ハイスクールDxDで掲示板もの   作:ねばねば納豆

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気づいたら前回から1月以上経ってるんですよね、ヤベーイ。
1〜2週間で一話ペースに戻したいです。


光と闇が交わり最強に見える

「ほう、この被験体は聖剣の因子を持ちながら魔剣を生み出す神器を持っているのか。相反するはずの属性が打ち消し合わず共存している。やはり、聖書の神は―――」

 

 聖剣計画、人工的に聖剣使いを生み出す事を目的としていたこの計画は1人の狂人によって私物化されてしまった。

 

「因子を抽出するのは容易いが必要な人間が多すぎる。因子の抽出では無く増殖を試みるべきだ」

 

 聖剣を使うには微小な因子を持つ人間から因子をかき集め聖剣使いに十分な量を確保する。バルパー・ガリレイは計画初期の段階で当初の目標を達成していた。上層部としては望外の結果だっただろう、これまで誰もなしえなかった成果を短い期間で達成出来たのだから。その功労者からの提案はあっという間に許可が降りた。それだけガリレイへの期待が高まっていたのだ。

 

「―――フム、一般人の生命力とはいえこれでは効率が悪いな。千年分の寿命でこの程度の結果とは」

 

「苦痛を与えればただ消費するよりは効率が良いがすぐダメになってしまうな。もう少し工夫が必要か」

 

「希望が絶望に転じる時、愛する人間の裏切り、快楽による自己嫌悪、個体差はあるがこの辺りが最も効率が良い。まあエネルギーに関してはこんな所で良いだろう、次は因子側の―――」

 

 ガリレイはその期待に応えた……その犠牲に目を瞑ればではあるが。

 

 やっている事はそれ程難しい事ではない、因子にエネルギーを注ぎ込み増殖させる、ただそれだけだ。エネルギーには異教徒や難民、裏社会で販売されている人間等の確保しやすく価値の低い物が消費されていく、巧妙にその実態は隠されながら生命を使い潰され続け研究は順調に進んで行った。

 

「嫌だ……もう嫌だ」

 

 木場……イザイヤの扱いは異なっていた。聖剣と魔剣双方に適性がある人間は稀だ。早々に消費していい材料では無い、ガリレイは丁寧に解体と修復を繰り返し解析していった。延々と続く苦しみはイザイヤの精神を蝕み続ける、数日でいなくなる被験者達に羨望すら抱く程に。

 

「大丈夫だよ、イザイヤ。必ずここから出られる日が来るよ」

 

 そんなイザイヤの心を支えていたのはトスカという白髪の少女だった。トスカもまた神器を持っておりイザイヤ同様の扱いを受けていた、もはや唯一残った同胞だ。一人ではないと互いに励まし合い、いつか逃げられる日を夢見ていた。

 

 ―――そんな日が来る事は無かったのだけど。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

(僕は一体何をしているんだ?!)

 

 木場は自身を縛っていた縄を解き駆け出していた。

 敬愛する主人が聖剣の流星に呑まれているのを助けに向かっているわけではない。

 聖剣使い達の不意を突きエクスカリバーを破壊しようしているのでもない。

 どこへ向かっているのかすら分からず無我夢中で走っていた。

 例え命尽きるとしても行かねばならぬ所がある……そう魂が叫んでいる気がした。

 

「はあぁぁー!!!」

 

 たどり着いた先は何の変哲もない一軒家、悪魔の仕事としてすら来た事がない知らない家だった。だがそこに何かがある、そう確信している木場は一切の躊躇なく生み出した魔剣を振り抜いた。

 

「おんやまあ?居場所バレちった?……あの化け物に伝わる前に始末しないといけませんねぇ」

 

「結界は正常に機能していたはずだが、何らかのイレギュラーか。……それとも特殊な禁手にでも目覚めたかね?イザイヤ?」

 

「―――ガリレイィィー!!!」

 

 因果はめぐる糸車、過去は決して消える事は無い。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「―――というのが私の知る聖剣計画だ」

 

「ついでに言うと増殖させた因子を取り込んだ人間は精神に異常をきたして暴走したり、発狂したり散々だったわ!()()()()()の一件で完全に禁止されたけど、それ以来人工聖剣使いへの風評は最悪よ!」

 

(ジャンヌは一体何をやったんだ?)

 

 四方八方から来る聖剣、それに対する行動はゼノヴィア、イリナ、魁斗で三者三様だ。見た目からは想像出来ない様な剛力で薙ぎ払うゼノヴィア、変幻自在に剣を変形させ器用に聖剣の軌道をずらすイリナ、魔力に物言わせ降り注ぐ聖剣の大半を砕き潰している魁斗。徐々に聖剣の質が上がる中、魁斗はともかく他の2名は疲労の色が見えてきていた。

 

「裕斗がそこまで酷い所にいたなんて……私も戦う「リアス、邪魔になるので辞めておきましょう」ちょっ?!朱乃?!!」

 

「危ないんでしっかり隠れといて下さい!」

 

 魁斗の腰につけている小箱、そこから手のひらサイズのリアスが現れ、朱乃に引きずり戻される。悪魔は聖剣の様な聖なる力を持つ武器に弱い、多人数を守りきれないと判断した魁斗が即席で生み出した避難所がその小箱だった。

 

「イリナ!ゼノヴィアさん!あんたらもそろそろ厳しいでしょう?魔法かけるので隠れてて下さい!」

 

「口惜しいが致し方ないか……もはや聖剣の質はエクスカリバークラスに近い!気をつけてくれ!」

 

「危なくなったらすぐに助けに行くからね!」

 

『マージ・マジーロ』

 

 魔法をかけられた2人はみるみる小さくなっていきリアス達が入っていた小箱に吸い込まれる。これで戦場に残るはただ一人魁斗のみ、その隙を狙うかの様に聖剣の密度は増し襲いかかる。側から見れば魁斗の命は風前の灯火だろう。

 

「……前座にここまで苦戦する気は無かったんだがな!」『マージ・ゴル・マジカ』

 

 魁斗が呪文を唱えると巨大な炎の竜巻が吹き荒れる、降り注ぐ聖剣は竜巻に飛び込む事すら叶わず蒸発していった。魁斗にとってリアス達は味方であっても戦力ではない。寧ろ周りを気にせず戦える様になった魁斗はこれまでよりギアを上げ始めていた。

 

『足手纏いが多いと大変だな?』

 

「コソコソ隠れる臆病者の癖に口は達者なこった。すぐに見つけ出してやるから覚悟しとけ!」

 

『やれやれ、野蛮な男だ。だが安心したよ、()()()()は独自にこちらを見つけただけらしいな』

 

 ガリレイがそう言うと映像に木場が映し出された。四肢を聖剣でズタズタにされ、胴体にも数本聖剣が突き立てられている。だが首や心臓など致命傷になり得る部位には傷も無く明らかに意図して生かされていた。

 

「……人質のつもりか?先輩には悪いが効果は無いぞ?」

 

『だろうな、まあそれは()()()()()()()()()()。これからするのは実験だよ』

 

「あん?」

 

 魁斗の頭に疑問符が浮かぶ、魁斗にとってこの町で赤の他人以上に人質足りえるのはリアスやイリナぐらいのものであるし自身の手元で保護されている。両親に関しては論外だ、何も知らない部外者からすれば十二分に狙う意味のある相手ではあるが諸共仕留める必要があっても躊躇はしないだろう。

 

『…………殺して、やる。絶対、に』

 

『やれやれ偉大な研究の礎にしてやったというのに相変わらず恩知らずな奴だ。()()()といい自らの幸運を理解できない蒙昧さには呆れ果てるよ。まあそんな憎まれ口をこれで最後になるのだから許してやるさ。()()()によろしくな』

 

 ガリレイが杖を木場に向けるとケタケタと音がなる。それは餌を前にした犬の様に主の許可をただじっと待っていた。

 

『食べていいぞ、()()()

 

『は?いっt』

 

 木場が言葉を発し切る前に杖の頭蓋骨が巨大化し木場を咥え込む。体を捩らせ抵抗しようとするも更に巨大化する事で引っかかる余地もなく飲み込まれてしまった。

 

『イザ、イヤ』

 

 そうポツリと愛おしげな声が響くとともに杖が光出す。その光はこれまで足りていなかったピースがカチリとハマったかの様に禍々しさと神々しさを兼ね備えていた。

 

『素晴らしい!繊細な調整が必要だろうと覚悟していたのだがあっさり上手くいくとは。愛の力というやつかな?いずれ安定してこの結果を再現しなければならんな!』

 

「…………………」

 

「そ、そんな、裕斗が……」

 

『ああ、待たせてしまったな。貴様達は運がいい!私の研究の成果を存分に味わえるのだからな!そう!これから見せるのは聖剣の到達点!』

 

剣の刃を渡れ、塵の軍勢(ブリングアウトソード・スクラップアーミー)

 

 歓喜と狂気を持った声が響き渡ると同時に無数の聖剣が現れる。いやそれは聖剣というには余りにも禍々しいオーラを纏っていた、聖なる力を失わず邪気を放出するその剣は存在してはいけないはずのものだった。

 

「バカな!聖と魔が交わる事は決してない!火に水をかければ消える様に対消滅するはずだ!」

 

『ああ数百年前ならこの聖魔剣を生み出す事は不可能だったろう。……だがイザイヤの様に聖と魔が交わった存在は生まれ始めている。人間の血が混じっているとはいえ悪魔や吸血鬼が神器を持てる様にな。聖と魔のバランスはどうしようもない程崩れている。既に聖書の神は死んでいるのだからな!!』

 

「…………は?待てそr『まあそんな事はどうでもいい!』よくない!」

 

 ゼノヴィアの絶叫を無視してガリレイは杖を振るった。無数の聖魔剣が集合し融合し、羽の生えた骸骨の騎士を形作る。それらは魁斗を取り囲む様に現れ続け10、100と増え続け天と地を埋めていく。

 

『試したい事はいくらでもあるのだ、そう簡単にやられてくれるなよ?』

 

 この軍勢は一体一体がパワー、スピード共にレイナーレは愚かゼノヴィア達すら凌駕する、仮に魁斗がいなければ10体程度でリアス達は全滅していただろう。それが無尽蔵に生み出され魁斗に襲いかかった。

 

「うおりゃぁ!」

 

 切りかかった騎士が聖魔剣ごと袈裟斬りにされ、絶望的戦闘力の差が見せつけられる。これが知性を持つた生物の軍勢ならば士気が下がり二の足を踏ませる事ができただろう。だが剣でできた軍勢が恐怖する事はない。次々と軍勢が切り裂かれていく中、雪崩の様に進軍が続いた。

 

『ははは!貴様の力はその程度か?!まさかしのぎ続ければ何とかなるとでも思っているのではあるまいな?こちらは三日三晩続けても構わんぞ?』

 

「3日も生き残れると思ってるのか?能天気なやつだ、な!!」

 

 一方は無尽蔵に戦力を生み出し続け、一方は攻撃を受けても傷一つつかず敵を蹴散らす。再生と破壊の鬩ぎ合いは一進一退の様相を呈していたが本体を晒していないガリレイは次はどうするか余裕を持って考えていた。

 

(量産型とはいえ聖魔剣で傷一つつかない装備か、強力だが使用している魔力も半端ではあるまい。発している魔力量からして持って数時間という所か、時間はこちらの味方だがそれを分らぬ程低能であると考えるのも間抜けだな。万が一でも見つけられると面倒だ、さっさとけりをつけるとしよう)

 

「うおっ!?」

 

 地中から鎖が飛び出し魁斗を拘束する、聖魔剣で作られたそれは並の強度ではないがコンマ数秒と持たず引きちぎられた。だが拮抗は崩れた、四方八方から騎士達が魁斗に覆いかぶさっていく。あっという間に小山を形成し、数秒後完全に戦闘音がしなくなった。

 

『拍子抜けだな、たかが数百トンの重しで動けなくなるとは。所詮神器も聖剣も使わぬ人間の限界などこの程度か。だが貴様の肉体は無駄にはせんぞ。最強の聖剣使いを生み出す為の素材とする栄誉を与えt『マジ・マジカ』…………は?』

 

 騎士の山を打ち砕き異形の腕が現れる。それはゴーレム様な角張った腕だった。突如現れた存在に騎士達が殺到し拘束しようとするがただ腕を振るうだけで薙ぎ払われ魁斗が現れる。傷は愚か疲労の一つも見せずに砂を払っていた。

 

『…………なんだそれは?』

 

「何って巨大化と硬質化の魔法だが?別に珍しいもんでもないだろう?」

 

『明らかに使用している魔力量がおかしいだろうが!?先程までの貴様では使えなかったレベルの魔法だぞ!?…………いや、待てなんでまだ魔力量が上がっているんだ!??』

 

「最初から全力を見せるわけないだろ?バカなのかお前は?」

 

 ガリレイは驚愕し思考が固まる。拘束が解かれるのはいい、疲弊すらさせられていないのも想定外だが許容範囲だ。だが、だが、計測していた魔力量の変動が明らかにおかしかった。ある程度実力を隠していたのは想定していても神器使いの禁手の強化率並など完全に思考の外だ。神器や聖剣、神々の加護も無い人間が出力だけなら神滅具に匹敵している。ガリレイの、いやこの世界の常識から外れたイレギュラーだった。

 

「コカビエル前の準備運動には丁度いい。お前の研究成果(オモチャ)、俺が有効活用してやるよ」

 

 そのモニター越しの不敵な笑みを見てガリレイは一歩後ろに下がる。今日初めてガリレイから余裕が消えた。




ガリレイ「追い詰めすぎて覚醒されても面倒だな。計測した魔力量的にこの軍勢で削りきれるやろ」

魁斗「何なのこいつ怖いよぉ……殺さなきゃ」(魔力増大)

ガリレイ「なんで???」

 格下相手に覚醒イベント挟んでくるクソキャラ、それがウチの主人公です。まあ捕まったら何されるか分からないからね、しょーがないね。なお、覚醒抜きでもガリレイの勝率は変わらない模様。

 ちょっと一人食われてたり、衝撃の真実暴露されてるけど……まあかまへんか。今まで被害が出てないのが奇跡だからセーフ。

魔法紹介
マージ・マジーロ
変身魔法、本家では自分にしか使って無かったと思うけど他人の姿を変える魔法は存在してるのでセーフってことで。
質量とかも変わってるので味方の小型化に使用。

マージ・ゴル・マジカ
巨大な炎の竜巻で周辺を薙ぎ払う。技名ブレイジング・ストーム。
聖剣を薙ぎ払うのに使用。
因みに曹操相手にも使用したが格上相手に視界塞ぐ技はダメでしょ?と言われている。
ワープや分身使ってくる格上への最適解って何なんだろうね?命乞い?

マジ・マジカ
オリジナル呪文。
大体ウィザードのビッグ、全身巨大化は使いにくいのでこういうの作りました。
巨大化はもう少し引っ張りたい。
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