月のまつえは刀を学ぶ 作:剣でしゅ
「う。うーん?」
「目覚めたか」
人!強い
「追手?」
攻撃と懐に忍ばせる。
ない。取られたってこと。でも身動きはできる、身動き?。まあ、いいや。
「追手ではない。」
嘘はついてなさそう。
しっかりと相手を見る。
何かのお面をしている。でも、これは組織の者じゃない。どこか優しい気がする。
「信じる。」
「お主は何をしてたんだ?」
・・・。なんだっけ?あ、そう。
「追手から逃げてた」
「儂が見つけた時には追手らしき者はいなかった。」
見つけた?
「私はどういう状態だったの?」
「お主は倒れてた。周りには血が落ちてた。覚えてないのか?」
「覚えてない」
刺された記憶はない。避けたはず。確実に。避けた。ああ、また記憶がかけてるのか。
「追手とは警察か?」
「ケイサツ?何それ」
「質問を変える。なぜ追われてる?」
「・・・。わからない。いつの間にか追われてた」
そう。私は記憶の限りずっと追われてた。
盗みとかではないと思う。盗みをし始める前から追われたのだから。
「お主。帰る場所はあるか?」
「ない。故郷にいれば追手に追われる」
「お主。名前はなんていう?」
「ない。代名詞はいっぱいあるけど名前はないです」
「代名詞?」
なぜ聞くのだろう
「23号、死神、堕ちた神、ゴミ」
「そんなの呼び名ではない。」
「親は?」
「いるけどいない」
親。あったことない。生きてはいると思う。いや、あるのだろうがわからない。
「助けないのか?」
「わかりません」
覚えてないから。私の記憶は所々曖昧で、所々抜けている。父は家の当主だった気がする。母はなんだっけ?
「ここにいるか?」
いるべき。そう思う。
「いたいです」
「なら名を授けよう。好きなものはなんだ?」
「天の川」
自然と口に出てた。
?。なんで?まあ、いいや。こんなことよくあることだから。チャクロとかの方が大事なのに。あ、チャクロ!
「にゃー」
チャクロだ!後ろにいたんだ。気付かなかった?なんで?気が動転してた?
それとも、探ってなかった?気が緩みすぎね。
「天の川か。うむ。お主の名前は天祈だ。天の川の天に、祈るの祈」
「あまき。天祈。」
私って存在してよかったんだ。
唐突に思ったことがそれだった。
「ありがとう。名前。くれて」
「ああ。天の川か。お主は好かれてるのかもな天の川に」
「?なんで?」
「お主が倒れてた日は七夕の日だ。」
「タナバタ?」
何それ。聞いたことない。
「知らないか。神話だ。空を支配しているえらい人の娘は働き者だったんだ。その娘は同じく働き者の牛飼彦星と結婚をしたんだ。しかしな。その後、結婚した二人はすっかり働かなくかった。これにえらい人は、二人の間を天の川で隔てて1年に1度、7月7日以外は会えなくしてしたという話だ。」
「そんな話あるんですね」
初めて知った。
ガラ
「あ、起きたんだ〜」
ビク
二人。子供
「・・。誰?」
敵意はない。
「私。あ、名前言ってなかった。真菰っていうのよろしく」
「俺は錆兎だ」
「私は天祈です」
「真菰。錆兎。これから天祈も一緒に生活する。仲良くするんだ」
「「はい!鱗滝先生」」
「先生?ここは少人数の学校なんですか?」
先生は教えてくれる人にいう敬称なはず。でも、ここには気配もうない気がする。
「鱗滝先生はね。育手なの」
「?何か術でも教えてもらうのですか?」
「そうだ。鬼って知ってるか?」
鬼?心あたりはあるけど、あれは人に言ってはいけない
「知らないです。おに?術名ですか?」
「鬼は人を喰う化け物だ。鬼は日光か日輪刀という刀で鬼の首を切るしか倒すことができないんだ」
人を食べる?
ドクン
やけに心臓が大きく跳ねる。動揺してる。でも、なんで?人は食べたことないはず。
あ、記憶がないんだ。
「刀の使い方を教えてもらってことですか?」
「うーん。その前に鬼ってとっても強いの。脚力や、視力、聴力とかそういうのが異常なの。しかも、体力なんて無限だし。しかも、再生能力があって切られてもすぐ回復するの」
「でも、首を切れば死ぬの?」
「ああ。その異常なのに立ち向かうために。全集中の呼吸をするんだ。人間でも鬼に立ち向かえるぐらいになるんだ」
「その全集中の呼吸っていうものを教えているのが鱗滝さんで、それを教えてもらってるのが二人ってことであってますか?」
「ああ」
「天祈は聞いたことないか?全集中の呼吸」
「聞いたことありません」
「本当なんだな?」
疑われている。
追い出される?それは、まずい。
このあたりの土地勘もない。追手がきたら連れ戻される。?。殺されはしないってわかるんだ。きっと捕まったりしたことでもあるんだろう。
少しなら情報も諦めるべきかな。
「はい。あ。似たものは知ってます。」
「どんなんだ。」
「血管に入る酸素や二酸化炭素を操る呼吸です。」
「同じものだろう。どこで知った?」
「故郷の書物で書いてました」
嘘ではない。家の書物。何が書いてたか覚えてないけど、なんかそれらしきものは書いてた気がする。
「それを習得したと。」
「はい」
「鱗滝先生。つまり、え。それって天祈は全集中の呼吸を習得しているってこと?」
「ああ。」
「ええ!あんなのを書物で!」
「真菰。あんなとはいうんではない。」
「いやだって。錆兎だって思わない?鱗滝先生の指導がなければあんなの絶対できないよ」
「それはそうだが」
うん。確かに。この呼吸を身につけるのにはだいぶ苦労した。他の兄、姉はできるのに。
家の代々習得する呼吸。習得しないものは神として認められない。
「天祈はその呼吸で鬼を切りたいか?」
「?。わからない」
「ゆっくり考えろ。決意のない刀は何も切れない」
「うん」
決意のない刀か。
でも、どっちにしろ考えないとね。これからどうするか。
「にゃー」
「うん?」
「にゃ。にゃー」
「賛成?うーん。」
チャクロは賛成か。しかも、進めてる。いいことあるのかな?
わからないや。いつもの勘は何も言わない。