「最初に出会った時は、君はそんなに大きくなかったよね。小さくて、肌もスベスベで、みずみずしくて…」
何かをそれに向かって語りかける少女。
「でも、もう今は変わっちゃったね。ま、変えたのは君の意思かどうかは判断はつかないけど…」
それは安らかに眠る死体だった。右目は無いが、それよりも酷いのは体の傷痕だ。骨が折れ、肉は焼け、ところどころの切り傷も死体がどれだけ戦ってきたかを象徴する。
「それでも、一応君には僕という恋人がいたんだよ?その恋人に相談もせずに変わるなんてさ…許せないよね」
少女の怒気が周りに溢れ、近くにいた小動物は全て逃げた。枝が揺れ、草木が動く。
「まあでもさ、しょうがないか」
そして怒気を含んでいた声とは真逆の声で話す。
「だって、そういうところもひっくるめて僕は君のことを好きになっちゃったんだから。あははっ、君が死んでなかったらこうやって恥ずかしいことを言う機会も無かったんだろうけどさ…」
もしここに他の人がいようものなら全力で『惚気かよこのいちゃつき野郎どもが!』とでも言っていたのだろうが、幸か不幸か、この場には誰もいなかった。
否、少女がいさせなかった。
「さて、君に拷問…?いや違った。拷問じゃない、教育するよ。だって、拷問は愛がない人がやるんでしょ?」
「今から僕は君に僕の愛をたっぷり注ぎ込むよ。死んでも蘇らせるし、思考も僕だけで埋め尽くしてあげる。自殺なんてできないし、させない」
「ああ、僕の愛しい人よ。お願いだから、また蘇って声を聞かせてくれ。
少女の声に反応して死体が蠢きだす。肉が何処かからか現れ、傷跡や火傷を治す。骨は折れるときの鈍い音が逆再生される。その光景と同時に、どんどんと死体が縮んでいく。
やがて、死体は一つの少年に戻った。
「ふぅ…じゃあ戻ろうか。このままじゃまた君が何処かに行ってしまうから…」
そういって、少女は少年を正面から抱きかかえる。命の鼓動を感じつつ、少女はその場を後にした。
「また、死なないでね?…お願いだから、今度こそ僕を置いてかないでよ…」
エンドDT シャル・ウィ・ライフ?
「あ、おはよう紫雨。良く眠れた?」
「おはよう、三音姉ちゃん!うん!」
紫雨は目を覚ますと、真っ先に近くにいた三音へと挨拶を返す。
「今日からどうする?家で家事しててもいいし、一緒に迷宮に潜ってもいいし」
三音は起きた紫雨に対してそう提案する。
「迷宮!」
紫雨は即答した。
「うんうん、じゃあちょっと皆を集めるね。
そういうと、ひょこっと楓夏が襖を開けて出てきた。
「おはよう、三音と紫雨」
「おはよう!ふうか姉ちゃん!」
「おはよう、楓夏姉」
「それで、迷宮にか?」
「うん。どっちにしてもしばらくは誰かと一緒にいさせないと」
「確かにな。……朝食はどうする?」
「僕が作るよ!」
「「え?」」
「あらあら〜…もしかして作ってくれるの〜?」
「あ、伊良姉おはよう」
「おはよう、伊良姉ちゃん!」
「伊良姉様、とりあえず台所まで紫雨を案内したらどうだろうか?」
「そうね〜、ついてきて〜〜」
そして紫雨達は台所にいく。
「あ、姉様達と紫雨っスか。おはようっス」
「おはよう、巓娘。今日は紫雨が朝食を作るそうだ」
「え…」
それを言った途端、さあっと巓娘の血の気が引く。
「どうしてそんな顔してるのー?」
唯一、五つ子の台所事情を知らない紫雨が純粋に質問をする。
「う〜ん…どうしてだろうね、紫雨?」
全てを知っていて尚、面白がってにやにやとしながら紫雨の疑問を躱す三音。その瞳には嗜虐心がみえる。
「とりあえずやらせてやれ。紫雨に何が出来るかわからないからな…いつまでも不明の状況より、速くわかってた方が養うかどうかを決める基準になる。…別にやらなくても一生養うから構わんがな」
「…とりあえず料理しましょうね〜」
「うん!」
楓夏の言葉から流れを切り替えようと、伊良がそう提案する。
そして、五つ子(夜憑はいない)と紫雨は料理を開始した。だが…
「?どうしたの?」
「紫雨…なに着てるのそれ」
「エプロンだけど…」
何故かナチュラルに紫雨はエプロンを着ているのだ。ごくごく自然に、
「もしかして、こっちの方が良かった?」
そういいながら、紫雨は白い服…俗に言う割烹着を同じく空中から作りだす。
「……あらあら〜、他のものは出せるの〜?」
「やってみる!ねえ、なにか欲しいものってある?」
「…クレープ。思いっきり白いふわふわがのったやつでね」
「ティラミスをお願いする」
「筆をお願いするっス。墨につけなくていい奴で」
「私はね〜火をぱっとつけられるものかしら〜」
そしてそれに期待を寄せた四人は、思い思いの欲しいものを注文する。
「うん!任せてー!」
そういいながら紫雨は全員の願いを一気に叶える。瞬きするほどの刹那で、テーブルの皿の上には…生クリームがふんだんに使われたチョコクレープとティラミス(どちらも食器付き)、万年筆、そしてオイルライターが置かれていた。(テーブルと皿はついでに作り出した。流石に食べ物を床においてはいけない、との紫雨の配慮である)
「…え、嘘でしょ。僕こんな贅沢品食べちゃっていいの!?」
「あらあら〜凄いわね〜」
「ふむ、味もしっかりしている。それに、腐敗等はしていないな」
「…凄いっス。これでどれだけ事務作業が楽になるんスかね…」
反応は四者四応である。いずれにせよ、しっかり要望には答えられているが。
「何をやっているのじゃ、巓娘。妾は疾く朝餉を……?」
そのキャピキャピした声に苛立ち、夜憑が入ってきた。が、流石にテーブルやらクレープやらが台所にあるという異常事態に思考が止まり、動かなくなる。
「おはよう、夜憑姉ちゃん!」
「おはようなのじゃ。紫雨、傘を出してくれないかのぉ?」
「わかった!」
常識外れなこの光景を作ったであろう者に対して、夜憑は自身の欲望も口にする。そして、それを当たり前だという風に受け止め、紫雨は傘をだす。鯉や金魚などが描かれている和風の傘である。
「はい、どーぞ!」
「ほほぉ、ありがとの…ってなるか!」
当然紫雨は渡そうとするが、夜憑の頭では理解が追いつかず、パニックになる。
「諦めろ、夜憑。これが紫雨だ」
「楓夏姉、紫雨をなんだと思ってるの?普通の迷宮産の男の娘なのに…」
「三音姉様の方が紫雨っちをなんだと思ってるんスか…」
「僕の大切な人だけど」
「あらあら〜熱いわね〜」
姉妹達が説得に入る。(一部ふざけているが)
「妾は理解するのを諦めるとするかのぉ…」
が、どう考えても理解が及ばない夜憑は考えるのをやめた。迷宮のものに理解を求めることがそもそも論間違いなのである。
「ねぇ、朝餉はどうするの?」
「あ、任せて!僕が作るよ!」
…どうやら今日の五つ子達は、紫雨の謎能力で作られたご飯を食べることになりそうである。
「手を合わせて〜」
「「いただきます」」
紫雨が作り出した食事は漬物、豆腐とわかめの味噌汁、白米、焼き鮭、卵焼き。現代の和食と呼ばれるものであった。
勿論、五つ子達にとってはご馳走である。というより、この世界の常識的には白米は見たことがない人の方が大多数である。精米技術がさほど発達していないのだ。
さて、考えてみてほしいのだが、それぐらいの文化の世界観に『あきたこまち』等のブランド米を出したらどうなるか。答えは明白である。
「………〜〜〜〜////////」
そう、悶絶である!
美味しすぎてその後も痙攣している五つ子達を見つつ、紫雨はのんびりと朝ごはんをすませるのだった…
「あ、おはよう紫雨。良く眠れた?」
「おはよう、三音姉ちゃん!うん!」
僕は三音姉ちゃんの声で目が覚めた。まさかこんなに眠るなんて…今度からちょっと気をつけておくか。幾らなんでもこのまま三音姉ちゃん達のご厚意に甘えるわけにもいかないしな。多分僕大罪人として国とかに追われたのでだろうから。
「今日からどうする?家で家事しててもいいし、一緒に迷宮に潜ってもいいし」
三音姉ちゃんからそう提案された。家事をするか、迷宮に潜るか…どちらかというなら迷宮に行って稼いだ方がいいな、うん。
「迷宮!」
僕はそう即答する。もしかしたら稼げばすぐに出れるからな。やばそうだったら三音姉ちゃん達が助けてくれるだろうし。
「うんうん、じゃあちょっと皆を集めるね。
三音姉ちゃんがそう呼びかけると、なぜかそちらの方に引っ張られる。言霊かなんかでもあるのかな。三音姉ちゃん達、和風の美少女だし。
そんなくだらないことを考えていると、ふうか姉ちゃんがやってきた。
「おはよう、三音と紫雨」
「おはよう!ふうか姉ちゃん!」
「おはよう、楓夏姉」
「それで、迷宮にか?」
早速ふうか姉ちゃんは三音姉ちゃんに問いかける。多分だけど、僕をどうするかか。迷宮だから…一緒についていくかどうかか。まあ、家事とかを選択肢に出してない時点で子供らしく振る舞えてるな、うん。
「うん。どっちにしてもしばらくは誰かと一緒にいさせないと」
「確かにな。……朝餉はどうする?」
朝餉って朝食か。んでもってこの古い表現……多分ご飯の質とかは現代日本よりも落ちるな。で、それに元一般人の僕は耐えられない。何よりも
「僕が作るよ!」
自分で作ればよかろうなのだ!!
「「え?」」
驚かれたが、関係ない。腹が減っては戦はできぬ。
「あらあら〜…もしかして作ってくれるの〜?」
いら姉ちゃんがやってきた。タイミング的に、聞こえているから丁度良い。やったぜ。
「あ、伊良姉おはよう」
「おはよう、いら姉ちゃん!」
「伊良姉様、とりあえず台所まで紫雨を案内したらどうだろうか?」
ふうか姉ちゃんも手助けしてくれるし、全力で作らぁ!
「そうね〜、ついてきて〜〜」
僕はいら姉ちゃん達と一緒に台所に行った。
台所には、既にてんご姉ちゃんが準備をしていた。
「あ、姉様達と紫雨っスか。おはようっス」
「おはよう、巓娘。今日は紫雨が朝食を作るそうだ」
「え…」
それを言った途端、さあっとてんご姉ちゃんの血の気が引く。あれ、もしかしたら僕がやるのは危険なのかね?火とか危ないし…
「どうしてそんな顔してるのー?」
純粋に質問をする。
「う〜ん…どうしてだろうね、紫雨?」
笑いながら僕の質問に返してくれる三音姉ちゃん。さては大量に作らなきゃいけないとかそんな感じだろ。問題はない。
「とりあえずやらせてやれ。紫雨に何が出来るかわからないからな…いつまでも不明の状況より、速くわかってた方が養うかどうかを決める基準になる。…別にやらなくても一生養うから構わんがな」
ふうか姉ちゃんがあと押ししてくれるようなことも言ってくれたし、なんとかなるっしょ!
「…とりあえず料理しましょうね〜」
「うん!」
僕は元気よく返事し、エプロンを着る。…あれ、なんで作れてんのこれ。
「?どうしたの?」
「紫雨…なに着てるのそれ」
「エプロンだけど…もしかして、こっちのほうが良かった?」
そういいながら、僕は白い服…俗に言う割烹着を同じく空中から作りだす。ま、大した害もなさそうなら使うか。これが異世界転生におけるチート、ってやつだろうしな。
「……あらあら〜、他のものは出せるの〜?」
「やってみる!ねえ、なにか欲しいものってある?」
「…クレープ。思いっきり白いふわふわがのったやつでね」
「ティラミスをお願いする」
「筆をお願いするっス。墨につけなくていい奴を作れるんなら嬉しいっスけど…」
「私はね〜火をぱっとつけられるものかしら〜」
えっと……
・クレープ(生クリームたっぷり)
・ティラミス
・筆(多分万年筆とか鉛筆)
・ライター
か。どうせだしテーブルも作ってその上に置くか。
僕は思い浮かべれば、すぐに出てくる。バグってんだろこの性能。
「…え、嘘でしょ。僕こんな贅沢品食べちゃっていいの!?」
「あらあら〜凄いわね〜」
「ふむ、味もしっかりしている。それに、腐敗等はしていないな」
「…凄いっス。これでどれだけ事務作業が楽になるんスかね…」
よし、合ってたみたいだ。しかし、クレープが贅沢品か…迷宮内でドロップでもするのかね?そうでもなきゃこんなもん量産できるだろうし…それと、万年筆はもう一個位なら作ってもいいかも知れない。
「何をやっているのじゃ、巓娘。妾は疾く朝餉を……?」
よつぎ姉ちゃんがやってきたが、固まっている。そりゃそうか。普通はこの反応になるよな。だって昨日押しかけてきた奴が勝手になんか作ってるもんな。
「おはよう、夜憑姉ちゃん!」
「おはようなのじゃ。紫雨、傘を出してくれないかのぉ?」
「わかった!」
よつぎ姉ちゃんは良くわからない顔をしながら、欲望を口にする。どうせだし凝ったやつにするか。鯉や金魚などが描かれている和風の傘を作る。
「はい、どーぞ!」
「ほほぉ、ありがとの…ってなるか!」
当然僕は渡そうとするが、よつぎ姉ちゃんの頭では理解が追いつかず、パニックになる。慌ててる姿がちょっと可愛い。
「諦めろ、夜憑。これが紫雨だ」
「楓夏姉、紫雨をなんだと思ってるの?普通の迷宮産の男の娘なのに…」
「三音姉様の方が紫雨っちをなんだと思ってるんスか…」
「僕の大切な人だけど」
「あらあら〜熱いわね〜」
お姉ちゃん達が説得に入る。(一部ふざけているが)
「妾は理解するのを諦めるとするかのぉ…」
どうやら理解してくれたみたいだ。
「ねぇ、朝餉はどうするの?」
「あ、任せて!僕が作るよ!」
…このノリでなら作ればなんとかなるな、よし!
「手を合わせて〜」
「「いただきます」」
僕が作り出した食事は漬物、豆腐とわかめの味噌汁、白米、焼き鮭、卵焼き。現代の和食と呼ばれるものである。適当に思い浮かべたが、洋食とかにして変に驚かれても困るだろう。そんな配慮の元、作ったのだけど…
「………〜〜〜〜////////」
なんかお姉ちゃん達悶絶してんだけど。
まさか飯マズをお姉ちゃん達にさせてしまうとは…本当に申し訳ない…
そう思いながら朝飯を食べた。緊張して食べたから味なんぞ覚えてない。
勘違いって書くのめんどい。
紫雨の能力
思い浮かべればなんでもできる。でも味覚とかは紫雨基準になる。不死身は無理。
異常!閉廷!
エンドルートって…
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毎話毎の最初に書く。
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区切りの良い回で書く。
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作者の都合に合わせる。
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そんなことより投稿しろ。
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そもそもいらない。