フラスコの世界を駆け抜ける   作:影後

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やぁ、前書きに侵食してきたぞ。
ぶっちゃけはっちゃけるのはここと後書きだけにしたいけどどうするかな……
取り敢えず、ここから始まるのはギリアムさんとの出会いととある機体の開発経緯だ。楽しく見てくれ!


教導隊part2

特殊戦技教導隊、通称『教導隊』

それは地球連邦軍の新装備である二足歩行ロボットパーソナルトルーパー、PTのモーションパターン確立の為に作られた部隊である。

ビアン・ゾルダーク博士によるアドバイスを受けたリョウマ・ラウ技術中尉はそもそものOSから見直し、ゲシュペンストはほぼ人間と同じ様に動ける様になったのである。

メンバーは、

 

カーウェイ・ラウ大佐 

 

「ゼンガー!踏み込みが甘いぞ!」

 

ゼンガー・ゾンボルト大尉

 

「チェストぉぉぉぉぉ」

 

カイ・キタムラ大尉

 

「まったく、R型で彼処まで近接戦闘に向かうか」

 

エルザム・V・ブランシュタイン大尉

 

「またリョウマが泣くぞ」

 

テンペスト・ホーカー大尉

 

「もう、泣いていた。二人を止めるためにノーマルタイプに乗り込んだよ」

 

リョウマ・ラウ技術中尉

 

「演習場が壊れるでしょうがァァァァ!!!!」

 

今日よ今日とで、教導隊はワイワイ新しいモーションパターンを生み出している。

そして、現在リョウマはカーウェイと向かい合って話をしていた。

 

「………リョウマ中尉、どうしたんだ」

 

「R型のパイロットとしてこの方を推薦します」

 

既に教導隊が発足して6ヶ月経っていた。

にも関わらず、リョウマは今更R型のパイロットを

推薦していたのだ。

 

「やっと見つけたのか……」

 

「はい、地球連邦軍の全データ。ソレを一つ残らず見せてもらいました。そして、教導隊に必要な人材を見つけました」

 

「……そうか」

 

カーウェイを持ってしてもリョウマの気迫は凄まじい物だった。目にクマができ、怒っている訳ではないのだが、喋るだけで不穏な気配を感じさせる。

 

「そっそうだ……前に話していたゲシュペンストだが、追加で1機配備されることとなった。また、ノーマルタイプも自由にこちらで改良して良いと指示が出た」

 

「……」

 

「リョウマ?」

 

カーウェイは何も答えない息子に不安を感じれば涙を流しながら気絶していた。

 

「………衛生兵」

 

リョウマはカーウェイの呼んだ衛生兵によって医務室に届けられた。激しい披露と衰弱が見られ、部屋を調べる事となった教導隊メンバーは驚きが隠せなかった。

ゲシュペンストの適性者を探すための資料だけでなく、ゲシュペンスト自体の改良案、修復案と記載されたUSBやディスクが大量に出てきたのだ。

 

「………リョウマに一週間の休暇を」

 

「………大佐、謝るべきでしょうか」

 

「だな」

 

ゲシュペンストが最も壊れる原因はカーウェイとゼンガーである。二人の演習は演習ではない、演習場を破壊し、機体を何度もオーバーホールしなければいけない状況に送り込んだのだ。

ゲシュペンストは基本の整備兵にはまだ普及していない。つまり、技術士官であるリョウマが主導となり整備し、整備方法を教育しなければならない。その苦労を教導隊が知らないはずがない。

パイロットよりも、パイロットの為に機体を万全にしなければならない技術者の方がブラックなのだ。技術者のミスでもパイロットは死ぬ。

それはあってはならない。

 

「……お疲れ様です、カーウェイ大佐、ゼンガー大尉」

 

「…済まなかった、お前をもっと休ませるべきだった」

 

「私もだ、すまないリョウマ」

 

「気にしないでください、これは必要な事なんですよ。マオ・インダストリーから普及される教本はまだ足りません。なら、現地のスタッフに教えるのも技術士官としての努めです」

 

リョウマはそう言ってのけるが、それがむしろ二人への重責となっていく。

この半年でリョウマの人となりを知った教導隊メンバーとしては、無理ばかりしていくであろう事は目に見えていた。

休暇や休日を与えれば休むのだが、いや休んでいるとも言えないが。

基本的に街に出ることもせず、じっと自己鍛錬に拭ける。それがリョウマだ。

 

「……わかった、だが今日明日はベッドで寝ていろ。その身体ではこちらが迷惑だ」

 

そういうのはゼンガーだ、カーウェイは驚くがリョウマは微笑を浮かべる。

 

「すみません、お二人共ありがとうございます」

 

リョウマは感謝を述べるとそのまま意識を失うように眠りについた。

常日頃からの責任はリョウマの心を一本の細い糸の様にしていたのだ。

 

「無理矢理休ませるのが正解か、すまないな。

ゼンガー、本来なら父親である私の」

 

「大佐、リョウマは我々の想像以上に自己犠牲精神を持っています。ソレを取り除かない事には」

 

ゼンガーは気付いていた。

剣を知っているゼンガーは他人の心の内を感覚ながら知り得るのだ。

 

「…できん、それができる相手はもう居ない。せめて、想い人でもいれば」

 

「難儀な性格をしている」

 

そんな会話を知らないリョウマに数日後、吉報が届いた。

 

「カーウェイ大佐、来たんですか」

 

「あぁ、ゲシュペンストとR型のパイロットギリアム・イェーガーが明日着隊する。良かったな」

 

「やっと……」

 

「後だ、ゲシュペンストは好きにして良いそうだ。その完成度によっては追加のゲシュペンストを送」

 

そう話すカーウェイは口が開いたままになってしまった。

 

「テンペスト大尉、エルザム大尉、ゼンガー大尉、カイ大尉はすぐにゲシュペンストノーマルタイプの前にいらして下さい!やった!これで改良プランが出来るぞ」

 

リョウマは普段とは思えないほど笑顔で今にも踊りだしそうだ。

 

「父さんも行こう!見せたいものがあるんだ!」

 

「あっ?あぁ………」

 

久し振りに「父さん」と呼ばれた喜びよりも、驚きがます。カーウェイは小走りのリョウマを追って格納庫に向かった。

 

「リョウマ中尉、呼んだ理由は」

 

「……物によってはゲシュペンストの追加配備が認められる可能性があるんです!今のうちに皆さんにシミュレーターを受けてほしいんです!」

 

リョウマは自身のノートPCをシミュレーターにつなげるとデータをアップロードする。

 

「皆さんに合わせたカスタマイズを加えたゲシュペンスト達です!ふふっ……ノーマルタイプの改造許可も出た………(遊べるぞ)」

 

テンペストはその様な姿に苦笑いを浮かべ、エルザム、ゼンガー、カイの3人は既にシミュレーターに乗り込んでいた。

 

「ふむふむ、エルザム大尉は射撃が優れている。やはり、射撃メインにしたのは良かったかな?」

 

「ゼンガー大尉は格闘によった性格だからか?やはり装甲をまして良かったな。でもなぁ……そもそもゼンガー大尉、PTの適性悪い様に思えるし、これならドデカイ機体の方が良いかも。まぁ、ゲシュペンスト規格にはするけど」

 

「カイ大尉は……肉弾戦メインにしてよかったのかな?うわ……おかしいな、ゲシュペンストでなんで投技できるの?これ、モーションパターンとして組み込めたらすごいぞ……うわ、蹴った」

 

「………テンペスト、お前はしないのか」

 

「大佐、シミュレーターではっちゃけるのは彼奴等だけです」

 

「チェストぉぉぉぉぉ!!!!」

 

カーウェイとテンペストは同じ、ゼンガーの視点を見ていた。何故か刀を装備し他の追加武装を使っていない。被弾はしているがその度に装甲が弾け飛び、段々と身軽になっていく。

 

「ウェアラブル・アーマーもシミュレーター上なら機能しているか」

 

「リョウマ、アレは」

 

「ウェアラブル・アーマーといって、敵機との接近時に被弾することを考慮し、着弾時の衝撃を外部へ拡散するよう内部炸薬を搭載した装甲です。任意に取り外しもできますけど、ゼンガー大尉にはこれで十分です」

 

「それで……カイのは」

 

「……殴り合いとか、肉弾戦メインにしました。

マニピュレーターは更に強化して、試作特殊兵装アームパンチを追加しました」

 

「…リョウマ君、アームパンチとは」

 

「テンペストさん、これは僕自身何故考えついたのか覚えてないですし、わからないですが……当時の僕いわく腕部に内臓した炸薬でパンチをまるでパイルバンカーの様に撃ち出す攻撃みたいです。ですから」

 

「はぁ!」

 

ちょうどカイのゲシュペンストの攻撃が炸裂する。

 

「アーム…パンチ!!」

 

カイのゲシュペンストは仮想敵ゲシュペンストのコックピットにアームパンチを撃ち込んだ。

通常のパンチが命中しただけでない、そこから更にアームパンチの一撃がコックピット部を破壊し、その一部のみに空洞が出来上がる。

 

「ふっ……リョウマ中尉、このアームパンチは良いものだな!」

 

「……僕は与えちゃいけない人達に力を与えたのでは?」

 

結局、一番マトモだったのはエルザムだけであった。カイとゼンガーは正直、規格外過ぎた。

エルザムの射撃シーケンスを利用し、射撃アシストシステムを作製。

そして、ゼンガーとカイからは刀とアームパンチの開発を急がされる事となった。

 

「ギリアム・イェーガー大尉だ。よろしく頼む」

 

「という訳で、俺達特殊戦技教導隊に新メンバーとしてギリアム・イェーガー大尉が配属となった。また、ゲシュペンストも追加で来た。より一層、俺達は励む必要がある」

 

「「は!」」

 

こうして、特殊戦技教導隊は着実に成功への道を歩んでいく。

だが、悲劇はもうすぐそばまで来ていた。

 

 

 

〘追加ギリアム大尉とリョウマ技術中尉〙

ある日、リョウマは昼休みをサロンで過ごしていた。向けられる目は最初の頃に比べればマシであるが、その代わりに陰湿な嫌がらせは増えている。まぁ、その度にその部隊が酷い目に会うのだから途中から悪魔等と呼ばれ始めたが。

 

「リョウマ技術中尉か、珍しいな」

 

「ギリアム大尉」

 

リョウマとギリアムは以外にも話が合うメンバーだった。ギリアムは技術屋としての側面を持ち合わせており、機体の整備や新兵装の設計開発をよく共に行う仲となっていた。

 

「稀にはサロンで休憩をと…自分、一応中尉なので」

 

ギリアムは理解する階級章を見せたのは自分にではなく、周囲の兵士に対してだと。

 

「……まったく、程々にしろよ?」

 

「ギリアム大尉、バレなければ犯罪じゃないんですよ?」

 

普段とは似ても似つかないほど冷徹な声で答えるリョウマにギリアムはやれやれといった顔をする。ラングレーの兵士は嫌がらせを日常的に行っていた。

面と向かって行うのは記録に残る上に、最悪自分の首を占めることに繋がる。

だから隠れてだ。

だが、ソレを行おうとした兵士達には不幸が訪れる。指を無くしたり、骨が折れたり、最悪の場合、重傷を行いまともな生活に戻れない者もいる。

 

「……私の理想の兵士は市民を見捨てず、自身の信念を曲げない人達です」

 

「では、エルザムはどうなんだ?彼は場合によっては多数を救うために小を殺すだろう」

 

「正直、矛盾してると思いますが……エルザムさんは悩みながら、心を抑え込んで行うと思います。僕が言うのは自分の利益の為に小を殺す屑どもですよ」

 

瞳の奥底、未だに焼き付いている母ジェシカの遺体、両足が潰れ、自身にレイラと写真を託したアンナの顔を。

 

「……君にも、心の闇があるのか」

 

「……ギリアム大尉も、そうみたいですね」

 

「……リョウマ君、君は私に似ている。だが、一つだけ伝えよう、けして迷うな。君には支えとなる仲間、家族がいる。私も……先人として細やかながら」

 

「ありがとうございます」

 

リョウマは何とか話題を変えようと動く。

 

「……そうだ、ギリアム大尉」

 

そこでリョウマはギリアムに対しノイズを覚える。

 

「…リョウマ中尉?おい……大丈夫か」

 

「ヘリ…オス……オリン…パス?」

 

「!?」

 

「違う……知らない………こんなの………」

 

「おい!今すぐ医務室に…なっ」

 

ギリアムの視線に顔中から大量の血を流すリョウマの姿が映る。

この日からリョウマは一週間、眠り続けた。

 

 

 

 

 

 




なんか、俺不穏な事になってない?

知らないよ、前書きにも進出してさ。
私なんて本編での出番ろくにないよ!

いや、まだ14だろうに

16歳に言われたくない!
次回、お兄ちゃんにさらなる悲劇?
教導隊part3

俺をどれだけ苦しめるんだよ
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