提示する種目について、引き分けが起こらないルール設定と『司令塔』の関与内容を明記して提示する必要がある。

※筆記問題については学校側で問題を作成する

 

○選抜種目試験当日に、各クラスは10種目から5種目を『本命』として提出する。試験は『本命』として提出された10種目からランダムで選ばれた7種目で戦う。

 

○各生徒が出場出来る種目は1つであり、2つ以上の種目に参加することは出来ない。ただし、クラスメイト全員が種目に参加した場合に限り2つ以上の参加を可能とする。

 

○4勝したクラスの勝利だが、クラスポイントの変動に関わるため7種目全てを行う。

 

○1種目につき30クラスポイントを勝利クラスは敗者クラスから得る。選抜種目試験に勝利したクラスは学校から報酬として100クラスポイントを得る。

 

○クラスから1人、『司令塔』を選抜する。『司令塔』は種目に直接参加することは出来ないが、各ルールで決められた範囲で『司令塔』は種目に介入出来る。

 

○『司令塔』は勝利した際に個別にプライベートポイントを得るが、敗北時は退学処分となる。

 

 

 

「以上が、今回の特別試験の概要になります。それから、司令塔になった生徒は対戦クラスを決めるくじ引きを行うため、本日の放課後に多目的室に集まってもらいます。対戦クラスをどこにするか、予め決めておくようお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

坂上先生が教室から去った後、授業まで僅かな時間。

教壇に立った龍園はこのクラスの王になった時と同じ笑みを浮かべていた。

 

「さて、宣言通りお前らをAクラスへ連れてきてやったが……間違っても調子に乗るな。むしろ、一之瀬や葛城はこれを機に結託してでも俺達を蹴落とそうとしてくる筈だ。そのことを頭に叩き込め」

 

龍園の言葉に未だ浮わついていたクラスメイト達の顔が引き締まる。それを確認した龍園は、俺へと視線を向けた。

 

「虎城、『司令塔』はてめぇがやれ。

 

 

───今回の特別試験は正攻法(・・・)しか(・・)使わ(・・)ねぇ(・・)。純粋な能力勝負でどれだけやれるかを把握する」

 

「なるほど。了解、龍園」

 

俺の返事を聞いた龍園は教室内を見渡し、再びクラスメイト達に視線を向ける。

 

「仮にもAクラスに上がったんだ。正攻法でも負けねぇよう気合い入れろ」

 

龍園からの激励に、クラスメイト達は力強く頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───放課後、特別棟の多目的室。

 

それぞれのクラスを受け持つ担任の教師が見守る中、4人の生徒が向かい合って座っていた。Bクラスの葛城康平、Cクラスの一之瀬帆波、Dクラスの平田洋介。そしてAクラスである俺───虎城優斗が各クラスから選抜された『司令塔』である。

 

(やっぱり、他のクラスもプロテクトポイント所持者が『司令塔』になってるな)

 

そうして各生徒に視線を向ける中、俺は1人の生徒に対して違和感(・・・)を覚えた。

 

(清隆を引き抜きに行った時に何も喋らなかったから、てっきり原作と同じで心が折れたのかと思ってたけど……なんというか、しっかりしてる気がするな)

 

改めて、俺の正面に座っている平田に視線を向ける。その表情は廃人や自暴自棄のそれではない、確かな意思があるように見えた。

 

「各クラスの司令塔が揃いましたので、対戦するクラスを決めたいと思います。目の前の4つの封筒の内1つに選択権の印が書かれた紙が入っており、それを引いた生徒に対戦クラスの選択権が与えられます」

 

平田の様子が気になるが坂上先生の話が始まったため、一旦意識を切り替える。くじはAクラスから順に引くとのことなので、最初に俺が引くことになった。

 

「残念、ハズレです」

 

一番右の封筒を選んで中に入っていた紙を広げたが、結果は白紙であり選択権を得ることは出来なかった。続いてBクラスの葛城が封筒を選んで中を確認する。

 

「……当たりです」

 

対戦クラス選択権と書かれた紙を広げて見せる葛城。一之瀬はそれを見て少し残念そうにしていた。

 

「では葛城くん。対戦するクラスを選択してください」

 

「……俺達Bクラスは、Dクラスとの対戦を希望します」

 

葛城が対戦相手に指名したのはDクラス。坂柳が抜けたことで派閥争いも無くなり漸くクラスを纏めることに成功したとはいえ、纏まってから日が浅くBクラスに降格した現状、更にはCクラスとのポイント差も余裕がないことを鑑みればここは手堅く勝てるDクラスを選ぶのも納得だ。

 

「平田。悪いが、手加減はしないぞ」

 

「こちらこそ。よろしくね、葛城くん」

 

葛城の言葉にしっかりと受け答えする平田を見て1度探りを入れようと決める中、一之瀬が俺に視線を向けて口を開く。

 

「それじゃあ、私達は虎城くん達とだね。よろしく!」

 

「あぁ。お手柔らかに、一之瀬」

 

 

 

 

───こうして、選抜種目試験の対戦相手が確定した。

 

 





次回予告

石崎大地「それにしても綾小路。龍園さんが呼び込む程だから、お前実は凄かったりするのか?ほら、今流行ってる実力隠す系主人公、みたいな?」

綾小路清隆「そんなのが今流行ってるのか?」

石崎大地「天然属性まで付けなくていいんだよ!」

綾小路清隆「それよりも石崎。ちょっと相談にのって欲しいんだが……」

石崎大地「お、おう。そんな深刻そうな顔してどうした?もしかしてクラスの面子が何か───」

綾小路清隆「席が皆からはみ出た位置だから、疎外感があってな……」

石崎大地「仕方ねぇだろ、41人で切りがワリィんだから!」

綾小路清隆「次回『Episode 54 憧れに追い付くために』」

石崎大地「いつか俺も、龍園さんや虎城さんに追い付いてみせるぜ!」

【参考】短めの小話(日常の一部切り取り的な話や入学時別クラスの番外編等)って需要ある?

  • 読んでみたい!
  • 本編の執筆に影響がなければOK!
  • それより本編を進めるんだよぉ!
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