【完結】苺プロで働くしがない普通の事務員なのですが仕事に復帰したら某トップアイドルに「お母さんっ!!」と抱きつかれました 作:SUN'S
苺プロでアイドルやってるMEMちょは「えぇ、お父さんウソでしょ?」と不安げに呟く。ちなみにその一言は不意打ちで星野アクアに被弾している
私はMENちょ、ユーチューバーだ。
最近の悩みは自分の父親にアイドル仲間の女の子が恋していたというとんでもない真実を知ってしまったことだ。そりゃあアイさんの出産を手伝ったっていう話は聞いてるよ?
でもさ。自分の父親が生後間もない赤ちゃんすら魅了する女誑しだったなんて知りたくなかった。いや、ルビーの本気っぷりは理解してるけど。
さすがにお父さんとの浮気を応援するのは辛いし。かなちゃんなんか「枯れ専ってやつなの?」と真顔で問い掛けちゃうくらい混乱してた。
けどまあ、そりゃあそうなるよね。
「メムぅ~っ♥」
「お父さん、お髭が鬱陶しい」
「お母さんが構ってくれねえんだよぉ…男とくっつくのは暑苦しいし、なんかあれじゃん?」
「あれじゃんって…」
じょりじょりとした無精髭を押しつけてくる酔っぱらいのお父さんに抱き締められながらアイドルデビューのために必要なレッスンのスケジュールをまとめているとルビーからメールが届いた。
どうしたんだろ?とスマホを操作してメールを確認したら「MEMちょだけずるい!」とか「私もせんせにハグされたい!」など盗撮を疑ってしまうほど的確な文章が書かれていた。
ルビーだったらホラー路線も簡単に出来るんじゃないだろうかと思ったことを呟きつつ、私の真横で爆睡するお父さんにタオルケットを被せる。
「ねえ、お父さん」
「んーっ、なんだぁ」
「ルビーと結婚するの?」
「………しないよ。俺はお母さんと結婚してるし、大切な子供もいるからな」
そのわりには弟にメンドイちょっかいを仕掛けるのはやめないよね?と聞けば「あれはスキンシップだからいいんだよ」と言われた。
そういうものなのだろうか。
私には難しいよ。
………それと私の家にやって来るのは良いけど。お父さん、パパラッチとか気をつけてくれないと私のアイドル生命に関わるからね?
「メムぅ…結婚しないでくれぇ」
「それより相手探しだね」
「それもそうか」
「あはは、叩くよ?」
私はお父さんの年齢のわりにはフサフサしている頭を軽く叩きながらテレビで放送されているアクたんとかなちゃんの出演する『勇者カズヒコと天空の魔女』というドラマを見る。
元ネタはドラクエっぽいし、モンスターはそのまんまだったりするけど。これはこれで中々に面白いかもしれない。
「あれ?あかねもいるんだ」
私は意外と知り合いが出演しているなと思いながらテレビを見つめる。こういうチープな作品を見るのが癒やしになってきちゃったよ。
〈勇者カズヒコと天空の魔女〉
パロディー作品。
勇者カズヒコ(星野アクア)の世界を救う冒険に加えて、愉快な仲間、コミカルな悪役との掛け合いを楽しめる作品。尚、星野アクアがほとんど素の状態で出演する珍しい作品である。