【完結】苺プロで働くしがない普通の事務員なのですが仕事に復帰したら某トップアイドルに「お母さんっ!!」と抱きつかれました   作:SUN'S

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いつもの練習帰りの飲み会で「実は僕が君の父親なんだ」とあっさり暴露された事実に姫川大輝は固まった。ちなみに星野アクアも静かに固まっていた。

僕は星野アクア、役者だ。

 

『東京ブレイド』の稽古の帰り。役者同士の親睦を深めるために飲み会をしようという話になった。僕とかな、黒川あかね達は未成年なのでお酒は飲めないけれど。それなりに飲み会の空気を楽しんでいたその時だった。

 

「姫川君、ちょっといいかな?」

 

「なんすか?ヒカルさん」

 

「実は僕が君の本当の父親なんだ」

 

「………は?えっ、ん?」

 

たった、一言だったけれど。

 

さっきまで楽しかった飲み会の雰囲気はあっさりと壊れた。………というよりも僕とルビーにお兄ちゃんがいたことのほうが驚きだよ。しかも認知してなかったとか最低だな。

 

とりあえず、母さんにメールしておこう。

 

うわっ、めちゃくちゃ返信来た。

 

………ふむ、なるほど、僕とかなの安全は確保できたけど。ヒカルと姫川さんのやり取りはどうやって収集をつけようか。

 

「かな、僕らは帰ろうか」

 

「そ、そうね」

 

「かなちゃん、私もついてくよ!」

 

少なくとも当事者の話し合いに僕が加わるのはダメなのは確かだ。そう思っていたのに姫川さんは僕の肩に手を置き、なんとも言えない苦悶の表情を浮かべながら「あれ、マジのやつか?」と聞いてきた。

 

いや、知りませんよ。と僕は答える。だが、ヒカルの「僕はね。姫川君のお母さんに襲われてさ、はじめて女の人は怖いんだって知ったんだ。ああ、ちなみにアイさんは普通に優しくてかわいいんだけどね?」と勝手に話している。

 

「星野、なんとかしてくれ」

 

「………そろそろ来ますね」

 

「は?お前さっきからなに「ヒカル、浮気してたの?」オーケー、理解した。こいつは最高に面白くなりそうだぜ」

 

「ずうっと何処かにお金を振り込んでるのは怪しいとは思ってたけど。まさか浮気してただけじゃなくて、あんなに大きな子供を作ってたなんて全然知らなかったなあ?ねえ、私に『好きです』とか『愛してます』とか言ってるけどさ。あれも演技なんでしょ?そうじゃなかったら浮気しないもんね?アクアとルビー、ママも騙してたんでしょ?そういうことする人とは暮らせないし、もう別居する?するよね?はい、もう決定だから!もちろん、アクアとルビーには会わせないよ?当たり前だよね、浮気するような人が近くにいるのは教育に悪いし、二人が可哀想だもん。あーあ、すごくショックだよ。ヒカルは悪いことはしないと思ってたんだけど。やっぱり、絶対に男の人は浮気しちゃうのかな?ねえ、聞いてるの?私の話も聞きたくないのかなあ?それとも浮気しちゃったこと後悔してるのかなあ?アハハーーッ、今さらすぎるよね!しかもアクアがいるところで浮気したことを話すなんてバカすぎるでしょ?バカ、アホ、ヒカル、もう最悪すぎて怒っちゃいそうだよ。もしもアクアがショックを受けちゃったらどうするつもりだったの?また、どっかで浮気してその人と結婚するつもりだったのかな?さっさと答えろよ、この変態ゴミクズ野郎!!」

 

「うん、確かに姫川君の事を黙っていたのは悪かったよね。ごめんなさい。でも、これだけは言わせてほしい、僕は家族を軽んじているつもりはないし、アイさん達を心の底から愛しているよ。けど、姫川君も僕の子供なんだ。………どうか許してほしい」

 

そう言ってヒカルは土下座した。

 

「すごいわね。あの長文を把握している上に要点だけ、的確にまとめて謝ってるわ。あーくん、ルビーのときは条件反射だったよね」

 

「ああ、そうだな」

 

「えぇ、それよ」

 

まあ、面白いから写メっとこ。

 

 




〈姫川大輝〉

看板役者。

「劇団ララライ」の役者。自分の尊敬し師事していた星野ヒカルこそ本当の父親だった現実に驚きつつ、いきなりやって来た星野アイと始めた夫婦喧嘩の面白さをすぐに察知した。………尚、これから定期的に星野家に行くことが増える。

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