ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ 作:nightマンサー
1ヶ月以上もお待たせして申し訳ありませんでした!
なかなかモチベが上がらなかったのに加えて伏線張るのに苦労しまして気付けば1ヶ月も経ってました(汗)
こんなマイペースな投稿ですが、今後も読んで頂けると幸いです。
いつも感想・評価・ここすき、誤字報告ありがとうございます!
それでは、どうぞ!
───無人島サバイバル試験9日目の夜。
(南雲がいないからか、想定してた以上に得点争いが苛烈になってるな)
清隆が月城理事長代理の策略を八神の協力を得て返り討ちにし七瀬と和解してから2日が経過した今日、俺───虎城優斗はテントの中で7日目から今日までの行動を振り返っていた。
7日目は2回目の基本移動の最中に天候が崩れ大雨になったため7日目の試験は中止となり、その補填として最終日の得点が2倍になることが決定した。得点を稼ぐために少々無理を通していた俺達にとっては思わぬ幸運だが、それは殆どの上位チームも同じだろう。そうして全生徒にとって休息日となった7日目を経て
(得点もそうだけど、一年生の動向にも気を配らないといけないのが厄介だな……)
1年Cクラスの椿桜子と宇都宮陸、そして1年Dクラスの宝泉和臣。この面子が今回の特別試験で仕掛けてくるのはほぼ間違いない筈なのだが、その方法は未だに分かっていない。原作と同じ手なら対処しやすいが、月城や七瀬が原作と違う手を使ってきたことを考えると違う可能性が高いと見るべきだろう。
(坂柳の件を教訓に、清隆の彼女である椎名と万が一愛里が狙われても対処出来るようにそれぞれ石崎や伊吹に一緒に居てもらうようにしてる。大丈夫だ)
湧き出てくる不安を伊吹達を信じることで打ち消しながら、俺は眠りについた。
◆
───無人島サバイバル試験10日目。
特別試験も後半戦に入って暫く経つ中、私───佐倉愛里は近くに出た『課題』に参加するため同じグループの澪ちゃんと神室さんと一緒に森の中を移動していた。
「愛里、大丈夫?」
「う、うん。まだ大丈夫だよ」
後ろから声をかけてくれた澪ちゃんに対して、額の汗を拭いつつ振り向きながら応える。以前の私であれば澪ちゃんと神室さんの助けがあってもここまで順調にいかなかった筈だけれど、去年の体育祭で優くんと二人三脚で1位を取れたこともあって昔より動けるようになったと少しだけついた自信は間違っていなかったみたいだ。
「……課題の場所が見えたわ。もう少しよ」
一番前を歩いていた神室さんの言葉を聞き頑張って足を動かし、無事定員になる前に『課題』の場所に辿り着いた。
「ふむ。どうやらこの特別試験、私はツイているようだ」
神室さんが受付をしている間、膝に手をついて息を整えていた私の近くで声が聞こえたので顔を上げると1人の綺麗な女性が立っていた。
「君が佐倉愛里だな?」
「えっと……」
突然話しかけられたことに加えてまだ息が切れていたのもあって私が言葉を返せずにいると、隣にいた澪ちゃんが1歩前に出る。
「……3年の鬼龍院先輩、ですよね。愛里になにか?」
澪ちゃんの言葉を聞いて改めて話しかけてきた女性の顔を確認したことで、その女性が優くんから聞かされていた鬼龍院先輩であることに気付く。
(悪い人ではないけれど、とても優秀で侮れない人だって優くんは言ってたよね……)
実際、得点が公開された4日目から現時点まで1位の座を明け渡していないことからも優くんの評価は正しかったことを証明していた。
「虎城の恋人を直接見ておきたかっただけだ。他意はない」
そう言って鬼龍院先輩は私を見つめる。
「……ふむ。スタイルの良さは抜きん出ているが、それ以外は普通に見えるな」
「えっと、きょ、恐縮です?」
「……愛里、今のは失礼だって怒っていいところよ」
鬼龍院先輩の言葉への私の返事に、澪ちゃんが呆れたように告げた。
「とは言え、虎城のように内に秘めているだけかもしれんからな。出来ればじっくりと話をしたい所だが、どうやら時間のようだ」
そう言った鬼龍院先輩の視線の先には受付をするグループの姿があり、スタッフの人達が動き出していることから『課題』がもうすぐ始まろうとしていた。鬼龍院先輩は集合するために踵を返したが、数歩進んだ所で立ち止まり再び私に視線を向けた。
「先輩として、1つ忠告しておこう。この特別試験中は君自身も、隣にいる後輩のように警戒心を持っておいた方がいい。
───なりふり構わなくなった人間は、どんな手でも使ってくるからな」
◆
───午後7時。
10日目最後の『基本移動』で指定されたエリア内の川沿いで私───椎名ひよりは同じグループである西野さんと石崎くんと夕飯を食べながら現在の順位について話をしていました。
「それにしても、龍園さん達のグループが未だに3位にも入れてないだなんて信じられないぜ」
「1位と2位がそれぞれ単独なのもね。この時間に毎日順位を見てるけど、1度も順位が落ちてないのもやばすぎるでしょ」
石崎くんの言葉に西野さんが今日までの順位変動についても付け加えたことで、その異常さがより鮮明になります。
「てか、高円寺って椎名より頭良かったんだな。勉強の課題で椎名が負けたのはマジで驚いたぜ」
「そうですね。点数から、高円寺くんは私が解けなかった高難易度の問題に正解したみたいでした」
今日の昼過ぎに受けた英語テストの『課題』で偶然高円寺くんと一緒になったのですが、結果は高円寺くんが1位で私達が2位。高円寺くんの獲得点数を少なく出来れば龍園くん達の援護になったのですが、力及ばずといった形になりました。
「はぁ、石崎。ちょっとは気を使いなさいよ」
「ん?……あ。いやいや、別に椎名を責めてる訳じゃねぇぜ!?」
「ふふ。分かっているので大丈夫ですよ、石崎くん」
まるで姉弟のような距離感で会話をする西野さんと石崎くんを見て、自然と笑みを浮かべる。私達はグループの上限数を1人しか増やせていないので他グループとの合流出来ず今日まで3人のみで特別試験に取り組んでいたので大変さはありましたが、同時に充実していたとも思います。
(───このまま、何事もなく終わって欲しいですが……)
───特別試験の前に1年生の八神くんから聞かされた清隆くんへの懸賞金の件が、私の胸の奥に一抹の不安を残していました。
◆
───深夜1時。
1人の男子生徒がタブレットを操作し、GPSサーチを使って
「1度狙われたくせに弱点が剥き出したぁ、学習能力のねぇ糞雑魚だな」
確認を終えた男子生徒───宝泉和臣はトランシーバーを使用し、
『時間ピッタリだね。宝泉くん、見た目の割にマメでびっくりだよ』
共犯者である女子生徒───天沢一夏の軽口に、宝泉は一言黙れと言って最終確認に入った。
「配置にはついたな?」
『勿論。それに、どうせ宝泉くんはGPSサーチでアタシを含めて他の人の反応が無いこと確認してるでしょ?それに、追加で1年Dクラスの生徒にも確認させてる徹底ぶり』
「ちっ。尾行の1つも満足に出来ねぇゴミが」
天沢の言葉に対して、宝泉は尾行を命じていたクラスメイトに対して躊躇無く暴言を吐いた。
『
「テメェが出来なきゃ、クラスのゴミ共に代わりにヤらせるだけだ。それが嫌なら、しっかり働け」
『そこは見た目通り、人使い荒い───』
天沢の返答を最後まで聞くことなく宝泉はトランシーバーを切り、再びGPSサーチの結果画面に視線を向ける。
(宇都宮共が情報の一部を渡しただけで乗っかってくる雑魚で助かるぜ)
綾小路のいるエリアの周りに1年生グループの多くが集結しているのを見て、宝泉は笑みを強めた。
───悪意が、襲い掛かろうとしている。
次回予告
高円寺六助「やはり、どの部分を切り取っても私は完璧で優美。それはこの作品においても変わらないねえ」
高円寺六助「次回『Episode 75 覚悟とは暗闇の荒野に進むべき道を切り開くことだ』」
高円寺六助「読者諸君。眠れる獅子、高円寺六助の大活躍に期待したまえ!」