イケメン霊媒師によるたった一つの冴えたやり方 作:O•Nホール
ちょいシリアスな空気が醸し出されていますが、まあ丸く治るのでご安心を。いつものこと。
ああ、でもこのサイトにDDoS攻撃してくる奴は死んだらええ。
運営様対応お疲れ様です。ありがとうございます。
――カムイさんに演習を、五条先生に実際に現場に出て呪いを祓う実習をさせられて2週間。
「任務? え、俺らも?」
五条先生に呼び出されて任務が与えられた。今回は伏黒だけじゃなく、自分と釘崎も込みで。
「うん。恵に付いてって勉強。今回の二級の案件程度なら君ら守りながらでも余裕だろうから色々学んでおいでよ。恵は同年代で特級に最も近い術師だからね。学生ってことで僕が特級の認定は遅らせてるのもあるけど、現時点でも一級術師だし」
「……今はすこし自信ないですが、まあ」
宿儺の指の回収を失敗したからなのは明らかだ。
でもほとんど俺が先走ったのが原因。
伏黒には謝って、許してくれはしたけどこっち側……呪術の世界に巻き込んでしまったと、負い目を感じてくれてるようだった。
それに関しては俺自身はもう吹っ切れてるからいい。けど任務失敗に関して伏黒が気にしてるのは確かだった。
ただ不謹慎で伏黒には申し訳ないけど、引き込んでくれてちょっとワクワクしてるところがないとも言えない。……鼻で笑うなよ宿儺。仕方ないだろ、男の子なんだから。
「本当にコイツそんな実力あんの? あんなボコボコにされてんのに?」
「おい」
本当に言い難いことをズバズバ言う。釘崎のこういうとこ嫌いじゃないけどさ。もうちょっとこう手心加えてもいいとは思う。宿儺や血塗にしてるような優しさが欲しい。
「ああ、天内とのこと? アイツも一応準特級ぐらいの実力はある。並みの一級は瞬殺するし。でもそんな天内にボコられてても数秒後にはケロッとしてるでしょ? あれ、恵は態と受けてるし」
「げ、やっぱMなの?」
「違うっ……式神の成長を促してるんだ。アイツの攻撃を式神で受けたら万が一にも破壊されかねないからな」
術式貫通する黒閃なんて食らったら何が起こるかわからないとは伏黒の弁。
宿儺にも教えてもらったけど黒閃ってのはいわゆるクリティカルヒットのことなんだと。出せたら色々メリットがあるらしいけど、狙って出せるもんじゃない。やっと拳に纏わせれるようになったぐらいだから、俺にとってはまだまだ先の話だ。呪力が遅れて当たるし。
あの演習を見て宿儺が感心してた理由が今ならよくわかる。
「まー成長しきったら僕すら殺せるようになるだろうから。その分苦労してんのよ恵は。そう易々と殺されるつもりないけど」
「何言ってんですか。殺せても殺しませんよ。殴りたい時はありますけど」
「言うじゃん。ま、それだけ減らず口言えるんなら大丈夫でしょ」
行ってらっしゃい、と。五条先生に補助監督の人の運転する車に詰め込められて出発した。
黒塗りの高級車の中で寛いでいると。
「宿儺、一応聞くけどあんたコイツに酷いことされてない? 大丈夫?」
「酷いこと? ……ああ、性行為のことか。されてない。気にするな」
「俺そんなことするように見える……?」
「私が男だったらこんなスケベな女いて手出さない自信ないから。パッと見子供でもソレを否定する立派なのついてるし。ほら、補助監督の人だってチラチラ見てる」
「……み、見てません! 見てませんよ!?」
「やめろお前ら。伊地知さん今運転してるだろ」
一番の被害者はそんな誤解される俺と宿儺なんだけどなあ!
──英集少年院、10:32現着。
「目標は少年院の内部で確認された女型の呪霊です。この祓除が今回の任務となります」
「うっげ……」
「また……?」
思わず自分も顔を顰める。体感だが女型ってだけで精神的ストレスは確認されている等級から一段上になる。
女性の形をしているというだけで発生する心理的嫌悪。忌避感。これは男の方が感じる割合が多いだろう。
女に限らず人の姿の呪霊を祓うのはまともな術師であればストレスだ。逆に喜んで祓いそうな人に心当たりしかないが。
自分の場合まだいい。拡張術式で式神の姿を女にもできる。切った張ったの争いでも女同士ならまだ耐えられる。
ただそれは今回使えない。最悪使うことになるかもしれないが、この二人の前で使うのは憚られる。……五条先生め。
「そしてこれは一応留意しておいてください。……駐在している窓の報告によると、収容されている1人がこの呪霊をハッキリと識別できており、その、非常に言い難いことなのですが性交渉に及んでいたと」
「は? ……いえ、ごめんなさい。続けてください」
二人も呆気に取られていた。
夜間、部屋に誰かいたと複数名からの報告が有り調査。そして報告と映像から当時の状況から推測するに、当該呪霊は白い装束……ワンピースを着た成人女性の姿で男性房の収容者の前に次々と部屋を移動していった可能性が高いとのこと。
識別の可否は個人差はあったが内1人が呪霊をはっきりと目視し、行為に及んだ。呪霊による呪殺はまだ確認できていないが、何が条件で発生するかわからない。
「……そんなこと、あるのか?」
「……現場の確認をした窓が残穢と、その……性行為の痕跡を確認したと。正直前例のないことです。だからこそ異常事態に強い特別特級術師のカムイさんを良く知る、一級術師の伏黒君が今回派遣に最適だと判断されました」
「…………はぁああ」
帰ったら五条さん一発殴ろう。
「非術師はガス漏れの危険を偽装し避難させています。しかし、その1人の避難が確認できていません。気がついたら独房を抜け出していたとのことで、何かしら術式を使ったのやもしれません」
「まだ中にいるってこと!?」
「職員が捜索したところ一箇所だけ鍵がないにも関わらず部屋が開かない部屋が有りました。その中に呪霊と一緒にいる可能性が高いですね」
「じゃあその部屋行って救出すりゃいいんだな!」
「んじゃ私たちが救出するから、伏黒あんたが呪霊と戦いなさい」
「馬鹿、そんなことする呪霊がただの二級なわけないだろ! 俺にも監督責任がある。全員で行動するぞ。呪霊を祓って確実に、だ。いいな?」
事態を飲み込めていない二人の顔が少しだけ強張る。
「我々の動きを察知した呪霊が人質に取っている可能性も有ります。或いは……。そこまで知恵の回る呪霊を二級と断じていいかは不明ですが、常に最悪の想定を。……送り出しておいて偉そうなことを言いますが、どうか自分達の命を最優先に」
……何か嫌な予感がする。そう思わずにはいられなかった。
「脱兎、これで中の様子を探る」
「ウサギだ!」
伏黒の影から続々と出ていく無数のウサギ。気づいたら伏黒の腕に収まっている1匹の腹には紋様が描かれていた。
術式で出てくる式神。通常は簡単な遠隔操作ができるロボットみたいなもの、と説明を受けていたけどそんな感じはしない。意思があるように抱えられている脱兎は甘えていた。伏黒も自然に手を動かして撫でている。
「伏黒のくせに可愛いわね。1匹貰っていい?」
「やらん。……やっぱり例の部屋以外には人も呪霊の姿もないな」
「ケチね!」
俺も欲しいと言いたかったけど素気無く断られた釘崎を見てやめた。
「そんじゃそこ目指せばいいわけね?」
「そうなる。……罠かもしれないから十分に気をつけていくぞ」
「おう」
「わかってるわよ」
どろりと解けて脱兎が消えて、続けて手印を組み2体の玉犬を出した伏黒が先行し、施設の中へと侵入する。
なんの妨害もなく目的の場所まで辿り着いた。
「開けるぞ」
ドアノブに手をかける。鍵がかかっているという話が嘘だったかのようにすんなりと扉は開いた。
虎杖
助手席後ろ。宿儺が元男でも、女になった体や他人の視線に関心なさすぎて無防備なのは何とかしてほしい人。
宿儺
後部座席真ん中。たまに小僧が欲情している時があるが、軽蔑しながら自分に責はないと改めない人。
伏黒
助手席。何も言えない人。
釘崎
運転者後部座席。自分が男だったら絶対襲っている人。
五条
上層部から伏黒を監督者として新人2名を派遣するよう具体的な指示が出たのは妙だと思ったが、後進育成にはちょうど良いかと乗っかった人。
伊地知
運転手。実際バックミラー越しに映り込んで気になって仕方ない人。デカすぎ……。
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