文章がゴチャゴチャしてますが凝りすぎると一生投下できないので投下します。
―――■■■■■■を■■■だ■、■■■■
無尽蔵に行われていた魔力の補給が寸断された。
燃費の悪い体は後数分で動けなくなるだろう。
意思も存在しないのだから足掻くことすらできない。
―――■■んと■■を守る■だ■、■■■■
その現実を無視する様に■■■■は動き出す。
誰もが理解し納得はしても説明出来ない力。
今こそ自身の作られた意味を思い出せ。
―――ちゃんと■■を守るんだぞ、■■■■
込められた祈りは血の通わぬ体を動かした。
◇
「ああもう鬱陶しい!!」
ジャンヌは
「大口叩いておいていつまで隠れているつもりですか?!!」
ジャンヌは脱臼させた個体すら再生しているのを見て苛立ちつつ叫ぶ。一度増えて以降エクスカリバーを持ったコカビエルは姿を消した。増え続けるコカビエルの出現位置的に上空のどこかにいる事は分かってもそれ以上は分からずどうしようもない。ジャンヌに若干の焦りが生まれつつある、あれだけ実力差を見せつけた相手が安全に逃げる手段を持ちながら逃げず冷静に勝利を過信しているのだ。それが根拠のない自信であるならば問題無い、だが仮にも三大勢力の内二つに喧嘩を売ろうとする者がそこまで愚かだろうか?
(勝機の一つもなく戦争を起こす程愚かだと楽観視出来ません。最低でも魔王級に通じる何かがあるはず……殺気の一つでも出してくれれば即座に始末出来るんですがね)
襲いかかってくるコカビエルの頭をかち割り心臓を抜き取りつつジャンヌは考える。自身の探知能力は低い、殺気を感じ取り居場所を探る事なら出来るがそれ以外はからっきしだ。完全に待ちの状態に入った敵を見つけるのは不可能、運に任せて闇雲に範囲攻撃をするという手もあるがまず無駄な労力に終わるだろう。
「「「◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️!!!!」」」
「むっ?!」
ジャンヌの思考を途切れさせたのは獣の雄叫びだった。理性を感じさせぬその咆哮は空気どころか大地をも揺らす、分裂したコカビエルすら動きを止める程の大音量だ。周囲の建築物のガラスは砕けちり校舎に至っては壁にひび割れが出来ていた。
(今別の声が混じっていた様な……?)
「……フー、待たせたな。フー、最早逃げ隠れする必要も……フー、無くなった」
ジャンヌは疑問を一旦飲み込み姿を表したコカビエルと対峙する、コカビエルの姿はまるで違った物になっていた。
筋肉が膨張し、肉体は二回り以上巨大化している。血管は浮き出て時折血飛沫を発するも再生の炎で修復されていく、息も絶え絶えで内包する力に肉体が追いついていないのは明白だ。再生する事を前提とした過剰で狂気と愚かさの混じった強化形態だった。
「そこまでして私に勝ちたいのですか?モテる女は辛いですね」
「フー、余裕がいつまで続くか……フー、見ものだな。圧倒的力でねじ伏せてくれるわ!!」
息を整えたコカビエルがジャンヌに向かって爆進する、その速度は音速を超えジャンヌにとっても脅威なレベルだ。そのまま速度を落とす事なくジャンヌの体より太くなった腕を振り抜き、ジャンヌもまた迎撃する事で拳同士の衝突が発生する。その衝突の勝者は……コカビエルだった。ほんの少し力負けし押し負けただけの僅差の勝利、その程度の事にコカビエルは歓喜した。
「ハハハハハ!!!どうだ私の力は!!もはや貴様に勝ち目などない!!」
再生能力を持った物にとって少しでもダメージを与えられるなら勝機は存在する。自身と同等のパワーでダメージを受けない者等少数派、このまま時間をかければ勝てると判断したのだ。
「借り物の力でよくそこまで吠えられますね。それとも脳みそまで筋肉になったんですか?」
それに対してジャンヌは拍子抜けしていた、明らかに無茶な強化を施してなお自身と同等の力しか得ていないのだから無理もない。打ち合わせた拳をコカビエルに見せ擦り傷すらついてないぞと煽る余裕すらあった。
「死ねぇぇ!!小娘がぁ!!」
そんな余裕ある態度が癪に触ったのかコカビエルはジャンヌに再度突貫する。自身の繰り出す拳のラッシュはまともにくらえば一溜まりもない、ジャンヌがまともに受けずに回避や受け流しを多様しているのを見てコカビエルはそう確信していた。だがその確信は徐々に小さくなっていく、100を超える攻撃を重ね続けても一度もジャンヌに当たる事は無かったからだ。
「何故ぇだぁ?!!何故当たらん!!」
「テレフォンパンチがそうそう当たるものですか!」
ジャンヌはラッシュの隙間をすり抜け股ぐらを蹴り上げる、足に取り付けられた聖剣はそこにあった内蔵を叩き潰し激痛を与えられたコカビエルは反射的にかがみ込んでしまった。ジャンヌはすかさず下がった頭を殴り上げ無理矢理浮き上がらせる、防御も回避も出来ない体勢に追い込んだ。
「ラッシュというのはこうやるんですよ!」
隙だらけの体にジャンヌがラッシュを繰り出した。鳩尾、鼻、喉等へ打ち込み意識を刈り取る痛烈な打撃、筋繊維を丁寧に切断し運動性を落としていく斬撃、左右の手で打撃と斬撃を切り替えながら途切れなく連撃を打ち込み続けた。攻守は完全に逆転し破壊と再生が繰り返される、肉体のスペックが並ぼうと届かない圧倒的な技量差があった。
「随分無茶な強化してますが時間制限があるんじゃないですか?根比べと行きましょう。三日三晩程度なら付き合ってあげますよ?」
「っ?!なめるなっ!」
コカビエルは我武者羅に巨大化した肉体を振り回すがジャンヌは難なくすり抜ける、過剰な力をコントロール出来ていないのに加え膨張した筋肉は可動域を狭めて見切りやすくなってしまっていたからだ。反撃を受け激高し更に動きが大雑把に単調になる負の連鎖、コカビエルは歴戦の戦士としての感すら失いかけていた。
(こうなっては人間も異形も終わりですね、後はすり潰すだけでいい。驚異が残っているとすれば―――)
もはやコカビエル自身は驚異ではない、ジャンヌのその判断は間違っていない。周囲にいる自身の分裂体すらまとめて蹴散らしている獣畜生に負ける程弱くはないのだから、
「―――エクスカリバーはどこに?」
『油断したな』
一瞬の逡巡、ジャンヌはコカビエルの
◇
「カハッ!!コフッ!!」
ジャンヌは切り裂かれた腹部を抑え膝をつく、致命傷こそ避けているもの腸を切断され体外に漏れてしまっていた。いや一番の問題はそれではない、体に打ち込まれた滅びの力が体内を蹂躙しダメージを与え続けている。放置すれば数分で肉片一つ残らず消滅するだろう、そう感じ取ったジャンヌは体内に聖剣を作りだし滅びの力を周囲の肉毎切り捨てた。
『器用だな、だが助かったよ。貴様の肉体は貴重な研究サンプル、できるだけ完全な状態で回収したかったからな』
「……ガリレイでしたっけ?動けない様にしていたはずですがまだ仲間が残っていましたか?」
『いや?貴様の拘束は完璧だった。魔力や電気を遮断する聖剣を粒子サイズで体内に取り込ませ拘束するとはな、おかげで使い慣れた肉体を捨てる羽目になったよ』
コカビエル、いやその肉体を操るガリレイは感心したように語る。当たり前の様に肉体を捨てたなどと宣う狂人相手にジャンヌは舌打ちする、即座に抹殺すべきだったと。それで何とかなるかは未知数であるし、圧倒的格下かつ危険な情報を持っている相手ならば拘束して情報を得ようとするのが当たり前だ。
『想定外の連続で随分と損失も大きかったが貴様とあの小僧さえ確保すればお釣りがくる。……ああ、小娘共もいたな。俺は興味ないがスポンサーの機嫌は取らねばならん』
「皮算用がお得意な事、漸く一撃入れただけでしょうに」
『その傷では立っているのも苦しかろうに強気なものだ。では助言に従いゆっくりと行くか』
ガリレイがそういうと周囲のコカビエルがジャンヌへ殺到する、当然ジャンヌは軽くあしらうがちょっとした動きでも傷んだ肉体を苦しめた。多少動きが精細を欠こうと負ける事は無い、だが包囲網の外でガリレイの操作するコカビエルが佇み警戒をしなければならずジャンヌの気力を削っていく。時間をかけじっくりと痛ぶり続けるつもりなのだろう、嫌らしい戦術だが効果的だった。
(……撤退ですね、魁斗を連れて逃げましょう)
ジャンヌは魁斗と自身以外を切り捨てる、仮にリアス達や駒王町全ての人間の命が失われるとしても魁斗と自身が捕まらない事の方が重要だからだ。現時点ですら厄介過ぎる兵力を生み出せる危険な存在に更なる強化材料を与える事などありえない、その兵力が戦争に利用されれば異形達でけでなく人間にも特大の被害を齎す事だろう。
(体力がある内にアレを何とかしないと!)
ジャンヌは包囲網を飛び出しコカビエル本体へ肉薄し、全身を切り刻む様に斬撃を打ち込む。逃げる時最も脅威になるのはこの個体だ、どうせ再生するとしても足止めできる程度のダメージを与えなければならない。反応すらさせぬと今日一番の力を込めて放った斬撃は……肉体を切断している途中で止められてしまった。
「なぁ?!」
切り開かれた肉体の各所から光沢ある金属が姿を見せる、それらは針状に変形しジャンヌに襲いかかった。過半数は叩き落とされるが数本はジャンヌの肉体を貫き滅びの力を注ぎ込む、即座に傷の周辺を抉り取るがダメージは無視できないものだった。
「ッ?!……エクスカリバー?!」
『危ない危ない、油断も隙もないな。どうかね?君の禁手を参考にしたのだが?』
真似も何も無い肉体の頑丈さとエクスカリバーの変形能力を利用したゴリ押しだ、だがここに来ての更なる敵の強化は最悪の情報だった。万全なら兎も角負傷を重ねた現状では対処しきれない、いよいよジャンヌも腹を括る必要がでていた。
(追われながら魁斗を連れて逃げられる?最悪頭部だけでも……)
『押せばいけるか?……などとは思わん貴様が戦えなくなるまでのんびりいくとも』
再度包囲網が敷かれる、どこまでも持久戦の構えで不死身の軍隊はジャンヌを襲い続けた。徐々に戦いの天秤は完全にガリレイ達に傾いている、このまま何事も無ければ天秤が動く事はないだろう。
『ウル・ザザード・ザンガ』
天秤が傾いた、ジャンヌを取り巻くように竜巻が巻き起こる、襲いかかってきた集団はその風の防壁を乗り越えられず切り裂かれていった。ガリレイもジャンヌもその光景に驚愕する、ガリレイはまだ戦力がいたのかと、ジャンヌはそのよく知っている魔力の波長に。その竜巻が消え去った時ジャンヌの側に紫色の鎧を着た騎士がいた。
「……魁斗?!貴方どうやって?!」
若干の警戒をしつつ突如現れた騎士に対して声をかける、ジャンヌは魁斗が
「たゆたう紫炎のエレメント!魔導騎士ウルザーdゴバァッ!!」
「あんた黙って休んどきなさい!!」
血反吐を吐きながらも立ち上がるヒーローが見参した!!
魁斗「戦隊と言えば名乗り上げだよなあ!!」(錯乱中)
はい、主人公がようやく復活です。
本当は2話前後で復活させるつもりだったんですが敵に不死身属性与えると戦闘が長引いて仕方ないですね。