【完結】苺プロで働くしがない普通の事務員なのですが仕事に復帰したら某トップアイドルに「お母さんっ!!」と抱きつかれました 作:SUN'S
僕は星野アクア、転生者だ。
どうして、いつものように俳優や役者と名乗っていないのか。それは僕…というよりも前世の雨宮吾郎に関係している厄介事に巻き込まれているからだ。はっきりと言えば今すぐ逃げたい。
「どういうことなの?せんせ」
「どういうこと?お父さん」
「えぇ、あーっ、いや、そのなあ」
チラチラと僕の方を見る雨宮吾郎。
そんな彼に詰め寄っているのは前世の記憶と愛を持って生まれ変わったルビー、そして僕の知らないところ(といっても僕が母さんの子供に生まれ変わった十五年の間)で発覚した実の娘であるMEMちょ…本名は雨宮恵に物凄い圧力で問われている。
そうだーっ、そこだやれーっ。なんて母さんとおばあちゃんは楽しそうにやっているけど。父さんはどこか苦しそうにお腹を擦っている。また、母さんにお腹でも蹴られたのだろうか。
「ルビー、私のお父さんだから諦めてよ」
「えっ、やだよ?私とせんせは前世から結婚しようねって約束してたんだよ?MEMちょだって最初は認知されてなかったんでしょ?」
「………今はされてるもん」
「私はせんせに認知されてたけどね」
「むうぅぅっ、お父さんっ!!」
ただの楽しい旅行だと思っていたかなは「えぇ、やだ、こんなどろどろしてるとこ見たくなかった」と言いながら僕の隣に座って、みんなのやり取りを嫌そうに見つめている。
いや、ほんとに前世の俺がごめん。
そんなことを思っているとルビーが僕の方を不安そうに見てきた。おい、雨宮吾郎テメー。なに僕の超絶めちゃくちゃ可愛いアイドルやってる妹のルビーを泣かせようとしてやがる。
ブチ殺すぞ、クソ野郎がッ!!
「せんせ!」
「お父さん!」
「ぱぁぱ♪」
なんか増えてないか?
「「「え?」」」
「ふふふ♪意外と面白いわね」
いつの間にか雨宮吾郎宅に入り込んでいたらしい黒服の女の子を見つめる。どこかで見たことがある。いや、そんなはずはない。
彼女とは初対面のはずだ。
それなのに僕は彼女を知っている。
……ああ、そうか。あの時だ。
僕が星野アクアになる前に少しだけ見た魂の分離する瞬間に僕を見て、なにかを呟いていた女の子だ。いや、それだと成長していないのはおかしい。しかし、壱護さんとミヤコさんはいつ帰ってくるんだ?
そろそろ本格的にヤバいんだが?なんて考えながら「えぇ、隠し子なの?」だとか「うそだよね、お父さん」だとか「そんな、せんせ?」だとか「僕よりひどいね、あれ」なんて言葉が聞こえる。
「あれはだめね、クズ過ぎるわ」
「ぐふぅっ!!」
「えっ、どうしたの?」
「な、なんでもない」
さすがにかなの毒舌は辛い。
〈MEMちょ〉
雨宮吾郎の娘。
本名「
約9年ほど前までまだ父親の存在を知らなかった女性。病に倒れた母親のために働いていたガールズバー(健全だよ!)にやって来た雨宮吾郎と出会い、病院の移転と同時に彼が父親であると発覚した。
最初は罵詈雑言の罵声を浴びせ、ようやく出会えた自分の父親に今までの不安をぶつけ、なんとか家族の関係を再構築が出来るようになって(年齢的に不安ながらも)アイドルを目指しているところ、(実は父親の生まれ変わりの)星野アクアにB小町へとスカウトされた。