書ける内に話進めようと思います。
早く出したいキャラもいますし
(マスクしててよかったわ)
魁斗は心底そう思う、辛うじて吹き出す事はしなかったが少なくとも恋人を人質に取られた男の顔はしていなかったからだ。フリードが外道である事は間違いないがあたかも鬼の首を取ったかの様な喜びように憐れみを抱かずにはいられなかった。逆転の一手を取ったつもりで実態は真逆である、
『おやおや〜ん?驚き過ぎてまともな受け答えもできなくなりまちたか〜?ボクチン退屈すぎてレティシアちゃんで遊んじゃうぞww』
「ヒッ!……た、助けて魁斗!」
(?????)
フリードは楽しげに嘲笑い、ジャンヌの体に手を這わせ頬を舐める。その行為に嫌悪感と恐怖を抱くのは一般的な女性であれば何の違和感も無い。だが、ジャンヌを知っている魁斗にとっては意味不明な事態である。魁斗自身日々組み手をやってるだけでジャンヌの実力の全てを知っている訳ではない、だがどう控えめに見積もっても自身の実力を超えているのが分かっていた。それが対外的に見れば怯えるか弱い女性の反応をしているのだから思考が追いつかないのも無理はあるまい。
「外道がっ!」
「魁斗に勝てないからって人質を取るなんて……」
『負け犬の遠吠えは心地良いですな〜、……所でどこにいらっしゃいます??』
『あの小僧が魔法で小型化した、腰に下げた箱の中にいる』
『強い奴が小技まで持ってるとか酷くない?』
万が一にも戦ってジャンヌを無力化したという事はないだろう。
(チ・ュ・ウ・イ・ヲ・匕・イ・テ・ジ・カ・ン・ヲ・カ・セ・ゲ)
(……了解)
魁斗は口の動きを読んでジャンヌの意図を理解した。よく考えればジャンヌは今敵の懐に踏み込んでいる、慎重に行くのに越した事はない。魁斗はジャンヌが何をする気かは分らなかったが、その指示に異論は無かった。
「おいクズ共、ジャ……レティシアを開放しろ。(ジャンヌを怒らせたら)楽な死に方を保証できなくなるぞ?」
「イヤンこわ~い!一体どんな目に合わされちゃうんでしょう。オイラ手が滑っちゃいそうだなーww」
フリードはゲラゲラと笑いジャンヌの首や左胸に手を当てる、脅しにはならないが魁斗は内心舌打ちした。
先程まで挑発していたガリレイと違ってフリードには譲れない物がない。絶対的な安全圏で相手の弱みを握っている状態では多少の挑発は強がりにしか受け取られなかった。
『さぁてと、何をしてもらいましょうかね〜。まずは腕の一本でも切り落として貰いましょうか?恋人の為ならこれくr「OK!」スパンッ……は?』
言葉が通じないなら行動で示すしか無い、フリードの様な外道は相手の葛藤を嘲笑し、その苦悩を責めるもの。であるならば相手の思惑を打ち砕くのが一番いい。魁斗はフリードの動揺を誘う為一切の躊躇無く腕を切り落とした……ジャンヌも引きつった顔をしているのを見て演技上手いなあと考えられるこの男は馬鹿という他ない。
◇
当たり前だがジャンヌが魁斗に求めていたのは口先三寸で相手の注意を引くことである、バカ正直に敵の言う事を聞いて腕を切り落とすなど完全に想定外だ。
「か、魁斗?一体何をして」
『(どうせ後で繋ぐから)安いもんだ腕の一本くらい』
「オタク頭おかしいんじゃありませんこと?!」
「毒抜きの為に腕を切り飛ばす男だからな……精神性は最早英雄の領域だ」
ただ強いという事しか知らなかった相手のキチった行動にフリードは驚愕し、ガリレイもまた辟易しているのを横目にジャンヌは必死に罵倒するのを抑えていた。日頃の初々しい反応に馴れきっていたジャンヌは眼前の状況を簡単には飲み込めない、だがその凶行を行うだけの狂気があるのを察するタイミングはあった。魁斗が嬉々として語っていた切り札について思い出す、その応用で腕を繋ぎ合わせる事ができるのだろうがそれでも頭のおかしい行動に違いは無い。
(そう言えば縫合の練習をしているとか言ってましたが普通切り傷程度の応急処置の対応と思うじゃないですか?!ああもうすぐに
『おらどうした?これで終わりか?ハリー!ハリー!ハリー!』
「オタク人質取られてるの理解してる?!もしくはドMなの?!」
(後でシメましょう……いやアカネも呼んで説教ですね)
ジャンヌは激怒した。必ずこのアンポンタンに自身の大切さを理解させねばならぬと決意した。
……自身の安売りがどんな結果をもたらすか十二分に分かっているのだから。
◇
『落ち着けフリード、奴にこちらを害する術は無い。相手が勝手に失っただけだ』
『そ、そうでやんすねえ』
(まあ、そう長い事は動揺せんはな)
安全圏にいる相手を動揺させ続ける事は難しい、直接手を出される事が無いという安心感はそう簡単には取り除けないのだ。魁斗はチラリとジャンヌの方を見る……若干機嫌が悪い気がした。もう少し時間を稼げという事かフリードのどさくさ紛れのセクハラに苛ついているのか分らなかったがまだ何かしらやった方がいいだろうと魁斗は考えた。
「おらどうしたチンピラ?腕の2,3本も失う覚悟も無いのか?随分甘い考えだな」
「人間の腕は基本2本ですよ???えっ?オタク何かしら怪物の血でも引いてらっしゃる?」
「そうであっても納得しかないが……」
(何か悩みだしたぞ?)
狂人の言葉がフリードとガリレイの思考を鈍らせる、大した意味のない言葉でも狂気が伴っただけで裏を読もうとするのは常人としては何もおかしくない。煽った程度の認識だった魁斗としてはなんでそんな発想になるのか分からないが意図した以上の効果を発揮していた。
『……あーもう面倒だし、趣味に走りますっかねー。綺麗所並べて服を剥いで貰えます?あっお胸の小さい奴はノーセンキューで』
「…………は?」
だが何事にも限度はある、結局敵が主導権を握っている事に違いは無いのだ。あんまりなフリードの要求に自分への要求しか考えていなかった魁斗はすぐ反応出来なかった。
『おやおやー?オタクそういうのに弱いザンス?しなかったらレティシアちゃんにトラウマ持って貰うヨン?』
魁斗が初めて見せた動揺をフリードは嗅ぎつける、先程までの動揺を消えてなくなりどうやったら一番自身が楽しめるか考え出した。
『は〜や〜く〜!レティシアちゃんが大切なんじゃないんですか〜?そうそうそのマスクはとってね?今の君の顔が見たいの♡』
「……クソ野郎が」
魁斗がマスクを消す、マスクに隠されていた表情が予想通りでフリードはニタリと笑う。圧倒的実力者を自身がいいように弄んでいるという事実を心底楽しんでいた。
そんな時魁斗が作った小箱からいくつかの影が飛び出した。
「?!なんで出てきたんですか?!」
「……魁斗、本来駒王町は私に守る義務があるの。貴方に任せっきりで何もできていないんだからこれくらいしないとね」
「主にだけ恥をかかせるわけにもいきませんから」
「何もかも任せてしまっている状態だからな肌を見せる程度受け入れるさ」
「私達友達でしょ!」
リアス、朱乃、ゼノヴィア、イリナ、四人の乙女が魁斗の前に立つ。誰もが男の情欲を抱かせるのに十二分な容姿を持ち合わせていた。フリードの期待にも応えられたらしく楽しげに言葉を続けた。
『いやー感動的ですなーwwこういうのを汚す時が一番興奮するってもんよ!そうだ!服は魁斗君が一つ一つ脱がせていってね!まずは悪魔のお姫様からで!』
フリードは自身が最も楽しい手段を強要する。その心情は理解できないが他人を傷つけさせ苦痛や苦悩を抱くその姿は見てて楽しいからだ。自身より大切な人がいると思い知らされる被害者の顔も見られて一石二鳥である。
「本当はベッドの上でしてもらいたかったけど……事前練習と思ってくれていいわよ?」
「……すいません」
魁斗は罪悪感を抱こうと優先順位を変える事は無い、多少リアス達に恥をかかせたとしても不確定要素を省く事を優先べきだ。例えリアスが震えている事に気づいたとしても意思は揺るがない。食い入る様に見るフリード横目にリアスの服に手をかけようとし――――――
『あっもう終わったのでいいですよ』
「……そいつは僥倖だ、
魁斗は手を止めほっと一息ついた。
◇
「はえ?」
フリードは混乱していた、多少意識がそれていた程度で一般人を逃がす程間抜けではない。だが目の前の少女は何事も無く伸びをしていた。いや、そんな事よりもフリードの意識を奪う光景があった。
「それ、は」
「貴方の腕ですよ?私の仲間を傷つけた分利子つけて徴収させてもらいました」
「ギャ、ギャア―――!!!」
ジャンヌの言葉で脳が肉体に追いつく、フリードは肘から先両腕が切り落とされた痛みを存分に味わっていた。のたうち回りたいのに体がほとんど動かない、気づく間もなくそうなった事実は自身が連れてきた少女はただ貪られる羊ではなく、手を出してはいけない化け物だと嫌でも思い知らされた。
「ガリレイの旦……那?」
「何かしら仕込んでいるじゃ無いかと思ってたんですがね。……まさか何も無いとは魁斗に無駄な負担を負わせてしまったではないですか」
フリードはガリレイに助けを求めようとするが立ったままピクリとも動かない。自身と同様に、いや自分以上の脅威度を持っているのだから何らかの攻撃の受けているのは確定だった。最早抵抗する手段も無いなぶり殺しされるかもしれない状況、もはやフリードが取れる行動は一つだけだった。
「お、お嬢さん?ボクチン心をいれかえて貴女の下僕になりますのでお命だけはお助け頂きたいなあって」
命乞い、フリードの所業を考えれば成功する可能性は限りなく低い。だが相手はお人好しである魁斗の仲間、這って逃げるよりも可能性があるとフリードは実行した。
「?貴方とっくに死んでますよ?精々過去を悔いてる事ですね」
「へ?」
ジャンヌがそういうとフリードは体の中で何かが膨らんでいるのを感じ始めた。文字通り体の隅から隅まで圧迫感と痛みが増大していく、目に見えて膨張する体をフリードは見ている事しか出来なかった。
「い、いやだ。死に、たく」
「
◇
「えっぐ」
『乙女の柔肌を身勝手に弄んだのです。寧ろこの程度で済ませただけ優しい方では?』
体内に仕込んだ何かを爆発させるのは無慈悲なのではないだろうか?魁斗はそう思ったが余罪は多そうだし妥当だと考え言葉を飲み込む。実際一発殴れなかったという事以外文句は無い。
『この場にコカビエルはいませんでした。これで戦力は打ち止めだといいんですが』
「それなら楽なんだがな……結界が解けていない以上安心するのは早そうだ」
魁斗は空を見上げる、結界は一切の揺るぎなく存在し続けていた。術師など存在せずどこかで発生装置でもあるのかもしれないが、気を抜ける程魁斗達は気楽では無い。特に魁斗は原作知識を知っている、原作からズレまくっているとはいえ類似点は多い以上コカビエルがいないとは思えなかった。
『というかさっさと腕引っ付けなさいな。痛々しくて見てられないですよ』
「ああ、それもそうだな」
魁斗は腕を繋げる為にアパテーを動かす、ほんのコンマ数秒で腕は繋がり動きも問題ない事を確認できた。
「さて、一旦合流s「ザクッ」……え?」
―――魁斗が自身の胸を見ると左胸にポッカリと穴が空いていた。それだけでも不思議な光景だが、もう一つ不思議な事があった。その穴から飛び出した様な状態で赤い液体が浮かんでいる、それはまるで透明な何かについている様で―――
「―――多少はできる様だが所詮は人間、脆いな」
透明だった何かが姿を表す、聖なるオーラと邪悪なオーラが矛盾せず共存している聖魔剣。だがそれは先程まで薙ぎ払っていたものがガラクタに見える程凄まじい力を秘めていた、魁斗のスーツも豆腐の様に切れる程に。魁斗は力を振り絞り後ろにいる何かを視界に収める、そこには十枚の黒い翼を持った男がいた。
「コ、カビ―――」
「
『「「魁斗ォ!!!」」』
聖剣が引き抜かれ魁斗の体は力無く倒れ伏した。
心臓がポロリ、安心して下さい魁斗の心臓は左胸にありました。
原作章ボスのエントリーだ!ついでに後々出てくる最強のエクスカリバーをシュート!超エキサイティング!
いつエタるか分からないからね、原作要素はドンドン消費しちゃいましょう。