ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ 作:nightマンサー
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それでは、どうぞ!
───選抜種目試験の対戦相手決定後。
龍園含む主要面子と清隆が残っている教室に戻ってきた俺は、
「ほぅ?まさかあの状況から堕ちねぇとは、まだ楽しませてくれるらしいな?」
「今回は対戦しないけどね。今は一之瀬達との対戦をどうするか考えないと」
普通に考えれば俺達のクラスの総合力は一之瀬クラスには及ばない。しかし、選抜による少数での勝負であれば十分勝機はある。
「選ぶ種目は運動系を主軸にして、出来るだけ少数で行うものが良いかと思います。入学当初に比べて差は小さくなっているとはいえ、総合力では未だにCクラスの方が上ですからね」
「確かに、
───けど、龍園は多分そうじゃないんでしょ?」
金田の案に賛成しつつも、司令塔にプロテクトポイントを持つ俺を指名したことで龍園の思惑が別のところにあると感じた俺がそのことを龍園に問い掛けると、龍園は再び愉しそうに笑った。
「あぁ。今回の試験、勝ちを狙いにはいく。
───だが、
「ま、負けた方が良い!?」
凡そ龍園から出たとは思えない言葉に石崎が驚きの声を上げるが俺含め椎名や金田、そして清隆は龍園の考えていることが何かそれぞれ精度は違えどある程度予想を立てていた。そんな中、龍園は1人の生徒に視線を向ける。
「石崎と同じで真っ先に突っかかってくると思ったが……随分従順になったじゃねぇか、伊吹?」
「……別に従順になった訳じゃない。アンタがそう言うってことは、勝つよりも負けた方が良い理由があるってことでしょ?それを考えてただけ」
「ククッ、珍しく頭を使ってるじゃねぇか。なら、その考えの答え合わせをしてやる、言ってみろ」
龍園の言葉に渋い顔を返した伊吹だったが、ゆっくり自身の考えを口にする。
「今の一之瀬達との実力差を知るため……とか」
「当たらずとも遠からず、だ。そうやってこれからも頭を使っていけ。せっかくだ、解答は分かってそうな綾小路にしてもらおうか?」
伊吹の考えを聞いて満足気に回答した龍園は、視線を清隆に向けてそう告げる。
「恐らく、龍園の目的はクラスメイト達の意識改革だ。これまで勝ち続けてきたこのクラスは龍園と優斗に良い意味で従順、悪い意味で依存していて危機感が薄くなっている。Aクラスに上がったことで、それが更に悪化する可能性は高い。だからこそ、Aクラスに上がった直後のこのタイミングでの敗北は、クラスメイトの危機感を高めるのに良い薬になる筈だ」
「はっ。ここまで思考が似てるとゾッとするぜ」
清隆の回答に俺が付け加えた内容が正解であることを示唆した龍園の表情は、言葉とは裏腹に喜色を帯びていた。
「清隆くんの言う通りですね。今朝龍園くんが釘を刺してはいましたが、実際に負けて実力差を理解しないことには意識しづらいでしょうから」
「だな。まぁ、それでも勝ちを狙うから金田の案にあった運動系の得意な種目を入れるのは確定かな?」
「あぁ。明日、お前達含め雑魚共に得意な種目を洗い出すよう指示を出す。負けた方が好都合だが、勝ちを捨てる訳じゃねぇ。いいな?」
龍園の言葉に全員が頷き、その日は解散となった。
◆
───選抜種目試験通知から数日後。
早めの夕飯を食べて自室で寛いでいる俺は、クラスメイト達に記載してもらった特技を元に主要面子全員で選出した本命とブラフの種目それぞれ5つの計10種目を確認していた。次の月曜日に選んだ10種目が一之瀬達に開示されるが、本命種目を見分けるのは難しいだろう。
(皆で協力したお陰で休日返上しなくてよくなったから、明日は愛里とケヤキモールにデートに行こうかな)
今日は椎名との約束があり一緒ではない愛里に、明日デートに誘おうとメッセージを打とうとアプリを立ち上げたタイミングで、インターホンが来客を告げる音を鳴らした。
(こんな時間に誰だろ?)
そう思いながらインターホンのカメラで相手を確認すると、そこには清隆の姿があったので玄関に向かい扉を開ける。
「すまない、優斗。少し話があるんだが、今大丈夫か?」
「大丈夫だよ。さ、上がって上がって」
清隆を部屋へと招き入れ椅子に座るよう促した後、清隆の分の飲み物を渡してベッドに腰掛ける。
「それで、何があったんだ?」
「……」
俺の問い掛けに清隆は無言で返す。恐らく言いたいことを纏めているのだと当たりをつけて、清隆から話し出すのを待つことにした。そうして1分程経過し───
「……去年の体育祭前に話したことで、優斗に相談に乗って貰いたい」
───そう、はっきりと口にした。
「ん?体育祭前って言うと、確かポーカーで遊んでそれから…………んっ!?」
清隆の言っている内容に最初心当たりがなく、何だったか思い出した所で思わず声が漏れてしまった。
「念のための確認だけど、それは椎名とのことってことで合ってるよな?」
「あぁ。その件だ」
───体育祭前、清隆を部屋へと招いてポーカーで遊んでいた最中に椎名の話をした清隆が喜色を分かりやすく見せた。清隆自身も分かっていないその現象の答えを考えるため部屋を後にする清隆に、当時の俺は何時でも相談に乗ると約束したのだ。
「
「ちょっと待て?今、椎名のこと名前で呼んでなかった?」
「去年の冬休み辺りから、お互い名前で呼ぶようになったからな」
「そ、そうか……」
しれっと名前呼びになっていることを言及するが、何でもないようにさらっと経緯を口にしつつ清隆は話を続ける。
「オレが知ってる恋人関係は、優斗達と平田達だけだ。主に優斗達を見本に考えてるが、オレがひよりに抱く感情が優斗の佐倉に対するものと同じとは思えなくてな」
「あぁ、なるほどな」
清隆の言葉を聞いて、俺は改めて清隆が
「色々言いたいことはあるけど、最初に一番重要なのを言っておくぞ?
───恋愛で、他の恋人の関係を参考にするのは止めた方が良い」
「そうなのか?」
「あぁ。恋人関係の形は人それぞれで、全く一緒の形はほぼ無いと言っていい。一緒に居てずっと喋っている人達もいれば、ずっと無言でいる人達もいるだろうからね」
俺自身、前世を含めても殆ど他の恋人を知らないため大きな顔は出来ないが、それでも相談されたからには出来る限り力になろうと言葉を紡ぐ。
「それと、人を最初に好きになる理由は意外と単純だったりするよ。俺だって今は沢山好きな所があるけど、愛里を好きになった最初の切っ掛けは愛里の笑顔だったからな」
「……なるほど、これが石崎の言ってた惚気ってやつか」
清隆の言葉を受けた俺は、わざと咳払いをして分かりやすく誤魔化してから話を戻す。
「───だから、
「……それはそれで楽しそうだな」
俺の言葉をどう捉えたのかは分からなかったが、勘違いでなければ部屋に来た時よりも何処か憑き物が落ちたような雰囲気の清隆を見て安心していると、スマホが震える。
(ん?愛里からメッセージ?)
先程開いたメッセージアプリに愛里からのメッセージが届いていたので確認するが、その内容に思わず目を見開いた。
「……?優斗、どうかしたのか?」
「なぁ、清隆。明日って何か予定あるか?」
「特に何もないが、何かあったのか?」
俺の唐突な質問に答えつつ何かあったのかと尋ねる清隆に、俺は愛里からのメッセージ内容を伝えた。
「愛里から、明日出掛けようって提案された。
───メンバーは俺と愛里と清隆……そして
次回予告
桐山生叶「ようやく、2年生の混乱もある程度は沈静化出来てきたな」
一之瀬帆波「お疲れ様です、桐山生徒会長」
桐山生叶「一之瀬もお疲れ様。休日なのに呼び出して悪かったな」
一之瀬帆波「いえ、大丈夫です。特に予定もなかったですし、私で力になれるのなら喜んで手伝います!」
桐山生叶「そうか、助かる」
一之瀬帆波「次回『Episode 56 夕焼けの空の下で』」
桐山生叶「……これでは次回予告ではなく、近況報告だな」
【参考】石崎のヒロインを考えてるのですが、読者様のご意見を聞きたいと思いアンケートさせて頂きます。※個人名で出しているのは、作者の中での候補者になります。
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龍園クラス:真鍋志保
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龍園クラス:諸藤リカ
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葛城クラス:神室真澄
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葛城クラス:山村美紀
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葛城クラス:森下藍
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一之瀬クラス:姫野ユキ
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平田クラス:佐藤麻耶
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平田クラス:松下千秋
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平田クラス:長谷部波瑠加
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先輩、もしくは後輩の女子生徒
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龍園クラスの他の女子生徒
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葛城クラスの他の女子生徒
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一之瀬クラスの他の女子生徒
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平田クラスの他の女子生徒
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石崎にヒロインなど不要!