ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ 作:nightマンサー
最近頂いた感想で気付いたのですが、感想欄原作者様に見られたら終わるのではと青ざめた作者です(汗)
よう実は見ての通り、2年以上二次小説書くほど大好きです!ただ、愛里を幸せにしたかったんです!信じて下さいぃ!(必死)
いつも感想・評価・ここすき、誤字報告ありがとうございます!
それでは、どうぞ!
───無人島サバイバル2日目。
清々しいほどの快晴の中、俺───虎城優斗は龍園と葛城と共にテントを片付け終え本日最初の指定エリアの通知を待つ。そうして待つこと十数分後、午前7時となり腕時計が小さく鳴るのと同時に龍園がタブレットで指定エリアを確認すると同時に走り出し、俺と葛城はそれに追従する。そうして3分もしないうちに俺達3人の腕時計が小さく鳴ったので確認すると、1位の着順報酬である10点がグループに与えられていた。
「意外と動けるじゃねぇか、葛城」
「葛城、大丈夫か?」
「……問題ない。俺が足を引っ張るわけにはいかんからな」
龍園の軽口に最後尾で息を整えた葛城が言葉を返す。昨夜、最初の指定エリアが隣接する3つの何れかだった場合は他のグループに勝つため、龍園が確認後すぐさま指定エリアへと走るよう取り決めていたのが功を奏した。龍園の走り出した方角的に最初の指定エリアはD4だったらしい。
「クク、なら遠慮なく使ってやる。行くぞ」
そう言って龍園はタブレットを確認しつつ恐らく同じエリアに出現した『課題』に向けて歩き始めたので、先程と同じく俺と葛城はそれに追従した。
◆
最初の指定エリアだったD4に1位で到着した後、俺達は近場の『課題』に参加しつつ『基本移動』での着順報酬を優先し行動した。結果、俺と葛城が『英語テスト』で1位を取り3人参加の『砲丸投げ』で3位を獲得。『基本移動』は2回目の指定エリアがD2で到着ボーナスのみ獲得、3回目は初のランダム指定エリアで少し遠いF3が選ばれたが、向かうグループが少ないと予想して進み2位を獲得し合計で32点。現在の合計得点は57点と昨日に引き続き順調そのものだ。
「……む?あれは真田達か」
近場に手頃な『課題』も出ていないため次の指定エリア通知まで小休憩する中、葛城の声に視線を向けるとそこにはBクラスの真田康生と森下藍、そしてAクラスの木下美野里のグループがこちらに気付いて近寄ってきた。
「やぁ、葛城くん。奇遇だね」
「あぁ。ランダム指定エリアが
「なるほど。そうだ、僕達はさっきまで隣のG3で課題をしてて、この辺りで少し休憩しようと思ってたんだけど一緒にいいかな?」
真田の言葉を受けて葛城が俺と龍園に視線を向けてきたので、俺は頷き龍園は無言の肯定で返す。そうして真田グループと一緒になったのだが───
「じー」
「……」
何故か、俺の隣に座った森下が自分で効果音を言いながら滅茶苦茶見てくる。助けを求めようと周りを見渡すが葛城は真田と、龍園は木下と話をしており頼れそうにない。
「……えっと、森下さんだよね?俺に何か用かな?」
「やっと反応しましたか、虎城優斗。その目と耳はちゃんと機能しているようですね」
意を決して話かけると、森下は少々毒のある言い回しで返してくる。
「本当なら粋な小話で話を盛り上げてから聞くつもりでしたが、それで佐倉愛里に嫉妬されても困りますので単刀直入で聞く私の寛大さを崇めてください」
「はぁ、それはご親切にどうも?」
森下の言葉に俺は苦笑いしつつお礼を言い、内心で
(俺が読んだ2年生編5巻までには出てきていない生徒だけど、こんな個性的な子がただの生徒とは思えないな。一応注意人物として頭に入れておくか)
「───虎城優斗は、何故龍園翔に従っているのですか?」
───瞬間、その場の空気が一変した。
真田と木下は森下の発言に唖然とし、葛城は険しくも何処か思うところがあるのか難しい顔で俺を見ていた。
「……それは、どういう意味かな?」
「そのままの意味です。虎城優斗は実力も人望も持っている上に南雲雅と坂柳有栖を倒した不正を許さない正義マン、ザ・主人公です。そんな虎城優斗が、暴力と搦め手大好きそうで悪役が似合うこと間違い無しの龍園翔に付き従っているのが気になって夜しか眠れません。なので、私の安眠のためにも答えて下さい虎城優斗」
「滅茶苦茶ズバズバ言うね……」
「クククッ!Bクラスにこんな図太い奴がいるとは知らなかったぜ」
「……」
思った以上に突っ込んでくる森下の言葉に、俺は呆れを通り越して感心していた。同じく話題に上げられた龍園は愉しげに笑って話しているが、葛城は居心地悪そうに顔をしかめている。
「入学した頃にクラスメイトの前で話したけど、うちのクラスでリーダーが務まるのは実力は勿論、器的にも龍園しかいないって思ったからね。龍園ほど頼りになるリーダーは居ないよ」
勝利への貪欲さ、どんな状況にも耐えて立ち上がる精神的強さ、リーダーとしての責任感。高校入学から約1年半、隣で直接見てきた俺だからこそ龍園の実力を理解しているつもりだ。
「それと1つ訂正しておくと、俺は別に正義マンって訳じゃないよ。南雲先輩と坂柳は俺の1番大切な愛里に手を出した。
───
俺の言葉に龍園と木下以外の面々が押し黙った。
(……やばい。ちょっと強く言っちゃったな)
自分の言葉に少し反省していると、森下がやれやれといった様子で首を横に振った。
「仲間には
そう言うと森下は葛城と真田の下へと向かって行く。どこまでも自由奔放で個性的な行動をする変わった生徒だなと真田と葛城から説教を受けている森下を見ながら思った。
◆
───虎城が森下に質問されてから数時間後の午後8時。
本日最後の指定エリアであるI7エリアの森の中。テントを設営し食事を終えた私───佐倉愛里と澪ちゃんは自分のテントに入ってメッシュ生地越しにお話をしていた。
「虎城のグループ、もう65点も稼いでるの凄いわね」
「うん。ただ、金田くん達やアルベルトくん達のグループとの得点差が大きくなってるから、明日は少しペースを落とすって言ってたよ」
「今の得点差だと、得点の低い私達のグループの方が大グループ組んだ時のデメリットが低いのは皮肉ね」
大グループ結成の際に得点が平均化されるため、優くん達が得点を稼ぎ出すのは必然的に大グループ結成後となる。私たちのグループは優くん達に何かあった時に代わりに1位を狙うグループだと伝えられていたけれど、優くん達が上手くいきすぎてるから現時点だと私達の方が大グループを組みやすいのは、澪ちゃんの言う通りちょっと複雑な気持ちだ。
「……神室。アンタにちょっと聞きたいことがあるんだけど」
話が一段落し、もうそろそろ寝ようかとしたタイミングで澪ちゃんはそう切り出した。私と澪ちゃんの正面に設営された神室さんのテント出入口が開かれ、メッシュ生地越しに神室さんが此方に顔を向ける。
「……なに?」
「アンタ、何考えてるわけ?」
たった一言、単刀直入と言った形で澪ちゃんが神室さんに問い掛けた。
「昨日と今日、アンタは運動面で私と一緒に愛里を助けてた。
「……入学直後に色々あって仕方なく従ってただけ。私自身、Aクラスでの卒業に興味ないし。ただ、好き好んで退学したい訳じゃないから試験は真面目にやるつもり」
隠すことでもないといった様子で神室さんはそう答える。
「Aクラスでの卒業に興味ないって、じゃあなんで此処に入学したのよ」
「……別に大したことじゃない。それに、貴女達に教える必要はないでしょ」
そう口にした神室さんは話は終わりとばかりに出入口を完全に閉めて寝る態勢に入ったので、私と澪ちゃんは気になりつつも明日に備えて寝ることに優先した。
◆
───その日の深夜。
スタート地点に設営された複数のテントの1つであるモニター室にて、月城理事長代理はモニターに視線を向けていた。
(……どうやら、綾小路くんは本当に実力を惜しみ無く発揮するようですね)
現時点でのグループによる得点獲得順位において、単独にも関わらず4位と高順位に位置付けている綾小路を月城は改めて評価する。
(生徒が疲弊した試験後半に点数を稼ぐと読んでいましたが、当てが外れましたね。このまま試験終盤前に安全圏まで得点を稼がれて防御に徹されると計画が成り立ちません)
そこまで考えた月城は夜勤のスタッフ交代を見届け、自身も就寝するために【サン・ヴィーナス号】へと戻るためにモニター室を後にする。その道中で辺りに誰も居ないことを確認し、トランシーバーを起動した。
「夜分にすみませんね。試験は順調ですか?」
『───』
「それは結構。では、手短に用件のみお伝えします。
───計画実行を4日後に早めます。試験6日目、試験の折り返し前に綾小路くんには退学してもらいましょう」
次回予告
綾小路清隆「全学年入り乱れる大規模な無人島特別試験は順調に進んでいたが、4日目を迎え公開された上位下位10組の順位が大きな波紋を広げる。その波紋により本格的に得点獲得に動き出す生徒達に加え、それぞれの思惑を持つ生徒達も水面下で着実に行動を起こし始めていた」
綾小路清隆「次回『Episode 70 超人』」
綾小路清隆「……騒がしくなりそうだな」