【完結】苺プロで働くしがない普通の事務員なのですが仕事に復帰したら某トップアイドルに「お母さんっ!!」と抱きつかれました 作:SUN'S
僕は星野愛久愛海、2歳4ヶ月だ。
そろそろおばあちゃんの部屋に行きたい。あの天国のような場所でずっと本を読んでいたいと考えながらアイのドラマ撮影やヒカルの舞台活動をおばあちゃんとルビーと一緒に眺める。
なぜか雨宮吾郎と分離して生きている僕に臆することなく抱きついたり、頬擦りしたり、チューしてきたり、やたらとスキンシップの多いルビーには困っているけど。今時の子供はこれくらいするのか!?となんか納得した。
まあ、一番の驚きは雨宮吾郎だったけど。
すごい平然と僕たちの家に来るし、なんなら親戚のおじさんみたいなスタンスで僕たちを可愛がってくれている。まだ0歳だったルビーの「おっきくなったらけっこんちて!」にも「……うん、いいよ」と答えるし、なんとも言えない気分だ。
そして、今日の困惑はキックである。
いくらドラマの撮影とはいえアイドルをやっているアイは普通に大ジャンプしてローリングソバットや竜巻旋風脚っぽいやつをする。
僕の足腰が強いのは遺伝なのだろうか。と、自分の脚を触りながら考えている。いつだったかな?僕に抱きついて眠っているルビーが寝返りをするのと同時に脚を振り上げたその時だ、布団が吹っ飛んだ。
………いや、ギャグじゃない。マジで0歳児の蹴りの威力じゃねえだろと困惑しながらも今世は護身グッズはいらないなと安心する。
「遅いわよ、アクアくん!」
「ごめんね、かなちゃん…」
「ちゃんと役者らしくシャキッとしなさい!」
「あ、うん」
彼女は有馬かなといって子役として大人気で大活躍している僕の先輩だ。ちょっとうるさいし、すぐに恥ずかしがるし、なんなら僕と出会ったときも「かなが上だからね!」と言われた。
なぜ、やたらと僕に絡んでくるのかを考えた結果、売れっ子な俳優のヒカルに個人的に指導されているから対抗意識を持たれているんだと思う。
あとはお姉ちゃんぶりたいんだろう。
ドラマや映画の現場とかで共演したりするときはいつも「いっぱい、おっきい人はいるけど、だいじょうぶよ!」と手を繋いできたりとお姉ちゃんっぽいことをよくやってくる。
「アクアくん、今日はなにしてたの?」
「本を読んでた。かなちゃんは?」
「フフン、私も台本を読んでたわ!!」
いや、僕は普通に小説を読んでたんだが?なんて思いながら自信満々に演技をするかなちゃんを見つめる。やっぱり、すごい上手いよな。アイやヒカルにも似た独特のセンスを感じる。
………なぜだろ?ルビーの視線が痛い。
〈有馬かな〉
天才子役。
自分より年下で後輩のアクアにお姉ちゃんぶりたい女の子。ちょっと偉そうにするけど、すぐにしょんぼりとするので可愛い。アクアにはいつも自信満々に演技のセリフや振り付けを披露する。