ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ 作:nightマンサー
よう実の最新刊まだ読んでないんですけど、X見てるとなんだかひよりが凄いことになってそうな感じですね(汗)
取り敢えず早く買って読んで詳細知ろうと思います!
いつも感想・評価、誤字報告ありがとうございます!
それでは、どうぞ!
───特別試験通知から3日後、
「待たせて悪い、──」
「いや、大丈夫だ──。それで、どうなった?」
「問題ない。無事───た。多少─で────ことになったが、────────は記録してる。仮に誰かに露呈しても──に迷惑はかけない」
「気にしなくていいよ。──の言葉を借りるなら、──だから─────────だってところかな?」
「……確かに、──なら言いそうだな」
「此処に長居するのも良くないな。戻るか」
「あぁ、そうしよう」
◆
───特別試験通知から4日後。
龍園が本格的に選定、調整を行ったことでクラスの8割近くが1年生とペアを確定させており、全体でのペアの総数も過半数を超えていた。そうした中で俺───虎城優斗含めた主要メンバーは教室で残りのペアの最終確認と、これまでの情報を纏めていた。
「八神くんの協力で学力の高い1年生を多く引き込めたのは幸いでしたね」
「えぇ。龍園氏が交渉と
「俺としては少しむず痒いけどね。ペアが決まってるのは34人。残り7人のうち5人はさっき割り振ったから、後は龍園と清隆だけだな」
ペアを纏めたデータを見たあと、俺は龍園と清隆に視線を向ける。
(残っている1年生2人のうち、1人は八神か)
1年生が敢えて0点を取ることで、自分諸とも2年生を退学にさせる。月城がこの特別試験にて清隆を退学させるために考えていたと思われる計画だが、原作では天沢と八神のどちらも命令を無視したことと清隆が宝泉とペアを組んだことで失敗に終わっている。
「綾小路、てめぇは八神と組め。満点が取れるなら、学力Aの八神と組めば1位が取れるだろ?」
多少煽りながら龍園は清隆と八神を組むことを決める。もう1人の1年生は学力Bの生徒だから、龍園の選択は正しいだろう。
「わかった。後でオレから申請しておく」
そうして俺達のクラスは滞りなく全員のペアが確定した。
◆
「すみませーん、ちょっといいです?」
その日の放課後。ケヤキモールでデートしていたオレ───綾小路清隆とひよりに赤髪の女子生徒が声を掛けてきた。
「多分先輩ですよね?調理用品を見たいんですけど、お店が何処にあるか知りません?」
初対面且つ上級生に対してかなりフレンドリーに接してくる所からコミュニケーション能力は高そうだと分析しつつ、記憶したOAAから女子生徒が1年Aクラス所属の天沢一夏であることを把握する。
「調理用品でしたら、確か『ハミング』にありましたね。私達はその先の本屋に行くつもりでしたから、案内しますよ」
「え、いいんです?それじゃあ、お願いします先輩」
ひよりの提案により、急遽天沢が加わりケヤキモール内を進むこととなった。歩き出してひよりが自己紹介を始める。
「私は2年Aクラスの椎名ひよりです。こっちは同じクラスの綾小路清隆くん」
「私は1年Aクラスの天沢一夏。2年Aクラスってことは、先輩方は噂の虎城先輩とはクラスメイトってことですよね?」
「あぁ。優斗とは友人だ」
天沢の言葉をオレは肯定で返す。現在、2年Aクラス───正確には優斗は1年生の中でかなり噂になっていた。1年生達が『Sシステム』について説明された時、担任の教師は南雲と坂柳の件の概要を伝え違反行為について相当釘を刺したらしい。当初は上級生の事件故にそこまで気にしていなかった1年生達だが、今回の特別試験で興味を持ったのか龍園との面接時に多くの1年生が聞いてきた。
『すみません、今回の特別試験とは関係ないんですけど、元生徒会長が退学した件って何かご存知だったりしますか?』
『あの件か。てめぇら1年は教師からなんて説明受けた?』
『えっと……元生徒会長とその関係者。それから2年生の女子生徒がそれぞれ犯罪に手を染めて退学になったから、犯罪行為は勿論いじめや暴力沙汰をしないように厳重注意されました』
『なるほどな。その元生徒会長と同級生の犯罪行為を暴いたのが、隣に立ってる虎城だ。今は生徒会の書記にもなってる』
『この人が……』
『俺達と組むってことは、俺の配下のコイツも味方につくってことだ。元生徒会長がどんな犯罪行為をしたか、その様子だと伝えられてないみたいだが……俺達と組んでおいた方が得だとだけ言っておくぜ?』
『っ!』
これが、オレが一緒にいた時の面接の様子の一部始終だ。結果、優斗は1年生の中でかなり有名人となり俺達2年Aクラスの生徒とペアを組みたいと申請してくる生徒は激増した。
「私まだペアが決まってなくて……組むならAクラスの人がいいかなって思ってるんですけど、まだ空いてる人いたりします?」
「すみません、天沢さん。ついさっきクラスメイト全員のペアが決まったところなんです」
「ありゃ。タッチの差だったか。ざーんねん」
ひよりが申し訳なさそうに告げると、天沢は言葉に反してそこまで気にした様子はなさそうだ。そうして話をしている内に、日用品の専門ショップ『ハミング』に到着した。
「ありがと、椎名先輩に綾小路先輩。今度何かお礼するから、連絡先交換しよ?」
天沢の提案を受けてオレとひよりが連絡先を交換した後、天沢は手を振りながら調理用品のある店の奥へと進んでいった。
「天沢さん。何が目的だったんでしょうか……」
「オレかひより。それとも2年Aクラスなら誰でもよかったのか、今の段階だと絞り混むのは難しいな」
ひよりもオレも天沢が店の場所を聞くためだけに接触してきたと楽観視するほどお人好しではないが、現状理由が分からないため注意しつつ一旦放置しておく他ない。
「そうですね。では、私達は予定通り本屋へ向かいましょう」
「……そうだな」
そう言いながら差し伸べてくるひよりの手を、オレは左手を出して握り本屋へと足を進めた。
◆
椎名先輩と恋人繋ぎをして本屋へと向かう綾小路先輩を棚の陰から私───天沢一夏は観察していた。
「やっぱり、最高傑作は伊達じゃないってことかな」
ホワイトルームの最高傑作と言われた存在。たった数分の接触ではあるが、歩き方や視線など得られる情報は意外と多い。全く隙のない立ち振舞いは美しさすら感じられた程だ。
「もう少し話をしたいけど、ちょっと外野が五月蝿そうだなぁ」
そう口にして、私は視線を椎名先輩へと向ける。事前に与えられた情報から他の生徒と比べて優秀であることは分かるが、逆を言えばその程度の実力しかない。
「綾小路先輩について何にも知らないで恋人なんだから、滑稽だよね」
歳は違えど同じホワイトルームで育ち、その実力に憧れ崇拝してきた自分の方が椎名先輩よりも綾小路先輩を理解している自負がある。
───椎名ひよりは、綾小路清隆の隣に相応しくない。
「───少し、遊んであげよっかな」
◆
───時は進み、5月1日。
1日の終わりに当たる6時間目。特別試験の結果発表が行われるが、俺───虎城優斗はこの後に起こるであろう事態を考え別の意味で緊張していた。
「それでは、今回の特別試験の結果を発表します。初めに黒板と皆さんが持つ手元のタブレットにクラスの結果と退学者の有無を一斉表示します。個人の点数はタブレットを操作して各々確認するようにして下さい」
坂上先生の言葉から数秒後、黒板とタブレットに特別試験の結果が表示される。
【1・2年生パートナー筆記試験:結果】
1位・Aクラス 平均716点
2位・Bクラス 平均678点
3位・Cクラス 平均632点
4位・Dクラス 平均610点
退学者:なし
「おぉ!俺達が1位だ!」
石崎の喜びの声に呼応するように、クラスの雰囲気が喜色に染まる。そんな中で俺は自分の点数を見る前に、念のため点数の低い順で並び替えを行いクラス内の最低点数を確認した。
(一番低い点数が668点。学力の高い1年生を多く引き込めたのもあって、危なげなく乗り越えられたな)
改めて退学者がいないことに安堵しつつ、自分の点数を確認する。俺のペアは八神が紹介してきた1年Bクラスの学力A-の生徒であり、椎名や金田と同じく
(まぁ、1位はほぼ確実に無理だろうけどな)
俺がそう思っていると、クラスの雰囲気が段々と変化していく。先程まで退学者がいないことに喜んでいたクラスメイト達は
「クククッ。おいおい、底が知れねぇなぁ綾小路。
───全教科満点とは、恐れ入るぜ」
クラスメイト全員が思っていたことを代弁するように龍園が清隆に向かって告げた後、視線を坂上先生に移す。
「坂上。この結果は正しいんだよな?」
「……えぇ。最初こそ不正行為が疑われましたが、監視カメラでの確認やテスト問題の内容からすぐに疑いは晴れています。この結果は正真正銘、綾小路くんの実力です」
淡々と説明する坂上先生だが、龍園に言葉遣いの注意を忘れる程に坂上先生からしてもこの結果は衝撃的だったのだろう。
「それと、綾小路くん。放課後になったら理事長室に向かってください。月城理事長代理がお会いしたいそうです」
特別試験自体は難なく乗り越えたが、清隆の全教科満点という出来事に意識を持っていかれたクラスメイト達を見つつ、やっぱりこうなったかと苦笑いを浮かべた。
◆
「先ずは、全教科満点おめでとうと言っておきましょうか」
その日の放課後。オレ───綾小路清隆は坂上先生に言われた通り理事長室に向かうと月城が待機しており、今回の特別試験の結果について賛辞を告げてきた。
「どうも。ですが、オレの経歴を知っている貴方であれば、これくらい出来ることは把握していたでしょう?」
「勿論です。ですが、1年時のキミの様子から考えて本来の実力を出すとは思っていませんでしたよ」
「人生初の彼女が出来て、彼氏として良いところを見せようとしただけですよ」
そんなオレの言葉を聞いた月城は、普段と変わらない笑みを浮かべている。
「それはそれは。思った以上にキミは高校生活を楽しんでるようだ」
「今のクラスに移動してからは毎日が充実してます。なので、月城理事長代理にはこのまま引き下がって貰えるとありがたいですね」
「私としても、子供から青春を取り上げるような真似はしたくないですが……大人として仕事に手を抜く真似はしませんよ」
「あの男の下は働きにくそうですね。折角の機会ですし、オレに付きませんか?」
それを聞いた月城は、これまでの笑みを崩して口に手をやり笑った。どうやら、先程のオレの言葉が相当面白かったらしい。
「本当にあの無機質な部屋で育ったのか疑問に思ってしまう程、キミは面白い子ですね。今のキミをお父上が見たら、どう評価するのでしょうか」
そうして月城は1度咳払いをして、本題に入る。
「雑談はこのくらいとしましょう。4月も終わりですからね。ホワイトルーム生が誰か、分かりましたか?」
「……確信には至らなかったです。ホワイトルーム生特有の気配は感じられなかった。上手く擬態出来ていますよ」
「数ヶ月、普通の高校生に成りきれるようカリキュラムを受けたようですからね。上手く潜り込めているようで感心です」
下がって良いですと月城に言われ、理事長室を後にしようとドアノブに手をかけたタイミングで1つ質問することを思い付いた。
「月城理事長代理。今回の特別試験、ホワイトルーム生は貴方の指示通りに動かなかったのではないですか?」
「……何故そう思ったか、理由を聞いても?」
「今回の特別試験。オレを退学にするのにかなり好都合な内容です。ホワイトルーム生とペアを組んだ時点で、オレはゲームオーバーでした」
実際にはそうならないようオレが500点でペア相手が0点の時のみ1点追加する契約を坂上先生と交わしており、実際ホワイトルーム生が仕掛けてくればカウンターが決まっていた形になる。
「ですが、オレ個人と組もうとする1年生は最後までいませんでした。貴方の指示であれば不自然だと思ったまでです」
「……いいでしょう。確かに私は今回、キミを退学にするプランを用意していました。しかし、あの子達はそれを無視した。どうやら、ここにきて反抗期になったようでしてね」
月城はやれやれといったように肩を竦めてみせた。どうやら月城にとってもこれは想定外の出来事だったらしい。
「気を付けて下さい。ホワイトルーム生は優秀であればあるほど、越えられない
そんな月城の忠告を背に、オレは今度こそ理事長室を後にした。
次回予告
虎城優斗「2年最初の特別試験は難なく乗り越えれたけど、代わりに清隆の注目度が一気に増したな」
綾小路清隆「あぁ。特にDクラスの生徒達からかなり見られてるように感じる」
虎城優斗「やっぱりか。トラブルを避けるためにも暫くは俺や椎名、クラスメイトの誰かと一緒にいた方がいいだろうな」
綾小路清隆「……そうだな。出来る限りそうするつもりだ」
虎城優斗「次回『Episode 64 特別試験前哨戦』」
綾小路清隆「厄介な生徒に絡まれないといいが……」
クラスポイント(1・2年生パートナー筆記試験終了時点)
Aクラス(龍園クラス) :1296cp
・特別試験結果(1位):+50cp
Bクラス(葛城クラス) :1263cp
・特別試験結果(2位):+30cp
Cクラス(一之瀬クラス) :1093cp
・特別試験結果(3位):+10cp
Dクラス(平田クラス) :129cp
・特別試験結果(4位):±0cp
龍園クラス貯金:2158万ポイント