【完結】苺プロで働くしがない普通の事務員なのですが仕事に復帰したら某トップアイドルに「お母さんっ!!」と抱きつかれました 作:SUN'S
私は星野アイ、スーパースターだ。
ちょっとボクシングを始めようかと考えているけど。素手で神木に触れるのはなんか嫌なので習うのもやめることにした。シャチョーも「ボクシングなんかさせると思ってるのか!?」と怒ってたし、まずボクシングをやるのは無理だった。
それにしても今日は神木が来ない。
なにか良からぬことをしようとしているのかと考えているとなんとかちゃんに「神木くんがいっつも星野さんに渡そうとしてる指輪が消えたんだってさ」と教えてもらった。なんでも貯金のすべてを注ぎ込んだ上にオーダーメイドして買ったものらしい。
そういうのを学校に持ってくるな。と、彼に呆れながら教室や廊下、グラウンドも授業もほっぽり出して探しているそうだ。
ウ~ン、なんとも言えない。
私はいつも拒否してるし、さすがに一緒に探してあげるのも良くない噂がたちそうだから避けたいんだけど。ほんとにどうしたらいいんだろ。
「探してあげないの?」
「えっ、受け取らないのに?」
「えっ、受け取らないの?」
私ってツンデレだと思われてるのかな?なんて不安になりながらも「授業を受けろ!」と怒鳴る教師に追われて指輪を探すどころじゃない神木を教室から見下ろしていると目が合った。
どこか申し訳なさそうな顔だ。
へぇーっ、そういう顔も出来るんだ。なんだか神木の意外な一面に驚く。しかし、指輪のケースって小さいから見つけにくいよね。……ほんとに指輪はどこに行っちゃったんだろうか。
「ねえ、なんで神木くんが嫌いなの?」
「キモいからだけど」
「星野さんってさ、変なところで隠すよね。ほんとはなんでなの?」
「……私のママが目当てだからだよ」
「「「えぇっ!?」」」
いきなりの大声にビックリして後ろに振り返る。なんとかちゃんだけじゃなくて、クラスメートのみんなも先生も私を「嘘だろ」みたいな目で見ている。
えっ、なに、どういうこと?
「ごめん、ちょっといい?神木くんがいつ星野さんのママのことを狙ってるなんて言ったの?私達は一言も聞いてないんだけど」
いや、だって、あいつは『母親の愛を知りたい』とか言ってたんだけど。………………あれ?べつにママが狙いとは言ってないような?
「えぇっと星野さん、僕もいいかな?」
「えっ、先生も…?」
「うん。あのね、神木くんは普通に星野さんのことを好きだって言っているし、君と本気で結婚したいと考えているのは彼の本心なんだ。………はっきりと言うけど、星野さんの言っている『ママが狙い』というのは勘違いだと思うよ」
「じゃあ、あのドエムーは?」
「「「いや、変態だからだよ!?」」」
……つまり、私の勘違いだった?
えっ、ええぇぇぇぇっ、どうしよう?
〈星野アイの勘違い〉
とある中学校の珍事件。
星野アイは「ママが狙われている」と勘違いしていたらしく、神木ヒカルもまたドエムーの変態ゆえに「これがアイさんからの愛だ!」とはっちゃけたせいで大きく擦れ違っていたということだ。