ハイスクールDxDで掲示板もの   作:ねばねば納豆

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ソロモン王()を殴り続けトネリコの絆15完遂!なおQPはともかく素材はまだ足りない模様。
時系列としては前話とほぼ一緒です。


忘れてた原作主人公とヒロインの話

 人間は他の生物と比較して邪悪だという意見がある。その理由を問えば色々と出てくるが大筋を纏めると人間は欲望の為に過剰な搾取や破壊を行うという物だ。ここ数百年の最近の話だけで無く紀元前から他の生物を滅ぼしているのだからあながち間違いでは無いだろう。

 

「「「「フレッ!フレッ!一誠ッ!ガンバレ♡ガンバレ♡一誠ッ♡」」」」

 

 だが、同時にその底の無い欲望こそが人類を発展させてきた原動力でもある。仮に他の生物を慈しみ犠牲も好まない誰もが好む聖人が人類の基本となっていたならば今日の人類の発展も無い、或いは逆に滅ぼされる側になっていた可能性は高い。

 

「うおおおお!!!!チョー頑張るぜ!みんな見ててくれよな!!!」

 

「「「「キャーッ♡一誠君カッコイイ〜♡」」」」

 

 良くも悪くも兵藤一誠は人類の欲深さを体現した男だった。美しい女悪魔達のハニトラに爪先から頭の天辺までどっぷり浸かっている愚か者であるのも彼の一面ではある。愚劣、下品と罵倒を重ねるのは簡単だがそこで終わる男ではない。両手の指で数え切れない女を手にしても尚彼の欲望に終わりは無かった。

 

「もっともっと強くなって出世してやる!モッテモテになってハーレムを増やすんだ!ハーレム王に俺はなる!!!」

 

 ……理由は如何あれ溺れるだけで無く、更なる向上心を維持出来る者はどれ程いるだろうか?才覚で並ぼうともそこらの常人では並び立てない器の大きさだろう。仮にそれがザルだとしても物を積むのに支障は無い。この先障害乗り越えていけば乗せる物は増えていく筈だ。

 

「えー?一誠君は私達だけじゃ満足出来ないんだー?」

 

「毎日沢山ご奉仕してるのにひっどーい!」

 

「私達、新しい子が来たら捨てられちゃうんだわ!」

 

「「「「シクシクシクシク」」」」

 

「い、いやいや!!みんなを捨てる事なんて天地がひっくり返ってもあり得ないって!!!」

 

 早速目の前に現れた障害を前に一誠は即座に否定する。何処までも性欲の化け物であるが倫理観を持ち合わせない訳ではない。一度肌を重ねた相手を捨てる事等余程の事が無ければ出来ないだろう。悪魔という括りの中では突出した優しさは女悪魔達には新鮮な物だった。

 

「私の事愛してる?」「おう!愛してるぜ!」

 

「僕も?」「当然さ!」

 

「ウチも?」「もちろんだって!」

 

「「「「じゃあ一番はだーれ?」」」」「ゲェッ!」

 

 とはいえ優しさだけで縛れる程女悪魔達は甘くない。戦力としてはそこらの神器使いの方がマシだが男を転がす手管は本物だ。そちらの方面では一般的な学生でしか無い一誠では対抗のしようもない。ダラダラと汗をかきながらパクパクと何か言おうとして口を閉じるのを繰り返した。

 

「プハッw一誠ちゃんか〜わいい!」

 

「私達はそんな面倒臭い事言わないもん♪」

 

一番(正妻)にされても逆に困るっていうかw」

 

「私達って学も何も無いもんね〜♪」

 

「ちゃ〜んと愛してくれるなら私達はそれで十分だぞ♡」

 

「あっ、ちょっとした贅沢もさせてね♡」

 

「お、おう勿論俺はみんなを平等に愛するぜ!!めいいっぱい贅沢だってさせてやるさ!!」

 

 女達は男に望まれるまま肢体を捧げ、男は女達へ無責任に愛と未来を誓う。絶対的に男が優位な関係ではあるがどちらがハンドルを握っているのかは明らかだろう。ある意味男女の関係としては理想的かもしれないが。

 

「キャー♡一誠くんおっとこまえ〜♡」

 

「そこに痺れる股濡れる〜♡」

 

「修行終わったらお風呂で背中流してあ・げ・る♪」

 

「今日はベットまで我慢しないとダメだぞ♡」

 

「うっひょ〜!!!滾ってきた〜!!!」

 

『……これで成長するのが信じられん、歴代随一の奇才だな』

 

 籠手の中でドライグは呆れながらもそう評価する。一誠の1日のスケジュールは修行している時間よりも女を貪っている時間の方が長い。歴代でそうだった使い手がいなかった訳では無いが悉くが欲に溺れ弱体化し白龍皇との戦いに敗れてきた。だが一誠は無我夢中で腰を振っている時でも成長している、寧ろ修行している時より上がり幅は大きい。長い時を生きるドライグから見ても異質な素質だった。

 

『まあいい、どの道短い付き合いだ。精々白いのに肉薄出来る程度には強くなれよ?』

 

 歴代でも上位にあるだろう才能を無意味だと切って捨てる。そこに一誠の非は無く、ただひたすらに相手が悪い。白龍皇ヴァーリ・ルシファー、人間と魔王ルシファーの子孫から生まれた人間と悪魔のハーフ。人間として神滅具を宿し、悪魔として最高峰の肉体と才覚を持つ。凡そ考えられる中で最高の素質を持った白龍皇だ。戦いになれば奇跡の一つや二つを起こす程度では勝率は0から動かない。

 

 ───最もそれすらドライグにとっては些事なのだが。

 

『───くじ運(宿主)比べはもう終わりだ』

 

 ドライグは一誠に欠片も期待していないし、歴代の使い手に期待した事もない。いつだって信じられるのは自分だけなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 ───リアス部長、お別れです。

 

 自身に別れを告げる下僕へ駆け寄ろうとしても足が動かない。きっとそれは夢だからだ。そもそも愛しい下僕がそんな事を言う筈が無い。

 

 ───ある意味丁度良かったかもですね。代わりに魁斗くんを眷属に出来ますよ?

 

 貴方の代わりなんていない、そう言おうにも口が開かない。これは夢なのだから仕方ない。悪魔が悪夢を見るなど悪い冗談だがそういう事もあるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───ホ ン ト ウ 二 ソ ウ ダ ト イ エ マ ス カ ?

 

 振り返った下僕はニコニコと笑みを浮かべている。棘のある言葉とアンマッチなその笑みを見たリアスは寒気を覚え逃げ出したい気持ちに駆られるが夢である以上その願いは叶わない。何処からか現れた他の眷属達に囲まれてしまったので現実でも難しいかもしれないが。

 

 

 ───私に女王の駒を使ったのを後悔してませんか?

 

 違うと言おうとした自分を信じきれない。女王の駒は他の駒より容量が大きいだけでは無く政治的な意味を持つ。兄であるサーゼクスの様に伴侶とする相手に使う者も少なく無い。もしも安全に駒を移せるならば交換したいという気持ちが心の中にあるのを否定できなかった。

 

 ───ぼ、僕の友達を助けてくれますか?

 

 必ず助けると即答しようとして……口籠る。弟の様に思っている相手の恩人を助けたい気持ちはある。だがそれは吸血鬼という一つの勢力と事を構える事だ。いくら魔王の親族といえど相応の根回しが必要で党首にもなっていない立場ではどうしようもない。……それこそ望まぬ婚姻を受け入れフェニックス家の後ろ盾でもつけなければ。思い付かなかったのか、選択肢から外したのかは分からない。

 

 ───私の姉について何か調べようとしましたか?

 

 何か言おうとすら出来なかった自分が恥ずかしい。当人にとって辛い記憶だろうと何も聞かず配慮したまではいい。だが、それだけ心の傷になる様な相手をただの大罪人という理解で止めるのは正しい事だっただろうか?経緯を調べる必要はあったのでは無いか?無実の罪なら濯ぐ努力をすべきでは無かったか?

 

 ───優しい優しいご主人様♪貴女に我らは救われました♪

 

 眷属達が自身を中心に円を描く様に歩き出す。満面の笑みを浮かべながらリズムを刻んで歌うその様は不気味だ。段々と円を狭めて近づいてくるというのに身動き一つ出来ないのだから尚更だろう。

 

 ───何度お礼を言っても足りません♪命を捧げたって構わない♪

 

 そう時間もかからず眷属達は息のかかる距離まで詰め寄った。表情は笑顔のまま仮面を被ったかの様、瞬きひとつしないその姿に眷属相手とはいえ恐怖を覚える。

 

 ───でもその優しさ誰の為?勿論それは貴女様♪

 

 ───兄に泣つきゃ苦労無し♪深い部分は見て見ぬ振りさ♪

 

 ───知らぬ存ぜぬ無垢のまま♪おてては綺麗なままでしょう♪

 

 ───誰もが愛するお姫様♪王子も見つけて超ハッピー♪

 

 楽しげな声色はそのままで歌詞がどこか棘が生え始める。この先は聞きたく無いと、耳を塞ごうにも眷属達に抱きしめられ動けない。その眷属達の髪が美しい真紅に塗り変わる、よく見知ったその長髪が咎める様に自身を縛り上げた。

 

 ───お前はいつも身勝手だ(私は何も知らない子供だった)

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

「はあ、はあ、はあ……私、は……」

 

 夢とは睡眠中の脳の記憶整理が影響して見る物である。ホラー映画を見た日に怖い夢を見た事がある人なら理解し易いだろう。あくまでも人間の理論だが交配出来る程度には近い生物なのだから悪魔でも通用する。そして、この様な悪夢を見る程の痛烈な記憶(トラウマ)がリアスには出来ていた。

 

『リアス様ご無事で何よりです』

 

『人間にも多少は使える者がいたのですな』

 

『それに比べて眷属達は不甲斐無い』

 

『全くだ、慈悲を掛けられながら暴走する者までいるとは』

 

 眷属の木場祐斗を連れ去られた事か?否である。確かに眷属を失う事はリアスの心に大きな傷になるだろう。だが今回に限っては取り戻す希望はある。木場の身体を使っていた何者かは木場に対して愛があった。そう悪い扱いをされる事はないと判断できる。心に傷が出来ても回復可能なレベルだ。

 

『丁度魔剣使いが手元にいるのですがいかがでしょう?』

 

『人間など頼りになるまい。妖怪や神獣の類は如何かな?』

 

『はい?ああ、神器使いがお望みでしたか、部下に探させましょう』

 

『違う?家族を取り戻す???』

 

 では兵藤魁斗が死にかけた事か?それもまた否だ。間接的にとはいえ生存している事は確認済み。自身の非力を嘆く事はあっても次こそはと奮い立て立ち上がる事は出来る。今の様に部屋に閉じ籠り悪夢に魘される事は無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『眷属などまた新しく作れば良いではありませんか?』』』』

 

 今リアスを苦しめているのは自らの血、引いては悪魔という種族その物だ。自身を見舞いに来た者達はグレモリー系譜にある者や親しい付き合いのある者達である。間違ってもリアスに対して敵対的な事は無く、事実リアスに親身になって励まそうとしているのは理解していた。

 

『裏切り者なぞに心砕く必要はありません!!!』

 

『その通りだ!寛容にも程がある!!』

 

『人間風情に何故そこまで肩入れするのですか?!』

 

「何で?何でなのよ!みんな優しくしてくれてる筈なのに……」

 

 その優しさが眷属達に全く向いていない、寧ろリアスへの愛情を裏返した様な憎悪を持って責めていた。特に元凶である木場への当たりは苛烈その物である。確かに木場は暴走したが御せなかったリアスにも主としての非はある、そう言っても言葉が相手に届かない。何か隔絶した認識の差がある事をリアスは意識せざる負えなかった。

 

『───悪いんですが人間を辞める気はありません』

 

『悪魔は人間への搾取を前提にした社会を築いている』

 

『態々そんな連中の礎になってやる程愚かじゃなければ恥知らずでもない』

 

 かつて愛しい人に言われた言葉をリアスは思い出す。悪魔は人間と対等な契約で取引している、搾取等していない。そう思っていたというのに親しい者達の言動は明らかに人間を、それ以外の種族を見下した物だった。若さからくる潔癖さはその事実を簡単には呑み込ませない、現実と認識とのズレがリアスの心を軋ませた。

 

『疑うなら一度調べてみるといいですよ』

 

 それでも自身に優しくしてくれている相手をリアスは信じたかった。今回の事件で言葉が強くなっているだけで日頃は人間への憎悪も嘲りも存在せずちゃんと愛があるのだと。少しだけ調べよう、きっとすぐに杞憂だったと安心できる。……そう考えたリアスの希望は半分は叶った。

 

『誰もが貴女程純粋(高潔)ではないとすぐに分かるでしょう』

 

 意図的な契約の抜け穴、一方的な契約破棄、マッチポンプによる思考誘導etc、これを人間への搾取と言わずなんというのだろう。それが悪意からくるなら理解できた、効率を考えただけなら納得は出来た。だが、驚くべき事に人間を足蹴にし、奪い、騙しているというのに彼らは人間を愛しているつもりなのだ。リアスが問いかければ隠す素振りもなくペラペラと話す、まるで親戚の子に自分の仕事ぶりを話すかの様にいくらかの誇らしさすら声色に感じ取れた。

 

『ま、肌の色一つで差別のある人間は他所の事言えませんけどね』

 

 ここまで情報がそろって理解できない程リアスは愚かではない。彼らは悪魔が人間の上にいる事が前提に考えている、愛があっても愛玩以上の感情はなく対等など以ての外なのだと理解した。自分達に都合の良い関係を押し付ける事は当然で、それを心苦しく思う土壌が無い。例えるならばいずれ屠殺する家畜に対して愛情持って育てる様な物、家畜が逃げ出せば仕事を増やすなと罵倒交じりに連れ戻すなり代わりを用意するだけだ。

 

『悪魔が力の劣った別種の生物を対等に扱えるとは思えない』 

 

 リアスは自分もその思想に染まっているのではないかと苦しみ悩む。愛を語りながら軽んじていたのではないかと、可哀想な誰かを助けて気持ち良くなりたかっただけではないかと、自分の善性すら信用できなくなっていた。最も身近な眷属達にすら出来る事があったのに今まで思いつく事も無かったのだから。

 

「違う……私は違う、筈なのよ」

 

 ───無知だった少女は悩み続ける、それが挫折し妥協するのか乗り越え成長に繋がるかはまだ分からない。




FGOもあるので多分今年最後の投下ですね
どうせクリボッチなのでヤケになって書き込む可能性はありますがw
皆さん良いお年を
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