「『何時、罪を償うのか』ってゲームシリーズを知ってるか?あぁ、知らなくても構わねぇよ。だって本来お前が知ってるはずがないんだから。だってこんなもん知る訳がないもんな」
カツ、カツ。男が一人語りしながら歩く。それは誰かに向けていた話であったのかもしれない。
「こいつはちと変な世界観でな、登場時はそれなりに売れたんだ。あ、もちろん今じゃあんな世界観はありふれてるがな。それでも斬新なものだったんだよ、当時はな」
びちゃ…びちゃ…男は自身の革靴が血の池に入っても歩くこと、語ることをやめない。
「まあ一時期はクソゲー扱いされたが、それは後期に作られたのが誰にもシナリオが意味不明な滅茶苦茶さだったからな。それでも、充分にシナリオ以外のエンドコンテンツやらの作り込みの面で評価されてたんだ」
男はやがて一つの場所で足を止める。丁度、血の池の原因になっている人の死体の前だった。
「お前がどんな行動をしていたのかも知らないし、別にそれを咎める気は俺にはなかったんだよ。俺もお前とは仲良くやれてたし、一緒に育ってきたしな」
そして語る男は死体の顔をそっと持ち上げる。
「だけどな、お前がいることであの子達が変わったんだ。別に俺としては構わないんだよ、面白かったしさ。だけどな、他の奴らが許さなかったんだよ」
男は最後の仕上げとばかりに墜ちた剣を拾い、死体の首に当てる。
「だったらよ、俺が殺してやるのが人情ってもんじゃねーかなって…そう思っちまったんだ。お前は死んでもあの子達が蘇らせて、また死んで
…俺は見てらんないんだよ。逃げたって、立ち向かったって、また犯されて殺される。んなことを許容できる訳ねぇだろ?」
そういうと男は腕を振り、死体の首を切り落とす。
「安心しろ。俺が殺したことにしてお前の大切なあの子達には迷惑がかかんないようにしてやっからよ。ついでにお前もようやく安らかに寝れるぞ。ハハッ」
そう語りかけながら、男は自分の今いるところを後にする。
「やれやれ…必死こいて死なないように生きてたってのに最後は処刑か。ま、灰はお前と同じ場所に埋めてくれるようにお願いするけどな」
エンドα 二つの特異点、その結末
とある昼下がり。暗い深い迷宮では五人の少女がワイワイと歩いていた。
「ああもう暇だよ…誰か娯楽をちょうだい!」
一人はヘッドフォンのようなものを首にかけている少女。娯楽を渇望していた。
「無理だな。先に私がする」
それに否定を返したのは、狐の面を頭につけている少女。
「そんな、一つしか無いようなものでは無いだろうしさ…仲良くしよ?」
それを宥めようと、一番身長の高い少女が仲介する。
「いや〜でも?妾達だよ?パーフェクトなアルティメットな妾達だよ?」
しかし、それに対して煽るような口調で朱い傘を差した少女が反応する。
「まあまあ、姉さん達。敵っスよ、敵」
それに対して意識を切り替えるように言う、特に何の特徴もない少女。
五人は、世にも珍しい五つ子であった。
「あ〜…怠い怠い。
ヘッドフォンの少女は話の邪魔をしてきた鴉の魔物に対して八つ当たり気味に発声する。言葉通り、急激に高度がおちて落下する。
「妾がトドメを!」
そういって走った傘の少女は、思いっきり鴉の首に傘を叩きつけた。傘は傘らしからぬ驚異の鋭さを見せ、鴉を両断した。
「あれ、なんか落としたよ?」
鴉が死んだ後には宝箱があった。それも、少女の一人ぐらいは入るであろう大きさの。
「あ、珍しい。この鴉クソほどドロップ率低いからね」
「僕が開ける。娯楽を邪魔しないでね」
それに対して目をキラキラさせながらヘッドフォンの少女が解錠する。どうやら彼女のお眼鏡に適ったらしい。ワクワクしながら作業をしており、やがてガチャリと音がした。終わったようだ。
「ふぅ~…まさかこんな仕掛けがされてたなんて驚きだよ。よし、この宝箱ごと持って帰らない?」
解錠し終わった彼女は、そんな一言を発した。この発言の意味は『もう目当てのものは手に入れたから帰りたい』である。
「は?…まぁ、いいけど」
「うん、お腹へったしね…」
「妾はまだまだ元気あるぞ!」
「後で模擬戦やってあげるッスから…」
「じゃあ周りに集まって」
特に文句はなく、そのまま帰る流れになった。
ヘッドフォンの少女は誘導しつつ、宝箱を背負う。宝箱は本来、迷宮内で開けてしまうと消えてしまう。だが、外で開ければ箱を失うことなく中身を手に入れられるのだ。
最も、命がけの迷宮内でそんなことを気にする余裕があるのはこの五つ子だけなのだろうが。
「
こうして、五つ子達は地上に戻った。
「ややっ、もうお戻りになられましたか」
「あの…もう帰らせてもらってよろしいでしょうか?」
「すみませぬ。ではゆるりと部屋で休まれてくださいませ」
迷宮から戻った後、早速彼女らは家の人に囲まれた。が、役人とは違いわがままが少しは通るので、彼女らはそれを使った。
「よし、じゃあ早速開けよう。今回は何が出てくるかな?」
「う〜ん…食べ物かな?」
「いつもそればっか言ってるな、お姉様。妾はもちろん傘じゃ!」
「あたしは弓っスかね?迷宮産の方が長持ちするんで…」
「それじゃ本かな。それが一番面白そう」
「それじゃ…僕はいっそのこと生き物が出てくると予想するよ」
五つ子達は宝箱を開ける時、いつもこのように中身あてを全員で予想する。それの中に必ず正解はあるので、それを当てたら貰う…というなんとも奇妙な配分だった。
ともあれ、今回のガチャ(?)は…
「……おねーちゃん、誰?」
……まさかの生き物であった。それも、一見すると少女に見える少年である。
五つ子は仲良く硬直した。そんなことは気にせず、少年は喋る。
「ねぇ、誰なの?答えて!」
そういうと近くにいたヘッドフォンの少女をゆさゆさとゆさぶる。もちろん、精一杯の力でやっているのだが、それが返って微笑ましい。
それで我に帰った少女は少年を抱きしめた。
「えっと…僕は
「…僕は
疑問がわかると少年はすぐに質問をする。見た目相応の幼さが滲み出ていた。
「僕達の家だね」
「ありがと〜!ねぇ、三音姉ちゃん。あっちの三音姉ちゃんに似た人達は?」
「僕の姉妹だよ」
「へぇ…!」
「あれ、妾達名乗った方がいい?」
「そうなんじゃない?」
「では私からしよう。
「よろしくね、ふうか姉ちゃん!」
「うむ、よろしくな」
「妾は
「うん。よろしくの、よつぎ姉ちゃん!」
「私はね〜…
「よろしくね〜いら姉ちゃん!」
「あたしは
「よろしくっス!てんご姉ちゃん!」
「それじゃあさ、紫雨は一回寝ててくれない?ちょっと疲れてるだろうからさ」
三音は紫雨に疲れてるだろうから寝るように促す。
「うん!おやすみなさい、三音姉ちゃん!」
紫雨は反対もせず、大人しく頷いた。
「
そういわれ、紫雨は大人しく床の上で寝させられた。
「…」
「ねぇ、もう寝た?」
一分後、三音が楓夏に呼びかけられる。
「僕の言霊に一番最初から対応できる人はいないよ。だから安心して寝てる」
「で、どうするの〜?この子、ダンジョンで見つけたから…」
「普通だったら通報して親御の元へ帰さなくてはならない。が、私はそんなことをしたくない」
「僕もめんどくさいしね」
「どっちがっスか?親御さんから紫雨っちを引き離すことっスか?それとも、政府から実験台として引き取られてから奪い返すのっスか?」
「どっちも」
「ま〜『ダンジョンの戦利品は探索者が持つ権利を有する』って法律にあるしね〜」
「最悪は妾達の式神にすればよろし」
「じゃ、事後報告は誰がやる?」
「それは私がやろう。一番上手く偽装できる」
五つ子は、完全に
幸か不幸か、それが出来てしまうのが、この『何時、罪を償うのか』の世界観における──
五つ子なのだから。
長い長い、夢を見ていた。俺は何処か遠くに記憶ごと転送される…らしい。何を言っていたのかすらも覚えていないが…それでも、悲しい少女の涙を見て何かを約束した、そんな気がする。だから、それだけは絶対守る。それだけだ。
(!?…なんだこれ)
俺は目を開けると暗闇の中にいた。とりあえず、思いっきり叩きつけようと腕を当てて…気づいた。
体が縮んでいる。
腕を触ってもふにふにとした感触、肌のみずみずしさ、そこからも考えると、幼児退行…?いや、それはあとではっきりするだろう。ともかく、それよりも自分の置かれている状況の確認だ。
まず、暗いところ。これは俺の輪郭すらも見えてないあたり、余程暗いのだろう。こんなになるのは…箱とかに閉じこめられたりとかか。もしかしたらこの体の育つ時にどこかで見放されるぐらいのとんでもないことをしたのかもな。…あれ、じゃあ俺終わり?そう思った時だった。
カチャカチャ。そんな音がした。
助かる。もしそうなら、俺は次にどんな行動を取るべきなのだろうか?そうなったとしたら……うーん…子供っぽく振る舞うべきなのだろうか。流石に無邪気に物をぶっ壊すような性格では無いし、子供がやるなら尚更わかりにくい。よし、そうするか。
なら、まず一人称を『俺』から『僕』に変えるか。心の中の一人称を変える必要は無いが、そうしておくに越したことはない。
そして俺は…いや違う、僕か。僕はそのまま息を潜めた。
しばらく息を潜めていると、ようやく光が射し込んだ。よし、最初が肝心だ。まずは目の前の人に対する問いかけからだな。この位置だったら誰か覗き込んでいるだろうからな。覗いていたのは、ヘッドフォンを首にかけた少女だった。
「おねーちゃん、誰?」
僕は精一杯の子供っぽさを持って問いかける。しかし、部屋にいた少女の誰一人として答えてくれない。どうしよ…あ、いいこと思いついた。
「ねぇ、誰なの?答えてよ!」
僕は近くにいた少女の肩をゆさぶる。思いっきり振っているのだが、全然左右にぶれない。
「えっと…僕は
が、その甲斐あってか目の前の少女が答えてくれた。ちゃんと名前もつけて。しかし、僕の名前か…
「…僕は
迷ったが、ここは前世の名前をそのまま使った。しかし、これしか覚えていないからな…
どこなのかを聞いておいたので、これでどこにいるのかわかるだろう。異世界なのか前世と同じ世界かはともかく、それだけははっきりさせないといけない。
「僕達の家だね」
残念なことにはぐらかされてしまった。しかし、子供になんか地名を言ってもわからないだろうし…それが正解なのかも知れない。
「ありがと〜!ねぇ、三音姉ちゃん。あっちの三音姉ちゃんに似た人達は?」
「僕の姉妹だよ」
「へぇ…!」
おい、なんで同じ見た目の人が五人もいるんだ。しかも姉妹ってことは五つ子かよ。
「あれ、妾達名乗った方がいい?」
「そうなんじゃない?」
「では私からしよう。
「よろしくね、ふうか姉ちゃん!」
「うむ、よろしくな」
「妾は
「うん。よろしくの、よつぎ姉ちゃん!」
「私はね〜…
「よろしくね〜いら姉ちゃん!」
「あたしは
「よろしくっス!てんご姉ちゃん!」
名前の漢字がわからなさすぎる…全員覚えるのも一苦労しそうだな。
「それじゃあさ、紫雨は一回寝ててくれない?ちょっと疲れてるだろうからさ」
三音姉ちゃんがそう言ってくれたので、
「うん!おやすみなさい、三音姉ちゃん!」
僕は反対もせず、大人しく頷いた。
「
その言葉を最後に意識は途切れた。
冒頭は関係ないよ!これをやったのは時間があるから!無かったらもうやらない!というよりエンド名考えるのきつい…読んでくれたら感想と評価欲しいな!(強欲)
エンドルートって…
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毎話毎の最初に書く。
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区切りの良い回で書く。
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作者の都合に合わせる。
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そんなことより投稿しろ。
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そもそもいらない。