魔王を倒したのにウマ娘世界に転生しちゃったカズマさん   作:はははのは

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カズマ、トレーナーになる
魔王倒したのに…


 体がフワフワして、なんだか心許ない。

 というか、何も見えないし聞こえない。

 

 ──そんな中、遠くから俺を呼ぶ声が聞こえた気がした。

 

 なんとなくそちらに向かってみる。

 そちらに行きたいと願うだけで、体が自然とそちらに向かった。

 夢心地というか、浮遊感というか。

 なんだろう、この不思議感覚は。

 

 呼ばれた気がした方へと向かうと、やがて目の前に、大きな光が──

 

 

 

 

 

「ようこそ死後の世界へ。私は、あなたに新たな道を案内する女神、エリス。佐藤和真さん、あなたはダンジョンの最下層において亡くなりました。──辛いでしょうが、あなたの人生は終わったのです」

 

 そこは、何回も見たことがある殺風景な白い部屋だった。

 

「すみませんエリス様、俺が爆裂魔法を撃ったあと魔王はどうなりましたか? まさか俺無駄死になんてことはなかったですよね?」

 

「……落ち着いて聞いてくださいね、カズマさん。魔王は確かに倒されました。ですが、カズマさんの体は至近距離で爆裂魔法を受けてしまい、その上ダンジョンの最下層なんてところで埋もれて死んでしまったものですから、如何せん蘇生できるような状態ではなく……言いにくいのですが今までと同じようにとはいかないんです。」

 

 エッ。それって非常にまずいんじゃ? 

 

「それって、俺はあの世界に戻れないんですか? あんなに頑張って魔王を倒したのに? それはさすがに困るっていうか……どうにかならないんですかね?」

 

 これで終わりなんていったらシャレにならないぞ。マジで。

 

「いえ、大丈夫ですよ。……カズマさんは今あの世界に体が存在しないので、流石に簡単には蘇生できません。いくら私でもそこまでのことをしてしまうと天界にバレてしまうので。」

 

 マジでまずいやつじゃん。どーしよ。

 

「……あれ? 簡単にはって言ったよな? ということは簡単じゃない方法があるってことですか?」

 

「ええ。カズマさんは魔王を倒されたので、なんでも1つ願いを叶えてあげられます。その願いで生き返りたいと願えば……」

 

「生き返れるってことですね! よかった! じゃあ、今すぐ俺のことを蘇生してください!」

 

「あー、えっと、すみません。今すぐは無理です。今のカズマさんは体を失った、いわば魂だけの存在。そこから体を生成するには多少時間がかかりまして……」

 

「ちなみにどれくらいですかね? まさか何年もかかるとか?」

 

「さすがにそんなにはかかりませんが、おそらく1か月くらいかと思います。」

 

 ……1か月か。結構長いな。というかアクアたちは大丈夫なんだろうか? 俺がいなくなって心配していないだろうか? 

 

「まあ1か月なら……あ、あとアクアたちは今無事ですか? できれば今の俺の状況を伝えてほしいんですけど。」

 

「先輩たちなら、魔王の側近たちを倒して、あなたの無事を祈っていますよ。ただ体の生成中は、私は天界を離れることができません。結構大変な作業ですので。先輩がここに来てくれればいいのですけど……」        

 

 まああの頭が残念な駄女神がそんなことを思いついて天界まで来ようと思えるか? 

 ……無理だな。

 

「あいつに死んだ魂はみんなここに来ることを思いついて確認しに来るだけの頭があるとは思えないしなあ。1か月何の連絡もなしっていうのもちょっと……」

 

「ま、まあ数日たったら先輩も来てくれますよ! ……多分」

 

「今はそれを待つしかないかー」

 

「あ、それとここにはカズマさん以外の死者の方たちも来られるので、体を作っている間は、魂を管理する天使の方にお客としてお世話してもらいますね。

 すみませーん、魂管理係のコルセアさーん! カズマさんの魂をお願いしまーす!」

 

 そうエリス様が言うとどこからか一人の天使が現れた。

 

「はいはーい! お任せくださいエリス様ー! ……えっとー、この人の魂ですね?」

 

「ええ、そうです。丁寧に扱ってくださいね?」

 

 元気がいいな。この子。でもなんだろうな、この不安は。あいつらと同じような感じがするぞ……

 

「ほんとに大丈夫なんですか? この子。なんか嫌な感じがするんですけど。」

 

「ええ。コルセアさんはこう見えても魂を管理する天使の中で一番偉いんですよ? ですから大丈夫だと思います……おそらく。」

 

「まあ、エリス様がそう言うなら」

 

 大丈夫だろう。……たぶん。

 

「お話は終わりましたかー? ところで、カズマさんは確か日本出身でしたね?」

 

「え、ああ。そうだけど?」

 

 どうしたんだろう急に。

 

「よーし! それじゃあ日本に生まれ変わり、元気で行って来てくださーい! そーれ!」

 

 コルセアはそう言うと、手から光を出して俺の体を包み込んでいく……

 え? 日本? 生まれ変わり? どゆこと? 

 

「ん? エリス様? 日本に転生ってどういう……」

 

 そういってエリス様のほうを見ると、青ざめた顔をして

 

「ま、待ってくださいコルセアさん! この方は生まれ変わるのではなく、天界にお客として居ることになっているんです! 何してるんですか!」

 

「え? 魂の管理と聞いて、てっきり生まれ変わるものだと思っていたんですけど……もしかして違ったり?」

 

「違いますっ! ああもう、話を何も聞いていなかったんですか!」

 

「えへへー……うっかり☆」

 

「うっかりじゃないですよもう……」

 

 やっぱりやらかしたな、この子。

 

「あのー、それより早く止めてくれませんか、この光。今にも転生しそうな感じがするんですけどー」

 

「ああ、もう止められませんよ?」

 

「「えっ」」

 

 俺とエリス様の声が重なる。

 

「どうやら力を込めすぎてしまったみたいで、、、もう無理です。」

 

「え? いや? マジで? どうしてくれんの?」

 

「あー、そのー、……すみませんでした! ですからそんな凶悪な顔をしないでください!」

 

「こんなことされて無理に決まってんだろ! ふざけんな! 

 ……って体が浮いてる! 待ってマジでどうにかしろクソが! なんで魔王を倒したのにこんな目に合わなきゃいけねーんだよぉ!」

 

 そんな俺の叫びもむなしく、俺の体はさらに上昇していく。

 

「あっ。転送先の世界、カズマさんの元居た世界と違うじゃないですか! 確かに日本はありますけど、並行世界ですよこれ! ていうか並行世界とかどうやってつなげたんですか!」

 

「えっへん、私力はありますので!」

 

「アクアといいこいつといい頭が残念なやつに強い力与えんじゃねえよ! クソがああああああ! お前今度会ったら絶対にパンツ剝いてやるからな! 覚悟しとけよ!」

 

「ヒェッ」

 

 …………この会話を最後に、俺の記憶は途絶えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、俺が次に気づいたときは……

 

「おめでとうございます! 元気な男の子ですよ!」

 

 ……赤ちゃんになっていた! 

 

 




今回ウマ娘はまだ出ません。
すいません。
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