ハイスクールDxDで掲示板もの   作:ねばねば納豆

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お久しぶりです。


20代は適齢期!年増は30過ぎからや!

「───ん〜☆ 兵藤魁斗がウィザードと見せかけたテクニックタイプなのは知ってたけど戦闘以外でも器用なのねん☆」

 

「毎度思うんですけど戦闘タイプを3パターンだけで区分するのどうなんです?ソシャゲちゃうんですから」

 

 報告に対する感想に対してはやてのツッコミのキレが悪い。表情も芳しくなく、疲労が溜まっているのが目に見えて分かる。

 

「で?どうなさいます?悪魔としては魁斗くんの力は見過ごせない、特にバアル家でも動いたら一大事ですけど」

 

「バアルおじ様に関しては気にしなくても良いと思うわよん☆ 上級悪魔未満は悪魔と認めてナッシング☆ 悪魔の駒なんて私達(若者)の危ないおもちゃとしか思ってないわん☆ 寧ろ回収手段が出来るなら喜ぶんじゃないかしら?」

 

 バアル家、その影のフィクサーである初代バアルにとって悪魔の駒の評価はかなり低い。人間や中級以下の紛い物を強化して戦力や人口としてカウント出来るメリットは理解している。だが、子孫の確変があると思えば眷属の叛逆如きでくたばる弱者でも数を減らす事を苦々しく思っていた。悪魔の駒の摘出という逃げ場が出来るならかの大老も喜ぶ事はあっても邪魔をするとはないだろう。

 

「と・い・う・わ・け・で☆ 悪魔の駒を摘出したっていう魔法を覚えましょう☆ はやてなら出来る出来る☆」

 

 その場のノリで口走った様な提案だが勝算を持った上での発言だ。

 はやての所有する神器は夜天の書(スプレッド・プラネタリウム)、効果は単純明快で使用された魔法を蒐集してそれを閲覧出来るというもの。その効果範囲は遥か遠くの星の光が夜空を飾る様に広く過去の記録を遡る事も可能、その上で魔力さえ使用されていれば魔法と判断して例外なく蒐集する。そこにはやての類稀な魔法の才能が合わされば使えない魔法はこれまで一つとして無かった。

 

「無理っす。今すぐだとか魔力が足りないみたいな枕詞も無く無理です」

 

「……………マ?」

 

 ただ何事にも初めてはある物である。はやては世界屈指の魔法使いという自負も投げ捨て敗北を宣言した。

 

「はやてがそう言うなんてよっぽどね☆ 何が原因かしら?」

 

「シンプルに魔力の制御の問題ですね。術式に魔力のブレを許す余剰がほとんどありません。魁斗くんも感覚派なんで教えを乞うのも現実的ではないかと」

 

 勇気の魔法は一切乱れる事のない魔力を使用する前提の繊細な術式である。それを普通の魔力で使用する事はチェーンソーで外科手術をする様な物だ。そんな無理難題を達成するのはまず不可能と言っていい。

 

「その魔法を生み出した相手を探すのは?」

 

「遡れるだけ遡って検索しましたけど魁斗くん以外の使用履歴ゼロです。ただ、魁斗くんの魔法は呪文と効果が一致してないタイプなんで見落としはあるでしょうけどね……これ以上検索するのは過労死に繋がるんで勘弁頂けません?」

 

 夜天の書(スプレッド・プラネタリウム)、その力は魔法が科学を上回る世界では最優だ。優れた魔法使いが汎ゆる魔法を使い熟す、その強さを疑う者はどこにもいない。だが、その事実を持ってなお神器の詳細を知る者は口を揃えてこう言う───この神器は欠陥品であると。

 

「というかボチボチ使い勝手の良い魔法は覚えるか記録済みなんでまた消してもいいです?」

 

「いいわよん☆ そこの匙加減は任せるわん☆」

 

 この神器の蒐集対象に例外はない。例え失敗していようが欠陥があろうが………()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()。選別機構を持たない唯の蒐集装置なのだ。現代風に纏めればソート機能は使用順のみ、翻訳・分類・検索機能は無し、蒐集停止は不可、辛うじてメモリーの消去は可能といった物である。使用者の素質(容量)が足りなければこんな物は唯の足枷だ。

 

「特に近年は増加速度ヤバ過ぎるんですよ。ほぼ指数関数ですわ」

 

「メフィストが灰色の魔術師を作った頃から随分と人間も増えてるしね。魔法使いの絶対数も爆増よん☆」

 

「おお怖い怖い、いくらか悪魔になるのが遅れてたらと想像したくありませんね」

 

 龍王かそれ以上の素質があるはやてですら命にかかわるレベルの過負荷である。悪魔化してもまともな活動が出来なかった。最終的に断腸の思いでメモリーの9割以上を削除してようやく有益さが勝る程度の代物だ。概ね魔法を習得した今となってはその益さえ虚空に消えている。

 

『あの子達の駒()お返ししますよ。今後こちらで確保している駒や取り除きたい眷属の方がいれば自分か上司を通してご連絡ください。今後、良き付き合いが出来る事を祈っています』

 

「お人好しであっても能無しではないのが厄介よね☆ あー!相場のない依頼とか交渉したくな〜い!」

 

「いや、窓口あるだけマシだし対価ぐらい払いましょうよ」

 

「予算は有限なのよ!後、人間相手だと交渉を傅くと読む悪魔(バカ)も多いし!」

 

 どれだけ嘆こうが交渉しない選択肢がないのが悲しい所である。よしんばうまくまとめた所でいつ交渉を打ち切られるか分からないのも頭痛が痛い所だ。その原因がほぼ間違いなく悪魔側から発生するのが想像出来てしまうのだから。

 

「あ〜、年食ってるだけの無能もぽんぽん眷属に逃げられる考え無しも死ねばいいのに!」

 

「魔王の威光って悪魔に一番効果ないですよね」

 

 良くも悪くも魔王とは悪魔にとって親しみやすい存在だ。元は反乱側とはいえ一部を除いて旧魔王派も生かしたのが功を奏している。結果として年長者が助言をしやすく、眷属の脱走の様な失敗を隠蔽される事はほとんどない程に風通りが良い。まあ、助言に価値があるかや、責任を取る気があるかは別問題ではあるけれど。端的に言うと舐められていた。

 

「良し!はやてちゃん愛人になろう!最悪でも膜を消費して交渉を優位に進めるのよ!あっ、クモの巣取らせるのは寧ろマイナスかしら?やっぱり今のナシで」

 

「張り倒すぞ大年増(●●●歳)!20代は適齢期!年増は30過ぎからや!」

 

 ※フィクション上のキャラの個人的な意見です。決して現実の女性を揶揄するものではありません。

 

「えっ?人間って20過ぎると年増じゃないの?」

 

「価値観が明治維新出来てない!?」

 

 明治だとまだ年増扱いされるが認識がズレているのは間違いない。だが悪魔と人間の時間感覚のズレを考慮すれば大分理解がある方だと言える。そこの感覚を全く合わせられず中世感覚のまま人間に接する悪魔もいるのだから。

 

「どの道対抗馬はリアスちゃんとかあの聖女だけど比較されたい?」

 

「リアルJK持ち出すのは反則でしょう!あの面子は同年代の頃でも比較されたくありませんって!それはそうと無茶苦茶揉みしだきたい!」

 

「貴女そういう所よ?」

 

 セラフォルーは多少は考慮していたはやて愛人案をゴミ箱へ叩き込んだ。面白お姉さんは親しみやすいが余程突き刺さら無ければリアスやジャンヌ(エロゲーヒロイン)には勝てないのである。やるなら抱き合わせ商法とも考えたが他の眷属がこれ以上の色物か論外というのを思い出してため息を漏らした。

 

「ま、リアスちゃんと釣り合わせるならソーナちゃん出すしかないのよねん☆ グレモリーに独占されるぐらいなら選択肢としてはアリか………断腸の思いだけど」

 

「………えらい魁斗くんの事を評価されてますよね。いや、実績と能力見れば当然ではあるんですけど」

 

 優れた人間を取り込みたいのは納得出来る、同陣営の味方相手でもより優位な状態を作りたいのも理解出来る。だが、その手段としてソーナまで勘定に入れているのは日頃のシスコンぶりからして疑問だった。ソーナが婚約破棄を達成した後も婚約を求める家は数知れず、その悉くを魔王の権力を使ってでもブロックしている。良い縁である事は否定しないが兵藤魁斗に対しては異様にブロックが低くなっている事に疑問を抱くのは当然の事だった。

 

「いやだってねぇ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()それが百年後か千年後か………もしかしたら明日かもしれないけど生き残る可能性を増やして失う物を減らすには外に出すのが一番よ☆」

 

 セラフォルーはあっけらかんとした態度で自身の種族の滅亡を予言した。72柱の家系の多くを失い、残っている家系も大幅に弱体化しているのが大半だ。その上多くの神話から恨みを買い味方も少ない。日々進歩している人間と比較すれば悲観的になるのも仕方のない事だろう。だが、総体としては兎も角、最大戦力たる魔王は歴代でも最強の布陣だ。厳しい舵取りが要求されている衰退期なのは間違いないが対外的に種族の滅亡を断言する要素は無い筈だった。

 

「………また、それですか。いい加減私達にもその根拠を教えてくれませんかね?」

 

「ダ〜メ☆ 最低限魔王()クラスに強くなってからって言ってるでしょ?貴女達もその時が来たら人間に戻るなり好きにしていいからソーナちゃんの事よろしくね☆ ま、私も生き残る気だけど☆」

 

「………………」

 

 嘘は言っていない、ソーナや眷属を守り、自身が生き残る道を探っているのも確かだ………その上でソーナの生存すら危ういという静観がある。仮に全盛期の二天龍が攻め込んでくるのだとしたらはやて達では実力不足であっても無力ではない。三大勢力以外の全ての神話が攻め込んでくるとしても隠れ家やら逃走経路やらを用意させている筈だ。それ以上の()()がある、はやては自身が把握している悪魔の内情を並べてもそれが分からなかった。

 

「まっ、先の事は置いておいて眼の前の事から進めましょう☆ 三大勢力が勢揃いする会談とか荒れる気しかしないぞ☆」

 

「………厄ネタ多すぎるでしょ」

 

 はやてはため息をつきつつも仕事に取り掛かる。詳細不明な問題にリソースを使い続ける余裕がないのだ。

 

 ───会談へ乗り込んでくる敵を撃退しなければならない。

 

 ───上層部だけで判断した同盟を下に納得させなければならない。

 

 ───漁夫の利を狙う勢力を牽制しなければならない。

 

 ちょっと考えただけでも問題は山積みだ。主人の心配する問題関係なく悪魔滅ぶんじゃないか?とはやては思った。

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

「───フフフッ!やった!やったわ!」

 

 ベットの上で半裸の桃が喜びを抑えきれず笑い出す。汗でベトつく不快感も隣に男がいない寂しさも気にならない。髪を掻き上げ下腹部を愛おしげに撫でる、正規の道具を使わなくとも自身の中に新たな生命が宿ったのを感じ取れたのだ。これで愛しい相手の側にいれると心の底から喜んでいる。

 

「元ちゃんにも教えて、あげ…ないと………」

 

 その喜びにうっすらと影がかかった、この祝辞は望外であると同時に早過ぎたのだ。上役の思惑に乗っかり思い人と繋がる事は出来たが心はまだ別の場所にある。これは幾度となく肌を重ねて心を揺らがせた上で必要な一撃、条件を満たしていない状態での効果は半減どころかマイナスの可能性もありえる。実際に今この現実を伝えた所で受け入れられる自信は桃にはない。

 

「す、少しだけ間を起きましょう!もう少し元ちゃんが私の方を向いてくれてから……」

 

 後回しという多くの者が使う常套手段、良い印象を持たれ難い手段ではあるが勝算はあった。まだ数度のみとはいえ自身の肉体が魅力的に思われている事は実感している。体の変化が現れるまでには天秤を傾かせられる確信があった。妥協するまで受け入れさせれば後は時間をかけてしまえばどうとでもなる。

 

「ええ、まずはこの事をはやてさん達に報告しましょう。私では思いつかない手段を考えてくれるかもしれません。そうでなくても利用価値の上がった私への投資を増やしてくれる筈です」

 

 それは色事ではなく権謀術数の思考だった。本質的には近い物はあるだろうが年若い少女の恋路には合わない。こんな筈ではなかった、もっと真っ当な方法が良かったという内心を押し込めて桃は動き続ける。まだゴール地点には程遠いと。

 

「───もう後戻りは出来ないんだから」

 

 人間に戻る方法はある、初恋を諦めればごく普通の幸せを掴む事は出来る筈だった。それが賢い選択で楽な道だと分かっている。でも、他の女を思う相手を貶めた後悔と愛しい相手が求めてくれた温もりが桃を縛り上げる。どんな未来が待っていようが突き進む選択しか残っていなかった。

 

 

 

 

 

 




 次はサーゼクス出して会談に突入する予定です。
 なるべく早く書きたいと思います。

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