勇者どころか巫女でもない   作:伊織ん

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本当ならこれを七月三〇日に上げる予定でした。

完全に筆者の妄想なので『特別編』と記載しています。

この話を読まなくても本編には一切問題ありません。


第0章:7.30特別編
破滅への道のり:特別編


 昔々、日本ができる前、伊邪那岐命・伊邪那美命が高天原に住む神様に命じられて、天の沼矛を使って『国作り』を行いました。

 

 日本が生まれると、伊邪那岐命と伊邪那美命は多くの神様を生み出しましたが、最後に火の神様を生むと、伊邪那美命は大やけどを負って、亡くなってしまいました。

 これを悲しんだ伊邪那岐命は、伊邪那美命を連れ戻すため、黄泉の国へ行きましたが、伊邪那美命は黄泉の国の食事を終えてしまっていました。黄泉の国の食事をしてしまったものは黄泉の国の規則により黄泉の国から出ることはできません。

 何とかしてもらおうと、伊邪那美命は黄泉の国の神様に相談に行きました。その際、伊邪那岐命には『自分の姿を決して見ないように』と言いつけました。

 伊邪那岐命は待ちましたが、伊邪那美命は全く戻ってきません。

 妻を心配した伊邪那岐命は言いつけを破り、髪にさしていた櫛をとって火をともし、辺りを見回しました。

 するとそこには姿が豹変した伊邪那美命が横たわっていました。姿を見られた伊邪那美命は怒り、髪を振り乱して伊邪那岐命の後を追いかけました。

 伊邪那岐命は桃をぶつけて伊邪那美命を足止めしました。黄泉の国の入り口まで戻ってきた伊邪那岐命は、大きな岩でその入り口をふさいでしまいました。

 怒った伊邪那美命は「あなたの国の人を一日千人殺してしまおう」と言いました。

 これに対して伊邪那岐命は「それならば、私は一日に千五百人の人を生もう」と告げました。

 こうして人間は一日に大量の人が死に、生まれることとなったのです。

 

 時は流れて二〇世紀。神話の時代は終わりを告げて、ひっそりと生活の中に浸透している状態でした。人類は神様から自立し、繁栄の道を選んでいたのです。

 しかし、社会的成長が苦しくなっていた国がありました。日本です。

 日本は無資源国家であるため、周りの国の顔色を窺い、平和的な政策を進めていましたが、世界情勢が急変。日本は困りに困り果て、なんと神話に手を出し始めました。

 その神話を再現しようとしたのが大社です。大社は数十年の準備と儀式を得て、人工のイザナギとイザナミを作り出しました。

 しかし、人間が神様を作り出すなど過ぎたる力だったのです。

 イザナギとイザナミは、国作りのカギとなるアメノヌボコが存在していないのに、国作りを始めました。当然、国作りは失敗しますが、それだけでは終わりませんでした。

 なんと神様モドキを生み出し始めたのです。大社は制御を失ったイザナギとイザナミをどうすることもできませんでした。

 そうするとイザナミは火の神様モドキを生み出そうとして大やけどを負い、死亡してしまいました。

 大社は困り果てました。長期間の準備と儀式を行ったのに国作りは成功せず、イザナミは死んでしまったのです。

 そのころ、神様の世界では大騒ぎしていました。なんと自分そっくりな神様モドキが大量に現れたのです。しかも自分になり替わろうとしているではありませんか。驚いた本物の神様はとにかく、事態を収拾しようと神様モドキを退治し始めました。

 これによって、世界では大規模な自然災害などが多く発生し、多大な被害が出ました。

 

 そのころ、儀式に失敗してイザナミが死んでしまった大社は諦めていませんでした。

 日本神話を利用して、イザナミを取り戻すことにしたのです。

 大社はイザナギを黄泉の世界へと送り込み、イザナミを連れ戻すように指示しました。

 日本神話をなぞるように作られたイザナギはこれに大混乱。

 本来、この状態でイザナミは取り戻せません。

 しかし、言われた通りイザナギは黄泉の国へと出かけました。

 

 一方、死んでしまったイザナミは神話通り、黄泉の国の食べ物を食べ終えていました。

 そこにイザナギがやってきます。混乱していたイザナギでしたが、とにかく神話をなぞろうとしますが、大社からは連れ戻せと命令されています。

 とうとう動きを止めてしまいました。

 無茶な改編によって、日本神話が破綻したのです。

 イザナミも神話をなぞり、姿を変えました。白くて、丸みの帯びた化け物に……。

 動きを止めていたイザナギはこれに驚きましたが、何とか神話をなぞろうと、黄泉の国の入り口へ逃げ出し始めました。

 化け物へと変化したイザナミは後を追いかけます。

 途中、イザナギは追いつかれそうになりましたが、途中で成っていた桃をイザナミにぶつけ、足止めを行います。

 イザナギは黄泉の国の入り口へと逃げきりましたが、大混乱していたのかそのままどこかへ走り去っていきました。

 

 黄泉の入り口の扉を閉めずに……。

 

 そこへ化け物となったイザナミが扉の開いた入り口にたどり着いて、「一日千人殺してしまおう!」と言いましたが、当然返事はありません。

 化け物となったイザナミも大混乱となりました。

 大混乱となったイザナミはなんと黄泉の国の外へ出てしまったのです。

 本来、黄泉の国の食べ物を食べた者は外へは出られないハズなのです。世界の理が歪んでしまいました。

 そこに、神様モドキをすべて倒し終わった本物の神様たちが黄泉の国の前へと到着しました。

 化け物となったイザナミは目の前にいる本物の神様をイザナギの国の人間だと勘違いをし、宣言した通り、殺戮を始めました。

 

 もう日本神話は滅茶苦茶です。

 これに本物の神様たちは驚き、イザナミに対して反撃を始めましたが、イザナミは黄泉の国の食べ物を食べてしまった死者。死者を殺すことはできません。しかも世界の理は歪んでしまっています。

 とうとう、本物の神様のリーダー的存在であった天照大神が戦死してしまいました。

 まさか人間たちが、化け物を作った元凶だとは思いもしなかったのでしょう。

 リーダーを失った神様たちは敗走し、力を合わせ一つの樹木へと変化し、人間を守ることにしました。

 日本神話を無茶苦茶にし、世界の理すら歪めてしまったイザナミを誰も止めることはできません。倒した天照大神の力を使って、集合体となった神様を宣言通り、殺戮することにしました。

 

 こうして、二〇一五年・七月三〇日、世界は理を外れ、天からの殺戮者によって世界の終わりへと歩み始めてしまったのでした……。




もしかしたら世界の裏側ではこんなことが起こっていたのかも? と思っていただければ幸いです。



誤字脱字など、一応投稿前にチェックしてますが、もしあれば遠慮なくお願いします。

文体や表現方法、視点描写、その他読みづらいなどのご指摘がありましたら、こちらも指摘していただければ極力反映しようと考えております。
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