【完結】苺プロで働くしがない普通の事務員なのですが仕事に復帰したら某トップアイドルに「お母さんっ!!」と抱きつかれました 作:SUN'S
お仕事で遅くなってしまいました。
あとメイドインアビスのDVDを借りて、見ていたのも遅れたせいですね。ごめんね?
私は黒川あかね、「今ガチ」演者だ。
今日で「今からガチ恋始めます。」は最終回ということもあり、私はアクアくんに告白しようと考えている。表向きはかなちゃんに会えるから。ほんとはかなちゃんを奪い取りたいから。
「アクアくん、好きだよ」
「……罰ゲームか?」
「どういう意味かなあ?」
「そりゃあそのままだよ、黒川」
にっこりと微笑んで彼に近付く。しかし、いつものごとくみんなの後ろにアクアくんは回り込んで私の追撃を華麗に回避する。
むう、一応は本心なんだけどな?と呟きながらアクアくんより五歩ほど後ろに下がり、私の反応に困惑するみんなに呆れる。たった数ヶ月とはいえ男の子とあんなに仲良く話したりしたことないし。
「たぶん、アクアくんがはじめてかも?」
「あかね、それマジなの?」
「えっ、うん」
「えぇ…ガチの恋愛初心者かぁ」
MEMちょとゆきの呟きに私は首を傾げる。この番組は恋愛初心者の出演するものじゃないのだろうか?なんて考えているとアクアくんが「黒川、うそだよな?」と聞いてきた。
その問いかけに「私はかなちゃん以外に興味ないよ?けど、アクアくんとお付き合いしてみたいって思ってるのは事実だからね?」と返したら呆れたように溜め息を吐かれた。
いったい、どうしたんだろ?
「悪い。ちょっと黒川と話してくる」
「お、おう、がんば」
「ファイトだぞアクア!」
みんなと勝手に話を進めるアクアくんに困惑しながら私はアクアくんの後ろをついていく。なにを話すんだろ?今日もかなちゃんのお話で楽しくアクアくんと話せるのかな?
「黒川、一つ聞きたい。お前、この番組の主旨って分かってるのか?」
「そりゃあ当たり前だよ。自分の大好きな推しを語るんだよね!」
「スゥーーーーッ。ああ、そうだな」
「まあ、アクアくんにはかなちゃんがいるし。私にもかなちゃんがいるし。もはや、これはお付き合いしてかなちゃんを応援するのもありかなあ?なんて思ったんだよね」
そう言うとアクアくんは頭を抱えて、私とスタッフの人たちを交互に見る。ほどなくして私は「あかねちゃん、ちゃんと恋の勉強しようね!」というカンペを持たされていた。
ウ~ン、なんでだろ?私はちゃんと番組に貢献してるとは思うんだけど。アクアくんは好きだし、ゆきたちも大好きなのに不思議だなあ……。
そんなことを思いながら告白したり告白されたりするみんなをアクアくんと一緒に眺める。私は告白するのもダメだって言われた。アクアくんが言うには私は恋愛初心者だそうだ。
よく分からないけど。
〈あかねちゃんは恋愛初心者〉
黒川あかねの呼び方。
舞台演技の稽古。かなちゃん推し活動。そればっかりしていたため恋愛に疎くなってしまった黒川あかねは「今ガチ」的に考えて、お付き合いさせるのはアレという判断になった。ちなみにアクアくんはかなちゃんがいるので最初から候補にされていなかった。