ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ 作:nightマンサー
2次創作は勢いがあるうちに進めるのが最善だと思ってます(笑)
いつも感想・評価、誤字報告ありがとうございます!
それでは、どうぞ!
「1時間目は、新しく導入されるシステムについて説明します。携帯を操作し、学校のホームページにアクセスしてアプリケーションを1つダウンロードして頂きます」
坂上先生の言葉と共に、黒板に実写映像の説明が表示される。俺───虎城優斗含むクラスメイト全員がそれに従い、over all ability───通称OAAのインストールが完了する。
「起動後に立ち上がるカメラで学生証を認識させることで、初期設定は完了となります。情報は携帯と紐付けされるため、今後は携帯の管理をより一層注意するよう心掛けて下さい」
そうして全員が初期設定を終えたことを確認した坂上先生は黒板の表示を切り替え、説明を続ける。
「このOAAには、この学校に在籍する全生徒の個人データが入っています。2年Aクラスの項目を選択すると君達の名前が五十音順で表示されるので、先ずは自分の情報を見ることをおすすめします」
坂上先生の指示に従いクラスメイト達が確認する中、自分がよう実のOAAで評価されることから俺の気分は少し高揚していた。
(さて、俺はどんな評価になってるかな?)
期待と多少の不安を胸に、自分の名前をタップする。
2-A 虎城 優斗(こじょう ゆうと)
1年次成績
学力 :A-(81)
身体能力 :B(70)
機転思考力:A+(94)
社会貢献性:A(90)
総合力 :A-(83)
(…………マジか)
あまりの高評価に言葉を失いかける。学力と身体能力はある程度予想通りだが、機転思考力と社会貢献性が想定以上だった。機転思考力は恐らく坂柳と南雲の件で全学年を動かしたと学校側に評価された結果で、社会貢献性についても生徒会に入っていることの加点を考えれば一応辻褄は合うが、正直ここまでとは思っていなかった。
(……取り敢えず、愛里のOAAも見てみるか)
少し落ち着くために、五十音順ですぐ下にある愛里の名前をタップする。
2-A 佐倉 愛里(さくら あいり)
1年次成績
学力 :B+(76)
身体能力 :D(32)
機転思考力:D+(38)
社会貢献性:A(88)
総合力 :C(54)
ぼんやり覚えている原作での愛里のOAAと脳内で比較するが、もはや別人と思う程に成長を遂げていることに嬉しさが溢れてくる。
「現在は1年次の成績のみ表示されていますが、2年生での評価は現在進行形で新たに行われます。更新はクラスポイント同様月の始めです。仮に学力E評価の生徒が次回の筆記試験で満点を獲得した場合、5月の更新で学力A+の評価を得ることになるでしょう」
「なんつーか、まるでゲームのステータスみたいだな……」
石崎の言葉に、俺含め多くの生徒が内心で同意していることだろう。その後、OAAの説明で1時間目が終わり休憩時間を経て2時間目に入る。
「それでは、特別試験の概要を説明します」
もはや恒例となりつつある坂上先生からの特別試験の説明が始まった。
「今回の特別試験は、今まで類を見ない新たな試みを取り入れたものになります。
───その内容は、新入生である1年生と君達2年生がパートナーを組んで行う筆記試験になります」
基本的に同学年での勝負を行ってきたこれまでの流れを否定するかのような内容に、クラスメイト達はどういうことかと違和感を覚えている様子だ。
「これまでの特別試験の傾向から、皆さんが不思議に思うのも無理はありません。ですが、実際に社会人として生きていく中で競争相手が同年代だけということは決してありえないでしょう。今回の特別試験は、そういった先を見越しての取り組みということです」
説明を聞き、クラスメイト達が一先ず納得したことを確認した坂上先生は改めて説明を続ける。
「先程は例として競争相手と表現しましたが、今回の特別試験に限っては1年生とは協力関係になります」
黒板に特別試験の情報が表示され、坂上先生から特別試験の詳細な説明が行われる。
【特別試験:1・2年生パートナー筆記試験】
【ルール】
○2週間後の月末、5科目の筆記試験を行う。
○1年生と2年生、1人ずつでペアを組む。どのクラスの誰と組んでも構わない。
○ペアの申請はOAAを通して行う。申請は1日1度だけ可能。承諾された場合、退学や大病等の止むを得ない場合を除きパートナーの解消は不可。
※承諾されなかった場合、申請は24時にリセットされる
○パートナーが確定した両名は、その翌日の朝8時にOAA上で情報が更新され、以降申請の受け付けが出来なくなる。
※パートナーを組んだ相手が誰であるかは明記されない
○期日までにペアを組めなかった生徒は、試験本番の朝8時に学校側がランダムでペアを決定する。この場合、ペナルティとして総合点から5%がマイナスされる。
○ペアを組めなかった者は点数を2倍として計算する。この場合、ペナルティとして総合点から5%がマイナスされる。
【学年別報酬】
○クラス全員の点数とパートナー全員の点数から導き出す平均点の高さで競う。
○1位50ポイント、2位30ポイント、3位10ポイント、4位0ポイントのクラスポイント報酬を得る。
【個別報酬】
○パートナーと合わせた点数の高さで競う。
○上位5組のペアに特別報酬として、各10万pptが支給される。
○上位3割のペアに特別報酬として、各1万pptが支給される。
【ペナルティ】
○ペアの合計得点が500点以下の場合、2年生は退学、1年生は保持しているクラスポイントに関係なくプライベートポイントの振り込みが3ヶ月間行われない。
○意図的に問題を間違えるなどして点数を操作、下げたと判断された生徒は学年に関係なく退学とする。同じく低い点数を第3者が強要した場合も同様にその者を退学とする。
【特記事項】
○筆記試験の難易度はそれほど高くはないが、高得点を取ることは難しい設定となっている。
※以下、OAA学力評価に基づく5科目合計点目安
学力E 150点~200点
学力D 200点~250点
学力C 250点~300点
学力B 350点前後
学力A 400点前後
特別試験について一通りの説明を終えた坂上先生が眼鏡を整えてから、俺達に再び視線を向ける。
「───以上が、4月に行われる特別試験の概要になります。皆さん、気を引き締めて取り組むように」
◆
───特別試験が通知された日の放課後。
部活に所属している椎名と金田を除く俺達Aクラスの主要メンバーは、ケヤキモールにあるカラオケの1室に集まっていた。
「ちょっと。こんな所で悠長にしてて良いわけ?」
3人用のソファーを1人で占拠し優雅に水を飲む龍園に向かって、立ったままの伊吹が声をかける。
「なんだ伊吹。なにか問題でもあるのか?」
「問題も何も、一之瀬は既に動き出してるじゃない。葛城だってもう動き出してて可笑しくないでしょ。
龍園が笑みを浮かべながら問い掛けると、伊吹は分かってるだろと言わんばかりに噛み付く。昼休みの間に一之瀬は全体チャットを使用し1年生と2年生の交流会開催を通知しており、今頃は交流の真っ最中だろう。葛城達Bクラスの動きはまだ掴めていないが、伊吹の言う通り動き出していると考えて間違いない。
「俺が動くのは明日からで問題ねぇ。それに、一之瀬は
「龍園の言い方はともかく、交流会に参加するのは学力に不安があるかコミュニケーションが苦手だったりする生徒が大半だろうから、そこまで気にしなくていいと思うよ」
「優斗の言う通りだろうな。それに、言うまでもなく主催した一之瀬の影響力が一番大きい。メリットが皆無なら、わざわざ敵陣に出向くことはないだろう」
龍園の言葉を、俺と清隆が補足する。
「葛城も動き出してると思うけど、多分こっちの
特別試験の説明が終わって最初の休憩時間、部活に所属しているクラスメイト達に龍園は2つ指示を出していた。1つ目は、部活の後輩にOAAで1項目でもB+以上の評価がある生徒に対してペアを組む意思があり
(原作とはクラスもプライベートポイントの保有量も違ってるから、実際にマネーゲームになったとしても俺達がかなり有利な勝負になる。まぁ、龍園は原作と同じで使える1年生の選別が本来の目的だと思うけど)
Aクラスというブランドに加え、クラスのプライベートポイントの貯金は2000万以上でありクラスメイトが各自所持しているポイントも相当だ。対して他クラスのプライベートポイントは、クラス内投票で退学者を救済しているため相当消耗している。Dクラスは救済していないが、手持ちは船上試験での600万だけであり俺達の半分にも満たないことから敵にはなり得ない。
「そういうことだ。分かったら寛げよ、伊吹」
「……はぁ。わかった。愛里、隣座るわ」
「あ、うん。どうぞっ」
俺達の説明と龍園の言葉に一応納得したのか、伊吹は既にソファーに座っていた愛里の隣に腰掛ける。ちなみに石崎とアルベルトは扉に一番近いソファーに座り、覗かれていないか警戒してくれている。
「そうだ、龍園。1つ確認しておきたいことがあった」
清隆が思い出したかのように、龍園に顔を向ける。
「───今後、オレは本気を出そうと思うんだが、構わないか?」
思いがけない言葉に驚いた俺は、目を見開いて清隆を凝視する。
「あぁ?当たり前の事を言ってんじゃねぇぞ、綾小路。俺は駒が手を抜くことを許可した覚えはねえ。それとも、俺のクラスはDクラスと同じで居心地悪くて成果を出したくねぇってか?」
「いや、そんなことは断じてない。すまなかった。今のは決意表明として受け取ってくれると助かる」
「初めからそうしてろ」
未だ驚きで固まっている俺に気付かず龍園と清隆の会話は終わったが、愛里達はむしろ色々と聞きたいといった雰囲気になっていた。
「何だよ綾小路、Dクラスでは手ぇ抜いてたってことか?」
「褒められたことじゃないが、その通りだ。……軽蔑するか?」
「んなことするかよ。そんなことされても仕方ねぇことをDクラスはお前にしてたわけだしな。俺は気にしねぇぜ!」
「……そうか」
「それで、本気出したらどこまでやれるわけ?」
ようやく驚きが収まった俺は清隆の評価を思い出す。清隆のOAAは全体的にC評価前後が多く、総合力は石崎と全く同じ評価。端から見れば、何故龍園が2000万という大金を使用して移籍させたか分からない位には平凡な評価である。
───最も、それはあくまで学校側が把握している実力に他ならない。
「そうだな。
───取り敢えず、学力は次の特別試験の筆記試験で5科目全て満点を取れる程度にはあるつもりだ」
「……は?」
伊吹の間の抜けた声がカラオケルームに響き、その後沈黙する。愛里や石崎もどう声をかけていいか分からず清隆を見ていたが、沈黙を破るように龍園が笑い声を上げた。
「ククッ、まさかそこまで豪語するとは思わなかったぜ。
───1度口にしたんだ。取り消しは聞かねぇぞ?」
「あぁ。龍園と虎城が慧眼だったことを証明してみせよう」
清隆の言葉でこの話題は終了したが、清隆の実力を知っている俺は筆記試験の結果発表で大混乱が起こるほぼ確実な未来を予想し、再び硬直してしまっていた。
◆
───特別試験通知の翌日。
俺達の予想通り、昨日成立したペアは10組と多くなくその全てが一之瀬のクラスの生徒であることをOAAから確認出来た。今回一之瀬達は無視するため特に気にせず、龍園から頼まれた1年生の情報整理を昼休みまでに完了させて龍園に送信する。こうすることで龍園が選定プランを考え、放課後すぐに行動出来るというわけだ。
「龍園さん、虎城さん。1年生2人がこっちに向かって来てます!」
放課後になり行動しようとした矢先、先に廊下に出ていた石崎からそう告げられ廊下に出てやってくる1年生を確認する。1人は大柄で目付きの悪い男子生徒、もう1人は金色の長髪の女子生徒。
(……OAAで入学してるのは把握してたが、接触してきたってことは、やはり月城の特別試験は実施されたんだな)
───龍園と悪名を二分した暴力の化身、
───幼馴染みである松雄栄一郎の自殺に間接的に関わる清隆に復讐を誓う復讐者、
───特別試験は、始まったばかりだ。
次回予告
戸塚弥彦「2年生の廊下を我が物顔で歩くなんて、先輩への敬意が足りない奴等だ」
山内春樹「全くだぜ!こりゃ先輩の凄さを知らしめてやらねぇとな!」
戸塚弥彦「ん?後から来た1年生は口調が丁寧だし、話が通じそうな感じだな」
山内春樹「そうそう!先輩には敬語は当たり前だよなぁ!」
戸塚弥彦「なんで俺はこんな奴と次回予告のペアなんだ……」
山内春樹「次回『Episode 62 その瞳が映したのは』」
戸塚弥彦「ん?あれは確か虎城の恋人の佐倉か?一瞬何か怯えたような表情をした気がするが、気のせいか?」