【完結】苺プロで働くしがない普通の事務員なのですが仕事に復帰したら某トップアイドルに「お母さんっ!!」と抱きつかれました 作:SUN'S
いきなりボディにロケット頭突きされながら「会いたかった、お母さん!」とわが社の看板アイドルに叫ばれた。いやいや、それだけはないですから
私は約二ヶ月ぶりに出勤する。
わりと盲腸を隠して倒れるまで仕事していたこともあり、みんなに迷惑を掛けてしまったと思っている。がんばって名誉を挽回する。
よし、まずは挨拶からだ。
おは「お母さんっ!!」
そんな叫び声と腹部に突き刺さる衝撃。見慣れた事務所の天井と私の事を見下ろす斎藤社長とミヤコ副社長を見上げる。
どうして、私は倒れているのだろうか。と、私は嘘だろと言いたげな二人に見下ろされながら考える。お腹や胸を圧迫される感覚と人肌の温かさにようやく意識を取り戻し、ゆっくりと身体を起こすと我が社の看板アイドルがいた。
ミヤコ副社長、助けて。そう言うと「まさか貴女の子供だったなんて………いえ、やっぱりそうだったのね!!」と睨まれた。じゃあ、斎藤社長でいいです。と言えば「うるせえ、このダメ親が!!」と怒鳴られる。……ちょっと待って、私はまだ彼氏もいなければ未経験なんですが?
そう言うと二人も固まった。
「おかあさ、おかあさんっ…!」
とりあえず、貴女も落ち着きましょうか。
さあ、未だに状況を飲み込めていないB小町のメンバーと私に説明してもらえますよね?そう斎藤社長とミヤコ副社長に問い掛ける。がっくりと項垂れて二人は我らが看板アイドルについて教えてくれた。
ふむ、私はお母さんじゃないです。
「お母さんはお母さんでしょ?」
………じゃあ、お母さんですね。
「「「いや、それでいいのかよ!?」」」
えぇ、まあ、面倒なので良いです。
それと斎藤社長とミヤコ副社長は私を罵倒したのは許すので出来るだけで彼女のお母さんについてもっと詳しく教えてくださいね。
「お母さん、もう置いていかない?」
まあ、仕事ですからね。貴女がアイドルをやめて大人になるまで見守るよ。あと私の事は「お母さん」じゃなくて「ママ」と呼んでね?
さすがにアレと一緒にされるのは辛い。
「わかった、ママ!」
なんですか、アイさん?
「『アイさん』じゃなくて『アイ』だよ!」
分かったよ、アイ。
そう彼女に言うと満足げに笑っているけど。
なぜだろうか?テレビで見るときと瞳の星の色が違うように思える。まあ、あとで考えよう面倒だし。まずはアイさ「アイだよ?」………なぜ、私の心を先読み出来るのかは置いておくとして彼女と一緒に暮らしたほうが良いのかと悩む。
ところで、なぜ私がママだと?
「顔も匂いも声も体もママだよ?」
やだ、すごいお母さ「ママでしょ?」………ねえ、なんでほんに先読みできるの?まあ、いいや。そうなると私とアイは親戚なのかもしれないわね。それこそあり得ないかもだけど。
後日、DNA鑑定したら78.9%似てた。
いや、こわいわっ!!!
〈星野アイ〉
わが社の看板アイドル。
まだ中学生になったばかりで未練たっぷりだったお母さん(顔も匂いも声も体も仕草も全部おんなじだけど、ただのそっくりさん)に再会できて愛情のパラメーターが可笑しくなった。いつもより自然に笑えるようになってきたけど、どこか狂気じみたところを覗かせる。