「……う〜ん、薄々察してはいたが自力が違い過ぎて経験としては微妙かコレ?……力抜くのもどうかと思うしなぁ」
魁斗は酷く当たり前の事を独り言ちる。元より天と地程に実力差があった所に新装備まで追加されたのだ。そんな状況では圧倒的な物量差があってもアリを払う作業が増えるだけ、到底良い経験とは呼べないだろう。周りに合わせて射撃を続けるよりは僅かにマシとは言えるかもしれないが。
『飛び出した愚か者を捻り潰しなさい!』
「ギギィ!ギェェ!!!」
そして、側から見れば力に溺れた愚か者が飛び出してきた様にしか見えない。少なくともカテレアはそう考えて前線から飛び出した愚か者へ集中放火を命じた。指示通りに多くの個体が魁斗へ向かって雷光や光の槍を放つ。その破壊規模は人間一人に収まる筈もなく周辺の大地も抉り取り砂埃を巻き上げた。
『まずは一人、コカビエルを倒したと聞いていましたが所詮は人間、群れなければこの程度でしょう』
唯々してやられるばかりだった中でようやく戦果を得られたと喜ぶ姿は何と滑稽な事だろう。砂埃は晴れず、相対している敵に動揺は見られないというのに……いや、それ以前に相手の実力も測れない弱さを恥いるべきか。
「ん〜⭐︎どれぐらいダメージがあるか賭ける?私はノーダメに一票⭐︎」
「私も同意見ですわ。賭けになりませんね」
旧魔王派の一員として排斥される程に、命取られず暗躍出来る自由を与えられる程に、そして
【ベムスター】
「う〜ん、範囲がちょっと狭いか?そこら辺は防御力とのトレードオフだろうけど範囲指定は出来る様にするべきだな。やっぱ実戦は大事だ、動作検証じゃ見えない問題点を洗い出せる」
『ば、馬鹿な、あれ程の攻撃を前に無傷だと?!人間風情が龍王クラスの力を持ってるとでもいうのですかッ?!』
砂埃で晴れた先に無傷で現れた魁斗を前にカテレアは酷く狼狽する。貧弱な種族の人間が強いのが受け入れられないのだ。自身と同じ純血の悪魔でもなく、長年敵対し続けた天使や堕天使ですらない。鍛錬を積んだとか外れ値だとか理由を重ねても純正の人間にすら劣る事実は偉大なる魔王の血統の評価を地の底に落としている。目を逸らし続けている
「こ、殺しなさい!他はどうでもいい!奴だけは確実に殺すのです!!!」
「ん?なんか想像よりヘイト集まったな。ま、都合が良い。精々機能試験の肥やしになって貰おうか!」
◇
321:実況
【ザンボラー】【スノーゴン】【デガンジャ】【レポディオス】【ベノラ】【マグマザウルス】【ガンQ】【バリケーン】【サボテンダー】【ギャオス】
「「「ギェー!!!」」」
「耐性はガバガバだな。再生力以外に見るべきものは無さそうだ」
322:名無しの転生者
なぁにこれ
323:名無しの転生者
怒涛の怪獣ラッシュだ!
324:名無しの転生者
馬から怪獣が出たり入ったりしてるw
盾はほぼ砲台かな?
325:名無しの転生者
ああ、合成怪獣ってそういう
326:名無しの転生者
普通多くても5種くらいで抑えるダロォン!
327:名無しの転生者
イズマエルとかタイラントとかいるじゃん?
328:名無しの転生者
まだまだ切り替わってんぞ
属性攻撃を全部網羅する気か?
329:名無しの転生者
アカネくん気合い入れスギィ!
330:実況
【モグージョン】
「幻覚による再生の誤作動あり」
【ガーゴルゴン】【プリズ魔】【ヒッポリト星人】【ジャシュライン】【デアボリック】
「肉体を変質させると再生は不可っと」
『人間風情がぁ!真面目に戦えッ!!』
331:名無しの転生者
うーん、この理系脳
332:名無しの転生者
検証の裏でサクサク敵は仕留めてんなぁ
333:名無しの転生者
状態異常確認は石化以降は過分じゃない?
ほぼ石化と変わらんやん
334:名無しの転生者
一つだけ効かないとかあるかもでしょ?
335:名無しの転生者
幻覚、石化、結晶化、銅化、黄金化、宝石化
状態異常の幅広すぎでわ?
336:名無しの転生者
積み上げた60年+αの歴史の重みを知るがいい!
337:名無しの転生者
その……相手は人類より長い歴史を積んでる筈なんですが?
何で一世紀にも満たない歴史で押されてんの?
338:名無しの転生者
誰にでも時間は等しく流れるがその価値は同じじゃないんだ
悔しくても受け入れるしかない、本当に仕方ない
339:名無しの転生者
元ネタとか合わせたらほぼ人類史の重みだし
それでも人類を超越した種族にしては雑魚すぎるが
340:実況
「石化の様な特殊な物はさておき火や冷気、雷の様なメジャーな耐性すらないと。無論再生力任せにしてるとも取れるが聖なる力への耐性はつけてるのと矛盾するな。無限のリソースがあるなら思いつく先から搭載すれば良いだろうに……そういえば攻撃方法は堕天使のままだな。コカビエルも滅びの力は使ったらしいがエクスカリバー越しだと聞いている。素体の性能不足か詰め込む技術力のなさか、或いは量産品にそこまで手を加える余裕が無い?まあ、単純に数合わせに労力を掛けるよりも別個にある秘密兵器に力を入れているのかもしれないが」
『ハッ!人間風情が口の回る。そうやって減らず口を開いていれば情報を漏らすと「何にせよオーフィスという無限リソースを手に入れてもそれを加工する労働力は足りていないらしい。当たり前と言えば当たり前か、資産が無尽蔵でも設備投資も人材育成も時間が掛かる物。特にクーデターを仕掛ける側でバレない様に事を進めたんだ、準備が完璧にいく訳がない。寧ろここまで準備を進めて阻止されない程度には情報封鎖出来ているのは極めて優秀だ……カテレアって言ったか?アンタの裏にいる連中には気をつけるといい。組織だろうが個人だろうがアンタには過ぎた代物だ。アンタに従う器じゃない。魔王の血統という唯一の強みを使い潰したら用済みだと捨てられるぞ?」…………人間風情がッ!!』
341:名無しの転生者
煽っていく〜ww
342:名無しの転生者
言葉の刃が鋭いわよ!
343:名無しの転生者
でも事実じゃん?
344:名無しの転生者
原作で血統活かされてたっけ?
345:名無しの転生者
描写上は無いです(いつもの)
多少の裏切り者は出たかも?
346:名無しの転生者
良かったイッチの勝手な憶測だったんだね
……憶測の方がマシじゃねぇか?
347:名無しの転生者
所詮は敗北者の集まりよ
◇
『おのれおのれおのれおのれェ!!!』
正直な話、
『私はお母様の、レヴィアタンの血を継いでいるのよ?たかが人間風情に劣るなどありえない、あってはならない!!!』
結果として見たい物など何一つ見られていない。力を隠していた(と思い込んでいる)眷属の一人に戦力の過半数を潰され、残りも現魔王達が何かする必要もない程に安定して処理されている。挙句にその中核にいるのはただの人間だ。人間であるだけで弱い理由となるのにそれを知らぬとばかりに暴れ回っている……それが魔王の実子という強さの証明書が全く機能していない自身の惨めさを加速させていた。
『来なさい!
嫉妬と劣等感が混じった感情はカテレアに一つの愚行を選ばせた。投入予定の無かった、隠匿していた戦力の投入。そこに戦術的思考はなくただ魁斗を殺すという私怨があるのみ。それが計画にどんな悪影響をもたらし修正が必要になるか等という懸念は脳内にない。あってもその様な些事は自らの誇りを守る事には劣ると切り捨てられるだろう。後にカテレアの裏に潜む者達がため息をつく事になったのも仕方のない事だ。
◇
「援軍も来ないならボチボチ殲滅に切り替えるか。しかし再生力対策は
粗方の検証を終えて残存戦力が二千を切った頃に気の抜けた様にそう呟く、油断せぬ様に努めてはいるが歯応えが無さ過ぎた。飛んでくる攻撃は直撃しても揺らぐ事すらなく、接近されてもパワーが違い過ぎて鍔迫り合いにすらならない。頼みの綱の再生力も石化等の状態にすれば良いと分かれば過剰な消費も抑えられた。これで気を抜くなという方が無茶という物だろう。
(原作的に後はギャスパーの誘拐かつ戦力転用とヴァーリの裏切りか)
魁斗は敵を無力化しながら原作のこの先の流れに思考を割く、ここまで話が変わった状況でどこまで頼れるかは疑問だが他に指標出来る物もない。前者は冥界に退避している以上は起きえない筈でヴァーリは被害は一誠にいくなら魁斗としてはプラスである。何かの間違いでヴァーリが魁斗に突っかかってくる以外に問題らしい問題はなかった……その唯一の問題が対処不能なのが困りどころではあるが。
「……また転移か、今更戦力のおかわりか?もしかして引き留めるのが目的だったりするんかね?」
魁斗は流れ作業気味に敵を処理する中でいくらか離れた場所に空間の歪みを感知し、その目的を考察する。魁斗自身は個人戦力であって身は軽い物だが三大勢力側はそうではない。今この場にいるのは勢力のトップ層であり代えのきかない立場だ。この場に留めるのを目的として延々と戦力を投入する可能性は十二分にあり得るだろう。
「ん?ん?ん〜?えっ?何アレ?新しい個体?……つーか自己顕示欲強くね?」
魁斗の予想を裏切り敵の追加戦力はたったの一体、明らかにレイナーレが素体となったとは思えない異様さを持つ。ソレは全長50メートルを超える巨体を持つ女性体、まるでカテレアがそのまま大きくなった様な巨人が大地に舞い降りた。
◇
355:名無しの転生者
駆逐してやる!一匹残らず!
356:名無しの転生者
ウルトラ怪獣には巨人をぶつけるのは当然だよね!
357:名無しの転生者
光のって枕詞の重要性をご存じない?
358:名無しの転生者
図体が大きければ良いってもんじゃないと思われるが
359:名無しの転生者
一体くれ、滑り台を滑る夢を叶えるから
360:名無しの転生者
すいません、コレ一体だけの限定品なんすよ
361:実況
『殺しなさいファリーナ!偉大な魔王の子孫たる私の血を注いだ成果を今日!ここで!示すのです!!』
「……先祖が偉大なのとアンタがそうかは別問題じゃない?ちょっと期待度が下がったんだけど」
『貴様ッ!』
362:名無しの転生者
草
363:名無しの転生者
煽りは終わらないよ何処までもww
364:名無しの転生者
まあ元がカテレアかぁとはなる
365:名無しの転生者
現魔王の誰かなら期待出来るんだがな
366:名無しの転生者
どうせならリゼヴィム連れてこいよ
367:実況
「一先ずコレは効くかな?……流石にないか」【ガーゴルゴン】
(巨大故にペースは遅いが普通に効いている)
「何で出したこんな木偶の坊」
368:名無しの転生者
効くんか〜いw
369:名無しの転生者
いや元ネタでもそうだったけどさ
370:名無しの転生者
何か対策あって出てきたんじゃないのね
371:名無しの転生者
どうすんだよこの空気
372:名無しの転生者
所詮プライドだけは高い無能か?
373:名無しの転生者
いや、流石に何かしら考えはあるやろ
374:実況
『何もかも消し飛ばせ!ファリーナ!』
「◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️」
「うおっと!滅びの力を込めた咆哮か。これは中々効く。生身ならだけど」
375:名無しの転生者
ば◯おんぱは強いってポケ◯ンでみんな知ってるよね
376:名無しの転生者
ハイ◯ーボイスの間違いかな?
377:名無しの転生者
一応それより強い大技なのよ
強い奴には与えられてないだけで
378:名無しの転生者
スキン持ちに渡したら大惨事確定だからしゃーない
379:名無しの転生者
というか自身の攻撃で自壊してねw
再生力で補ってそうだから実質無料だが
380:名無しの転生者
脳筋解決やめーや
石化部分もまとめて消しやがった
381:名無しの転生者
周りの被害がヤバいわよ!
住宅街が消し飛んで範囲も広がってる!
382:名無しの転生者
ついでにレイナーレも軒並み消し飛んだのは草
でも雑魚狩り性能の高さはハッキリ分かったな
383:名無しの転生者
会談メンバーは流石に大丈夫か
結界的な奴の中に籠ってるけど
384:名無しの転生者
さてイッチはどうする?
385:名無しの転生者
敵は巨大な怪獣
破壊される町並み
そして我が身に宿る超常の力
386:名無しの転生者
つまり分かっているな?
387:名無しの転生者
俺達の期待に応えてくれイッチ!
◇
「おーおー、人事だと思って好き放題言ってくれるな」
ここで魁斗が率先して動き出す理由は無い。住民は避難済みで駒王町の修復も悪魔がちゃんとするだろう。取り戻しが効く物など気に留めず、時間をかけて敵の能力を分析するべきだ。
「ま、俺もバカな方でね。このシチュエーションにワクワクしてる」
だが、そんな理性的な考えを吹き飛ばす思いが魁斗を推し進める。生前から夢見たヒーローの一端、それが手に届く場所にある。巻き込む民衆もいない今やらない理由など無かった。
「順番は逆だがやらせてもらうか!!!」【ウーザ・ウル・ウガロ】
半人半馬の体が巨大な魔法陣を通り抜ける。その効果は単純明快な巨大化、見た目相応の重量を持った巨体が大地を揺り動かした。
アカネ「シャア!全部載せ!オール怪獣勢揃い……グリーザとかはダメだ!」
ルサルカ&MB技術部「最適化するよ。明らかに無駄な怪獣はオミットで」
金食い怪獣「そんな〜」
控えめに言ってチート装備ですが原作チートの魔獣創造で作ってるので許してクレベース。クソ燃費で上級クラスなら一瞬で干からびるし、魔王クラスでも使わない方が強い可能性あるよ。バカ魔力持ちな主人公専用装備です。
巨大化はしない……とは言ってないのでしまーす。いや、本当は予定に無かったんですがやりたくなったから仕方ないね。ファリーナなカテレアに合わせた組み合わせでファラ+リリーナになります。
書き溜めは出来ませんでしたが次回もお楽しみに。