裏話
主人公の名前はエイデンとその日本語吹き替えをしてる森川さんから取った。
「ねぇねぇ!!カツアゲグループの逮捕って今回もビジランテのお陰なんでしょ?」
「最近有名な人でしょ?個人で犯罪者を取り締まってる正体不明の男…かっこいいよねぇ…」
「誰がやってるんだろうね?そもそも1人なのか複数人なのかもわからないんだからなぁ…イケメンなのかはたまた女の子だったりするのかな?」
ここは旭高校の教室。一部のクラスメイト達が先日の不良グループ逮捕のことについて話していた。ただ逮捕そのものよりもその正体について気になる人の方が多いようだが。そして当のビジランテ本人である瑛二もこの学校の生徒であり、制服に身を包んでいた。瑛二がクラスで何をしているかというと…
「ふん、ビジランテ?そんなもの気にしている暇があれば勉強するべきだ!!学生の本分は勉強なんだからな」
「……それはそうだが休憩も大事だろう?それに帰る時に面倒な奴らに絡まれたら危ないし、世間のことも多少は気にしとけよ風太郎」
クラスメイトの一人であり、勉強の虫である友人『上杉風太郎』と話していた。
「それにらいはちゃんに何かあっても困るだろう?大切なら守る為の情報を得ておくのも大切だ」
「ハッ…それは確かに…」
(まぁ、らいはちゃんはしっかりしてるからそういう危ないところは通らないだろうけどな。シスコンに注意するにはこれが一番だろう)
そして風太郎は重度のシスコンである。妹のことを溺愛してる為こういう時には妹の名前を出せば簡単に警告も聞いてくれるのをわかっている為利用した。
「というか飯行くぞ。早めに行っておかないと混むからな。俺のカツもやるから」
「すまん…瑛二」
「そう言いながら、勉強をやめないのは本当に狂ってるな」
今はお昼休み、学生にとっては大きな時間である。当然昼ご飯を食べるのもこの時間になる訳だが、風太郎は移動しながらも勉強を続けているあたり筋金入りの勉強バカである事が理解出来る。そんな風太郎を瑛二は尊敬しつつも若干引いているのであった。見慣れてはいるのだがやはり評価は簡単には変えられない。そんな事を考えつつ食堂に向かうのだった。
「焼肉定食、焼肉抜きで」
先に注文していた風太郎の焼肉定食の焼肉抜きの注文はもう見慣れた為ツッコミはしなくなっていた。最初の方はツッコんでいたのだが「お金がない」という切実な理由を聞いたのと、慣れてからはツッコまなくなった。慣れというのは恐ろしいものである。焼肉がないと米と味噌汁とお新香だけなのでさっさと席取りに移動していった。
「トンカツ定食で」
瑛二は別に金銭的に問題がある訳ではないので、普通に注文する。トンカツはシンプルに好みの問題。だが大抵、半分くらいは昼食の量が少ない風太郎にプレゼントしているのだった。
(せめて、ちゃんと飯くらいは食ってほしいもんだが…)
等と母親のような事を考えていると、風太郎が女子と話しているのが目に入った。普段女子と話す事なんて微塵もない、控えめに言ってありえないので驚愕した。驚きが抜けていないのに風太郎が女の子に対して更に衝撃の一言を放った。
「太るぞ」
「ふ、ふと…」
(俺ですらわかるぞ。どう考えても女性に言ったらダメなセリフだな)
瑛二自身はあまり興味ないのだが、それでも人並みには女性に対する対応の知識はある。その中でも最悪の選択肢を風太郎が取っているのを見て苦笑いしてしまった。そんな事をしていると席を立った風太郎が話しかけて来た。
「悪い」
「らいはちゃんからの電話ならさっさと出た方がいいぞ?」
「お前なんでわかるんだよ…」
「バイト先の店長やお前の親父でもお前はそんなに急いで電話に出ようとしない。お前が急いで電話に出るのはらいはちゃんだけだ。間違ってるか?」
「いや正解だ。先戻ってるぞ」
そう言うと風太郎はさっさと何処かに行ってしまった。席を探すと空いてるのは風太郎が座っていた席…つまり話していた女の子の前の席くらいだったのでそこに移動して座りながら話しかける。
「席失礼するぞ」
「…ええどうぞ」
少し口元をナプキンで拭きながら許可をくれた。だが風太郎のせいで相当機嫌が悪くなったようだ。
「少し会話を聞かせてもらった。あんな奴だが悪い奴ではないんだ。少し捻くれてるだけで…まぁ許してやってくれ」
「あんな無神経な人は初めて会いました!!」
「まあ…流石にあれば俺でもどうかと思う。それにしてもよく食べるな。ああ、悪い事じゃないぞ?朝ごはんにサンドイッチと白ごはんという主食を2つ食べてきてミルクを入れたコーヒーも飲んで昼食にその量を食べる、普通はそんなに食べれないから凄いって思っただけだ。あと目が悪いならメガネをかけるかコンタクトをする事を勧める」
「え!?な、何故そこまでわかるのですか!?み、見てたのですか!?ストーカー!!?」
「違う、簡単な観察と推理だよ。おかかのふりかけが少しリボンについてる。ふりかけだけ食うバカはいない。
サンドイッチは服の袖に食パンのパンクズがついてて、そのパンクズは少し赤い。赤くなるのは朝ごはんだと大抵ケチャップ、ケチャップを食パンにつけていてかつ焼いていない朝食ならサンドイッチしかない。
ミルクを入れたコーヒーはナプキンを出した時にわかった、口元を拭く前から茶色くなっていた。その濃さの茶色なら紅茶はないからコーヒー、コーヒーがその色になるのはミルクを入れたからだ、砂糖じゃそうはならない。
目が悪いと判断したのは風太郎…無神経なアイツから俺に目線を変える時に目が細くなった、大きくピントを調節する必要があるからだ。だが老眼はその年じゃまずない。なら考えられるのはシンプルに視力が悪いからだ。訂正があるならしてくれ」
「ぜ…全部当たってます…!!貴方何者ですか?」
「森川瑛二、2年だ。君は?」
「中野五月です」
「よろしく。というか気になったけどなんでアイツに話しかけたんだ?」
そこから瑛二は五月から風太郎が何をしたかを聞く事になった。聞いたところ、同席した際に風太郎の100点のテストを見て勉強を教えてもらおうとしたが断られた挙句にあの一言、という事らしい。
「勉強が苦手なのか、だが君の性格上やってない訳がない…やり方に問題があるのかもしれないな。休み時間もまだあるし少し教えようか?」
「いいんですか!?是非お願いします!!」
「……時間も近いしこんなところか」
「ありがとうございました!!………その、また教えて頂けるとありがたいのですが…」
「余裕があればな。俺もやる事(ビジランテとしての活動)があるからそれと噛み合わなければいつでも構わない」
「ありがとうございます!クラスも同じになれたらいいのですが…」
「俺のクラスに来たらもれなくアイツもついてくるぞ?」
「………嫌ですが…背に腹は変えられません」
(嫌われ過ぎだろ、風太郎よ…)
少し気の毒に思う瑛二だった。
推理の部分はシャーロックホームズを参考にしました。何分シャーロキアンなもので…今後もこんな感じで推理の部分入れるかもしれないっす