ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ 作:nightマンサー
考えることが、多すぎるっ!!(2回目)
ルールやら何やら矛盾しないように無人島試験の3巻と4巻を手元に置いて随時確認しながらやってますが、間違ってたら大目に見て指摘頂けると幸いです(汗)
いつも感想・評価・ここすき、誤字報告ありがとうございます!
それでは、どうぞ!
───7月20日、午前9時前。
豪華客船【サン・ヴィーナス号】は特別試験の舞台となる無人島に着岸した。下船は1年生から順に行われる為、最初の指定エリア到達のみ1年生が有利となっている。
(……いよいよ、だな)
自分達の下船を待ちながら無人島を眺めていた俺───虎城優斗は、1度深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。そんな俺の姿を隣で見ていた愛里が同じように深呼吸をする。
「頑張ろうね、優くん」
「あぁ、愛里も。ただ、無理はしないようにね」
そうして話をしている間に午前9時となり、腕時計からアラートが鳴り響く。俺を含め全員がタブレットを取り出し指定エリアの確認を行っている。俺のタブレットに表示された指定エリアは───D8エリア。
「俺の指定エリアはD8だった。愛里は?」
「えっと、私はF9。これって、優くんとはテーブルが違うってことだよね……」
同じテーブルであれば直接会う機会も多くなっただろうが、どうやらそこまで上手くは行かないらしい。
「大丈夫よ、愛里。確かに直接会うのは難しいけど、声なら
そう言って愛里と同じ小グループの伊吹が会話に入り、トランシーバーを愛里に手渡した。ちなみに今回の主力メンバーのグループは近くに集まっていたのだが、先程まで声を掛けられなかったのを見るに気を遣われたのだろう。
「うん。ありがとう、澪ちゃん」
そうして話をしている間に1年生の下船が完了し、俺達2年生の順番となった。1年生達が足早に指定エリアを目指して移動をするのを見ながら、Aクラスから順に港に降り立つ。そんな中、単独である優位を活かす為いち早く移動を始めた清隆と目が合ったのでサムズアップでエールを送る。それを見た清隆は、無表情ながらもサムズアップを返して北の方に歩いて行った。
「待たせたわ」
「ううん、全然大丈夫だよ」
清隆を見送った後、少ししてBクラスの生徒も下船し愛里と伊吹のグループ最後の1人である神室が合流する。愛里が神室に話し掛けに行ったタイミングを見計らって、伊吹が俺に近付いてきた。
「愛里は必ず私が守るから、アンタは心配せず1位取ってきなさいよ?」
「……あぁ。ありがとな、伊吹」
俺のお礼に手を軽く振って応えた伊吹は、愛里達の元へと足を向けた。
「それじゃ、優くん。また夜に」
「あぁ。楽しみにしてるよ」
先に下船した1年生達が着順報酬を得ることは目に見えているため、ゆっくりと指定エリアへと向かう愛里達を手を振って見送った後、後ろで待ってくれていた龍園と葛城に向き直る。
「クク、愛しの佐倉の見送りは済んだかよ?」
「あぁ。2人とも待たせて悪いな」
「虎城と佐倉の関係は承知しているから気にしなくていい。それに、我々の指定エリアは1マス上ですぐに辿り着ける」
そうして俺達も指定エリアを目指して行動を開始する。そうして15分もしない内に森へと入ると腕時計が小さく音を立てて鳴り到着ボーナスを獲得したことを知らせるが、次の指定エリアへの移動を見越して俺達はエリアの中心近くまで歩みを進めてから腰を下ろした。
「下船前に確認したが、鬼頭達が神室達の指定エリアと同じのみで他はバラけていた。俺達と着順報酬を喰い合う心配は要らないようだ」
「らしいな。次から遠慮無く着順報酬を貰おうじゃねぇか」
葛城の言葉に龍園が獰猛な笑みで宣言する。大グループ作成時に得点が平均化される事を考えると、合流予定の金田達とアルベルト達のグループにも得点を稼いでもらっておく必要があるため、テーブルが違い着順報酬をそれぞれ狙えるのは幸運と言えた。そうして話をしながら準備を整え待機して数十分後。
───『課題』出現時間である午前10時を迎えた。
「このエリアに地理テストの課題が出た。行くぞ」
龍園の言葉に俺達はすぐさま移動を開始。程なくして『地理テスト』の会場に辿り着き、4組目で受付を済ませる。この『課題』はグループから1人のみ参加可能のため、学力が一番高い葛城が参加。結果、他の生徒を退け葛城は見事1位に輝いた。
「やったね、葛城。これで5点と1日分の食料ゲットだ」
「あぁ。最初の課題で1位を取れたのは僥倖だった」
「お喋りはそれくらいにしろ。次の課題を取りに行くぞ」
龍園の言葉に頷き俺達は出現した『課題』の場所と詳細を確認しつつ、得点を得られそうな『課題』へと足を進めた。
◆
───午後6時。
『課題』と『基本移動』は午後5時に終了するため、この時間は基本的に自由時間となる。俺達は本日最後の指定エリア───E5エリアの左上端辺りをキャンプ地とし、テントを設営した。『基本移動』での着順報酬を考えた場合、D4にD5、E4の3マスと隣接しているこの位置は人気なようで少し離れた所に他の生徒のテントが見える。そんな中、俺はトランシーバーで愛里と会話していた。
「愛里、そっちは大丈夫そう?」
『うん、大丈夫だよ。えっと、得点は……着順報酬は貰えなかったけど到着ボーナスは全部獲得できて、競争で2位が取れたから11点だよ』
愛里の報告を聞きながら、各グループの得点を頭の中で整理する。金田と橋本の小グループは到着ボーナスと数学テストで1位により11点、アルベルトと鬼頭の小グループは『課題』には参加出来なかったが到着ボーナスと3位の着順報酬で9点。生徒が無人島内にバラけきっていない初日としては十分過ぎる戦果だろう。
『優くん達は順調?』
「あぁ。課題と到着ボーナス、着順報酬も2回獲得出来て25点だ」
『もうそんなに!?やっぱり、優くん達は凄いね』
地理テスト後は着順報酬を狙いつつ『課題』を3つ巡ったが、定員により参加出来たのは1つのみで龍園が参加し結果は2位。ただ着順報酬を2度も取れたのでかなり得点を稼ぐことが出来た。そうしてお互いの状況を報告した後、少しだけ愛里と会話をしてからトランシーバーのスイッチを切って龍園達と情報を共有する。
「こうなると、やはりグループ上限解放の課題が出現する4日目に大グループを作ることはほぼ必須だな」
「だね。まぁ、十中八九みんな同じことを考えてるから結構な争奪戦になりそうだけど」
「問題ねぇ。予定通り雑魚共のグループを使って俺等で上限解放の課題を1回独占すりゃいいだけだ」
龍園が『課題』の独占という手段に気付かない訳もなく、昨日の段階で既に4日目までの流れは殆ど決めていたので焦りは全くない。食事とトイレ、歯磨きを済ませた俺達は明日に備えて早めに就寝した。
◆
───時は、虎城達が眠る少し前に遡る。
最終指定エリアのD7エリアの右端辺りの開けた場所に設営したテントの中でオレ───綾小路清隆は今日1日を振り返っていた。
(今日オレが獲得した点数は課題と到着ボーナス、着順報酬を合わせて23点。滑り出しとして十分だろう)
主力グループと別のテーブル且つ単独のオレは誰に気を遣うこともなく、着順報酬をメインに行動し点数を稼ぐことに成功していた。
(……時間か)
腕時計が午後8時を示した瞬間、トランシーバーが起動する。
『───────』
合言葉を含め、まるで小説の1文のような短い言葉を伝えるだけの連絡。大半の生徒が聞いても意味不明な連絡だが、前もって取り決めていた者に対しては情報を受け取れる内容となっている。
(今のところ問題なしか)
全て順調に進んでいることを確認したオレは安堵し、就寝するための準備を始める。そうしてテントの中で横になり寝ようとして───
(───ひよりに会いたいな)
───そんな想いが頭を過り、改めて自分にとってひよりが大切な存在になったのだと認識しながら眠りについた。
◆
───薄明かりが辺りを照らす午前5時。
無人島のとある場所、1人の生徒がトランシーバーを片手に誰かと会話していた。
「どうでしたか?」
『……3人グループを3つ集めた』
「おぉ、意外とすんなり集まりましたね。それじゃあ、時間と場所はまた連絡しますね」
弾んだ声でそう告げた生徒は1度トランシーバーを切り、コードを変えて再び通信を始めた。
『首尾は?』
「万全とは言えないけど、最低限は揃ったって感じかな?」
『最低限居りゃ十分だ』
そう吐き捨てた通信相手は、確信を持って次の言葉を告げた。
『───この無人島試験で勝つのは、俺達3人だ』
次回予告
石崎大地「よっしゃ!2人とも2週間頑張ろうぜ!」
西野武子「はいはい。無理せずにね」
椎名ひより「はい。2週間よろしくお願いします」
西野武子「そういや石崎、さっき綾小路と何か話してたけど何話してたの?」
石崎大地「ん?あぁ、大したことじゃねぇから気にすんな。それより、今から1番狙いに行くぞ!」
椎名ひより「流石に今から1年生を追い越すのは無理だと思いますが……」
西野武子「椎名の言う通り───って、石崎止まれって!」
石崎大地「次回『Episode 69 群雄割拠』!」
椎名ひより「ふふ、楽しい2週間になりそうですね」