ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

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お待たせしました!
2年生編書くために原作を読んでいるのですが、5巻に近付くにつれて心が悲鳴を上げてます……(泣)

いつも感想・評価、誤字報告ありがとうございます!
それでは、どうぞ!


2年生 1学期:1・2年生パートナー筆記試験
Episode 60 新たなるステージ


 

 

 

 

 

 

 

───2年生となってから、初めての朝。

 

俺───虎城優斗は未だに微睡みの中にいた。

 

「優くん、朝だよ?」

 

何か聞こえた気がするが、元々朝に弱い上に昨日は色々と考え事をしていて遅かった為か、すんなり起きることが出来ずにいた。

 

「優くん、起きて?……優くん?」

 

再度何かが聞こえた気がして、意識がゆっくりではあるが徐々に覚醒してくる。

 

「お、起きないと、その……き、キス、しちゃうよ?なんて……」

 

最も聞き慣れた声に反応して重たい目蓋を上げる。視界に真っ先に入ってきたのは、高度育成高等学校の制服の上からエプロンを身に付けた俺の幼馴染みにして最愛の彼女───佐倉愛里だった。

 

「愛里」

 

「えっ!?ゆうく───」

 

起きた俺に驚く愛里の頬に手を当て、その唇に自分の唇で軽く触れる───所謂バードキスを落とす。

 

「おはよう、愛里」

 

「あ、えっと、お、おはよう、ごさいまひゅ……」

 

顔を真っ赤にして噛みながら返す愛里を可愛いと思いながら、ベッドから起き上がる。

 

「ごめんな。愛里が可愛くて、抑えられなかった。着替えてくるから、少し待ってて───」

 

そう言って洗面所に向かおうとした俺の手を、愛里がおもむろに掴んだ。

 

「愛里?」

 

「………も、もう一回、して欲しい」

 

「───」

 

 

───結局、俺と愛里が動き出したのはそれからたっぷり10分経った後だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

(今日から2年生か……)

 

愛里と一緒に学校への道を歩きながら、俺は入学時と同じようにこれからのことについて考えていた。

 

(諸々動かないといけないけど、最優先は1年生の動向確認───特に、あの(・・)3()()には細心の注意が必要だ)

 

暴力に一切の躊躇いがない宝泉和臣、ホワイトルーム生である天沢一夏と八神拓也。この3人の動向は確実に知っておきたい所だ。

 

(天沢は月城が行う特別試験がなくても、清隆が崇拝するに値する人物か確認するために必ず接触してくる。八神も、憎い清隆を直に見に来るはずだ)

 

原作と違い清隆は龍園クラス(俺達のクラス)の一員だ。どういった手を使ってくるかは分からないが、接触してくるのは間違いない。

 

(ありがたいのは、宝泉が接触してきた場合は月城の特別試験が行われている可能性が高いと分かることだな)

 

宝泉が清隆に接触したのは月城の特別試験が理由のため、宝泉が接触してくるか否かで月城の特別試験の有無がほぼ分かる形になる。

 

(忙しくなるのは確実だけど、無人島サバイバルは南雲がいない分は楽になるはずだ)

 

南雲と関係者2人が退学したことで、1491クラスポイントと圧倒的Aクラスであった南雲が所属していたクラスは900ポイントものクラスポイントを失い、Bクラスに転落した。現在は生徒会長を務める桐山先輩のクラスがAクラスに返り咲いており、そもそも南雲がいなくなった現3年生は学年総出で纏まるような状況ではない。お陰で夏休みの無人島サバイバルでの3年生の動きは分からないが、南雲が統率していた原作よりは楽になると想定している。

 

(勿論それで油断は全くしないし、逆に想定外の事態が起こる可能性は上がってるんだよな。本当に、この学校は次から次へと面倒事がやってくる……)

 

「優くん?どうかしたの?」

 

「……1年生が入ってくるから、少し今後のことをね」

 

考え込んでいた俺に視線を向けて問い掛けてくる愛里に考え事の輪郭のみ伝える。1年生に関しては原作通り天沢達が入学しているかを確認するまでは俺の取り越し苦労になるし、無人島サバイバルは開始までまだ時間がある。正確な情報が集まるまで愛里には勿論、誰にも話さないつもりだ。

 

「愛里さん、虎城くん」

 

後ろから愛里と共に名前を呼ばれたため振り向くと、椎名と清隆の姿があった。

 

「おはよう。ひよりちゃん、綾小路くん」

 

「2人とも、おはよう」

 

「おはよう」

 

立ち止まって椎名達と合流し、挨拶を交わして一緒に登校する。ちなみに少し先に龍園の姿を確認したが、この面子で声をかけても多分煙たがれるだろうから敢えて気付かない振りをすることにした。

 

 

「龍園さーん!虎じょ───ぐえっ!!」

 

「Wait」

 

「何やってんのよ……」

 

「石崎氏ですからね」

 

 

───ついでに、後ろから聞こえた友人達の声も聞こえない振りをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

体育館での始業式を終え、教室に戻ってきた俺達に坂上先生から本年度のスケジュールや必要事項の連絡が行われた。

 

「───連絡事項は以上になります。質問がある生徒はいますか?」

 

「坂上、本当に連絡事項はそれだけか?」

 

坂上先生の言葉に真っ先に食い付いたのは龍園。以前、坂上先生の言葉から過去問の存在に気付いた龍園は、伝え(・・)られる(・・・)べき(・・)連絡(・・)が入っていないことに気付いたようだ。

 

「……えぇ。連絡事項は余すことなく全て伝えました。それと、敬語を使うように」

 

「ククッ、そうか」

 

他の質問がないことを確認した坂上先生が教室から出ていくと、入れ代わるように龍園が教壇に移動する。

 

「さて、前と同じような質問をお前らにしてやる。この中に、坂上の連絡内容で何か気付いた奴はいるか?虎城、ひより、綾小路、金田は答えるな」

 

龍園の質問に、クラスメイト達は沈黙する。以前の過去問と同様の問いから、何かあると察しているがそれが何か分からないのだろう。

 

「───いや、そうか。俺達に口止めがされてないのか」

 

そう言葉を溢したのは、龍園に反発しがちな時任だった。

 

「去年1年生だった俺達に、学校のシステムは隠されていた。俺達は知ることが出来たが、上級生は学校側から口止めされてた筈だ。それが、坂上先生からの連絡にはなかった」

 

「流石に、自分が噛み付いた内容だけに覚えてたか。感心するぜ」

 

明らかに煽るように手を数度叩きながら、正解だと告げる龍園を睨み付けつつも時任は無言を通した。

 

「口止めが無かったってことは、今年の1年生共にはある程度学校のシステムが伝えられてる。つまり、システムを伝えておく必要があることが起こるってことだ」

 

「……特別試験、ですね」

 

椎名の言葉に、クラスの雰囲気が引き締まる。

 

「どういう試験か今は分からねぇが、1年生共を手駒にするには丁度いい」

 

「なるほど、他クラスより先んじて1年生と交流を深めておくということですね。仮に行われる特別試験が混合合宿のような全学年参加の協力型であった場合、先手を打つことが出来ます」

 

龍園の策を把握した金田がクラスメイト達に分かるように補足を行った後、龍園の視線が俺に向けられた。

 

「虎城。てめぇから何か言うことはねぇのか?」

 

「……龍園、前もって言ったろ?生徒会は特別試験に意見を言うために内容をある程度知ることが出来るけど、この1学期の間は契約で口止めされてるから言えないって。ただ一個人の意見(・・)としては、1年生と仲良くしておくのは良い案だと思うよ」

 

「ククッ、そりゃありがたい意見(・・)だな」

 

明言は避けているが、俺の反応から恐らく龍園は当たりをつけただろう。こういった事故を防ぐために、本来であれば全学年合同でない限り特別試験の内容は、それを受ける学年ではない生徒会メンバーが見ることになっている。南雲退学の影響で、少し前まで余裕のなかった生徒会でそれを実施するのが困難だったのとOAA導入の関係上、この1学期に実施される特別試験に限り内容を知っていたというのが事の経緯である。

 

(龍園が鋭すぎて、俺が何か言う前に既に正解してたようなもんだから仕方ないよな)

 

軽く現実逃避している間に、龍園は部活に所属しているクラスメイト達に1年生とコネを作るように指示を出し、その日は解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

───始業式から1週間後。

 

始業式直後は黒板がデジタルになり教科書もタブレットに置き換わる等、改めて国がこの学校に力を入れているのを感じ複雑な想いを抱いていたが、翌日行われた席替えで愛里と隣同士になれたことで喜びにほぼ塗り潰された。ちなみに清隆と椎名も隣同士となり、以前清隆が座っていた追加席には身長の関係でアルベルトが座っている。

 

「皆さん、揃っていますね」

 

チャイムと同時に教室に入ってきた坂上先生に視線が集まる。今日の1、2時間目に授業が入っていないことから、全員が何があるかを予想していた。

 

 

「───それでは、本日から導入されるシステムと特別試験について説明します」

 

 

 

 





次回予告

綾小路清隆「確か、ひよりは茶道部だったよな?活動する時は、やはり着物を着たりするのか?」

椎名ひより「いつもではないですが、着付けを練習したりするのでたまに着たりしますね」

綾小路清隆「そうか……」

椎名ひより「……清隆くん。今度、茶道部に遊びに来ませんか?私が点てたお茶を、清隆くんに飲んでもらいたいです」

綾小路清隆「っ!わかった、必ず遊びに行く」

椎名ひより「えぇ。楽しみにしてますね」

綾小路清隆「次回『Episode 61 1年生襲来』」

椎名ひより「ふふっ。清隆くんも、分かりやすい時があるんですね」

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