イケメン霊媒師によるたった一つの冴えたやり方 作:O•Nホール
転生した。鏡を見て歓喜した。めっちゃイケメン。
しかも現代。転生前とそうたいして変わらない世界。ふぇっふぇっふぇ。これで女にもモテまくり、ナンパ成功しまくりだぜぇいいぇいいぇい、と調子に乗って。いざ事に及ぼうとした時、この体の問題が発覚した。
出ねえ。
剛直。大蛇。3本目の腕。薄い本よろしく想像上、否。妄想上の凶悪なそれはいくら扱かれても達する素振りすら見せない。いやこれ咥えるのも入れるのも無理でしょと言われて挟むだけだった。無理すれば入るかもだがワンナイトの関係でそれは望めない。
意地になってゴムを外したのが良くなかった。おかしいなと思って相手を前に自分で致して見せると今度は出る。
エグい量出た。どれだけ出たかって、相手が溺れるほど出た。
やばいと思って止めようとしなければ一生出てたって具合に出てた。
相手も俺も唖然茫然。ベッドは一体何人が出せばそうなるのかって具合の大惨事。臭いしはしたないしお互い無言のままシャワー浴びてホテルを出た。ごめんなさいと謝意を込めて現金のみ入れた財布を汚れないよう部屋に置いて来た。
家に帰ってソファに腰掛ける。
「どうなってんだ……?」
順風満帆かと思われた性生活には暗雲が立ち込め始めた。
3ヶ月。冬から季節がそろそろ春に変わるかなと言う時期になって、そろそろ性欲が限界だった。
こと生活において、金銭面では問題はなかった。
転生前から少し前の時代なのもあって、競馬を嗜んでいた俺は当たり馬券というものを知っていた。記憶にある馬とレースがそれぞれ一致していることを再三食い入るように確認し、それに口座にあった全財産100万円を全ツッパ。それを何度か繰り返し、稼いだ金を今度は運用。誰それ、何処そこがという曖昧な記憶を頼りに株やら証券やらに分配した。転生してひと月で一生食うに困らない自堕落に生きるための生活基盤は整った。
原義の意味でのチート、ズルのようではあるが仕方なかった。
働こうと思うとこの分身は暴れ馬の如く猛り出すのだ。パンツやズボンなぞ履けたものではなかった。不労所得しか生きる方法が見つからなかった。
衣食住の差し当たって問題は解決したからこそ辛い。
死にはしないが死にそうだ。
3ヶ月。あれ以来ずっと出してない。
あんな部屋中イカ臭くなるのはごめんだった。風呂でもあんな量自分で慰めて出したものを掃除する気にはなれない。清掃業者入れるのもあまりにも恥ずかしい。
とはいえ野ションのようにするのも翌日のニュースになりかねない。
どうするか、と魔羅に無意識に手をかけ正気を失いかけたその時だった。
何か、いる。
蠅のような頭部の2頭身。蠅のような羽が生えた何かがベランダの外にいる。
見覚えがあるような、ないような。得体の知れない何か。
小骨が取れそうで取れない違和感を飲み下し、ソイツを捕まえた。
蠅頭の何かが手元で何かが蠢く。瞬き一回。醜悪なソレは少し大きめのフィギュア程度の羽の生えた美少女に変わる。
穴がある。指が入る。柔らかい。伸びる。そんな猿みたいな確認をしてると下半身は本格的に硬くなって来た。
手の中から逃れようとする妖精のような何か。醜悪だったもの。怯えた表情を見て、込み上げるものを抑えられず。
俺はソレに俺のモノを当てがった。
まるでオモチャだ。大人の、自慰用の。
そんな達観した感想は3ヶ月ぶりの吐出を終えてから、その吐き出した先のものについてだ。
ずるりと剛直から抜け落ちたもの。腹が膨れ、倍以上の大きさになった蛙と見紛う様子に変わり果てた妖精めいたものはべちゃりと床に転がっている。
我ながらよく出したものだ。そう思ってソファから立ち上がり、キッチンで水を飲む。
「……は?」
よく冷えたピッチャーとコップを手にリビングに戻ると、例の妖精のような何かは消え失せていた。ついでに汚れも。
床にも絨毯にも、さっきまで液が垂れ流れていたソファにも、先ほどの形跡が残っていない。
まるで狐に化かされたかのような。さっきの暴力的な行いは解消された性欲だけがもの語り。俺は性欲の発散先を失ったことで一人部屋の中真っ裸で膝をつき涙した。
落ち込んでいられないと、街に出ると妖精になる前のあの蝿頭はウヨウヨと飛んでいた。
原作『うしろの正面カムイさん』の登場キャラクターを登場させるかどうか
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いる
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別にいい
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作者の自由裁量