転生先が悪逆非道の血みどろ騎士モンスターで詰んだ男、過酷な迷宮で救いを見つける 作:飛び回る蜂
「そこでアタシは言ってやったワケよ。そりゃエルフの飲み薬じゃねぇか!って」
「(どんでん返しですねぇ)」
「絶対話盛ってるだろ」
「盛ってねぇって!」
安全地帯にて、探索者達は休息中ずっと『ハマヤ』に絡んでいた。またうざ絡みとも取れるそれを『ハマヤ』も嫌な顔一つせず受け入れている。表情はない筈なのだが、巨大な怪しい騎士甲冑にしてはあまりに綺麗な姿勢で座っているせいかそういうものとして扱われている。
本来この時間は武器の手入れや睡眠に当てたりに使うのだが、魔法や奇跡の使用者が多く今回に限っては武具の手入れに時間はそこまでかからない。
何故か魔力の消耗が多かった為少し長めの休息を取りつつ、寝るまで暇なのも相まって彼の近くで喋っている。これはクローカから「彼は長くダンジョンにいたから、外の話を聞きたがってると思います」と提案し、本人も首を縦に強く振って賛成した為だ。
あまり話すようなこともないんだが。そんな語り口から1人ずつ順番に生い立ちや出身、過ごしてきた時間について話し始めた。
一獲千金夢見て来た。バカでも腕っぷしがあれば稼げた。故郷にいられなくなってここに来た。探索者にとってはありふれた話ばかり。
『ハマヤ』はそれを相槌を打ちながら静かに聞いていた。彼が声を上げなくても彼等は話し続けた。時に首を傾げてはクローカに説明してもらったり、驚いたように少し仰け反ったり、興奮している時は拳を握っていたり。よくよく見てみればリアクション豊富に話を聞いているのだ。
彼はダンジョンで生まれ、ダンジョンに長く閉じ込められ続けた子供だ。そのことを思い出した彼らはできるだけ彼の期待に応えれられる様、自分達の旅路の中で持てる知識を沢山披露した。
リューベルの伝説的逸話も聞きごたえのある話だが、彼らの日常には少なからず温かみがあった。この世界で日々を暮らす人達の生の声は心根に響く良さがあった。
「そいやオメー『アテナ』行くって言ってなかったっか?聖炎祭見に行くとかって」
「あれ今年やんねぇのよ。表向きは聖炎のメンテナンス。これは過去なかったわけじゃない。けど実際の所は多分……」
「……そうか、コイツか。おいおいやっぱ面白いことになって来たじゃねぇの」
蔑むようなものではないが、ほんの僅かに顔を顰めて自分を見ている2人に『ハマヤ』は首を傾げ「?」と言った様子だ。
国外に出ることが極端に少なかったリューベルも知らなかったようだ。そこにリーダーが口を挟む。
「聖炎祭は『アテナ』という国で行われる行事だ。竜と神の伝承を謳い先祖に祈りを捧ぐ神聖な祭事。そこに住む古い竜達が集まって一斉に祈りを捧げる。一見の価値はあるぞ……行けるかは知らんが」
「(いるんだ、竜……え、それと僕らに何の関係が?)」
「腑に落ちて無さそうだな、無理もない。伝承と一口に言っても様々でな。口伝やら日記やら媒体が多様過ぎて、もはや伝記なのか創作なのか分からんのだ。だが総じて竜と神は近い関係にあったとされる。その神が世界中に造ったダンジョンの1つから自我を持つモンスター、お前が生まれた。そう言う意味ではお前は『ダイダロス』神の子とも言えなくはない。ダンジョンを挟むなら孫か?とにかく竜の価値観的にはそうなるらしい」
「アンタ詳しいな。まぁ竜に限らずアンタへの評価は『国』や種族ごとに大きく違ぇ。『ヘファイストス』や『アレス』なんかは
「(価値観が独特過ぎる……それに知ってるような知らない単語ばっかりで混乱しそう)」
どこか聞いたことのある単語ばかりで混乱している少年に、やはりそうかと納得を得たリューベルが答える。
「(君はこの世界の言語を習得していない筈だ。となると、君は聞いた言葉を君に理解できる言語に変換して聞いているのではないかと思う)」
「(え……ん……あー……?あっ、そういうこと?自動翻訳されてるんですね?)」
「(恐らく。でないと既知の言語とこうも一致するとは思えん。一体何に由来するものかは分からないが、まぁ便利な物には違いない)」
あまりに多くの既知の単語にかえって混乱していた少年であったが、その言葉にハッとする。
今まで色んな言葉が聞き馴染みのある言語であることに違和感は抱いていた。そういうものと認識するにはあまりに不自然で、受け入れるに足る理由が無かった。
しかし状況判断に優れるリューベルからそうと言われることで、ようやくそういうものと認識することができるようになった。
リューベルからしても不思議なことも多い。少年の故郷にはモンスターとよく似た動植物、昆虫が多い。そして自分達のような人間は多くいるがそれ以外の種族については全く話を聞かない。
記憶を積極的に覗くのもあまり好ましくないだろうと浮かんだ情景を目にするばかりだが、それでも自分達とは何もかもが違う世界の話だ。
時間はある。少年がこの世界に順応して余裕が出来た頃、その世界についてじっくり聞いてみたいと考えていた。叶うならリナ、ミリアムも一緒に。
「(にしても竜、ドラゴンかぁ……モンスター側じゃないんだなぁ……)」
「(少年!?外で絶対にその旨の発言をしてはいけないからなッ!?)」
「(えぇ!?待って今僕何かマズいこと言いましたっ!?)」
「(……少年はこの世界の地理や種族にはまだ疎いのだったな……手遅れになる前でよかったのかもしれん。「お前らの面はモンスターに似ている」など普通に生きていたら思いつかん罵倒だぞ)」
この時もしリューベルに表情があったとするなら血相を変え、真剣に子を叱るような顔をしていただろう。
少年の発言を故郷の言葉で柔らかく表現するなら「獣のような顔をしている」に等しい。
まだこの世界の常識、知識を十分に習得していないが故に出てしまった言葉だ。この世界にはどんな人々がどのように暮らし、どのような歴史を辿ったのかをまだ知らない。
相手の歴史を知らないことはそのまま無理解に繋がる。無理解は差別と偏見を大きく助長してしまう。リューベルはそれを未然に防ぐべく、できるだけ小言にならないよう言い聞かせた。
「(この地域の近隣種族だとマーマンにアラクネー。『ウラノス』なら一部のアンデッド達、ゴブリン達もそうだ。皆モンスターの外見が種族に類似することで起きた風評被害の被害者だ。他にも数多いるが、この200年で生まれた偏見と差別に対する憎悪を甘く見てはいけない)」
「(アンデッドが種族として生活って、なんかイメージが……ああいやごめんなさいそんなつもりはなくてっ!それって、ダンジョンに似た特徴のモンスターがいるからですか?)」
「(そうだ。たったそれだけのことだが、種族単位で見れば大問題だ。心無い輩に一生「なんでダンジョンにいないんだ?」と揶揄されるんだからな。遠く離れた地からことあるごとに「今すぐ呼称を変えろ」と山ほど文書を送ってくるくらいにはな。ダンジョン創造の遥か前から存在する種族程、似た種族特徴を持つモンスターを強烈に嫌悪している)」
「(……あのごめんなさい、決して他意はありません。一応確認させてください。ゴブリンやスライムっていう種族がいるんですか?)」
「(スライムは文化を持つ種族としてはいない。野生動物や自然環境に近いな。そしてゴブリンについてだが……この世で最もモンスターを憎んでいるのは彼らと言っていいだろうな。そもそもゴブリンは単一種族ではなく、地域の妖精や小規模な種族の総称だった。ダンジョンにいる小鬼を誰がゴブリンと呼び始めたのかまでは知らん。しかし複数のダンジョンに存在する彼らをゴブリンと呼称したことは歴史上の過ちだと、彼らは常に声を上げている。いいか、間違っても妖精種族の前で軽々にダンジョンの話はするな。私との約束だ、いいな?)」
「(わ、分かりました)」
未だかつてない程真剣な声でリューベルは約束を取り付けた。それ程までにこの問題は根が深い。
神は一体何を思ってこの世界に根差す種族に近い形のモンスターを作ったのか。神の残した命題は幾つかの種族に置いて間違いなく大きな被害を出していた。
リューベル自身も他種族への無理解から痛い目を見たことがある。というより初見のヘレスを相手に痛い目を見せられた。
他者への無理解と無関心が引き起こすのはトラブルだけである。それを身に染みて理解しているリューベルはせめて少年がそうならない様サポートすることを誓った。それはそれとして自分もあまり人の事を言えた口ではないので程々にする。
人間味の薄かったリューベルをほんの数年である程度の真人間にまで情緒と常識を育成したのは他ならぬヘレスとリナの2人だ。彼女らがいなかったらリューベルはこうして少年に真面目な顔で説教などできていない。だからこそ少年には、力に驕って他者への理解を放棄する自分のようになってほしくはなかった。
「そういやアンタ、この街から出た事ねぇんだよな。いや出ていいもんかも分かんねぇが」
「いや普通にダメでしょう」
「んなもん分かんねぇだろ。なぁもし出たらどこ行きたい?『アテナ』の聖炎祭は凄ぇぞ。今までどこにいたんだってくらい竜が集まるんだ。そんで皆一斉に山を拝む。ただの山じゃねぇぞ。この世が生まれた時にはもうあったって山だ。世界で最も美しい場所と呼ばれる一つでな。アイツらは霊峰って呼んでる」
「(霊峰……いい響き……!)」
「(竜の祭祀場。神と竜、その昵懇の証明と言われる神秘の地だ。私も実物を見たことは無い。……いつか見に行きたいものだな)」
その後も暇な探索者達はやいのやいのと騒ぎ続けた。流石に少し休んだ方がいいんじゃ……そう言いたくても言えない『ハマヤ』は成すがままに、真偽不明の他愛ない自慢話に付き合わされる。
やれこの間『勇者』に会っただとか、やれこの後俺の奢りで飲みに行くだとか、やれお前も一杯やるから酒場に顔出せだとか、出会い方が嘘のようにフランクだ。
『ハマヤ』ないし少年はと言うとこれまた初の距離感で接してくる探索者達にタジタジだ。しかし戸惑うばかりではなく、まるで仲間のように扱ってくれる彼らに親しみと憧れを抱き始めている。
10年地下を彷徨い続けたとて、孤独の中で心が育つことはない。重ねてミリアムとの出会いから今日に至るまで決して明るくはない道を歩み続けている。
育つ前にどう生きるかを知らなくてはならなかった少年の心はまだ幼い。精神年齢で言えば今も彼らの方がずっと年上なのだ。
リューベルからすれば悪い大人に影響されないか心配だが、当面は少年の自主性を重んじ口を挟まないことに決めた。
話をしている内の一人が『ハマヤ』の顔を見てしたり顔で話しかけた。
「ははん、さてはそりゃなんで自分に構うのかって顔だな?なんとなく分かって来たぜ」
「適当なことを言ってるだけだ。こいつの言うことは気にするな」
「適当じゃねぇって!雰囲気を感じ取ってんだよ!……まぁなんだ、考えて見りゃ同業でも珍しくねぇんだ。無口なやつ、不愛想なやつ、喋りたがんねぇやつは。あのめんどくせぇ連中に比べりゃ協力的だし強ぇし付き合いもいい。案外悪くねぇと思ってよ」
「初日からちゃんとやってるのは凄いよ。いや前から偉いことしてんなとは思ってたけど納得した。お前真面目だな」
「(仕事なんだから真面目にやるのが普通では……?)」
不思議そうな少年にリューベルは微笑ましいような、これがそうもいかないんだ……と苦笑いと感傷に浸る。
そもそも命懸けの仕事に対し最初から全力で当たるのはナンセンスだ。まず依頼を選択する段階で自分の力量に合ったもの、難なくこなせるものを選ぶ。そこから更に大きく余裕を持った状態で依頼を終えられる、そんな体力の配分を考えるのがベストなのだ。
常に真面目に全力で取り組むなんて有限の体力リソースを後先考えず使い潰す行為。言うなれば脱出を考えず深い墓穴を掘るのに等しい行為だ。『帰還』のスクロールだって普段使い出来るほど安い代物ではないのだ。
少年のそれは仕事に対し熱心であるべきという姿勢、ダンジョンでそれが出来る武力と有り余る『体力』があるからこその思考だ。自分で選んだのなら真摯に取り組むべきではあるが、常に熱心に全力と言うのは身が持たない。その上1か月ぶっ通しでダンジョンに潜って無事の人間はそんなにいない。
更に言えば少年が今まで出会って来た探索者は能力、人格共にかなり上澄みの部類に当たる。というよりこの『ダイダロス』という街がかなり特殊な部類に含まれるのだ。
ダンジョンタウンで秩序を重んじるという風潮事態稀有な例。支払われるべき報酬から福利厚生の一環として減額。これ自体はどこもやっていることだが『ダイダロス』はその幅が大きい。探索者の取り分が少ない街なのだ。
にも関わらず探索者達はそれを受け入れている。その恩恵に預かっている商売人達も、少なくとも取り仕切ってる大手は良心的だ。娯楽用品や嗜好品がやや高めなのは否めないが、探索に必須な道具や武具は質の割にかなり安い。グラノドの気まぐれな尽力もあり高品質な物も求めようとすればそれも手に入る環境がある。
他所に比べ温暖な気候で人間種族が多く、かつ活発な交易から他種族への排他的姿勢もほとんど見られない。
聖職者達の戒律も禁止事項こそあれど極端に厳しいものは無く、日々の祈りを捧げても捧げなくても破門されることはない。
ヘレスによる秩序維持が行き届いているが故にならず者も少ない。というより他国において探索者とならず者がイコールで結ばれてることも珍しくない。住む人が皆穏やかであることこそが、この街の偉業だと唱える者すらいる。
総じて善良な人間が多く、今まさに美しい秩序を組み立てつつある『ダイダロス』はこの異端中の異端、人の心を持ったモンスターを受け入れるのに十分な度量を持っていた。それこそが探索者『ハマヤ』にとって一番の幸運なのは疑いようも無い。これがもし他の街ならこうはいかなかっただろう。
「そういやオメー、依頼報告どうすんだ?デスクまで行けんのか?」
「(もちろん考えてありますよ!)」
ふと疑問に思った探索者の一人が徐にそう聞いてみると『ハマヤ』は頷いて沼の中から1つの道具を取り出した。
それは鉄でできたバケツだ。しかしバケツにしては口がかなり広く底が深い。囲いの付いた深めの鉄板と呼ぶべきかもしれない。更に左右の取っ手は長い鎖で繋がれている。見ていた1人から「何かの拷問器具……?」と言われるがブンブンと首を振って否定を返す。
「(これはですねぇ、こうして首にかけておくと……ほら!ドンドン溜まるんです!)」
「……地面が血で汚れないって?いやそりゃそうだが」
何をするにしても、首元から溢れる血をどうにかしないことには『ハマヤ』の活動は大きく制限される。そこで関係者一同が考えに考え抜いた結果生まれた珍妙な物体、名づけて『鎖付きタライ』である。初めてこれを見た少年は「焼きそばの鉄板抱えてるみたい」と溢した。
前提として、彼の住む家屋の中は溢れる血液を別室に転送、しかも家中にその魔術式を張るという異次元の狂気じみた発想の元造られている。その技術を何とかして彼の周辺に適用しようと誰もが躍起になっていた。
しかし屋外であること、戦闘になる可能性、動く標的と流血を常に指定する、他人の血液に作用しないなどあまりに多くの条件を持ち運び可能な形にするというのは現在の魔法技術的にあまりに難しかった。それこそ文字通り神業であるか、何か異次元の発想をしないことにはこの技術を完成させることはできない。
あらゆる手段を模索する中で、ネタ出しに疲れ切ったふと誰かが言ったのだ。
「バケツを首から下げてそこに血を溜め続けたらいいんじゃない……?一時的なんだし……」
それで解決するなら誰も苦労しないんだが。まぁ物は試しやってみるか。
そうして生まれたのがこの『鎖付きタライ』だ。このあまりに下らない発明品は彼の生態に思わぬ邂逅を齎した。
ついでながら、これを目撃したある鍛冶師は「理には適っている。つまらないし不格好だ」と評した。
「(ちょっと見ててください。ここにある程度溜めて剣を入れると……ほら、ちゃんと機能するんです)」
「待て待て待ておかしいおかしいおかしい。明らかに深さより長いだろその剣。あ?じゃあなにか、それはそういうのを無視できるのか!?」
「見た目以上に物をしまえるってのは分かるが……血さえあればどこにでも入り口を作れるのはいいな。何か面白いことが出来そうだ」
彼の作る『血の沼』は道具を無尽蔵にしまっておける便利な能力だ。そしてそれは地面でなくとも、自分の血液が滞留さえすれば使用できるという特徴が明らかになったのだ。
そしていくつかの実験を経て「壁側面でも水たまり程度の面積で滞留さえすれば機能する」「入りさえすれば体積や重さは無視できる」「入れたものが汚染されるような毒性はない」という3点が明らかになった。それまで1流の魔法使い、魔術師が地上で活動する彼の為に日夜ぶっ通しで研究していた論理では実現できなかった流体の固形化は金属鉄のバケツ1つで可能となった。
この現象に対し興味が湧いたのか、休憩中の周囲の探索者もワラワラと『ハマヤ』の周りに集まり始める。
「ここに指突っ込んでみてもいい?ダメ?危ない?そっかー」
「真ん中に仕切りを作ってみたらどうだ?入口が2つになったら両方から取り出せるんじゃないか?」
「(ダメでした。最後に出来た血溜まりしか効果を発揮しないんです)」
「ダメだったんだな。しかし……まぁ確かに、それなら数分外に出るくらいはなんとかなるだろう」
「なんか……いや効果的なのは分かるんだが……まぁそういうもんなのか……」
見た目の不格好さはともかく、僅かな時間ではあるが外出を可能にした『ハマヤ』はこれにより、探索者用デスクへの立ち寄りが可能となった。それからのことは初体験になるが、探索者カードの提示を済ませれば依頼完了、報酬を引き渡して終了である。
出発から帰還まで恐らく数日かかる。だが既に職員達が総出でスタンバイしていることだろう。なにせ前代未聞、探索者登録したモンスターが依頼達成の報告をしに来るのだ。住民票を取得したギリギリ対話可能なライオンが戦闘能力を持たない職員の眼前まで喜び勇んで来るのだ。
それが如何に恐怖を伴うものであったとしても成し遂げる。彼等は何より貴重な前例を作る為、そして協会職員の矜持にかけて職務を全うすることは間違いない。彼らもまたヘレスに付き従う勇敢な者達だった。
「どうせ魔力の回復までしばらくかかる。色々試してみようぜ。まずは血とポーション混ぜて沸騰させてみよう。そしたらそこで干し肉を煮込むんだ」
「薬でもキめてるのかこいつ」
「まだ初日だよ?大丈夫そう?」
「バッカお前、血のスープって料理があんだよ!どっかで見た!」
「毒入りスープの間違いだろ。一応はモンスターの血液だぞ。身体に取り入れて無事でいられる訳ねぇだろ」
「(……ソウデスネー)」
既に前例を作ってしまったことに少年は全力で目を逸らした。