イケメン霊媒師によるたった一つの冴えたやり方 作:O•Nホール
正直な、虎杖くんには幸せになってもらいたい。おじいちゃん子でいい子なんだよ。
でもな? 同じ幸せでもその価値に重みを感じれた方がええやろ? せやから苦労してもらいます虎杖君には。
具体的にはケツはそれなりだけど胸がデカくてタッパはないメスガキと四六時中居てもらうこととします。歪めろ性癖(真心100%)
失敗した。
人質を取るだなんて思いもしてなかった……でも嘆いたって今更どうすることもできない。
それでも内心悪態を吐く。呪いに知性がある。その想像力を欠いた私が至らなかった。選択を誤った。人と同じだ。武器を手放した程度で人質を解放するわけがない。
──これが都市の呪霊。
実感と手詰まりを感じたその時。その袋小路をブチ壊すように、呪霊の背後の壁が崩された。
「小僧、そこだ」
「ここ!? いや居な──向こう側か!」
──無意識のうちに感じ取った残穢を頼りに、隣室へとすり抜けた呪霊の居場所を把握した虎杖は徐に壁に近づき殴り抜ける。呪霊は捉えられなかったが、意表はつけたようで、壁を突き破った勢いで人質の子供を助けだすことに成功した。
しかし腕を斬り落とされ不利を悟った呪霊がビル壁面を抜け逃走。
「虎杖、その腕寄越せ! ──共鳴り!」
芻霊呪法。縁を辿って対象を呪う術からは逃げることはできず、呪霊は無事祓われた。
「言ったろ1人はあぶねー真面目にやろうって!」
「1人は危ないなんて言われてないわよ!」
「言っ……てなかった!?」
「つーか何食って育てば壁ぶち抜けんのよ!」
「鉄コンじゃなかったんだよ!」
「鉄コンじゃなくても無理よ! 普通!」
わいわいきゃあきゃあと言い合う2人を宿儺は冷ややかな目で見る。
芻霊呪法。古いが強力不可避の術式だ。縛りを強めれば効果範囲は無限に等しい。魂を認識できればその縛りも緩和できる。
──中々どうして面白い。
残りの指の回収を恥がどうと気にしては出来ない。場合によってはこの女も手駒として動かさなければ。
故に宿儺としてはこの女と仲を違えるつもりはない。
──釘崎に礼を言われ虎杖が照れている。
そんな仲睦まじくしているところに、しかし宿儺は割って入る。
これだけは言っておかねば気が済まなかった。
「小僧。誰が俺に建物を壊すなと言ったんだったか」
「うっ……そうだった。言い出しっぺが壊して悪かったよ。でもこの場合は仕方がなかっただろ? この子と釘崎が危なかったんだし」
それに、と。
「宿儺のおかげで2人とも無事だったんだ。ありがとな」
「あら、そうなの? ならあんたにも感謝しとかないとね。お陰で助かったわ」
「……。……フン」
宿儺は自身に面映いなどという感情が芽生えたとは知らずに。身に覚えのない快とも不快ともつかない、胸の内に充ちた感情に頬を染めることしかできなかった。
「はいお礼言った! これでチャラよ! 貸し借りなーし!」
なんだこいつ。照れくさそうにする宿儺を横目に、宿儺と違って可愛げないなぁと思いつつも、釘崎野薔薇という人間への理解を少し深めた。
「ビフテキ! 回らない寿司!」
「どっちも出してくれる店があるなんて! さすが東京! 銀座!」
「いやあ、いい食べっぷり! あ、パフェある?」
「あるよ」
「さっすがマスター! ほーら恵もしっかり食いなよ。遠慮しなくていいからね」
「うす」
「俺にもそのパフェとやらを寄越せ」
「あ、宿儺は遠慮してもいいよ」
宿儺と虎杖は味覚の共有をしてちゃっかり2人分を味わっていた。
そんな感じで釘崎の来た初日は用事があるから先帰ってて、と送り出されて高専へ戻った。
そして次の日。釘崎に高専へのアクセス、伏黒による主要な校内の案内を終えて教室に戻ると全員が揃っていた。
「え……ちょ、ちょっとちょっと! 女子多くない!? 話が違うわよ!」
教室内の様子に狼狽えた釘崎に手を引かれ廊下側の窓の下へしゃがみ込む。
釘崎が窓からこっそり覗く。金髪と黒髪の双子に、グラマラスな3姉妹。おさげに布地のヘアバンドと結構目立つヘアスタイルの女子が退屈そうにしていた。
「……またあの人は。なんか勘違いしてる気がしてた。話が噛みあってなかったわけだ」
「……どういうことよ」
宿儺は厳密には生徒ではない。じゃあ私が紅一点ね、と釘崎が言っていたのを思い出した。
「あの時スルーしちゃったけど女子はお前だけじゃねーんだ。むしろ男が少ないくらい。あ、それとこれだけ生徒の数が多いのってカムイさんのせいなんだって。カムイさんって釘崎知ってる?」
「いや。いやいや! 知ってるも何も、今や知らない方がおかしいでしょ! 呪術界の内と外に限らずあれだけ顔が売れてるんだもの。ウチのババアもお熱よお熱。ここで教員始めたって噂のせいでこっちに来るのが遅れたといっても過言じゃないわ。まあテレビの生特番であれだけド派手にやったら、注目浴びても当然だけど」
「あー河童のミイラが動いたやつ? 俺もあれ見たけど。トリックじゃねーの?」
「馬鹿ね、マジのやつよ。いえ偽物だったんでしょうけど呪霊が取り憑いて本物になったってわけ。呪骸、つってもアンタわかんないわよね。ほら、さっきの呪霊祓う前に私が壊してたマネキンみたいな状態になってたの。助手の女の人がうまいこと隠したみたいだけど、帳も張らずに一瞬で、記録に残らない速さで祓ってた」
「……(玉藻さんが認識阻害したとはいえ堂々とヤッてたとは言えねえ……)」
なんだ釘崎めっちゃ喋るじゃん。カムイのファンだろうか。
伏黒が気まずそうに黙ってるのは気になる。なんかバイトだし事情知ってんのかな。
「てかなに? やっぱりカムイが居るの? 教員で? 女子生徒の数が多いのって顔で呼び集めたってわけ?」
「……」(ちょっと否定できないって顔)
「え、俺わかんない」
「はー使えないわね二人とも」
「俺は入ってきたのお前と大して変わんないんだからしょうがないだろ!」
「ねえ私、変な格好じゃない? 大丈夫?」
みんな同じ制服じゃん。シカトして何気にしてんだよ……ちょっとショック。
「何を怯えている。さっさと入れば良いだろう」
「あ、ちょっと! 心の準備が! 笑われちゃったら立ち直れないわよ!」
「何やってるんだお前たち」
イライラし始めた宿儺がドアに手をかけたところで、反対側からカムイが呆れた様子でドアを開いた。
自己紹介を終えたあと入れ替わって教壇に立ったカムイ。
「一応俺も自己紹介しとくか。カムイだ。しがない呪術師をさせてもらっている。さて、一年はこれで全員揃ったわけだが、正直五条1人では君たちを面倒見きれない、と学長に泣きつかれてな。今年は臨時講師をさせてもらうことになった。一年の副担任でもあるな。たまに俺が来るか、あるいは従業員か他の
表ではイケメン霊媒師。裏では特級相当と認められていながら、特定の組織には属しない異端者。
……裏でも表でも引っ張りだこな彼の情報は自然と入ってくる。さらにいえば呪術を教えてくれた祖母が大ファンで要らない情報も入ってくる。
だから別に私自身はファンではない。なんなら胡散臭いと思ってたくらいだ。
「君らの中には面識のある奴もいるだろう。会ったことのない者は秋にある交流会で会える。まあ公休扱いにできるとはいえあっちも学業があるからな」
ほとんどの面子は面識があるようで「避けられてるのよねえ」「母さん……」「脹相いい加減やめてやれ。他人の空似じゃ」「憂太と里香も来るかな」と、口々に人の名前を出している。妙なこと言ってる人もいるけど。
「さて、次の時間はそのまま俺が担当する。普段の代わりは玉藻とスクナが来るだろう。あいつらの方が教師には俺より余程適しているからな。……あとは実践相手として他にも手下の呪霊か呪物を寄越すだろうが、まあ仲良くやってくれ」
「ねえそれって間違って祓ってもいいわけ?」
呪物? なんだろ、言い間違いかしら。
「なに、奴らには知性がある。死ぬ前にやめてもらえたらいい。むしろそこまで追い詰められるなら俺から教えることは無くなってしまうな」
次の時間まで交流を深めてくれ、と。そう言ってカムイは出て行った。
次の授業にて。
「え゛……これ祓うの?」
「ウッソでしょ!?」
『殺さないで……!』
虎杖と釘崎。カムイの最初の授業で両名が与えられた課題は、躊躇せず女性の姿をした呪霊を祓うことだった。
虎杖
宿儺の方が素直か?
宿儺
顔や態度に感情が簡単に出るようになって苦労している。
釘崎
東北から来た都会に憧れる女の子! 女の敵みたいなガキ巨乳美少女がが生徒じゃないと聞いて、小さい頃鼻くそ食ってた系男子と重油塗れのカモメに火つけて遊んでた系男子と超絶美形の内面死んでる系担任に囲まれて紅一点ね! と内心思っていた。クラスに入る前のウザ絡みは実はメンタルリセット。2秒ほど恥っずぅ……と思った。実質ノーダメ。強い。
救出された男の子
強気なねーちゃん(釘崎)見て年上が好きになって、メスガキ(宿儺)を見て性癖が複雑骨折した。将来は呪術師になるかもしれない。
伏黒
救助された少年の性癖が複雑骨折したのを悟って同情した(手遅れの人)
GLG五条
悟ったけど特に気にしてない人。
鉄筋入ってないコンクリート壁&呪霊
虎杖半端ないって~! もぉ~アイツ半端ないって!! 壁壊して入ってくるやん!! そんなんできひんやん、普通……そんなんできる!? 言っといてや! できるんやったら……
X指定版は
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いる(真顔)
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書いて♡ 書け(豹変)