【完結】苺プロで働くしがない普通の事務員なのですが仕事に復帰したら某トップアイドルに「お母さんっ!!」と抱きつかれました 作:SUN'S
私は星野瑠美衣、0歳11ヶ月です。
ママやおばあちゃんのいない日はパパを名乗る金髪のおっさんに抱きつかれたりする。私はお兄ちゃんとせんせ一筋だからやめてよね!
そんなことを思いながらペチペチとちっちゃな脚でパパを名乗る金髪のおっさんを蹴る。どこか心配そうにしているお兄ちゃんに平気だよと笑顔を向けてまた金髪のおっさんを蹴っ飛ばす。
「ルビーはほんとにアイさんそっくりだね。ああ、今でも思い出すよ、学生の頃はいっつもアイさんに蹴っ飛ばされてなあ………今もか!」
えぇ、なんなのこいつ。
ちらりとお兄ちゃんを見ると呆れたように頭を抱えている。そりゃあそうだよね、こんなのがパパだなんて認めたくないよね。いや、私達のパパなのは髪の毛や顔でなんとなくわかるけど、なんかやだ。
すると、お兄ちゃんはハイハイで金髪のおっさんに近づくと立ち上がり、ペチンッ!と金髪のおっさんの背中を蹴った。…なんかすっごく嬉しそうに笑ってるんだけど、ほんとになんなの?
「だ、だぁ!!」
「パパと遊びたいんだな、アクアは!よし、それならパパと一緒にアイさんのキックを堪能しようじゃないか!!」
そう言って金髪のおっさんは私とお兄ちゃんを抱き上げ、そのままベビーベッドに入れてしまう。むう、もうちょっとお外が良かった。
そんなことを考えているとお兄ちゃんが小さな声で「さすがにやりすぎだぞ!」と私を注意してくる。でも、このおっさんが変なんだよ!?
「二人ともお昼寝の時間だ!」
また、いきなりやって来た金髪のおっさんは私とお兄ちゃんを抱っこすると日当たりの良い場所に移動させられたソファーベッドに下ろし、私達が落ちないようにソファーベッドの幅を広げる。
最近のソファーベッドってすごい。
お兄ちゃんと私が風邪を引かないように小さめの布団をお腹にかけてくれる金髪のおっさんを見上げる。まあ、それくらいは許してやろう。
私の反応と違ってお兄ちゃんは金髪のおっさんにされるがまま布団をかけてもらっている。むう、なんかそれはそれでムカつくかもしれない。
「アクアはほんとに静かだね。僕の小さかった頃は………だめだ、黒歴史しかない」
そう呟いて項垂れる金髪のおっさんを見る。その黒歴史を知れば優位にたてるのは間違いないんだろうけど。どうやって黒歴史を知るかだ。
お兄ちゃんはお昼寝に夢中だから邪魔はできないし、なんとかして金髪のおっさんの弱みは握りたい。あわよくばママと離婚させたいのに。
あっ、やばい、あたたか………。
〈星野愛久愛海〉
星野夫婦の息子。
実妹のルビーに狙われている赤ちゃん。自分の足腰の強さに驚きつつ、ヒカルやアイ自身の「これは遺伝だね」という言葉に困惑しているが、お家に誰もいないときはおばあちゃんの書斎に入り浸っている。尚、そこがアクアにとって唯一のオアシスと言える。