イケメン霊媒師によるたった一つの冴えたやり方 作:O•Nホール
ヒント:憑依タグの不在
評価報告感想感謝。
生の喜びを知る感想欄の恵にお父ちゃんも草葉の陰で泣いとるでほんま。
あとお察しだろうが今回ほんのりNTR風味。けど寝てから言え定期。
呪物とは強い呪いのかかった遺物。今は亡き人物の所有物や本人の一部。呪霊が憑いているものとは違って、それ単体がなにかしら所有者や本人の没後も俗世に影響を与えるもの。
手に入れたどこの部位だかわからない人体の一部。どうしてこんなものがうら若い少女から出てきたのかは不明だが、そこにあるだけで呪霊が寄ってくるようなものを家に置いておくわけには……ちょっと躊躇したがいつものように除霊するつもりで触れた。
生きた女の姿に変わる呪物。
人の体に入り込み、寝込ませるような呪物は大抵碌でもない。自ら動けないのだとしても、人の体に入り込んでいたその理由は知っていると判断して構わず押し倒した。
嫌だやめてと泣いて謝る。許さない。
好きな人がいる。1000年受肉の時を待った。……それがどうした。
鳴いて喘いで。横で見る玉藻よりも余程獣のような声を上げる
平安の時代が是としていたかは定かではないが、人の命を食い物にし、ソレをどうとも思わない性根は現代の倫理に反する。人を助く呪術師でも害する呪詛師でも。現代に解き放ち。人ならざる身でも生かす事を決めた俺がそれを教えるのは、役目で責任だ。
偉そうにどの口が言うか。苛つく。怒張する。
転生。その経験を実際にした俺自身、誰かの体を乗っ取っているかもしれない。誰かの人生を、あるべき未来を奪う。自覚がなくても自分も犯しているかもしれない誤ち。
俺はこの万である可能性に気が付かされ、その事を懐古すらしなかった自身への怒りをあてつけるように、腹に満ち満ちるまで続けた。
気絶を許し、手を離すとずるりと一部の膨れあがった万は抜け落ちる。
一体いつまでしていたのか。普段は残る高揚も今はない。残らないほどしたのか、それとも気持ちが落ちているのか。どちらともか。
玉藻が無遠慮に顔に触れてくる。
「……ご主人様。貴方には玉藻がおります。玉藻がおりますから……ですからどうか──泣かないでください。……妾は其方のそのような顔見たくない」
臭気に塗れるのも構わず、ずっとそばにいた玉藻は涙をためている。
「玉藻。……ありがとう」
「はい」
いつもと違い壊れ物を扱うように玉藻に触れる。
分身は本体が柄にもなくおセンチだったのにも関わらず元気だった。
それはそれ。これはこれ。
玉藻に慰められて、そう気を持ち直して今度は正妻ムーブかましてくれた玉藻にイラつく。抱かせろ。いつもの調子でそう言うと少し嬉しそうな玉藻を、気絶した万の横でたくさん可愛がった。
「でも私の本当の愛はここにあったみたい──痛っ!? 何をするんですか玉藻前」
コーヒーブレイク中に生前の話と呪物になった経緯を聞いていると、うっとりした目で俺を見てきた万を玉藻が引っ叩く。
「叩いたら治るかと。どうしたんですか両面宿儺のことは。絶対堕ちない負けないとかいってたくせに。まあ10分もすれば狂ってましたが。でも好きだったんじゃないですか? 転生に一縷の望みをかけて、外道に身を窶すほどに」
「惚れちゃうわよ。あんなの……あんなの勝てるわけないじゃない。人型にされ意識を与えられるのを条件に、縛りまみれにされて術式も呪力も自由に使えない。それも行為中に追加で縛られて。こんなことできるなんて別世界の住人よ。現代でいうところのギャグ漫画かエッチな漫画からでも出てきたんじゃないの?」
「あ」
「……何? え、ちょっと? ……ウソでしょ? それって! ねえ、なんでさっきまで──はう」
幽体を出してお仕置きを敢行する。平安生まれのくせにおじゃる口調じゃないガッカリ感もある。受肉を待つ間器からラーニングしたとか言ってたが。
別世界の住人だけならまだあっていたのでスルーしていたかもしれないが、そのあとが良くない。そんな漫画の世界出身ならあんな苦労はしてない筈だし、一つの病で世界が大混乱に陥ったりしていない。大切な人も失わずに済んでいた。
ベッドに腰掛け玉藻とコーヒーブレイクの続きとする。
「そういえば両面宿儺とはなんだ玉藻。お前の話が聞きたい」
「はい。それは「呪いのおほおおおおお──むぐぅ!?」
嬉しさから一転怒りを堪えた玉藻への褒美に幽体をもう一体出して口を塞がせる。
「ありがとうございます。では改めて。呪いの王とも呼ばれ、2対の腕と2つの顔を持つ鬼神の如き者。今はその指が20本、特級呪物として残っていますが実際は長きに渡り恐れられた、史上最強の呪術師。だった者の名です」
「……だったということは」
「もう違います。ご主人様の敵ではありませんとも。呪霊も呪具も今日のように呪物になっているものですら。自由自在、千変万化に御してしまう貴方様に敵うものなどいませんから。でも油断は禁物ですよ」
「そうか。……しかし今の話が本当なら、危険極まりない人物の呪物が20個も現代に残っているのか」
「ええ。どういった経緯で残ったのか。残しているのか。私のリサーチ不足で詳細にはわかりません。そのお叱りは受けます。……兎に角、全国各地に宿儺の指は散らばっています。所在不明のものも多いので対処に困ると思いますけど……」
どうします、とそれ以上は言葉にはせずこちらを伺う玉藻前を俺は抱き寄せ。
「勿論祓えるなら祓う。万に転生の話を持ちかけた羂索という者の企みの件も。……それが少しでも社会貢献になるならな」
そしてこの体の元の持ち主のためになるならば。今日得た気づきは心に刻む。が、それはそれとして。
……呪物だった万の具合に気に入った俺は、嬉しそうに顔を綻ばせる玉藻を見つつ楽しみに心躍らせた。
X指定版は
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書いて♡ 書け(豹変)