ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

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頂いた感想を読んでいますが、愛里推し、龍園推しが多くて嬉しい限りです!



Episode 7 暴力事件

 

 

 

 

 

 

大成功だった中間テストから早くも1ヶ月が経過しようとしていた。

あれからも勉強会は定期的に開催しており、クラス全員の学力も順調に向上している。

そんな7月がすぐそこまで迫ったある日、俺達Bクラスはパーティーを楽しんでいた。

カラオケの大人数が入れる大部屋で、天井ではカラフルなミラーボールが回り、テーブルには学生ではお目にかかることのないシャンパンタワーならぬジンジャエールタワーまである。

 

「俺、こういうグラスタワー見たの初めてだ」

 

「わ、私も。凄いね」

 

「Excellent」

 

ジンジャエールタワーを愛里とアルベルトの2人と見ながら、談笑する。

 

「おい、虎城」

 

そんな俺を、この部屋で1番大きなソファーを占拠し、同じクラスの女子生徒に酌をさせている龍園が呼ぶ。

見た目が完全に裏社会の人間のそれである。

 

「あいよ。すまん、ちょっと行ってくる」

 

愛里とアルベルトに断りを入れて、龍園の下に向かう。

 

「それで?わざわざ監視カメラ未設置場所(カラオケルーム)を指定したってことは、内緒話か?」

 

 

「クク、そういうこった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――虎城、Dクラスに仕掛けろ。手段は任せる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――7月1日。

ポイント支給日である今日は、全員程度はあれど機嫌が良くなる日である。しかも、Dクラスに至っては5月から0ポイントで収入がない状態だった所、中間テストでクラスポイントを稼ぐことに成功し、自分達も初めてポイントが増えることとなる。

 

 

 

 

 

「トラブルがあり、1年生へのポイント支給が遅れている。問題が解消され次第、ポイントは振り込まれる」

 

 

 

―――尤も、担任の無慈悲な宣言がなければの話だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室にて、とある話し合いが執り行われようとしていた。

 

 

「ではこれより、今週火曜日に起こった暴力事件について、審議を執り行います。進行は生徒会書記、橘が務めます」

 

テーブルの上座には、生徒会の3年生先輩が2人。

 

藤色の髪をお団子型に纏めている生徒会書記

―――橘茜。

黒色の短髪に、眼鏡を掛けた生徒会長

―――堀北学。

 

今回の話し合いを、中立の立場から公平に判断し最終的な決定を下す、謂わば裁判長である。

 

 

テーブル右手には、Dクラスから4名。

 

長い髪をポニーテールに纏めるDクラスの担任

―――茶柱佐枝。

無機質な瞳を持つDクラスのラスボス

―――綾小路清隆。

まだまだ孤高(笑)な女子生徒

―――堀北鈴音。

今回の騒動の当事者である赤髪バスケ馬鹿

―――須藤健。

 

 

テーブル左手には、Bクラスから3名。

 

短髪に眼鏡を掛けたBクラスの担任

―――坂上数馬。

桃色の髪を2つに纏め、伊達眼鏡をかけている俺の彼女

―――佐倉愛里。

 

最後に、

 

左手首を固定し、左頬に湿布を貼っている本件の被害者

―――虎城優斗。つまりは、自分である。

 

(何故、こうなった……)

 

話は、3日前の火曜日まで遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、上手く撮れたと思う。愛里、確認してくれ」

 

先日龍園からDクラスへ仕掛けるように言われた俺は、現在人気のない場所で愛里のサイトにアップするための写真撮影を行っていた。

 

「うん、凄く良いよ!ありがとう、優くん」

 

「こっちこそ。愛里の写真を撮るのは、俺の中では楽しみの1つだからな」

 

この光景を見られたら、龍園からどやされそうだが、正直に言うと今回の件は乗り気じゃない。

この時期の原作イベントといえば、龍園が石崎達を使って須藤を嵌めるが、一之瀬の協力を得た綾小路と堀北により失敗に終わる―――須藤暴力事件だ。

 

(態々罠に嵌めなくても、須藤相手なら嫌味のひとつでも言えば、図書室の時みたいに簡単にいきそうだけど……俺が怪我すると愛里が心配しちゃうからなぁ)

 

あの傷害事件以来、ある意味当然と言えば当然なのだが、愛里は俺の怪我に過剰反応するようになってしまった。そのため俺と愛里の持ち物には救急キットが常備されており、怪我にすぐさま対応出来るようになっている。

 

(今回は手段も任せられたし、暴力沙汰以外で上手く取れる策を考えないとな……)

 

「優くん」

 

そうやって考えを巡らせていると、隣を歩く愛里から声が掛けられる。

 

「どうかした?」

 

「えっと、ちょっとお手洗いに行ってくるね」

 

少し恥ずかしそうに言う愛里に、俺は近くのベンチで待つ事にし、愛里は近場にあった建物に入っていく。

 

(Dクラスに仕掛けるなら、やっぱり正攻法か。下手に策を弄するより、単純な方が引っ掛かってくれそうだし)

 

そうやって考え事をしていたからだろう―――

 

「……ん?」

 

「………あぁ?」

 

目の前の道の先から、須藤がこちらに歩いて来たことに気付かなかった。時間的に部活帰りらしき須藤は俺の顔を見るなり、顰めっ面になる。

 

「てめぇ、確かBクラスの奴だな。また嫌味言いに来たのか?」

 

初端から舐めた口調全開の須藤に、改めて性格の悪さを実感する。

 

「人を挑発することしか出来ないのか?よくそれでスポーツ選手目指せるな」

 

「なんだとっ!?」

 

苛立ちから反射的に出た嫌味に、須藤が反応する。

 

「スポーツ選手みたいなテレビに出る人にとって、世間体は大切だろうが。普通に考えて、誰が人を挑発して暴力沙汰起こしそうな選手をチームに入れようと思うんだよ。わかったら少しは改善し―――」

 

 

 

 

 

俺はこの時、龍園のDクラス攻めの件とか頭に無く、あくまで常識的に須藤に対してアドバイスしたつもりだった。だが、そのアドバイスが想定外にも小宮がクラス自慢をしていたことで、Bクラス相手に須藤の沸点が低くなっていたことと、奇跡の合致をしてしまったのだろう。

 

 

 

 

―――だからこそ、顔面に迫る須藤の拳に反応が遅れた。

 

 

 

 

「っ!?」

 

咄嗟に左手を前に出すが、拳を少し逸らしただけでそのまま左頬に拳がめり込む。鈍い音が響き、殴られた勢いで後ろのベンチに倒れ込んだ。

 

「がっ…!」

 

「うるせぇ!どうせてめぇも、小宮と一緒でクラスが上がった事で見下したいだけだろうが!」

 

その後大きく舌打ちをし、去って行く須藤。

 

「……えぇ?」

 

余りにも唐突に振るわれた理不尽な暴力に唖然としてしまい、暫し呆然と須藤の去った方向を見続けた。

 

「優くん、その顔どうしたのっ!?」

 

それから間もなく愛里が戻ってきた声で我に返り、左頬と左手の痛みに気付いた。

左頬は直接殴られ、左手はどうやらベンチに倒れ込んだ際に強く打ち付けてしまったらしく、泣きそうな愛里に湿布を貼られつつ保健室に連れられ診てもらった所、診断は打撲。ただし、左手は腫れが酷いため暫くは動かさないようにと言い渡されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(その後は愛里と龍園、坂上先生に事の詳細を説明して、須藤を訴えて今に至る。と……)

 

未だに痛む左頬と左手を見つつ、この審議までの経緯を振り返っていたが、思ったことがある。

 

 

 

(……これ、特別試験前にDクラス潰れないよな?)

 

 

 

 




今回の影の立役者
須藤にクラス自慢していた小宮君



クラスポイント(7月1日)

Aクラス(坂柳・葛城クラス):1004cp

Bクラス(龍園クラス)   :審議中

Cクラス(一之瀬クラス)  :660cp

Dクラス(不良品クラス)  :審議中

龍園クラス貯金:170万ポイント

【参考】もし虎城と佐倉の2人が龍園クラス以外だったら――

  • 葛城・坂柳クラス(初期Aクラス)
  • 一之瀬クラス(初期Bクラス)
  • 不良品クラス(Dクラス)
  • 龍園クラス以外認めない!
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