鉄 壁 メ ス ガ キ 系 ヒ ー ロ ー 作:守られる偽物
かくして少女は生き延びた
豪雨が降る中、幼い少女が廃工場に棄てられた。
少女を捨てた雨合羽を着た男は父親だろうか。彼は何も言わず立ち去り、大きなゴミを捨てた後のような足取りで車に乗った。
誰もが口を揃えて育児放棄と言うだろうその行為は、少女が眠っている時に行われた。
「あれ……」
私が目を覚ますと、ガラクタの山に寝そべっていた。
おかしいな、ちゃんとベッドで寝たはずなのに。
「……どこだろう、ここ」
周囲を見渡せば、人気のない工場、工場、工場……ここがどこで、家からどれくらい離れているのかすら分からない。
「……寒い」
私は雨から身を守るために、屋根のようになっていたトタンの中に潜り込んだ。
お日様がもう一度沈んでも、誰も来なかった。
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おなかがすいた
わたしはころがっていたかんづめをあけて、なかみをぜんぶたべる。
「……お父さん、来ないなぁ」
……少し、お腹が膨れた。
近くのガラクタをかき集めて、2枚の盾を作る。
出来たのは不格好なツギハギの盾だけど……私の周りをふよふよと浮いて、か弱い私を守ってくれるように見えた。
「ダメだったなぁ。近くにもっといいガラクタがあればいいんだけど……」
それから私は、食料とガラクタをひたすら集めて生き延びた。死にたくないという一心で、時には地べたを這いつくばってでも盾と身体にガラクタを使い、強くしていった。
絶対に生き延びてやる。生きてこの地獄みたいな生活から抜け出してやるんだ。
捨てられてから何年経ったのかな。もうお日様は何百回と沈み、それを数えるのも、家族が帰ってくるのを待つのもやめた。
あれだけ不格好でツギハギだった盾は綺麗に整った形になって、自動でエネルギーの弾を発射してくれるようになった。
この盾には何度も助けられた。ガラクタの山に潜って潰されそうになった時も、強風でガラクタが弾丸のように飛んできた時も……この盾が無かったら私は何度死んでいたんだろうね。
元から機械だった身体も少しずつ新しいパーツに置き換えていって、多分脳以外は全部新しいパーツに置き換わっているはず。
日に日に使えそうなガラクタは無くなっていき、今日初めて使えそうなガラクタが見つからないまま一日をすごした。
「……よし、行こう」
もうここに居続けるのはやめた。私は隅から隅まで知り尽くした廃工場から抜け出して、街を歩く。もちろん、その間も使えそうなガラクタを探すのは欠かさない。
ガシャガシャと機械同士が触れる事で音を出して、私は街を歩く。
たくさんの初めて見た光景に、私は目を輝かせた。私の知らないものがこんなにもあったなんて。
ガラクタは無かったけど、食べ物は沢山あった。
「あ……お金ないや……」
ガラス越しの食べ物を眺めていた私は中にある食べ物を頼もうとした瞬間、お金を持っていない事を思い出す。
ここで私はようやく事の重大さに気がつく。
物を買うにはお金が必要って、昔お父さんが教えてくれた。でも私にはお金が無い。
奪うのはありえない。
ガラクタの山で生きていた私だけど、奪う事だけは絶対にしなかった。
捨てられてすぐの頃、カラスが食べていた肉を取ろうとして、しつこく突っつかれた事がある。
何かを奪われたら、相手が怒ってめんどくさい事になるのは知っていた。
私は美味しそうな食べ物を奪ってでも食べたい気持ちをぐっと我慢して、建物の前から立ち去る。
「今日は集まってくれてありがとう。俺と一緒に、平和の象徴オールマイトを殺してこの腐った社会をぶっ壊そうじゃないか」
(……なんか巻き込まれた)
路地裏を歩いているうちに、気がついたら私は変な奴らの集まりに巻き込まれていた。
他の奴らは黒い霧に次々と入る。
『……早くしてください』
黒い霧が喋ったので、言われるがままにその中へ入る。
これが私の人生を大きく変えるなんて、この時は思いもしてなかった。
この子の元ネタは……
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知ってる
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知らない