SAO―切り裂き姫ととある騎士   作:チキン ボーイ

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今回はちょっと短めです。
オリジナルシーンはどうしても短くなってしまう……

そして、まぁいつも通りイチャイチャします。皆さん壁の用意を(修理費は個人持ちで)




第9話 美酒と類似

 

 

SAOにおいて娯楽と言うものは余りない、俺が知っているのも釣り、乗馬、料理くらいだ。

料理が娯楽というのもおかしな話ではあるが、NPCが売っている料理は何処かずれているものが多く、物によっては見た目と全く違う味のものまで存在する。

ただ、ある種のクエスト等で手にはいる物の中には中々の味を持つ食材等が存在したりするのだが、そういったクエストは隠蔽されやすい。なぜならその食材を独占できれば大量のコルを手に入れることができるからだ。

 

それは飲み物、強いては酒にも共通する話で十三層の寂れたバーで受けれる隠しクエストの報酬がそれにあたる。

まぁ、この情報は既に情報屋は知っているのでコルさえ払えば知ることが出来る。

 

 

「これで満月だったら最高だったんスけどねぇ。」

 

「……それは仕方ないよ、はいどうぞ。」

 

「ん、ありがとうッス。」

 

 

コップに入っていた酒を飲み干すと、となりに座っているアリーが会釈をしてくれた。コップに麦茶色の酒が注がれていく。こんな色をしているが、味は白ワインだったりする。

しかし、さっきから飲んでいるのは俺ばかりでアリーはまだ一杯目すら飲みきっていない。

 

それもまぁ、仕方ないことなのかもしれない。酔ったときに押し倒されたとか言っていたから警戒してるのだろう。

 

 

「ねぇケイ、美味しい?」

 

「ん?このつまみッスか?うまいッスよ、何処で手に入れたんスか?」

 

 

俺は手元にあるジャーキーを見る。これはアリーが持ってきたもので、現実で売られているものより美味しい気がする。

 

 

「フフッ……そっか、まだだめ秘密よ。」

 

 

まだ…とはどういうことかとか、秘密にする必要はあるのかとか色々聞きたいことはあるが、満足そうな顔を見たら。

ま、いっかと思ってしまう。

 

 

「そういえばアリー、LA決めてたッスよね?」

 

「……うん、防具系で私でも装備できるものだったよ。」

 

 

アリーのステ降りはAGI一極だ。そしてSAOにおいて武具には必要筋力値というものが存在する。

例えば俺が使っている重装タイプの防具は防御値が高いが必要筋力値が高い。

というのも硬さを得るために金属を大量につかっているからだ。

 

話を戻すと、アリーはその必要な筋力値……つまりSTRに一切振り分けていないのだ。

SAOでは、レベルが上がれば筋力値も俊敏値も同じだけ上がるり、さらに振り分けできるフリーポイントをSTRかAGIに振り分けられる。この振り分けがかなり重要になってくる。

アリーが今装備しているのは彼女より十は低いレベルのプレイヤーが使うものを強化した軽鎧だ。勿論それより性能が良い軽鎧も手に入れてはいる。

だが、それらを装備しようにも筋力値が足りなかったので諦めていたのだ。

 

あの強敵からのLAだ。かなり協力な物であることは間違いないだろう。

 

 

「えっと……見たい?」

 

「見たいッス。」

 

 

アリーは少し考える素振りを見せたあと、こくりと頷き立ち上がるとそのまま俺の数歩前に移動する。その顔は酒を飲んだ為か僅かばかり赤みを帯びていた。

 

アリーがメニューを操作し、装備が光り置き換わる。

 

そこにいたのはまるで妖精だった。

 

 

肩は大胆にも露出し、胸の谷間が強調されようにスリットが入っている。そんな大胆な上半身とは対比するように下半身は脚先まで隠れるロングスカート。

その全てが暗めの赤紫色で統一されており、彼女の白い肌とマッチしている。

 

月明かりに照らされるその姿はまさに幻想とも呼べる風景。

 

 

「……どう?」

 

「……すげぇ綺麗、できることなら独り占めしたいくらいッス。」

 

 

こういったときに、ありふれたこと言葉しか出てこない自分のボキャブラリーが恨めしい……

 

 

「大丈夫、ケイがいるときしか装備しないから。」

 

「え?何でッスか?性能今までのより良いんじゃ?」

 

「うん、でも男の人を誘ってるように見えるし……」

 

 

あぁ、確かに言われてみれば……

ただでさえ妖艶な容姿をしているのにドレスなんて着ていれば男性は黙っていないだろうな。

ただでさえ多いナンパが増えることはまず間違いない。

 

 

「でも……ケイはそういった人からも守ってくれるから。

だからケイと一緒に居るときだけ装備する。」

 

 

そう言ってアリーは、俺の真横にちょこんと座り、肩に頭を預けてきた。ふわりと揺れる白金の髪からフローラルな香りが鼻孔をくすぐり、触れた柔らかい肌触りと生を感じさせる温もりが、ただでさえ酒で上がっている俺の体温を一気に上気させる。

 

確かに甘えるとは言ったが、これは理性を押さえるのが大変だ……

アリーからそれとなく目を反らす。

 

 

「暖かい……」

 

 

甘ったるいソプラノボイスが耳にぃぃ!?いかん意識するな俺!!

ここで手を出せば今までの築き上げた関係が破綻することになるぞ!!

今は酔いでこんな大胆な行動をしているだけだろから覚めるまで待てば自分から離れるはず……

 

 

「……この温もりがあるから私は戦える。」

 

「それは……俺も同じッス。」

 

「私ね……少し前まで、この世界なら死んでもいいって考えてた。

 

弟が好きだったゲームの世界で……弟に似たケイを守って死ねるならって。」

 

 

絶句した。反らしていた目をアリーに向ける。だが、アリーは俺を見ていなかった。

湖畔に揺れる月を虚ろな瞳で見つめている。

 

 

「でも、今は死が怖い……この温もり……を失いたく……ない。

 

だって……私は……ケイが……」

 

 

そこから先はいくら待てども語られることはない。虚ろだった目は閉じられ、聞こえるのは規則正しい呼吸音のみ。

 

まぁ、要するにあれだ。ネトゲ用語で言えば寝落ちというものだ。

 

ボス戦での心的疲労や酒の力もあったのだろうが、せめてもう少し頑張って欲しかった。自分の名前を出されてその先が聞けないとは気になることこの上ない。

 

しかも、それを寝ているアリーに言ってもどうしようもない。

 

 

「はぁ、これは……また二人部屋か。」

 

寝ているアリーをそっとおぶり近くの宿屋へと向かう。

 

……背中に当たる柔らかい感触と耳にかかる静かな寝息に葛藤しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前六時三十分、私はいつも通り目をさました。

まず見えたのは真っ白いシーツと枕、そして誰もいない隣のベッド。

昨日と全く同じ風景。

 

昨日のボス戦は私の夢だったのかとも考えたが、髪を整えるときに自分の耳についているイヤリングを触り、あの出来事が夢でなかったことを実感した。

 

だが、確かそのあとはケイと一緒にお酒を飲んでいたはずだが……

自分の服装を見る。

 

そこにはいつもの寝間着ではなく、LAで手に入れたドレスだった。

そうだ、確かこれを見せるために装備して……

 

 

「その後寝ちゃったか……」

 

 

変なことを口走る前に寝落ちできてよかったと思う半面、二人っきりの時間をもう少し堪能したかったとも思う。

 

ゆっくりとベッドから降りて部屋着に着替える。周りを見回してもケイの姿は何処にもない。宿の入退ログを見る限り外に出てはいないようだ。

 

彼の朝は早い、きっとリビングでくつろいでいるのだろう。

いまだにケイの寝顔を見れたことなはい……

寝室を出てリビングへ、だが、ケイは見当たらない。あるのはソファーとテーブル、そしてテーブルの上には空のボトルとコップが置いてある。

そしやと思いソファーを除きこむと、そこには猫のように体を丸め眠っているケイの姿が……

 

 

「隣のベッドで寝れば良かったのに……」

 

 

軟派な口調をしてるくせに考えや行動は硬派。気を使ってくるてるんだろうけど、自分に魅力がないのでは思ってしまう。

 

しばらくその寝顔を見つめていると、フルリッと瞼が震え、ゆっくりと開かれる。

そして、そのまま目が合う。

 

 

「おはようケイ。」

 

「……詩乃ちゃん?」

 

 

気がつけば私はケイの頬をツネッテイタ。

詩乃ちゃん……イッタイダレナノカナ?

 

 

「イデデデデデ!?ア、アリー!?痛い!痛いッス!」

 

 

痛みで目をさましたケイの頬から手を放し向の席に座る。

そして、じっとケイを見つめる。

 

 

「え?え?怒ってる?」

 

「……怒ってない。詩乃ちゃんって誰?」

 

 

嘘だ、本当は怒ってる。誰でも想いを寄せている人が知らない女性の名を呟けば怒るに決まっている

 

 

「……えっと、詩乃ちゃんっていうのは俺の従妹ッス

 

……そして、アリーと同じで罪に苦しんでる子。」

 

 

私と……同じ?

 

 

 

 

 





酒の力は偉大
そして最後に出てきた詩乃ちゃん。
SAOにおいて罪を背負う者と言えば彼女が真っ先に思い浮かぶでしょう。

そんな彼女が今後どう関わっていくか後御期待!!
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