ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

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Episode 5 勉強会と接触

 

 

 

 

 

 

5月1日にあった【Sシステム】発表から1週間が経過した。

 

「石崎、そこの問題はこの公式を使うんだ。それでもっかいやってみてくれ」

 

「う、うっす!」

 

「山脇、小宮。さっき解くように言った問題は出来たか?」

 

「今解けました」

 

「自分はまだ……」

 

「了解だ。山脇はこの問題を解いててくれ。小宮、どこで詰まってる?」

 

現在は放課後であり、場所は図書室の一角で石崎、山脇、小宮のクラス成績下位組に勉強を教えている真っ最中である。

 

「よし、今日はこれで終わりにしよう。お疲れ様」

 

「虎城さん、ありがとうございます!」

 

「「ありがとうございます!」」

 

区切りが良いため、いつもより少し早いが勉強会を終了する。ちなみに石崎のような龍園に屈伏させられたクラスメイトは、俺にまで敬語で接してくる。最初は同級生だし、ため口でいいと言ったのだが直らなかったので受け入れることにした。図書室を後にする石崎達を見送った後、少し離れた場所にいる愛里と金田を含むもう1つの勉強会チームに合流する。

 

「あ、優くん。お疲れ様」

 

「お疲れ様です、虎城氏」

 

「お疲れ、2人共。そっちの進捗はどう?」

 

「うん、順調だよ」

 

愛里の後ろのテーブルを見ると、クラスメイトの大半が勉強会に参加していた。ざっと確認したところ、伊吹とアルベルトの姿は確認できるが、椎名の姿が見当たらなかった。強制ではないから仕方ないと言えばそうだが、出来れば参加してほしかったところだ。

勉強会を開くにあたって俺が実施したことは至って単純だ。石崎達成績下位組は俺か金田のどちらかが付きっきりで見る少人数方式、残りの人達は皆で教え合う大人数方式の2つの方式で分けて勉強会を開いただけである。

 

(奇しくも、原作Dクラスと同じ形になったな)

 

そんな既視感を覚えながらも、自分も勉強をするため、愛里の隣の椅子に座る。

 

「石崎達もしっかり勉強してくれているし、今のところ、どっち(・・・)も順調だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は過ぎ、中間テストを2週間後に控えた月曜日の朝。

 

「皆さん、おはようございます。今日は朝のホームルーム前に連絡事項があります」

 

坂上先生はそう言うと、プリントを配る。

 

「2週間後の中間テストですが、全教科で出題範囲が変更されました。今配ったプリントに記載されている範囲が中間テストの範囲になります」

 

坂上先生の言葉に、クラスメイト達は不満気だ。

それもそうだろう。1科目だけならまだしも、すべての科目のテスト範囲の変更。普通なら大問題にも成りかねない。

 

「大丈夫です。早々にBクラスに上がった優秀な貴方達です。必ず赤点を回避し(・・・・・・・・)中間テストを乗り越えられるでしょう。それでは、朝のホームルームを始めます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「座れ、お前等。話がある」

 

 

その日の放課後、勉強会のため図書室へ向かおうとした俺達を含むクラスメイト全員を、再度椅子に座るよう命令する龍園。

皆は少し不満気だが、1人も逆らうこと無く席に着く。そのタイミングで龍園が教壇の前に立つ。

 

「この中に、今朝の坂上の言葉に疑問を持った奴はいるか?」

 

龍園の言葉の意味が分からず、大半のクラスメイトは首を傾げている。

 

「……虎城、てめぇはどう思った?」

 

クラスメイトから声が上がらないと判断したのか、龍園の問いが自分に向けられる。

 

「疑問というか、坂上先生が必ず赤点を回避出来るって言ったことは気になったかな」

 

「……クク。あぁ、その通りだ。俺もそこが引っ掛かった」

 

俺の答えに龍園は満足気に頷く。

 

「急なテスト範囲の変更が、1科目でなく全科目。にも変わらず坂上は必ず赤点を回避出来ると言い切った。明言出来ないことは絶対に言わない教員が、だ。つまり、この中間テストには赤点を必ず回避出来る方法が存在する」

 

龍園の言葉にクラスメイト達は驚きを露わにしていた。

 

(凄いな。原作知識がある俺とは違って、坂上先生の1言だけでそこまで推測したのか……)

 

本当にレベルが高いことを思い知らされる。

 

「俺はその方法を探す。成績が悪い奴は虎城の勉強会にしっかり参加しておけ。それから伊吹、お前は俺を手伝え」

 

龍園はそう言って、嫌な顔をしている伊吹を連れて教室を出ていった。

 

「……と、取り敢えず今日も勉強会をするから、参加したい人は図書室に来てくれ」

 

その後張り詰めた空気を何とか霧散させ、いつも通り図書室で勉強会を実施して1日を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中間テスト範囲の変更から1週間が経過した。

今日も今日とて石崎達に図書室で勉強を教えていたのだが、いつもと違う点が1つ。

 

「フランシス・ベーコンだ!」

 

「正解っ!」

 

テーブル1つ分程離れた席で、Dクラスがこちらと同じく勉強会を開いていたのだ。しかも図書室だというのに、かなり騒がしい。

 

(これって確か、Dクラスが間違った範囲を勉強してることを知るイベントだったな)

 

先程言っていた人物名からして、やはり変更前の範囲を勉強しているらしい。

 

「……今日はここまでにしておこう。偶にはゆっくり休むのも必要だ。言っておくが3人とも、絡みに行くなよ?」

 

「わ、わかりました、虎城さん」

 

これに関しては茶柱先生が全部悪いのだが、だからといってわざわざ教える義理もないため、この場から退散するとしよう。それに綾小路が動けば、どうせ過去問を手に入れて原作の流れになるだろう。

 

(まぁ、この頃のDクラスが嫌いって理由もあるけどな)

 

念のため、石崎達が図書室から出るのを確認してから帰り支度を始める。

大人数方式の勉強会チームは、今日は気分転換に別の場所で集まって勉強しているため、此処に来ていないのは運が良かった。

 

 

 

 

 

「ねぇ、ちょっといいかな?」

 

 

 

 

 

帰り支度が整って席を立ったタイミングで、声を掛けられたので振り返って声の主を見る。

ストロベリーブロンドの綺麗な長髪に加え、愛里に匹敵し得るプロポーション。明るく社交的な性格と人望により、現Cクラスを纏める人格者―――一之瀬帆波がそこにいた。

 

「確か、Cクラスの一之瀬さん、だよね?」

 

「私のこと知ってくれてるんだ、嬉しいな!」

 

そう言って一之瀬は笑顔で言葉を返してきた。確かにこの笑顔なら納得の人気と言える。

 

「有名人だからね、一之瀬さんは。ただ、話をしたことはなかったと思うけど」

 

「うん、これが初めましてであってるよ。Bクラスの虎城くん?」

 

一之瀬に名前を呼ばれて、驚くがすぐに取り繕う。どうやら、俺だと分かっていて接触してきたようだ。

 

「……一之瀬さんも俺のことを知ってるんだね」

 

「勿論だよ。虎城君だって有名人だよ?龍園君と合わせてBクラスを纏めてるって、ね?」

 

一之瀬がこのタイミングで俺に接触してくるということは、龍園が実施しているCクラスへの嫌がらせについて、問いただしに来た感じだろうか。

 

「龍園と合わせてって……嫌なこと言われてそうだな」

 

「そう思われるようなこと、龍園君はしてるってことかな?」

 

「龍園にも良いところは勿論あるんだけど、善人かって聞かれたら、流石に肯定しきれないかなぁ」

 

龍園の悪人面を思い出しながら言った言葉に、一之瀬がグイグイ斬り込んできたので、本当のことを言葉を上手く濁して伝え、追求を反らす。

 

「……5月に入ってから、Bクラスの生徒に言い掛かりをつけられたって言ってくるクラスメイトが、何人もいるの」

 

毅然とした態度で、一之瀬は俺に言ってくる。

 

「クラスメイトに呼びかけて、止めるようにお願いすること出来ないかな?」

 

「それなら俺じゃなくて、龍園に頼んだらどうだ?どう聞いたのかは知らないけど、クラスを纏めているのは龍園で、俺は少しサポートしてるだけだよ」

 

「虎城君なら、止められるんじゃないかなって。龍園君にはもう言ったんだけど、逸らかされちゃって…」

 

そういう一之瀬の表情は暗い。

 

(というか、既に龍園には言ったって、龍園からは何も聞いてないんだが……)

 

この件は龍園に後で聞くとして、今は一之瀬のお願いを聞くかどうかだ。俺は少し考え―――

 

「わかった。俺から龍園に提案して、クラスメイトに呼びかけるよう言ってみる。だが、あまり期待はしないでくれ」

 

一之瀬のお願いを聞くことにした。

 

「っ!ううん、言ってくれるだけでも助かるよ!ありがとう、虎城君!」

 

そう言って一之瀬は俺の手を取り、笑顔を向けてくる。

 

 

 

 

―――この一件で一之瀬は、俺であれば交渉の席についてくれやすくなるだろう。

 

 

 

今後Aクラスを目指す上で、他クラスとの交渉は必須だ。だが、龍園の性格を知っている者からすれば、交渉の席にすら着いてくれない者もいるだろう。

知略を駆使して、交渉せざるを得ない状況に毎回出来るとも限らない。そんな時に、俺という交渉の窓口は重宝するはずだ。

 

(先ずは俺が他クラスとの窓口になることを、龍園に提案して―――)

 

 

 

「おい、さっきっからうるせぇぞ!」

 

 

「「っ!?」」

 

 

これからの事を考えていると、すぐ近くから怒声を浴びせられ、俺と一之瀬は驚いて肩が跳ねる。

声のした方に視線を向けると、そこにはDクラスの須藤・池・山内(三馬鹿)がこちらを睨みつけており、その後ろには綾小路清隆(ラスボス)櫛田桔梗(承認欲求モンスター)堀北鈴音(孤高(笑))の3人の姿もあった。

 

 

 

 

【参考】もし虎城と佐倉の2人が龍園クラス以外だったら――

  • 葛城・坂柳クラス(初期Aクラス)
  • 一之瀬クラス(初期Bクラス)
  • 不良品クラス(Dクラス)
  • 龍園クラス以外認めない!
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