イケメン霊媒師によるたった一つの冴えたやり方 作:O•Nホール
特に感想・一言評価は栄養価が高く味わっておりまする。
今後ともどうぞよしなに。
あとご尤もな意見もらった。次話から前のような勢い取り戻したいので、そのつもりでよろしく。
想定内のハプニングに見舞われたが次の目的地、海岸から少し離れたところにある温泉宿に到着。1泊2日。明日帰る予定になっている。
俺と手持ちの呪物呪霊。男女で部屋割りをして3室借りた。
「……どうしてカムイさんだけ家族風呂がある部屋……あ、いえなんでもないです」
シヅカ、分かってるなら聞くんじゃない。
カムイ以外の者たちはまずは温泉にと部屋に荷物置いて入った風呂上がり。ピンポンに興じる憂太と恵。五条がフルーツ牛乳を煽りながら観戦する。
「いやぁ、にしても良いお湯だったね」
「……今更ですが、なんで五条さんついてきてるんです、か!」
「? 着いてくるなって言われてないし。カムイにお金ならちゃんと払ってるよ。この前のお礼と一緒にね」
「まあ、大勢の方が楽しいですよねっ。カムイさんが許可してるなら良いんじゃないかなっ」
「誰から聞いたんだよ、ったく!」
「え、津美紀。ほら僕一応保護者だし。君ら未成年の宿泊でしょ?」
あんの馬鹿姉貴と恨み節を募らせながら渾身の一打。呪霊が見えるようになって式神にも世話焼きたがるし堪ったもんじゃないと日頃の恨みが含んだ呪力が球にのる。しかし笑いながら難なく打ち返されてライン際。跳ねた球は五条に向い、無下限呪術に止められる。
「そういえばカムイさんは?」
「あとで入るって。ハッスルしてたから当分先じゃないかな」
「それは、また。あの人らしいですね……」
小さくガッツポーズする憂太と話す五条。
「……はあ。周りにまともな大人が居ねえ……」
「いやいや。カムイも僕もまだマシだから。教えたじゃん。最近大人しい上層部や禪院家の事。それに比べたら善良なもんでしょ? 僕も彼も善人じゃないけどね」
確かに。恵は納得した。
温泉に浸かる女子が4人。里香に津美紀にシヅカの3人は脱力しながらが2つの半球を水面に浮ばせ、それを中学生にしてはある筈の理子が羨むように半目でそれを覗き見る。
「はい! 私女子トークしたい!」
「シヅカやっぱり元気すぎでしょ……あんなことあったのに」
「いやあ、それは思い出させないでぇ!」
「でも挿入ってないなら、ねえ。マッサージ受けたみたいなもんじゃない?」
「ギリギリ死守したの! あんな悪徳マッサージは嫌!」
シヅカに苦笑いする2人。理子がよくわからないと首を傾げる。
「入って? 何が何にじゃ? シヅカが襲われたのに何か関係ある話?」
「んーん、なんでもないよー……でも女子トークって具体的には何話すの? 私憂太の惚気しか話さないよ?」
緘口令が敷かれ迂闊にカムイの情事、呪物呪霊との関係の諸々を理子に明かせない。含みを持たせるように嫌われたくない……と言っていたが、里香は色々と教えてしまいたい欲があったりなかったり。
「あーそれはちょっと。私はお腹いっぱい……」
「シヅカがそう言うなら私も遠慮しようかなあ……」
理子が惚気でも聞きたいと立ち上がったが「ダメです」とシヅカに押さえつけられて不貞腐れる。
──生前が星漿体の理子。最低限の性知識のみしか教えてもらえず、通っていた学校は不純異性交遊に厳しい聖職系の女学校。婚期に焦る女教師や友達との話題にのぼることはあったが罰則のせいで深掘りはされず。侍従の黒井美里にも万が一を懸念され男性との接触もほとんどなかった。
この話を聞いた時里香は理子に同情した。
里香が憂太と出会ったのは理子よりももっと幼い時分。その時ですら恋をして愛を知った。そして死に、呪うほどに愛して呪われるほど愛されて……カムイに出会って知った、ほろ苦くも甘い大人の男女の関係。
──教えよう。そう決意を固め、この後カムイに強請ってもらったスクナの合計調伏時間720分の秘蔵映像の上映会でもするかと思案する。無修正は流石に刺激が強すぎるので修正したやつを。
理子も知ってた方が健全だし、むしろ知らない方が不健全だし。今日みたいにカムイも自分も変に遠慮しなくて済むと言い訳した。
「じゃあ好きな人の話でもする? 勿論私は憂太一筋だけど」
「里香ずるーい。じゃあ私は……うーん。恵かなぁ……ちょっと擦れてるけど可愛くて」
「それもずるいでしょ! 家族出すのはルール違反!」
「そう? そうかなぁ……ならそう言うシヅカは? むしろそっちのが聞きたいかも」
「私もー! あーでも、どうせカムイさんじゃない?」
「あーね。それもそっか」
「そそ、そんなわけないじゃない! ……なんであんな変態な人のこと……」
「だって、ねえ?」
「今日もカムイさんに慰めにもらいに行ってたし」
「うんうん。でもこっち来ないでくれて良かったのじゃ。ぬるぬるつけられるの嫌だもん」
「うう、理子ちゃんまでぇ……そう言う理子ちゃんはどうなの」
味方はいないのか。シヅカは半目でニヤニヤする理子を悪いと思いつつも生贄に捧げる。
「私!? え、いやそういうこと考えたことなくて……」
照れたように俯く理子に、里香と津美紀がニマアと笑う。すすすと理子の隣に位置取る2人の女の直感は、理子には気になる人がいると囁く。
「ダウト」
「これは嘘つきがいますなあ」
「な、なに!?」
「ほれほれ言うてみ言うてみー? 五条さん? それともカムイさん? 大穴で恵か「憂太はなしで」なら乙骨君みたいな人がタイプ?」「あ、そういやこの前、なんか前菓子折り持って知り合いっぽいお坊さんみたいな人きたよね? その人?」
「やめてぇ……」
恋バナに飢える様子の女子2人からの追及に理子が耐えるのを見つつ、シヅカは心の中で謝りながらこっそり浴槽から逃げる。変に火照った顔と体を冷ますために外の空気を吸いに露天風呂に出た。
が、ヤバそうな呪霊がいたので踵を返して里香を呼んだ。里香が出て呪霊は逃げていったが一瞬で火照りは冷めた。
特級相当の呪霊がいたと報告して夕食後、女子の部屋にて。
「これ見る?」
「なんじゃそれ……お、映画か!? 見る!」
「絶対見ません! 見せません!」
「いいや、見るね!」
「お市ちゃんやめさせて!」
「ええい無茶言うなぁ!」
浴衣の内から取り出した怪しいBDを部屋にあった再生デッキに入れようとする里香とそれを見たいと言う理子。内容に察しがついて突然の凶行を防ごうとするシヅカ。
今日の一連の出来事から内容の予想がついた津美紀は、後学のためあとで見させてもらうことにして。枕投げにまで発展した攻防の行く末を1人静かに見守──れるはずもなく乱戦に巻き込まれた末に勝利した。
「里香」
「どうだっt…………え、な、なに……?」
「これは、ちょっと。刺激が強すぎ」
帰った後借りて見た。
津美紀はスクナとカムイの顔が見れず、里香は悪事がバレて怒られた。
X指定版は
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いる(真顔)
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書いて♡ 書け(豹変)