【完結】苺プロで働くしがない普通の事務員なのですが仕事に復帰したら某トップアイドルに「お母さんっ!!」と抱きつかれました   作:SUN'S

44 / 52
今も尚、天才役者として有名な有馬かなの「ふっ…」という余裕の笑みに星野アクアと黒川あかねはときめきを隠せない。やっぱり、有馬かなは最高のアイドルである

私は有馬かな、あーくんの彼女だ。

 

最近の悩みは黒川あかねだ。私の恋人の星野アクアと付き合えば私とも付き合っている事になるという超理論を展開するだけでなく、ほんとにあーくんにアピールを始めてしまった。

 

そこまで私と付き合いたいのかと恐怖しながら。私はあーくんに守られつつ台本の打ち合わせをこなす。お義父さんはお腹を押さえてなんだか苦しそうだけど。

 

あーくんの「いつものあれだろ?」の一言で納得した。うん、あの人はいつもお腹を押さえてるね。ちらりと後ろを見れば私の良いところを言い合う二人、目の前には苦しそうに姫川さんと打ち合わせをするお義父さんがいる。

 

ああ、いつもの光景だ。

 

「ふっ…(やばいわーっ。えぇ?どうしようかしら?あーくんとあかねのところに行ったら行ったで恥ずかしいくらい褒められるし、お義父さんのところに行けば気まずいナニカに巻き込まれるわけでしょ?えーっ、すごいイヤなんですけど。)」

 

そんなことを考えていると後ろで「さすがはかなだな。もう演技の内容をマスターして余裕の笑みを浮かべているぞ!」とか「さすがだよ、かなちゃん!私達がまだ練習で手間取ってるのにっ、もうすべての演技を覚えちゃったんだ!」とか言ってるけど。

 

ただの勘違いよ、それ。

 

あーくんとあかねのときめいちゃってる顔はすごくいいけど。あんまり近付きすぎないでほしい。いちおう、その、私の彼氏なわけですしぃ?

 

………というか。さっきまで私を取り合って口論してたんじゃないの?と素直に問いかける。すると、二人とも平然と当たり前のように「いや、かなを見るのは彼氏として当然だろ?」「えっ、かなちゃんを見るのはファンとして当たり前でしょ?」とほとんど同時に言った。

 

「ところで、かな。ここの演技なんだが、どうも掴みにくくてさ…教えてくれないか?」

 

「えと、実は私も。こことここが分からなくて、かなちゃんが良いなら教えてほしいです」

 

「……しょ、しょうがないわね!まったく二人とも私がいないとダメダメなんだから。ほら、どこが分からないわけ?」

 

「「この『つるぎ』が泣いて命乞いするところなんだけど。ぜひ、私達に見せてもらえると嬉しい」」

 

「………」

 

こいつら、仲良くなりすぎじゃない?

 

っていうか泣いてるところを見たいとか変態みたいなセリフだし。いや、そもそもなんで二人ともニコニコなわけ?そんなに私の演技を見たいの?

 

あーくんだけならやってあげるけどなあ…。

 

ふと、そんなことを呟いてしまった。

 

あーくんはガバッと両手を天高く突き上げ、嬉しそうに「よっしゃ!僕だけのつるぎだ!!」とカチドキをあげている。その足元で「うっ、あぁぁぁ、そんなぁ……っっ!」とガチ泣きするあかね。

 

えぇ、なんなの?ほんとに?

 

 




〈劇団ララライ〉

稽古場。

星野アクアと有馬かなを中心として和気藹々とする若手役者たち。正反対に星野ヒカルと姫川大輝を中心としてシリアスな雰囲気で、ただならぬ空間を作っている実力派役者たち。星野ヒカルはストレスで死にかけているが、どこか嬉しそうだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。