裏話
瑛二のイメージはエイデンとイギリスのドラマ『SHERLOCK』のシャーロック・ホームズを足して高校生の日本人にした感じ。
次の日、ちゃんと学校に来ていた(遅刻しかけたが)瑛二と風太郎は食堂に向かっていた。
「なんとかアイツの機嫌を取らないと…」
「ならそもそもの言動を改善するのが一番早いと思ってるんだが?」
家庭教師がお流れにならないためになんとかしようと話を持ちかけてきた風太郎に付き合っている。ちなみに瑛二は午前中の時点で五月と普通に会話をしたりわからないところを教えたりするくらいには親しくなっていた。
「お前仲良いだろ?どうにか出来ないのか?」
「無理だろ…そもそもお前の話振れん。素直に謝るのが一番早いぞ」
そんなことを話しながら歩き、食堂に着き注文(風太郎はいつもの焼肉定食の焼肉抜き。瑛二もトンカツ定食)して、席に移動しようとするとすでにその席が埋まっていた。
「何…?友達と食べている…だと…」
「いやそれくらい普通だろうが…人をなんだと思ってんだ」
どう考えても失礼な事を言う風太郎に対してきっちり注意しておく瑛二。だがそれはそれとしてすぐに食事を誘える友人が出来るとも思えないので一緒に食べてる4人を観察する。
(流石に似過ぎている。恐らく姉妹だろうな)
それ以外にも色々理解したところで、五月が2人に気づいた。瑛二の方を見ると顔を明るくしたが、風太郎の方を見て明らかに嫌な顔をしたのはお約束だが。
「席は埋まっていますよ?」
「瑛二、他の席行くぞ」
「お前…はぁ、わかった」
会話して関係改善しろよ、と思いつつ風太郎について行こうとすると五月と一緒に食べていたショートの女子に声をかけられる。
「アレ?行っちゃうの?2人とも席探してたんでしょ?私達と一緒に食べて行けばいいよ」
「ならそうさせてもら…「食えるか!!」…だそうで。」
受け入れようとした瑛二を遮り風太郎が断りを入れた。瑛二もあまりに早い一言だったので若干引いた。
「なんで〜?美少女に囲まれてご飯食べたくないの?君は彼女いないのに?」
「決めつけんな!!後俺だけじゃなくてコイツにもいないわ!!」
「おいコラ、俺を巻き込むな。………実際いないが。」
風太郎に対してあまりの正論。しれっと瑛二にも飛び火させたのでお返しすることにした。後、話を振った女子にも少し反撃を決意。ちなみに瑛二が実際いないと言った瞬間に少し反応した末っ子がいたが誰も気づかなかったので置いておこう。
「それに事実だし、お前はそもそも友達もいない…って逃げたなアイツ。それにアンタも外見が良くても部屋が汚いと彼氏にフラれるぞ?後ナンパされやすいだろうから気をつけといた方がいい」
「!!?」
話しかけてきた女子が大きく驚いた反応をした。ちなみに五月も驚いてはいたが一度体験済みなので彼女ほどは驚いていなかったし風太郎も1年からこんな感じなので慣れているし、そもそももうその場から離れていた。
「ど、どうして!?まだ会ってすぐなのになんで部屋が汚いって…」
「そこに座ってる4人と制服は同じなのに他よりヨレてる、雑に扱ってる証だ。それに糸くずが付いてるからタオルなんかと一緒にごちゃ混ぜにしてることがわかる。ヨレててタオルとかとごちゃ混ぜ、つまりは部屋の片付けが出来てないって事だよ。ちなみにこれ以外にわかった事だと、私服はズボンが多いって事くらい」
「スゴイ、当たってる…私服にズボンが多いっていうのは?」
「靴下が4人より色落ちしてない。靴下は大抵家族のものはまとめて買い物の時に買うから、大体同じくらいの期間履くだろう。なのに他の4人よりも見えている部分の色落ちが少ないからその部分は日に当たっていないって事だ。つまりスカートよりもズボンの方が普段は多い」
「ナ、ナンパされやすいって言うのは?」
「ピアスの位置だ。右耳だけに付けているのは『異性を好む』という意味がある。彼氏はいないだろうからナンパとかされたくないなら気をつけた方がいいと言っといた方がいいと思った。余計なお世話だったかな?」
「…本当にスゴイね。ピアスに関しては知らなかったから気をつけるよ」
「役に立ったのなら何より。えっと…」
「私は一花、よろしくね。君は?」
「森川瑛二、好きに呼んでくれ。」
一旦推理を終わらせたところで五月が声をかけてきた。
「森川君は誰でも見ただけでどんな人か理解してしまえるのですか?」
「観察して特徴に気づけばどんな人間かはすぐにわかる。五月ちゃんの時やさっきのように」
「というかしれっと私達が五つ子である事も当ててましたしね…」
「………え?五つ子?」
しれっととんでもない一言が出て瑛二は再度聞いてしまう。
「理解した上で推理していたのでは…?私達が家族だと気づいていましたし…」
「姉妹だとは思っていたが…まさか全員同じ学年とは考えてなかった」
「貴方でもわからない事はあるのですね」
「流石に常識の範囲外過ぎる…なんだ五つ子って」
五月と瑛二が話していると一花が声をかけてくる。
「へぇ、2人とも知り合いなんだ。何処で知り合ったの?もしかしてエイジ君、五月ちゃん狙い?」
「席が隣でな、彼女に昨日ここで勉強を教えた。そして俺は知り合って間もない相手に恋愛感情は持たない」
一花は瑛二の答えに納得したように声を上げた。
「ああ、昨日五月ちゃんが喜んで帰ってたのは君のおかげって事か!昨日家に帰ってきた時に喜んでてね、聞いてみたら食堂で勉強を教えてもらってわからなかったところがわかったって嬉しそうにしててね〜」
「一花!!」
「まぁまぁ、言っても問題があるわけじゃないじゃん」
「まぁわかるところしか教えてないけどな、俺自身、テストは…あんまりだし」
「え?テストいいんじゃないの?さっきの推理見てると簡単にテストなんてできそうだけど…」
「興味があるテストは満点が基本だけど、それ以外は基本赤点ギリギリだよ。どうにも興味ない事は覚える気がしない」
そう、瑛二はテストの順位は並である。自分が興味がある教科、内容の時は100点が当たり前。それ以外も取ろうと思えば簡単に100点取れるのにやる気が起きないから勉強をしない、ただ補修が嫌だから赤点ギリギリを取っているのである。
「意外ですね。貴方ならなんでも100点取りそうなのに……ならそこは一緒に勉強しませんか?2人ならわからないところもわかるかもしれませんし…」
「……!?」
五月の瑛二への提案に対して一花が驚いていたがそれに気づく者はいなかった。
「まぁ考えとく。…そろそろこれ(トンカツ定食)食わないと、それじゃ。ああ、風太郎…さっきのアイツにも話しかけてやってくれ。ボッチだからな」
「無理です」
最後の一言を五月にマッハで返されて苦笑いしながら空いた席に座り、トンカツを食べる瑛二であった。
後書き…どうやって使おう…?
ちなみに作者が好きな海外の俳優は、ベネディクト・カンバーバッチとマッツ・ミケルセンの2人です。