【完結】苺プロで働くしがない普通の事務員なのですが仕事に復帰したら某トップアイドルに「お母さんっ!!」と抱きつかれました   作:SUN'S

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星野アイの最後の中学生活
私の最後の中学生活と謎の転校生


私は星野アイ、苺プロのアイドルだ。

 

今日もママのお弁当を楽しみに授業を真面目(消しゴムで遊んだり、ドミノを作ったり、鉛筆やシャーペンでキャンプファイヤーごっこしたりしながら)に受けていると一つ下の学年にカッコいい転校生がやって来たという噂を聞いた。

 

「星野さんは見に行かないの?」

 

「ウ~ン、私はパスかな。ちょっと変なのに絡まれたりして大変だったからさ」

 

「うわぁっ、そうなんだ。やっぱりアイドルって可愛いだけじゃなくて大変なんだね」

 

………いや、どっちかと言えばプライベートで遭遇してしまったというか。むしろ押し掛けてこられちゃったというか。まあ、うん、あれの相手をするのは大変なんだって初日で知っていたら関わり合おうなんて絶対に思わなかった。

 

そんなことを考えながら二時限目の大嫌いな数学の教科書とノートを机に並べていると甲高い悲鳴、いわゆる黄色い叫び声が近付いてきた。どうしよう、ものすごく嫌な予感がする。

 

「失礼します。今日、この学校に転校してきた神木ヒカルです。今年中には星野ヒカルか神木アイにするかさせるのでどうぞよろぶぅ!?」

 

ウ~ン、これは失敗しちゃったね。

 

私は余りの恐怖に投げてしまった筆箱を回収するために教卓に近付き、嬉しそうに鼻を押さえて仰向けに倒れているクズキカスルを踏みつけ……いや、そうすると喜ぶから避けて筆箱を拾う。

 

どうやって私の通っている中学校を見つけ出したのかは聞くつもりもないけど。やっぱり、そういうヤバいところがあるんだろうとクズキカスルを見下し、いつもとは違う私を見て唖然としているクラスメートに「なにも問題はないからヘーキだよ」と伝える。

 

「いや、あの神木ヒカルって子は?」

 

「あれはクズキカスルだよ」

 

その名前を聞くだけでスンッとなる。

 

なんとかちゃんも私の気持ちを察してくれたのか。小さな声で「さっき言ってた、変なのってあれ?」と問い掛けてくる。

 

彼女にそれを隠す必要もないので「そうだよ」と告げると「マジか、すごいね」と言われた。ほんと出来ることなら変わってほしいよ。

 

「さ、さすがですね、アイさん…!」

 

うるさい、あっちいけ!

 

どこかうっとりとしながら私を見つめるクズキカスル。彼は鼻血を出しているせいか。ものすごく気持ち悪いくらい「ハァ…ハァ…!」と激しく呼吸を繰り返して、じっくりと私の姿を凝視している。

 

なんとなくクラスメートも察してくれたのか。私を崇め奉る様な眼差しではなく、すごい「かわいそうに変態に好かれたんだな」という視線を向けてくる。さっきまで黄色い悲鳴をあげていた女の子も普通にドン引きしている。

 

 

 




〈とある中学校〉

とある公立中学校。

普通の中学校。進学校でもなければ不良校でもない。いたって平凡な中学校である。しかし、転校してきた神木ヒカル(クズキカスル)の登場によって、その平穏はあっさりと崩れ去ってしまった。
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