フラスコの世界を駆け抜ける   作:影後

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原作入りって何時になるかな、ぱぱっとなるかな?




第1話 特殊戦技教導隊結成

新西暦182年リョウマの年齢は16歳になっていた。

2年前、士官学校を14歳という異例の若さで卒業したリョウマは技術士官としての道を歩んでいた。

本来の目標はカーウェイやテンペストと同じ正規軍人であったが、リョウマ自身の適性が開発部に向いていた事が多く、士官学校時代からテスラ・ライヒ研究所に出向していたという理由から、卒業後技術少尉に。

その後、1年を経て技術中尉へと安定した昇進を果たしている。

ジブラルタル海峡に存在する重要拠点ジブラルタル基地、本来なら後数年はそこで勤務するはずであった。

しかし、今年、リョウマはジブラルタル基地から北米ラングレー基地へと転属することになった。

長い時間を輸送機で飛び続け、今北米の大地に足を踏み出したのだ。

 

「……ここならテスラ研も近いな、ビアン博士とも久し振りに話したい物だ」

 

「ラウ中尉、こちらです」

 

「ありがとう」

 

案内の兵士に感謝を述べるとそのまま自身が使う兵舎に入る。

個室を与られ、待遇は非常に高いものだと理解した。

 

「ジブラルタル基地からラングレー基地まで、しかもほぼ新任の技術士官を何故よこす?」

 

この数年でリョウマは人のドス黒い闇を何度も見てきた。士官学校の不正行為、自身へのやっかみ。技術士官となった瞬間、まるで邪魔だと言わんばかりに僻地へと飛ばされる。

中尉となりジブラルタル基地配属となったが、半年足らずでもう一度の移動だ。

 

「……この部隊、もしかして疎まれてるのか?」

 

嫌な考えが頭に浮かぶ、連絡を取り合っていた父であるカーウェイとは移動中、繋がらず、ならばと連絡したテンペストも駄目であった。

 

「……どうしろと?」

 

所属部隊すら知らされず、配属先のみ。

隠密部隊という事か、まったく別か。

リョウマは段々と不穏な空気に包まれる。

 

「リョウマ・ラウ中尉」

 

部屋の扉がノックされ、リョウマは意識を戻す。

制服を改めて、ゆっくりと扉を開いた。

 

「リョウマ中尉、明日0900より格納庫にて結成式を執り行う」

 

「ハッ…」

 

リョウマは確かめるように階級を確認する。

 

「大尉殿!」

 

自身よりも年上であるのは当たり前だ。

壮年の大尉に敬礼をし直し、見送る。

その後、自室の片付けを始める。最低限の荷物しか持たないリョウマにとって、最も重要なのは自身の設計した機体のデータが入ったUSBメモリである。

 

「…レヴリアス、セリウス、」

 

それは近年製造されたマオ・インダストリー社製の詩作パーソナルトルーパー(以後PT)である、ゲシュペンストとは違った目的でリョウマが設計した機体である。

2機によるコンビネーションを目的とし、攻撃機であるレヴリアスと支援機のセリウスという位置付けが行われている。

 

「俺が覚えている知識……ソレを書き出さなくては」

 

リョウマは特殊な夢を見る。

自分の知らない知識、自分の知らない技術。

だが、そのどれもが辿り着けない境地に存在している。このレヴリアスとセリウスですらそうだ。

頭に浮かんだ設計図を描き起こしたものの、動力源が一切思い浮かばない。

 

「………まだ、希望はある」

 

地球にはリョウマにとって、技術者としての師であるビアン・ゾルダーク博士がいる。

彼はどんな分野においても権威と言っても過言ではない人物であり、軍人以外で始めてリョウマが憧れた人物である。

 

「……ビアン博士なら」

 

リョウマはけして凡人ではない、天才と呼ばれるに等しい人材である。

だが、彼の周りには素晴らしい人間が多くいた。

上がることなく、自分を客観的に見ることができた。それだけでなく、10年前のホープ事件も関係するが、リョウマは頼り、頼られる事を知っている。

 

「ステアードシステムなら」

 

ステアードシステム、本来ならあり得ない事であるが、一つの武器に多数の能力を与える1種のマルチウェポンシステムである。

リョウマ自身、あり得ないと理解している。

破壊されればメイン火力が失われる。

だが、頭に浮かんだ設計図はこのステアードシステムがあったのだ。

幸いなのは既存の技術で対応可能である事。

そして、改善の余地があることである。

設計図通りに作製するのは2流の仕事である。

1流は作り出し、改善し、より進化させる。

完成よりも、未完成を。

完成品であると認めれば、その進化は止まってしまうのだ。

まだ先がある、リョウマはそう考える。

 

「……兎に角だ、今はゲシュペンストのデータを見よう」

 

リョウマは夜遅くまでゲシュペンストのデータを頭に叩き込む。

1時を過ぎた所で床につく。

 

「………僕はまだ頑張れるから」

 

何処に居てもけしてなくさず、持ち続けた写真を一撫でする。

カーウェイと向かい合うジェシカ。

その手には幼い自分が抱かれている。

 

「………寝よう」

 

翌朝、シャワーを浴び朝食を取りに食堂へ向かう。士官食堂だが朝早いこともあり、誰も居ない。リョウマは直ぐ様食事を終えると再び自室に戻り作業を続ける。

何か作業がある時のリョウマにとって食事とは生命活動を続ける為に必要な行為である。

単なる栄養補給ではない、必要な行為。

最低限の味が保証されていればそのまま食し、新たな作業に戻る。

 

「……0830か」

 

ホルスターに拳銃をしまい、制服になる。

やはり10代の士官が目につくのか、歩くたびに陰口を言われている様に思えてしまう。

 

(……ゴミどもが)

 

リョウマにとって周りの軍人は信用できない「敵」である。カーウェイやテンペストは自身の汚名を気にせず人を救うことを優先するだろう。

だが、コイツラは違うのだと。

幼い頃、自身とレイラを〔撃とうとした兵士〕や

〔母とアンナおばさん〕を殺した奴等の仲間という印象だ。

士官学校でもイメージもあり、リョウマは地球連邦軍という組織に正直嫌気が指している。

 

「集まったか」

 

うんざりした気持ちで格納庫に向かう。

そこにはこの部隊で使うと思われるゲシュペンストが3機鎮座していた。

 

「何故、ゲシュペンストが」

 

そもそも、リョウマがゲシュペンストを見ていたのは違うベクトルから浮かぶアイデアがあるためだ。部隊の内容すら知らされず、配備機体すら知らない。そんな士官であるリョウマの前に最新鋭機があるのだ。

 

「全員、揃ったようだな」

 

驚くひまもなく、リョウマは新たな驚きに惚けてしまった。

 

「上官を前にしてそれか?リョウマ技術中尉」

 

それは自分がこの世で一番尊敬し、かつ親愛している家族。

 

「いえ!違います、カーウェイ大佐!」

 

父親、カーウェイ・ラウだった。出会えた事でより喜びが溢れそうになる。

 

「カーウェイ大佐、お知り合いですか?」

 

比較的若いように見える士官だ。

それだけでない、コロニー出身であり名門軍人の家系ブランシュタイン家の嫡男。

エルザム・V・ブランシュタイン大尉までがいる。

 

「やぁ、久し振りだね。リョウマ少尉」

 

「今年中尉になれました。お久しぶりです、テンペスト大尉」

 

テンペスト・ホーカー大尉。この10年で本当なら佐官まで上がっても良いはずなのに、やはりやっかみを受けているのだろう。

だが、上層部にすら噛み付く姿勢はリョウマが憧れる変わらない姿であった。

 

「まったく」

 

カーウェイの挨拶よりも知り合いの雑談場となるが、すぐにそれは変わる。

 

「総員整列!」

 

リョウマを含めた5人がカーウェイの前に立つ。

 

「カイ・キタムラ大尉」「はっ!」

 

「ゼンガー・ゾンボルト大尉」「ハッ!」

 

「エルザム・V・ブランシュタイン大尉」「は!」

 

「テンペスト・ホーカー大尉」「は!」

 

「リョウマ・ラウ技術中尉」「はい!」

 

「お前達は本日をもって特殊戦技教導隊に配属となった!」

 

特殊戦技教導隊、おそらくは自分たちが何かの教官役になるためのものなのだろうとリョウマは思案するが、それは違うはずだと考えを消す。

自分は技術士官であり、パイロットではないのだから。

 

「では、我々、特殊戦技教導隊の目的を伝える。人型機動兵器パーソナルトルーパー(PT)に用いられるOS「TC-OS」のモーションパターン構築である。お前たちは連邦軍で優れたパイロットだ。我々がこれからの連邦軍を作るという事を肝に命じてほしい」

 

「「は!」」

 

そうかと理解する、OSを創り上げるなら技術士官は必要である。

そして、リョウマは並の技術士官よりも融通が聞く。自身の息子なのだからな。

そういう打算もあるのだろう。

 

「………」

 

そして出された3機のゲシュペンストを見てリョウマは頭を抱えた。

 

「リョウマ中尉、どうした」

 

声をかけたのはカイ・キタムラ大尉だ。

 

「……イヤ、これ考えたの頭のネジ抜けてますね。先ずはR型ですが……何だこれ?飛行能力?いやいやいや…確かに便利だと思いますけどね?これ設計的に滞空できないんですよ。まっすぐ飛び続けるだけ、それなら戦闘機でいい。まぁ……支援機としては優秀ですよ。そして……問題はこっちだ!S型!これは馬鹿が乗る為の機体です!装甲の強化とマニピュレータの保護、しかも内臓兵器が馬鹿みたいに強力なうえ、太っ腹にもプラズマジェネレータまで……両機とも飛べます。でも…あり得ないほどピーキーです。カイ大尉」

 

「なんとも」

 

「だが、俺達はソレを乗りこなさなければならない。頼むぞ、リョウマ技術中尉」

 

「お任せを、父の名を守る為、そして……約束の為にも」

 

「リョウマ中尉、君は……まだ」

 

テンペストとカーウェイがその言葉に顔を暗くする。だが

 

「それで3機目、コレが問題ですよ。ノーマルタイプ。この教導隊で改造し、マオ・インダストリー二送り返す必要があるだなんて。……お任せを。皆さんもあっと驚く機体を創り上げますから!」

 

にこやかに、そして技術士官としてのプラズマに火を付けられたのだ。リョウマは全力で打ち込むと決意する。

 

「よし、では……」

 

こうしてリョウマが真の友人達を得る事になる部隊が発足した。

歳や階級に関わらず、友人、親友だと思える部隊が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




って事で教導隊参加技術中尉リョウマ・ラウだ!

今の所出番が後書きにしか無い14歳の女の子!
レイラ・ホーカーです!
お兄ちゃんはれっきとした軍人じゃなくて技術士官らしいけど、お父さんもいるし大丈夫!
私は何時本編に出るのかや?

かやって?え?まぁ、出ると思うぞたぶん。
って事で多分次回は日常編だ。

第2話 教導隊part1 
出れるかな、出れるかな?それじゃあ、また見てね!バイバーイ!!!
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