イケメン霊媒師によるたった一つの冴えたやり方   作:O•Nホール

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黒幕説もあるがここの天元様は有能。あとごめん。

感想評価あざます。
呪術廻戦名物の存在しない記憶で上層部くんたち何もしてないのに壊れた。仮に動画に映ってた人が知ったらみんな困惑する。スクナが一番の被害者。焼き増しした人も泣いていい。


天元

 天元様と会ってほしい。正確には自分と直接会ってくれと上層部、五条を経由してそのさる御方直々にお願いされた。

 五条曰く、腐ったみかんのバーゲンセールの上層部を介してメッセンジャーの役割を果たした五条はめんどくさそうだが、行ったほうが良いと言う。

 何かを思い出した素ぶりを見せたが次の瞬間にはいつものおチャラけた口調でいつ行くかと日程を聞いてきた。

 

 都立呪術高専来訪当日。

「あ、一応あの映像に使ってたアレ使える? 認識できないようにするヤツ。君らには接触厳禁だって言ってるけど、あのジジイたち気になって仕方ないみたいだから」

「とのことですが。よろしいですか?」

「ああ、頼む」

 移動前に五条の忠告通り玉藻に与えている術式で認知をずらす。顔が割れて任務を受けろだ呪詛師だなどと呼ばれると非常に困る。金には不自由はしてないので、金目的で仕事をしているわけではないのだ。

 情報をくれれば勝手に祓う。寧ろ祓いたい。でもこの前みたいな任務……過剰な仕事にされると無駄にストレスが溜まるので嫌だった。

 

 

 

「初めまして霊媒師。いやメディアで呼ばれてるようにイケメン霊媒師と呼んだ方がいいかな」

「初めまし、て……っ」

 薨星宮の最奥。そこで会った天元への第一印象は四角だった。顔が四角い。鼻の形が四角い。目は4つ。うちのメイドの昔の姿みたく口も腕も倍ではなかったが……あるいは隠しているだけか。その異形の姿に驚愕し起立した。分身が。

 呪霊呪物に対して高感度なセンサーの役目も果たす主砲が、まさか人相手に此処まで反応を示すとは思いもしない。対空砲と言わんばかりの角度で痛い。

「知ってはいたが、なるほどね」

 俺の服を押し上げるものを見て納得する天元。

「何故だ。人間ではないのか」

「疑問は尤もだ。……私は人間だよ。でも今の私は呪霊寄りの存在になっている。外見は長く生きるとどうしてもな。君のところにいる宿儺と似たようなものだよ」

 いや、今の姿は似ても似つかないと思うが。いや生前の話か。

「理由はわかった。……それで何が目的だ」

「君に私を抱いてほしい」

「? わかった」

 わからないまま異形の彼の手を取った。

 

 1000年。いやそれ以上。何なら経験自体なかったのかもしれない。

 言葉では経験豊富だと強がる。今度は嫋やかな髪を淫らに揺らした。

 

 衣を力なく纏う昔日の姿の彼女から、改めて事情を聞き。預かりものをして薨星宮から出る。

「お疲れーどうだった生天元様」

「生の天元氏か。良かったよ」 

「……。……え? いや、僕の聞き方が悪かった。それ人柄の話だよね? 君が言うと違う意味にしか聞こえないんだけど!? もしもーし!」

 日本の呪術界の礎が呪霊みたいになってたから、人の姿に変えて来たと馬鹿正直にいうわけにはいかないだろ。

 俺はあんなに魅力的な相手に抱いてと言われて抱かない男じゃない。良い女でも男でもかつての姿を取り戻したい。星漿体を解放したいと言うのなら、それを叶えるのは吝かではなかった。

 

「つまりご主人様はこの度、拡散し大地の意識となった天元の魂と自我を固定。500年周期で訪れる進化を本人と周囲の都合が良い状態に変えて、肉体を天元に捧げていた星漿体の魂を引き上げ体を与え。天元が保護していた融合前に殺されてしまった星漿体の魂1人を預かって来た……と。また出鱈目な事を……」

 天元女史との謁見の内容を聞いていなかった玉藻に話してやる。

「そうだな。……だからそう拗ねるな」

「す、拗ねとらん……いつものことじゃもの。主様がぽっと出の女に甘いのは。男にもじゃが。土地神といい、産土神といい。荒御魂にいたるまで。神さえ手篭めにする。どれだけ現地妻を増やせば済むのじゃ。薨星宮にも家に繋がる路も拵えるし──ひゃ、もう。んん」

 薨星宮から帰った夜。玉藻がいつも以上に甘えて来たので機嫌が治るまで可愛がった。

 

 後日。

「さぷらーいず! 実感は湧かんが久しぶりじゃな五条悟! ……どうした。驚かせすぎたか? 死人を見る目をしておるが。……まあそれもそうか」

 いつものように様子見と称してサボりに来た五条。彼がここに入り浸っていることを知った星漿体の幽霊の彼女が驚かせたいと言って、実体を得て隠れていた家に繋がるドアから飛び出て来る。

「……お、お前……生きて……」

「いや体は死んでおるぞ。でも魂はなんか天元様が保護してくれとったみたいでな。預けられたカムイに里香みたくしてもらった」

 いえーいとハイタッチをする幽霊2人。

「……天内」

「おお!? こ、こら五条! いい大人が泣きつくな! こ、この男は! おい助けよスクナ!」

 抱きついて来た五条に困惑し、目についたメイド服に助けを求める。

「は? 嫌だが」

「カムイ! こいつメイドのくせに生意気だぞ!」

 驚かせるつもりが、天内理子を抱きしめ涙を流し始めた五条に逆に驚かされた。

 

 自分が取り乱した事を無かったかのように振る舞って五条が理子から離れる。

「久しぶり! 何だ元気そうじゃん。最後会った時は死んでたのに」

「不謹慎過ぎるわ! 今のをなかったことにするな! 人のことを無理やり抱いて! レ○プ魔じゃレ○プ魔!」

「ごめんって。せめてセクハラにしてくれない?」

 除霊方法を知る全員が俺を見る。無理矢理してる相手は全員人間じゃないから犯罪じゃない。ないったらない。それ以外も合意の上だ。それでも色々とやばいのは否定しない。しょうがないだろ出ちゃうんだから。

「? 教職がセクハラしてもアウトじゃろーが! ……聞いたぞ。今のご時世セクハラ、パワハラ? をした教師なんかすぐクビになるって。クビじゃクビ。五条はクビじゃー! そもそも顔しか取り柄のない貴様に教師なんて聖職務まるわけが」

「ごめんって言ってるよねー?」

「いひゃいひゃい! ぼーこーひゃいもちゅいかひゃ!」

 頬を揉まれ、引っ張られ。解放されると赤くなった頬で理子はスクナに擦り寄り鬱陶しがられ、シヅカと里香に慰めてもらいに流されていく。

 

「あー、で。カムイ? こいつとは」

「馬鹿言え。……預かっている子供に手を出す奴があるか。聞かれたら俺の除霊方法は教えるが」

「そういうとこ真人間なんだよね君……。ま、こいつ助けられなくて後悔させられたからさ。礼は言っとく。天元様にも君からお礼しといてよ。僕には会いたくないそうだし、僕もあんまり会いたくないから」

 剣呑な視線を目隠しの奥から向けてきた五条は脱力した後そう言う。理子は何の話をしているのかと不思議そうにしていた。

 

 五条からのお礼と称して今度天元女史とする時はたくさんすることに決めた。

 

 

 

 積もる話もあるだろう。そう言ってカムイに別室へ移された五条に話を理子が聞き終えた。

「……黒井もいない。夏油の奴も悪に落ちた。お前が生きているということは私を殺した相手も……。……ねえ五条。こうしてまた生きていられることに感謝は勿論してるけど……何のために私は生きれば良いのかな。生き返ったのかな……」

 ポタポタと涙を流す理子の頭を五条は雑に撫でる。

「それを探すのが生きる理由だろ。生きてる人と一緒で。……でももし今すぐ理由が必要ならさ。今度傑に会えたら手伝うから一発殴ってやって。僕がやったらやり過ぎるけど、お前からなら響くものがあると思うんだよねアイツ。君の死をあんなことするって言い出した理由の一つにしてるだろうから」

「……なんだ悟。ちゃんと先生じゃん。……一人称僕ってのやめた方がいいけど。気持ち悪……いひゃい!」

 五条が理子の頬を引っ張る。

「理由があるんだから引くのやめてよねー」

「わかったからはなしれぇ!」

 およそ11年ぶりの旧来の仲を深める。もう触れることも話すこともなかったはずの相手との交流に、生意気な小娘にバレないよう五条は笑みを浮かべた。

 




補足。ごじょせんが泣いた理由はパパ黒を復讐の意図で殺せなかったことと事実はともかく理子ちゃん死なせてしまったことから始まった諸々の後悔からつい感極まって。べ、別に好きな人に会えて泣いたわけじゃないんだからね(ガチ)

X指定版は

  • いる(真顔)
  • 書いて♡ 書け(豹変)
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