ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

82 / 86
お待たせしました!

3年生編の無人島試験はまさかのサバゲーみたいですね。一体どうなるか今から楽しみです!

いつも感想・評価・ここすき、誤字報告ありがとうございます!
それでは、どうぞ!



Episode 71 戮力協心(りくりょくきょうしん)

 

 

 

 

───無人島サバイバル5日目。

 

I7エリアでテントの片付けを終えたオレ───綾小路清隆はタブレットで本日最初の指定エリアが通知されるのを待つ間、上位下位10組を確認していた。

 

(上位3グループがオレを含めて単独グループとは驚きだな)

 

昨日からグループ上限解放の『課題』が出現したため、優斗達や一之瀬達の複数人グループが大グループを形成した事で大なり小なり得点が1度下がっているのが大きな要因だが、それを加味しても異常だと言えるだろう。

 

(ホワイトルームで育ったオレとは違う実力者か……)

 

3年生の鬼龍院楓花に同学年の高円寺六助。このような形で競い合うとは思ってもみなかったが、例の件(・・・)がある以上オレは(・・・)上位(・・)争い(・・)から(・・)脱落(・・)する(・・)可能性(・・・)()高い(・・)ことに少し勿体無いと感じていた。

 

(……いや、考えるのは例の件(・・・)を片付けてからだな)

 

思考を切り替えて下位10組も確認するが、得点の上昇以外は昨日から順位と顔触れに特に変化は無かった。そうして順位を確認し終えた所で指定エリアが通知される7時を迎え、指定されたのは1つ下のI8エリア。I6エリア側に陣取っていたオレにとっては狙いが外れた形となったため、『基本移動』は後回しにして近場に出現した『数学テスト』の『課題』に向かう。

 

「受付できますか?」

 

「出来ます。5組目ですね」

 

『数学テスト』の出現場所に辿り着くと幾つかのグループが集まっていたが、まだ定員には達していないようで無事受付を済ませることが出来た。そうして数分と経たない内に参加者が続々と集まってきたのだが、その中の1人がオレに近付いてくる。

 

「ほぅ?これは当たりを引いたな」

 

現在単独にも関わらず1位を独走している白銀の長髪を靡かせた女子生徒───鬼龍院楓花がオレを見ながら呟いた。

 

「綾小路だな?恐らく虎城から聞いて知っていると思うが、鬼龍院楓花だ」

 

「どうも」

 

鬼龍院先輩の言葉に短く応え、自己紹介を終わらせる。偶然にも1位と3位の単独生徒が同じ『課題』に参加することとなり、周りはざわついている様子だ。

 

「私と同じく単独で上位3グループに入っているとは正直驚いた。その実力、直接この目で見定めさせてもらおう」

 

「それではこれより課題を始めます」

 

スタッフの合図で数学テストが開始する。問題は全て4択であり、順位に優劣を付けるためか高難易度の問題も入れられているようだ。それらの問題も含め全て解答し終え、集計結果が出るのを待つ。結果は1位が満点を取ったオレで2位は90点を取った鬼龍院先輩、3位は1年生のグループが滑り込んだ。

 

「あの高難度のテストで満点とは、見事だ綾小路。気を抜けばあっさり1位を奪われそうだな」

 

「ここまで1位を死守している先輩がそんなミスをするとは到底思えませんね」

 

「フフ、まさか3年生になってからこんなにも楽しめるとは思わなかった。だからこそ、君と虎城が同じ学年でないことが残念で仕方ないな」

 

「仮にオレと優斗が先輩の学年だとしても、龍園がいなければこうして向かい合うことは無かったと思いますよ」

 

優斗は良くも悪くも佐倉を守るのに全力なためリーダーには不向きであり、オレは入学当初は目立たず高校生活を楽しく送りたいだけだった。そんな優斗を右腕として起用し、結果オレをクラスに引き入れたのは紛れもなく龍園の才能だろう。

 

「虎城と君の2人が名前を挙げるのならば、龍園も面白い男なのだろうな。全く、こんなにも楽しみが一気に押し寄せると年甲斐もなくテンションが上がってしまうではないか」

 

オレの答えに、まるで新しい玩具を沢山与えられた子供のように鬼龍院先輩は更に笑みを強くした。

 

「さて、今ので差を詰められてしまったからな。私は次の課題を目指すとしよう。縁があればまた会おう、綾小路」

 

そう言い残した鬼龍院先輩がこの場から去るのを見届けてから、指定エリアを踏むためにオレも移動を開始する。

 

 

───尾行してくる生徒に気付かない振りをして。

 

 

 

 

 

 

───午後4時。

 

本日最後の指定エリアに到達した俺───虎城優斗含む龍園グループは『基本移動』を軸に近場の『課題』に参加して得点を順調に稼いでいた。

 

「現時点で俺達の順位は6位。昨日予定通り大グループになって順調に得点も稼げてるけど、他のグループの動きも同じ感じだね」

 

タブレットで順位と得点を確認して皆に告げる。確認した上位10組の得点の内訳の中でも『基本移動』の得点が軒並み上がっている5位の一之瀬達と3位の桐山先輩達のグループが俺達同様に大グループになったのはほぼ確実だろう。

 

「一之瀬達や桐山会長のグループも注意が必要だけど、やっぱり一番の問題は1位の鬼龍院先輩と2位の高円寺かな」

 

5日目終わりの今でも1位を保っている鬼龍院先輩とそれを追う高円寺。原作知識である程度分かっていたとはいえ、やはり規格外なのだと改めて思わされた。

 

「俺としては、綾小路が4位に入ってるのも大概だと思うがな?」

 

「よせ、橋本。契約に違反していない以上、正当性は龍園達にある。綾小路が学力だけでなく身体能力においても脅威であることが分かっただけ良しとしよう」

 

葛城の言葉にやれやれと言わんばかりに首を振る橋本を見て、俺は思わず苦笑いを浮かべた。

 

「クク、安心しろよ。今の(・・)所は(・・)綾小路を上位3グループに入れるつもりはねぇ。他の上位グループに圧かけて焦らすのが目的だからな」

 

「一之瀬氏や平田氏は此方のグループが本命だと分かっていても、4位に着けてる綾小路氏を無視する訳にはいきませんからね」

 

龍園と金田は葛城達にそう言うが、実際の理由は少し(・・)違う(・・)

 

(葛城達に本当(・・)の理由(・・・)を言うと色々問題があるから、その理由で納得してもらうしかないってのが本音だけどね)

 

本当の理由に関して俺達は迎え(・・)撃つ側(・・・)のため、最終的にどうなるか分からないのが厄介ではあるが準備は(・・・)整えて(・・・)ある(・・)

 

「取り敢えず、俺達は得点を稼いで1位になることを目指そう」

 

 

 

 

 

 

───無人島サバイバル6日目。

 

起床したオレ───綾小路清隆は早速、今日から解禁された全生徒の位置を確認出来るGPSサーチを使用する。タブレットで開いた地図上に生徒を示す大量の赤点が表示され、サーチ(・・・)上は(・・)オレの近くに生徒はいないという結果となっていた。

 

(やはり、サーチに引っ掛からないよう腕時計は壊しているか)

 

一先ず上位グループの位置だけ記憶し、指定エリアを踏むために行動を開始する。

 

(……思ったより早く仕掛けてきたか)

 

今日最初の指定エリアであるH3までの道のりで他生徒と全くと言っていい程に出会わなかった事と、次の指定エリアに無人島の北東果てのI2が指定された時、違和感は確信に変わったが戸惑うこと無くI2を目指す。程なくしてI2に到着したオレの視界に、美しい白い砂浜と青い空が映し出される。

 

(出来るなら、ひよりと一緒に来たかったな)

 

去年はDクラスで担任に脅されつつ険悪な雰囲気の中で無人島試験に無理矢理挑まされ、今年はこの場に呼び出したであろう人物の策略に対抗するために1人行動を余儀なくされたためか、癒されたいという考えが頭を過る。

 

「単独で4位とは随分と活躍していますね、綾小路くん」

 

オレの視線の少し先で相変わらずの笑みを浮かべる男───月城理事長代理が軽く手を叩きながら立っており、隣には真面目そうな男が追従していた。

 

「どうも。此処にいるということは、その男も月城理事長代理側の人間ですか」

 

「えぇ。1年Dクラス担任の司馬先生です」

 

「あの宝泉のいるクラスの担任となると苦労してそうですね」

 

「……なるほど。月城理事長代理から聞いていた通り、面白い生徒のようだな」

 

そんな会話の最中、オレの後ろから足音が響く。月城と司馬に注意しつつ後ろを盗み見ると、そこには1人の女子生徒が此方に向かって歩いて来ていた。

 

 

「監視役ありがとうございました。

 

───七瀬(・・)さん(・・)

 

 

ペア試験の際に宝泉と共に教室へと訪ねてきた1年Dクラスの七瀬翼が、覚悟を決めたような表情でオレを見据えていた。

 

 

 





次回予告

鬼頭隼「月城理事長代理と司馬先生、1年生の七瀬翼に囲まれる綾小路。しかし、追い込まれた筈の綾小路に焦りは全く見られなかった」

山田アルベルト「Next『Episode 72 LIAR GAME』」

鬼頭隼「騙し合いを制するのは、果たして──」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。