SAO―切り裂き姫ととある騎士   作:チキン ボーイ

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書き終わっての感想……これもうほとんどオリジナル展開だわ。
てなわけでタグを少々変更いたしました。

それと、ヒロインはアリウムで行こうと思います。
シノンヒロインは……別作品で書こうかなぁ。
時間が取れればだけど。



第4話 攻略会議

デスゲーム開始から一ヶ月が経過している。

この一ヶ月で約二千人のプレイヤーがこの世界から、そして現実から去っていた。

その殆どが外周からの投身自殺や引き際を見誤りモンスターにやられた。

……噂の域を出ないが、気が狂ったプレイヤーによるPKもあったとか。

 

俺もこの一ヶ月で幾人もの人が死ぬのを見てきた。

助けようとして助けられなかったこともある。

 

 

そんな一ヶ月だったが、今日この日ついに第一層の攻略会議が行われることになった。

場所は迷宮区近くの街《トールバーナ》の噴水がある広場だ。

 

攻略が一ヶ月も滞った理由はこれがデスゲームだからである。

死んだら終わりのこの世界でプレイヤー達は慎重にならざる得なかったということだ。

 

 

 

「にしてもギリギリだったッスね……」

 

「……クリアー出来ないと思ったのに。」

 

「最後はほとんど運だったしな。」

 

 

 

本当だよ……

ボス攻略会議が決まった際に、アリーの条件は安全マージン15は取っておかないと連れていかないというものだった。

 

基本的な安全マージンは階層+10だったはずだ。

その話が聞かされた時のレベルは12だったから安心してたのだが、甘かった。

 

心配性のアリーはどうやら俺を危険なボス戦には出したくなかったらしく色々説得してきたのだが、そんな危ないところに紙防御のアリーを行かせる方が危険だと反論、お互い一歩も引かなかったがアリーが先程の条件を出し、俺は隣で呑気に黒パンを食べていたキリトを巻き込みレベリングを決行。

会議が始まる数分前に達成し帰ってきたのだ。

 

 

 

「……本当に出るの?」

 

「心配のしすぎッスよ。鎧も一番硬いのを可能な限り強化したし、盾も強化した。

油断だってするつもりは無いッス。」

 

 

 

俺のVITは恐らく会議に集まった誰よりも高いと思われる。

レベル的な差もあるが、最近ドロップしたレアアイテム『守りの護符』という装飾品の効果でVITが+3されているからだ。

3という数字だけ見ればさほど強く無いように思われるが、VITが1上がればHP上限が50上がるとしよう。

それの3倍で150もHPが伸びるのだ。

これは防具無しで[リトルネペント]の攻撃を五回食らったときに相等する。

 

おまけにずっと使い続けているウッドシールドは+6まで強化済みだ。

キリト曰これなら三層まで使えるらしい。

まぁその分槍は買って強化も出来ていないボーンランスなのだが。

 

 

 

「はーい、それじゃそろそろ始めさせてもらいまーす!!」

 

 

 

噴水近くに居たシアン色の髪の男が声を張り上げて集まった全員の注目を集めた。

シアン色の髪なんて現実じゃ存在しないだろうし十中八九アイテムで染めたのだろう。コルの無駄遣いの気もするが、リーダーが目立つと言うのはそれだけて士気も上がるのだろうか?

 

 

 

「今日は俺の呼び掛けに集まってくれて有難う!

俺はディアベル、気持ち的には騎士(ナイト)やってます!」

 

 

 

SAOではジョブシステムは実装されていない、精々鍛冶スキルなどの生産系スキルをもったプレイヤーが名乗る程度だ。

 

なのでこれはジョークなのだが、イケメンで騎士とか爆発すればいいのに…

 

 

 

「私にとっての騎士はケイだけ。」

 

「やめて恥ずかしい!」

 

「お前ら真面目に話聞けよ。」

 

 

 

ボス戦前での話し合いだというのに相変わらずの俺らである。

あの日以降アリーはこうやって俺をからかうことが増えた。

キリトは大体傍観するか、今みたいに突っ込みをするかだ。

 

 

そしてディアベルはパーティーを組むように促してきた。俺達は元から三人でパーティーを組んでいるが、周りは6人位で組んでいる。

 

 

 

「なぁ、あれ誘っていいか?」

 

「あれって……あのフードッスか?」

 

 

 

俺らから離れた所にピクリとも動かないフード姿のプレイヤー。

ソロプレイヤーなのだろう周りにパーティーメンバーは見かけられない。

 

 

 

「いいんじゃないッスか?戦力が増えるのはいいことですし。」

 

「私もかまわない。」

 

「じゃ声かけてくるよ。」

 

 

 

キリトがフードと一言二言言葉を交えるとパーティーメンバーの中にAsunaという名前が追加された。

恐らくアスナと読むはずだが、女プレイヤーだろうか?

 

 

 

「皆パーティーは組めたかな?それじゃあ……」

 

「ちょっと待たんかい!!」

 

 

 

ディアベルの言葉を遮り現れたのはキバオウというサボテンヘアーの男だった。

彼の要求はβテスターの謝罪

ビギナーを見捨てて旨い狩場やアイテムを独占したβテスター達はここでアイテムとコルを差し出せと……

 

 

 

「ちょっといいッスか?」

 

「お、おい止めとけ。」

 

「ケイが気にすることじゃないわ。」

 

 

 

手を挙げて発言の許可を貰う俺をキリトとアリーが小声で制してくるが、今の俺はそう簡単には止まらない。

 

ディアベルが頷いたのを確認し階段を下りた。

 

 

 

「悪いッスね……仲間二人が貶されて黙ってるのは出来ないんスよ。

 

 

たしかキバオウさんとか言ったスよね?

俺の勘違いじゃなければβテスターは全員悪い奴って聞こえるんスけど?」

 

「そうやろ!βテスターがしっかりビギナーを押さえていれば二千人も死なないですんだはずや!」

 

「……おめでたい頭してるんスね、サボテンと同じで繊維と水しか入ってないんじゃないんスか?」

 

「なんやと!?」

 

「まず、βテスターの人数は千人でその全てがあのときログインしてた訳じゃない。

情報屋の調べじゃ九百人くらいだったらしいッスよ。

 

そしてその九百人だって人間なんスよ、中には中学生みたいな子供だっていたんス。

その中で前を向いて自分の命を優先した人達を責めるのはどうなんスかね?

 

それだけじゃない、あんたの言い方じゃ死んだ二千人全てがビギナーみたいに言ってるが、二千人の中にはβテスターだっていたんスよ。」

 

「なっ!?そ、そない言ったって数人くらいやろ!」

 

「五百人」

 

 

 

俺の言った人数にキバオウは目を見開く。

当然と言えば当然だ、何せ九百人の内の五百人……つまり半分以上が死んでいるということだからな。

 

 

 

「発言いいか?」

 

 

 

前方に座っている黒人の男が手を挙げ俺と同じように前に出てくる。

俺より頭1つ分は高く目付きも鋭く強面で威圧感が半端ない。キバオウなんて後退りしてるしな。

 

 

そしてそのプレイヤーはエギルと名乗りあのガイドブックを取り出した。

ガイドブックを片手にこれがβテスター達によって集められた情報であり、βテスター達の支援のお陰でビギナーには無料配布されていることを説明した。

 

その事に周りはざわめく、まぁ、余り出回っていない話だしな。

βテスター自らが説明をするわけにもいかないし。

 

「情報は誰でも手に入れることができたのに、大勢のプレイヤーが死んだ。その失敗を踏まえて、オレ達はどうボスに挑むべきなのか。それがこの場で議論されると、オレは思っていたんだがな」

 

 

 

そう言うとキバオウは完全に言葉を無くし、舌打ちをして元の場所まで帰っていった。

エギルも俺をちらりと見て微笑し元の場所に戻り、俺もキリトとアリーがいた場所に帰った。

 

その後ディアベルの指揮のもとボスの情報が確認される。

 

ボスの名は[イルファング・ザ・コボルド・ロード]。武器は片手斧に円盾(バックラー)

HPバーは三本あり、最後のバーが赤く染まると武器が曲刀のタルワールに変わるらしい。

 

そして取り巻きとして[ルイン・コボルト・センチネル]がいる。

 

 

 

「さて、確認は以上だ!集合は明日の十時!

それまではアイテムを補充するなりパーティーの親睦を深めるなり各自自由に過ごしてくれ。」

 

 

 

 

 

 

「キリトはアスナと話してて、私はちょっとケイとお話しないといけないから。」

 

「ふぇ?」

 

「おう、俺の分まで頼むぞ。」

 

「ちょっ!?」

 

 

 

会議が終わりそれぞれが散っていく中で俺はアリーに襟首を捕まれ広場を出て、最近拠点にしている宿屋の、それもアリーの部屋まで連れていかれた。

 

 

 

「さて、何であんなことしたの?」

 

「いや、あのアリー「正座」はいッス……」

 

「あの状況で発言するなんてβテスターだって言ってるようなもの。

ビギナーである貴方がβテスターの弁護をする必要は無いのよ?」

 

 

 

確かに改めて思い返してみれば確かにその通りなのだが……

 

 

 

「嫌だったんスよ、アリーが蔑まれてるような気がして。

 

出過ぎた真似ってのはわかってるッス。でも我慢ならなかったんスよ。

 

言うなれば俺のエゴッスね。」

 

「……クスッ、そう、でもそう言うのも程々にね。

私嫌よ、ケイが恨まれて背中からブスり……なんて。」

 

「そ、それはちょっと洒落になんないッスね……」

 

「大丈夫、ケイの背中は私が守るから。」

 

 

 

おぉぅ、久々に見た優しい笑みに思わずドキッとしてしまった。

これが所謂魔性の女というものなのだろうか?

 

改めて見てもアリーはかなりの美女である。

サラサラの銀髪、透き通るようなルビー色の瞳はアルビノの特徴だ。

スタイルはモデル顔負けのナイスバディで背も高い。

唯一の欠点はその鉄仮面みたくほとんど変わらない表情くらいか。

 

まぁそれもミステリアス感が醸し出され彼女の魅力のスパイスと化してきているのだが……

 

そんな彼女と当初からパーティーを組んでいる俺って……確かに後ろから刺されてもおかしくないな。

 

 

 

「さ、さて、キリトにアスナを任せっぱなしは不味いし俺達も合流するッスかね。」

 

「そうね、行きましょう。」

 

 

 

 

その後キリトと合流した俺達は新しい仲間であるアスナと旨い黒パンを食べ親睦を多少なりと深めた。

特にアリーは同じ女性であることからいち早く打ち解けていてフレンド登録までしたそうな。

 




今回の話はほとんどオリジナル展開でした。
個人的にはキバオウはかなり嫌いなキャラなんですよね……
なんかだだこねてる子供みたいな感じがして。
まぁ、そんなことはさておき。

描写していなかったアリウムの姿を書いてみました。
詳しく書いていないのは私の表現力じゃ書き表せきれないからです。
一応元にした絵はあって、バトスピというカードゲームのアゼイリアというカードです。
気になったら検索してみればたぶん出ます。
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