ギャグ挟まないと話が書きずらいですね。
「……どういう事だコイツは?」
目覚めて初めて帰ってきた駒王町の景観は魁斗の知らない物だった。戦闘した覚えのない区域で建築物が倒壊し、酷い所ではクレーターが出来てしまっている。リアス達を筆頭にあの場にいた者達は無事だと知っているがどうしてこんな状態で放置されているか分からず困惑していた。
「建物なんて魔法で幾らでも直せるはずじゃ?何でこんな状態で放置を……」
「───建物は復元出来ても住人はどうにもならない。暗示で誤魔化すにも限度というものがある。大災害でもあったという事にした方が楽なんだろう」
そんな魁斗に対してゼノヴィアが声をかける。その内容は理屈は通っているがそこまで至った経緯が分からず困惑が増すばかりだ。
「さて、こんな所で立ち話も何だし場所を移そう。込み入った話はその後だ」
◇
「まず最初に……ありがとう。君達が居なければ私達は命や尊厳を失っていただろう」
「身に降りかかる火の粉を払ったついでだ。そこまで気にする程の事ではないと思うぜ?」
特に恩を着せる気もない気軽な返答にゼノヴィアとイリナは苦笑する。今後
「そう言われて納得できない程度には恩を感じていてね。最低限情報の共有くらいはさせて欲しい。君がいる組織が掴んでいない情報……とはいかないだろうが裏取り程度にはなるだろう」
魁斗は治療に専念する様にと言われており戦いの後の詳しい情報は聞いておらず渡りに船な提案だった。情報に差違や補足が必要なら護衛として共に来ているジャンヌに確認しようと目配せしゼノヴィアの話を聞き始めた。
「まず君達が撤退した後だが木場裕斗が現れた」
意外な名前を聞いて魁斗はやや驚いた。魁斗の記憶では木場は呆気なく退場し最早命は無いだろうと考えていたからだ。世界の修正力でも働いているのかと考えている中、言葉が続けられた。
「……中身は分からないがね。言動からしてガリレイの被害者かつ彼の関係者、その子に襲われたんだ。正直万全の状態でも勝てる気はしなかったな、随分と痛ぶられたよ。そこに現れたのが
「白龍皇か……」
白龍皇ヴァーリ・ルシファー、ある意味原作で最も動きの読めない相手の名を聞いて眉を顰める。原作ではその場のノリで所属を変え、結局元鞘に戻っている。裏切り前も後も禍の団へダメージを与えておりスパイという方が理解できる行動だ。町の被害も考えていない事からこの世界でも問題児なのに違いはないと確信しため息を吐いた。
「(赤龍帝と幾らか話していたがそこは大した事は無かったし省くか)問題はここからだ、傷を癒した後教会に戻る気もなかったので町で救助作業を手伝っていたのだが……生存者はおろか
「は?」
クレーターが出来ている地域は兎も角それ以外の場所で生存者がいないのはおかしく、後から来たヴァーリが何かしたとも考えにくい。……魁斗の脳内にはとある狂人の顔が浮かび嫌な予感がした。
「……ここからはただの推定だが木場の姿を取っていたのはガリレイが使用していた杖……いや被害者なのだろう。君達が戦っていた間に町で
「……ジャンヌ、周辺で行方不明者が多発している地域はあるのか?」
「今の所は何も。ただ少数の人間が居なくなるなんて事はよくある事なので
それは全力で無いとしても白龍皇から逃走出来る程のモンスターが世に解き放たれているという事と同義だ。この世界にとっては怪物が一匹増えただけかも知れないがほんの少しのすれ違いで仕留められるかもしれなかった事実に思う所はあった。
「我々が持っている情報はこの程度かな。これらの情報とこの身二つ、そして試作品として持たされたレプリカ・デュランダルをもって君の庇護下に置いて欲しい」
沈んだ気持ちを振り払いゼノヴィア達に顔を向ける、彼女達を保護する事こそが今日の目的だった。彼女達を放置し続けてまたガリレイの様な相手に攫われでもしたら目覚めも悪い、いち早く安全な場所で保護したかった。その為に無理を押して曹操の許可を取り不機嫌なジャンヌに護衛を頼んでここまで来たのだ。
「余程アレな条件でも無ければMBは受け入れる。
「…………ふむ?部下か。成程君はそういう物が好みなのだな。私達は一向に構わない。……ただ、その、なんだ、ノルマは何人だろうか?」
何かしら条件でも出されるかと思えばノルマというワードが出てきて疑問符が浮かぶ。恐る恐る、そして或いは……期待を込めて話されている事が更に魁斗の混乱を助長した。
「ノルマ?……いや別に勧誘したりする必要はないはずだけど?」
「む?いやいやそういった話では無くってだな……ああ、君は意外とSっ気が強いらしい。余り直接的な表現はしたくないんだが」
何かを勝手に理解した様な言葉と羞恥心を感じさせる表情をするゼノヴィアに対して魁斗は何故か冷や汗をかく。何か致命的なズレがある気がする、そしてそのズレが何か考えている間にゼノヴィアは頬を赤らめながら発言した。
「───まあなんだ、その……君の子を何人孕めばいい?」
「えっ?なんだって?」
突拍子もない発言に魁斗はそんな気の抜けた返答しか出来ない。何故組織入りからそんな話になるのだろうか?彼女達はこちらを悪代官か何かと勘違いしてないかと疑問で頭がいっぱいになっていた。
「ま、まだ焦らす気なのか?!私は日本語はそこまで得手ではないんだ、これ以上の語彙は無いぞ?!イリナ何かないか?!」
「ん?えーっとねぇ、ママは『今日は大丈夫な日なの♡』って言ってパパをモノにしたって言ってた!」
「何言ってんだお前ェ!!!」
それは口説き文句では無く人生の墓場送りにする悪魔の誘惑では無いだろうか?良い子も悪い子もそういう時の女の言葉は信用しない方がいいぞ。
「自身の属性を活かすのも良いのでは?『私の信仰心は負けたりしない!』から信仰心を捨てさせて自分色に染めるプレイをよくリクエストされましたね」
「ジャンヌゥ!!!何で火に油を注いでんだぁ?!」
「な、なるほど、ゴホンッ……わ、私の「俺の話を聞けぇ!!!!」」
何かを口走ろうとするゼノヴィアを魁斗は全力で静止する。だが耳元で揶揄う様に自身の経験談を話すジャンヌと母親の武勇伝を悪気なく話すイリナの会話は止められず魁斗の精神はゴリゴリ削られる事となった。
◇
「……お前ら俺で遊んで楽しいか?」
「すまない、そんなつもりは無かったのだが」
「???」
「この程度でダウンしてると今後苦労しますよ?」
魁斗は女の猥談は男よりエグいと聞いた事はあったが想定上回ったドギツサに突っ伏している。出来る事なら今すぐベットに入って今日の事を忘れたい気分だった。
「あーそうそう、魁斗はこちらの世界に足を踏み入れたのが最近でしてね。色々とこちらの常識が足りてないのですよ」
「どう考えても常識がないのはお前らだよ!!」
起き上がりジャンヌの言葉を否定するも周りはあーそうなんだとさも良くある事の様に頷く。それに加えて釣書の一件もあり魁斗は自分が間違っているのかと自信を無くしかけていた。
「ならば話すとするか。一般的に教会の戦士やシスター、特に女は他の組織に加入するに当たって婚姻を求められる場合がほとんどだ。当然子供を作る事まで求められるし、なんならそれ目当てで教会を出奔する者もいるぐらいだ」
「結婚相談所か何かと勘違いされてらっしゃる?」
頭が回らず思ったままに言った言葉、それは思いの外的を射ていた。
「言い得て妙だな、あながち間違いじゃない。教会ではとある理由から強い女が行き遅れやすい傾向にあってね、他所の組織に出会いを求める者も少なくないんだ」
「マジかよ」
魁斗のイメージでは女性は年収一千万とか家事を手伝うとか男へのハードルが死ぬ程高い。実態はそうで無くとも自身の安売りをする事は滅多にないはずという事はあっている。
「その、あれだ、異能者は強くなり過ぎると力の制御に難儀するだろう?日常生活を送れる様になるのは私の様な不器用な者でも可能だが、感情が昂るとそうもいかないんだ」
「……喧嘩になった時に勝てない相手と結婚したくないってか?」
自身より優れた相手を拒む男は意外と多い、ましてや腕力で負けているのを気にしない男は稀だろう。情け無いと一刀両断するには大き過ぎる問題だ。
「それだけなら愛で乗り越える者もいるんだろうな……そうではなく、えっと、その……」
そんな一般論はやんわりと否定される、ならば何が理由かと考えても魁斗には答えが分からない。故に話されるのを待つしか無いのだがゼノヴィアは口を噤んでいた。今日1番顔を真っ赤にし、何とか他の言い回しを考えている。だが彼女が思いつく前にせっかちな相棒が口を開いてしまった。
「まあぶっちゃけるとセッ◯ス中の事故ね!興奮して加減ミスって
「………………なんて???」
言葉を理解出来ない……いや理解したくないとはこの事だろう。何となく言わんとする事は分かるが点と点を結ぶのを頭が拒絶していた。
「いやだから◯ん◯んをネジk「ヤメロォ!具体的な名称を出すんじゃねぇ!」」
何故とは言わないが魁斗は内股気味になった。どれだけ強さを得ても根源的恐怖を払拭するのは至難の業なのだろう。
「……事故を避けるには同等以上の肉体強度を持つ男を選ぶ必要はあるが教義で建前でも一夫一妻である以上競争率は高い、どれだけ女を磨いても選ばれる可能性は低いんだ」
「いや、それ以前の問題だよ!ナニをネジ切られるかもしれない相手とか遊びでも手を出さねぇよ!」
「うん、大抵はか弱なシスターが選ばれるよね。だからこそ他所に出奔する女戦士が後を絶たないんだ。なまじ若さや美しさの維持は簡単だからな、女を一生塩漬けにするぐらいなら畑でも何でもやってやろうとなってしまうんだ」
魁斗の突っ込みにゼノヴィアも同意する。自分が男なら同じ考えになるだろうからだ。ごく稀にプラトニックな関係になる男女はいるが体の繋がりは心の繋がりに直結するらしく大抵は破局している。だからこそ彼女は目の前の獲物を絶対に逃せないと考えていた。
「という訳で私達は如何だろうか?正妻は立てるし認知してくれるなら愛人でも構わないのだが?」
「今までの話を聞いてその気になる要素あった???」
命の危機を颯爽?と助けてくれた相手にロマンスを感じるのは女性の性というものだろう。ゼノヴィアもそうだし周りのお局のヒスを見てそうはなりたく無いと感じていた。自身より強く性格も問題なさ気、好みとも合致しているだろうともなれば食い付かない理由も無い。
「大丈夫!君なら強度面の心配は無いから!根元まで!根元までだから!」
「それなし崩しに最後まで行く奴ッ!……って誤魔化す気すら無いんかい!」
この後先ずは友人関係からという事にしてお茶を濁した。寝所の護衛を提案されたが丁重に断ったらしい。
◇
駒王町襲撃事件(仮)報告より一部抜粋
"白いのか、貴様随分当たりの宿主を引き当てたな"
"こっち?見ての通りハズレだよ"
"ハッ!宿主を言い訳にするものかよ"
"
"勝つのは俺だ"
Q:引退して筋力落とせば良くない?
A:世界の裏側を知って力を手放せる人は少数派
個人で軍勢を圧倒できる世界環じゃこういう問題もあるんじゃないかな?とノリで書きました。男はどうとでもなるけど女は無理じゃね的な。
二人には悪い事した気もするけど原作でもネタよりだしかまへんか。
次回もお楽しみに。