ハイスクールDxDで掲示板もの   作:ねばねば納豆

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前から一月経っちゃってますね、すいません。
文章が中々書けない、妄想を文字に変える作業が一番カロリー高いです。
ちょっと短めだけど許してクレベース。


全部お前が悪い

 戦場において死はありふれたものだ、強者弱者、善人悪人、有能無能、それらの要素が多少は死を遠ざける事はあるだろうが絶対ではない。そんな事は戦場を経験した事のない者でも想像はできるだろう……だが実際にその現実を受け止められる者は少数派だ。それは生まれつき耐性のある者や他人の死に無関心な者だけであり、そうでない物は経験や訓練で受け入れられるようにするしかない。

 

「いやあああ!!!魁斗!!」

 

「リアス!逃げますよ!」

 

「「はぁぁ!!」」

 

 幸か不幸かこの場で動けなかったのは恋しい相手を傷つけられたリアスだけだ。朱乃はリアスを抱き縋っている魁斗毎引き連れ逃走し、ゼノヴィアとイリナは突如現れたコカビエルに斬りかかる。逃走にしろ反撃にしろただ呆然としているよりは遥かにいい、それぞれが生き残る為に全力を尽くそうとしていた。

 

「無駄な事を、弱者の足掻き程醜いものもない」

 

「があ!?」

 

 ただあまりにも相手が悪すぎた。コカビエルはゼノヴィアとイリナの渾身の一撃を意に介さず光の槍を投げつける、その槍は朱乃の翼を難なく引き千切り朱乃達は重力に逆らえず地面に叩きつけられた。その僅かな間に2本のエクスカリバーがコカビエルの首に打ち込まれる、それは並の堕天使であれば致命傷になる破壊力を秘めていたはずだが……。

 

「エクスカリバーの運搬ご苦労だったな、もう消えていいぞ」

 

「薄皮一枚すら―――」

 

 コカビエルは煩わしげに雷を放つ、周囲に薄く広く羽虫を払う目的の攻撃とすら呼べぬもの。そんなものですらゼノヴィアやイリナには驚異的な威力であり声すら上げる事もできず意識を刈り取られた。そして二人の手から離れたエクスカリバーは地に落ちる事はなくコカビエルの持つ支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)に取り込まれ刀身が光り輝く、まるで喜びを表しているかのように。

 

「やれやれ本来俺が出る予定は無かったのだがな……人間風情に随分かき乱されたものだ。さて後は小娘共を捕らえて終わりだ」

 

 ゆっくりとリアス達に近づいてくるコカビエル、この場にコカビエル相手に抵抗できる者はいない。逃げようとしても先程の朱乃の様に撃墜されるのがオチであり、ソーナの眷属含めバラバラに逃げて一人二人生き残れば御の字だろう。もはやリアス達に残された選択肢などほとんど残っていなかった。

 

「お願い!生き返って、魁斗!」

 

 リアスは自身の悪魔の駒の内8つ残っているポーンを全て魁斗に投入する、本来の他種族を悪魔に変える効果でなく副次効果である蘇生を目的とした使用だ。それは私情に満ちた行動だが現状できる数少ない意味ある行動でもある、この場においてコカビエルを相手にできるのは魁斗だけだ。圧倒的戦力差がある以上自身の身柄を材料に周りを生せるかすら怪しい、現状の最大戦力である魁斗を蘇らせコカビエルを打倒する事が生存者を増やす最適解だった。

 

「クククッ、無駄な事を」

 

 コカビエルはその健気な行動を嘲笑する。事実悪魔の駒を投入しても魁斗の傷が治る事は無かった、確かに魁斗の傷を治しているが体内の相反する力が治した先から破壊、いや()()している。それはリアスがよく知っている力で……

 

「―――なんで滅びの力が?」

 

 滅びの力、バアル家固有のあらゆる存在を消滅させる魔力。悪魔の特異な力の中でもとりわけ強力な力、それが魁斗を蝕む力の正体だった。だがリアスはその事実を飲み込めない、悪魔の中でもバアル家だけが持っている力を堕天使が使える訳がないのだから当然だ。フェニックスの涙の様に力を持ったアイテムすら存在しない為研究すら難しいはずだ……そう、滅びの力を持った者が協力したのでもなければ。

 

「全てはリアス・グレモリー、貴様のおかげだよ。お前の幼稚さと迂闊さがその人間を殺すのだ」

 

「何を、言って」

 

「ドッペルゲンガーを知っているか?他の存在をコピーする異形の一種、力量は再現限界があるし脆いが研究材料にするにはちょうどよくてな。呑気に遊んでいる貴様をコピーしじっくりと滅びの力を解析したのさ。感謝するよ、貴様のおかげで悪魔や神を打倒する計画を随分前倒しにできた」

 

「あ……」

 

 リアスはコカビエルの言葉を否定しようとするも言葉が喉から出てこない。絶望的実力差から気づくのが遅れたがエクスカリバーから滅びの力が漏れ出ていたからだ。それが絶対的な証拠という訳ではない、だがそうかもしれないという仮定がリアスの心を揺さぶる。

 

「貴様達が人間界に来なければ!まともな護衛でもつけていれば!そもそもお前が血に見合った実力を持っていれば!その人間が死ぬ事は無かったろうよ!いや、或いは体を使って誑かしていたか?ならば大したものだ、自身を遥かに凌ぐ実力者を良いように使い自身を守らせた。実に悪魔らしいじゃないか!」

 

「ち、違っ!私はそんな事……!」

 

 畳み掛ける様なコカビエルの言葉がリアスの心を蝕む。それが偏った視点から来る言葉だろうと結果的に眷属を一人失い目の前で恋した相手の命が消えかかっている事に違いはない。リアス自身がその現実を否定しきれない。リアスは言葉を発する気力失い、虚脱して座り込んでしまった。

 

(全部私のせいなの?自由を求める事が、愛を求める事が悪かったの?)

 

「人間一人死なせた程度でショックを受けている暇は無いぞ?貴様は戦争を引き起こす()()だ、この場で首を落とす等勿体ない事はしない。操って天界の要人でも殺させるか?二人いるのだ旧魔王派に一人くれてやるのもいい。……お膳立てはしっかりせねばアザゼルは日和ってしまうからな」

 

 コカビエルはリアスの眼前までたどり着く、もはやリアスへ対して意識も割かず少し先の未来を考えていた。それは油断などではない、仮にリアスが全力で不意をつこうがコカビエルは傷一つつかない。自害を試みたとしても十中八九止められる、よしんば成功してもリアスが領地から消えた事実があれば身柄は必要ない。いくらでも皮を変えた存在は用意できる、特異な能力である滅びの力すら再現できているのだから。

 失意の底にあるリアスへコカビエルは手を伸ばし―――

 

 

極限流星(マキシマム・キャノン)!!」

 

 ―――流星が落ちてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

「レ、レティシア?」

 

 吹き荒れた暴風が止んだ時、そこにいたのは一人の少女だった。その少女をリアスは知っている、突如現れ自身の恋しい男と仲睦まじい姿を見せつけてきた少女だ。そんな少女が拳を振り抜いた状態でそこにいた、まるでコカビエルに対して一撃を入れて吹き飛ばしてしまったかの様に見える。リアスはそんな事実に思考が追い付かない、突如現れた恋敵が自分達を遥かに上回る強者であるなど想像もつかなかったのだ。

 

「ちょっと失礼」

 

「レティシア!?何を!?」

 

 ジャンヌは硬直したリアスを押しのけ風穴が空いた魁斗の左胸に手を突っ込む、その後切断音と血しぶきが巻き上がった。ジャンヌは表情一つ変えず血に塗れながらも数秒間手を入れ続け、幾ばくか肉片を体外に掻き出した。その肉片は瞬く間も無く消滅する、魁斗の体を蝕んでいた滅びの力を周囲の肉片毎取り除いたのだ。

 

「ふー、これで肉体が消滅する事はありませんね。グレモリーさん、魁斗を連れて避難してください。流石に肉体が全損したら蘇生のしようもありませんからね」

 

「え、ええ」

 

「そうそう悪魔や堕天使の言う事なんて真に受ける物ではありませんよ。それらしいこと言って心を乱すのは奴らの常套手段なので……悪魔にする話ではありませんね、これ」

 

 ジャンヌは自分の言葉に苦笑する、悪魔らしさの欠片もない恋する少女を相手に感覚がマヒしているらしい、と。

 リアス達が魁斗を連れて避難したのを見送るとジャンヌの顔から慈愛が抜け戦う者の表情へ変貌する。先程の一撃は鳩尾に突き刺さり貫通こそしなかったものの臓器の1つや2つ破裂させていた感覚があった。人間より強大な異形でも戦闘に支障が出る重傷のはずだが……ジャンヌはそうはならないだろうと考えていた。

 

「……さてそろそろ出てきたらどうです?私は魁斗程容易くはいきませんよ」

 

「……貴様元聖女の『堕落の魔女ジャンヌ・ダルク』か?聞いていたより遥かに強いな。天界の愚かさの極みだな、色に溺れた程度でこのレベルの強者を手放すとは。あの半端者ではなく貴様から倒すべきだった」

 

 ジャンヌが視線を向けた何も存在しないはずの場所からコカビエルが現れる、その顔はこの日初めて苦々しげな表情をしていた。7つに分かたれたエクスカリバーには原典には存在しない能力が付与されている、その中で搦め手に秀でた能力が透明化と幻惑だ。魁斗の不意打ちにもその厄介な能力は使用されていたのだろうとジャンヌは考える、そうでもなければ魁斗が不意を打たれる訳が無いと信用していたからだ。

 

「面白いジョークですね、魁斗だって正面からなら遅れは取りませんでしたよ。禁手も使ってない私に反応できない貴方程度が相手ではね。……今傷一つもついてないあたりフェニックスの再生能力を貴方も持っているのでしょうが再生に限界があるのは確認済み、貴方に勝機はありませんよ」

 

「随分と甘っちょろい事を言うものだな。どんな手を使おうが最後に立っていた者が勝者だ。かつて幾人もの老若男女を誑かした女とは思えん、余程お気に入りの情夫だったか?我が元に下れば男でも女でもあてがってやるぞ?」

 

 コカビエルはジャンヌを嘲り勧誘を行う、もちろん本気で言っている訳ではない。貴様の見る目が無かったせいで魁斗が死んだのだと、或いは貴様は男一人守れなかったぞと責めていた。そんな言葉を耳にしてもジャンヌの心は小揺るぎもしない……この程度で心揺らぐなら魔女に認定された時に折れている。少なくとも今は掬い上げられる命はある、うだうだとしている暇などなかった。

 

 

 

 

 

 

「……それ煽っているつもりですか?だったら無意味ですよ―――沸点は最初から振り切れているので」

 

禁手(バランスブレイカー) 斬裂の魔女(ジャンヌ・ザ・リッパー)

 

「苛立たせているのは貴様だ、堕落の魔女よ!貴様の四肢をもぎ取り俺に歯向かった事を後悔させてくれるわ!!」

 

 ジャンヌは摩擦で焼け焦げた制服を脱ぎ捨て聖剣の鎧を身に纏う。

 コカビエルはエクスカリバーを掲げ今日ばらまかれ続けた聖剣、聖魔剣をかき集めた。

 

 人間と異形、それぞれこの場で最強の存在が激突する。




 ジャンヌ、激おこぷんぷん丸。戦闘を丁寧に描写したらR18Gになりそう、まあ作者の文章力じゃそこまで描写できないのでセーフです。
 禁手をオシャレな名前にしようとして結局シンプルな名前になるというね。悩んでる間に文章書けばいいのに書かないから余計時間がかかる負のスパイラル。
 次回は連休中に出したいですね。
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