ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ 作:nightマンサー
大変お待たせして申し訳ありません!!(土下座
実は2月中旬からリアル環境が色々と変わりまして、執筆に専念出来ずこれだけ空いてしまった次第です……
今は一応一段落したのでここからまた書いていこうと思ってますので、今後もよろしくお願いします!
PS.よう実2年生編始まりましたが、面白いですね!OPもEDも最高です!そして何より愛里可愛い!
───無人島サバイバル11日目、F4エリア。
指定エリアの通知時間である午前7時となり、俺───虎城優斗を含め、グループのメンバーはタブレットを操作し指定エリアと『課題』の場所を確認していた。
「指定エリアは2つ右のH4。近くに課題も出てないから、移動優先かな」
「あぁ。とっとと移動するぞ」
俺の言葉を龍園が肯定し、全員で即座に移動を始める。無人島サバイバルも終盤に差し掛かってきており疲労が溜まってきているが、現時点で4位の俺達は得点獲得ペースを上げなければ1位はおろか3位以内に入れない可能性があるため、少しの時間も無駄には出来ない状況だった。
───そうして移動を開始し15分が経過した頃、その男は待っていたかのように俺達の前に立っていた。
「よぉ、龍園。Aクラスでふんぞり返ってたくせに3位にすら入れてねぇとはダセェな」
「ククッ、この無人島に野生のゴリラがいたとは驚きだ。とっとと自分の住処に帰ったらどうだ?」
俺達の前に立つ1年Dクラスの支配者である男子生徒───宝泉和臣が笑みを浮かべて挑発の言葉を口にするが、龍園はいつもの調子で対応する。
「そうツレねぇこと言うんじゃねぇよ。良い話があるんだ、少し面貸せよ」
「生憎とゴリラの相手をする程、こっちは暇じゃねぇ。失せろ」
そう言って龍園は宝泉を無視して再び歩き出したのを見て、俺含めたグループの面々も少し遅れて龍園に続く。
「──────」
しかし宝泉が小さく何か呟いた途端、龍園はその歩みを止めた。
「どうした、龍園」
葛城からの呼び掛けにも答えず龍園は宝泉に視線を向けるが、宝泉本人は先程から変わらず笑みを浮かべていた。
「……少しだけ付き合ってやる。虎城、てめぇだけついてこい」
「そうこなくちゃなぁ、龍園」
龍園の言葉を聞いた宝泉は俺達に背を向け歩き出し、龍園はそれに追従する。
「虎城氏、これはいったい……」
「俺にも分からないけど、取り敢えず呼ばれたからついていくよ。金田達は少し待ってて」
現状で宝泉の話を聞く理由が分からないため俺含め全員が疑問を感じつつも、その場で待ってくれるように言ってから龍園と宝泉を追い掛けた。
◆
「さて、そんじゃあ楽しい会話をしようぜ?」
グループの皆から少し離れた場所に移動した所で、宝泉が俺と龍園の方に振り返りながら口を開いた。
「龍園、宝泉はいったいどんな話を持ってきたんだ?」
理由は分からないが上機嫌な様子の宝泉を横目で見つつ龍園に問い掛ける。1位を目指すために今は1点でも多く稼がなければいけない状況であることは龍園なら分かりきっている筈だが、それを差し置いて宝泉からの話を優先したということは宝泉の話に相応の価値を龍園が認めたことに他ならない。
「話の主軸はてめぇだ、虎城」
「俺って……」
龍園からの言葉を聞いた俺は嫌な推測が頭に浮かび、リュックに入れたトランシーバーに手を伸ばす。
「はっ!手遅れに決まってんだろ、龍園の腰巾着」
俺の動きを見て短く笑う宝泉は、勝利宣言のように続けて言い放った。
「───てめぇと綾小路の女は
◆
───虎城達が宝泉と接触する少し前。
「……?」
昨日の最後の指定エリアだったH7にある森の中、私───佐倉愛里は指定エリアを踏む為に澪ちゃん達と一緒に移動を始めてから少し経った頃、何処からか視線を感じて辺りを見渡した。
「愛里、どうかした?」
「えっと、気のせいかもしれないけど、誰かに見られてる気がして……」
「……神室、ちょっと止まって」
私の言葉を聞いた澪ちゃんの表情が真剣なものに切り替わり、先頭を歩く神室さんに止まるように声を掛けてから辺りを見回す。
「なに?」
「少し準備するだけ。愛里、虎城にいつでも連絡出来るようにトランシーバー出しておいて。愛里が見られてる気がするなら、警戒しておいた方がいい」
「う、うん。わか───」
澪ちゃんの言葉を受けてトランシーバーの入っているリュックを下ろそうとした瞬間、周りにある木の陰から木の棒を持った数人の生徒──背格好から3年生の先輩──が現れて私達を取り囲んだ。
「悪いが、トランシーバーを使わせるわけにはいかない」
「……何よ、あんたら」
私に近付いてくる1人の生徒から庇うように澪ちゃんが前に立ち、神室さんは澪ちゃんの反対側───私を挟むような位置に移動する。
「そのまま喋らず動くな。そうすれば、危害は加えない」
「……呆れたわ。こんなことして、学校側が黙ってると思ってるの?」
威圧してくる先輩達に神室さんが鋭い視線を向けているが、私は先輩達の目が
「喋るなと言ったのが聞こえなかったか?大人しくしてろ」
「っ!?」
先輩達の尋常じゃない様子に神室さんも戸惑っていて、それは私と澪ちゃんも同じだった。
「いいな、30分もすれば解放する。それまで喋らず動かず何もするな」
───あのストーカーの目と同じ目をした先輩達が、木の棒を私達に向けつつ再度警告した。
◆
───同時刻、B5エリア。
「おーい、椎名せんぱーい!」
指定エリアへの移動を開始した直後、名前を呼ばれた私───椎名ひよりが声の方に振り向くと以前道案内をした天沢さんが手を振りながら此方に近付いてきていた。
「天沢さん、お久しぶりです」
「はい。椎名先輩も元気そうで安心しました」
「誰?」
「1年Aクラスの天沢一夏さんです。以前ケヤキモールを案内しまして」
「へぇ。俺は椎名と同じクラスの石崎だ。てか、1人で特別試験って大丈夫か?」
困惑する西野さん達に天沢さんを紹介すると石崎くんが心配を口にしましたが、天沢さんは手を振って否定します。
「あぁ、1人じゃないですよ。3人グループなんですけど、別行動してるんです」
「確か天沢さんは宝泉くんと同じグループでしたよね?1度クラスを訪ねてきた時に見ただけですが、確かに団体行動が好きな方ではなさそうでしたね」
「マジか!お前あの宝泉とグループ組んでんのか!?」
「あぁ、あの1年生に見えないガタイの良い奴ね」
私の言葉を聞いて石崎くんが驚き、西野さんも感心したように呟く。それを見て、天沢さんは屈託ない笑顔を浮かべた。
「そうなんですよー。でも、今はしっかり皆で仕事してるところかな?」
「仕事?」
「はい。椎名先輩の恋人である綾小路先輩を退学にさせるために、ね?」
───先程までの気配から一転して強烈な圧を顕にする天沢さんに、私全員が息を飲んだ。
◆
───時は現在に戻り、F4エリア。
「……ふざけてるのか、宝泉」
勝ち誇った笑みを浮かべる宝泉に俺───虎城優斗は静かに睨み付けるが、当の宝泉本人は笑みを崩さない。
「あぁ?言葉には気を付けろよ、雑魚。主導権も何もかも俺が握ってるんだぜ?分かったら、土下座でもして俺のご機嫌取りしたらどうだ?」
地面を指差し、そう告げてくる宝泉を見て自然と拳を強く握る。そんな俺の隣で龍園は至って冷静に宝泉を見据えていた。
「てめぇの考えは分かってんだよ。綾小路に掛けられた懸賞金目当てだろうが、わざわざ虎城にまで手を広げやがったな?」
「……ちっ、あの腰抜け野郎か。だったらどうした?」
龍園の問いに宝泉は面白くなさそうにその場に唾を吐き捨て、あっさりと肯定する。
「そこの腰巾着、随分な大立ち回りしたみてぇじゃねぇか。恨んでる奴もいて当然だろ?俺はそんな連中に機会を与えてやったのさ」
「ゴリラの口車に乗せられるたぁ、南雲のおこぼれを貰ってた連中は相当頭が残念らしい」
「……南雲に従ってた先輩達か」
宝泉の言葉から、前生徒会長である南雲の下に従っていた3年生も共謀していることを龍園と俺は察する。そうして宝泉は続けて本題を口にする。
「知ってるなら言わなくても分かるだろ?今すぐ綾小路とそこの腰巾着をリタイアさせろ。
───そうすりゃ、
「……これ以上、だと?」
───気付けば、宝泉の言葉を聞き返していた。
◆
隣の虎城の様子が
「あぁ?今更キレたのか?おめでたい奴だぜ。既に押さえたっつったろ?今頃はお楽しみだろうなぁ?」
虎城の雰囲気が変わったこと自体は宝泉の奴も気付いたようだが、むしろ煽るような言葉を立て続けに言い放つのを見て、
「おい、
「はぁ?この状況で強がったところでダセェだけだせ、龍園よぉ」
俺と同じように落胆した表情で見てくる宝泉に、隣を横目で確認してから最後の言葉をかける。
「てめぇのその脅しが、嘘の可能性が高いのは少し考えりゃ分かる。実際に手を出せば言い逃れは難しい上に、証拠も残るからな。いくらてめぇでもそこまで馬鹿じゃねぇ筈だ。
───だが、傷つけられた可能性が少しでもあるなら、
───瞬間、
次回予告
一之瀬帆波「宝泉くんと天沢さん、そして3年生の悪意が虎城くん達に襲い掛かる中、もう1人の標的である綾小路くんはとある生徒と邂逅していた」
平田洋介「愛情と信頼、信念と恩義、崇拝と友情。様々な想いが交錯する無人島サバイバルは、いよいよ終盤戦に突入する」
一之瀬帆波「次回『Episode 76 想いが紡ぐ道』」
平田洋介「これが、君がこれまで紡いできたものだよ」